two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

大坂なおみ、サーシャコーチとの関係を解消

朝から驚きのニュースが入ってきました。

大坂なおみがサーシャ・バジンコーチとの関係を解消し、しばらくコーチなしで大会を戦うというものです。

色々な記事が出回っていますが、この記事の内容がとても印象的だったので引用して紹介します。(日刊スポーツですから、いつもお世話になっている吉松さんの息がかかっていると思われます)

headlines.yahoo.co.jp

これを文字通り読むと、納得できる点と納得できない点があります。

まず納得できる点は、大坂がコーチ解消を決めた理由として、IMG担当者が代理で話した「今後、将来を見据えたときに、技術的な課題であるネットプレー、第2サーブの改良など、ステップアップをしたいということらしい」というものです(決断は大坂がしたようです)。

大坂の現在のプレーについて1stサーブ、ストロークは言うまでもなく、ここ数年でディフェンスやフットワークは極めて良くなったと思います。

しかし一方で、ネットプレーはまだあまり実戦でできてないというのもあり、2ndサーブは全豪決勝でクビトバに叩かれまくりました。改善の余地はあります。

ですから、新しい技術的なコーチを探すということは何も間違っていないし、前回全豪優勝時に書いた私のブログで「逆に考えれば、世界1位になってなお、まだまだのびしろがある。これは本当にすごいことではないでしょうか。彼女はセリーナの後継者として、WTAを引っ張れるだけの素質があります。プレーの強さもそうですが、人柄も含めてツアーのアイコンとなれる人物です。」と評しているように、まだまだレベルアップできると思います。

 

次に納得できない点ですが、サーシャコーチを外す選択でよかったのか?ということです。

簡単な話、新しい技術コーチを探しながらサーシャにもいてもらうということはできたはずです。
男子選手がそうであるように、各部門ごとに担当者、コーチと呼べるか呼べないか微妙な人まで含めてたくさんのスタッフがいます。

サーシャ氏と新しいコーチを両立させることは不可能ではなかったはずです。新しい技術コーチを招く際に、新コーチからサーシャは不要と言われたわけでもないのに、今の段階で離れるのは不可解です。

というのも、根底には大坂のメンタル面はまだ改善の余地があると思っているから、私はこの考えを提唱しているのです。

先ほど紹介した私のブログの前文に答えが書いてあります。

しかも今日の2セット目や他の大会で見られるように、正直まだメンタルは課題面だと思います

全豪の決勝第2セットでMPから崩れて、立て直して優勝したことでメンタル面を克服という論調も出てきましたが、そもそもピンチは迎えてしまったわけで、もう少し競った場面なら負けていた可能性もあります。本当にメンタルが強いなら、そんなピンチすら迎えていないはずなんです。

ということで、まだまだサーシャ氏の力は必要だと思っています。

 

ただ、外野が何を言ってももう決まってしまったようなので、見守るしかありません。
今後新コーチが見つかるまでは、大坂のメンタル面に注目です。

 

【week review】2019week6回顧

こんばんは。

引き続き連投です。

 

week preview(ドロー解説)ばかりやっていて、あまり週の回顧をできていないなあと思っていました。プレビューが土曜~日曜なのに対してレビューは月曜日~火曜日なので、時間的に書きにくいというのが理由ですが、できる限りやっていこうと思います。もうここからしか情報発信しないですからね。

 

ソフィア(ATP250、ハード)

ロシア勢に明暗が分かれました。第3シードで出たメドベデフが優勝となりました。
メドベデフ、強いです。初優勝から1年とわずかで4勝していますが、安定感もあり本当に強いです。あとは大きな大会での大きな成績が必要になってきます。全豪でもジョコビッチといい試合をしていましたし、時間の問題だと思います。

一方ハチャノフは初戦ベレッティーニに敗戦。そのベレッティーニは躍進。ベルダスコにも勝利してベスト4でした。

バウティスタ=アグーは心配。ロッテルダムも欠場となりました。

全豪後で注目となったチチパスはモンフィスに敗れてベスト8。もう少し見ていく必要がありそうです。

 

モンペリエ(ATP250、ハード)

今年もフランス勢がやりました。まずは大会の大きな話題となったエルベール。クドラ、イバシュカ、シャポバロフ、ベルディヒに4連勝して準優勝となりました。

これでエルベールは36位。久しぶりに単複両方トップレベルでこなせる選手が出てきました。ステパネク以来でしょうか。
3度目のシングルス決勝でしたが今回も優勝を阻まれてしまいました。次の目標はシングルス優勝でしょう。

そしてこの大会はベテラン勢の復活が光りました。ツォンガはアンベール、シモン、シャルディー、アルボット、エルベールを倒して優勝。実に1年4か月ぶりとなるツアー優勝で復活を印象付けました。

一時は260位台まで落ちたツォンガでしたが、これで140位。あとは加点していくだけで、ツアー復帰のランキングに到達するのも時間の問題です。

エルベールに敗れたもののベスト4と、開幕からベルディヒが好調を維持しています。今後も迷惑ノーシードとしての活躍が期待されます。

 

一方心配なのはトップ2シード、プイユとゴファンです。
この二人、決勝開始時点で、「優勝した選手に負けた選手の負けた選手…」と続けていったときに最後に残る「Wooden spoon」の候補選手でした。結果はゴファンに。勝った選手が調子が良かったわけではない、ということなので深刻でしょうか。

プイユはロッテルダムを棄権するほどなので病気の影響があったようですが、ゴファンはなかなか勝ちが続きません。来週は巻き返しがあるか。

 

コルドバ(ATP250、クレー)

大荒れの大会となりました。

WCで出場したロンデロがツアー初勝利(4回目の挑戦)。そのまま2回戦、QFと勝ち上がっていき、あっという間に優勝。トップ100入りを決めました。

25歳、チャレンジャーが主戦、GS本戦突破なしと、正直ニュースを聞くまで全く知らない選手でした。

そういえばコルドバの前身の大会にあたるキトではエストレラ=ブルゴスが3連覇。この大会だけ異様に強かったのですが、この週はそういう法則性でもあるのでしょうか。
ロンデロが次週のブエノスアイレスと来年で同じように活躍できるか注目です。
ちなみにコルドバは標高400m程度なので、そこまで高地とは言えないのですが…

 

シード勢は大苦戦。トップ4シードのうちフォニーニ、チェッキナート、カレノ=ブスタが初戦負け。特にカレノ=ブスタは全豪よかっただけにけがで棄権負け。ブエノスアイレスも欠場、リオ復帰も不透明。悔しい結果となりました。

 

 

1週目から初優勝者が出る面白い結果となりました。来週も一筋縄ではいかなさそうです。

【week preview】2019week7ドロー解説

こんばんは。

徳島から帰ってきたらぐったりしたので休みました。
私がいない間に関東は大雪に…大変でしたね。
といっても金曜の夜はひやひやしていました。雪で飛行機が飛ばなかった場合陸路で徳島に入ることも想定していましたが、何とか飛行機が飛んで事なきを得ました。

 

夜まで記事連投です。まずはweek previewから。

今週は欧州でロッテルダム、北米でニューヨーク、南米でブエノスアイレスと2月シリーズらしく各地で大会が行われます。

 

ロッテルダム(ATP500、インドアハード)

www.atptour.com

[1]錦織圭
[9]バシラシビリ
[4]ラオニッチ
[10]シャポバロフ

[8]ゴファン
[3]チチパス
[5]メドベデフ
[2]ハチャノフ

 

大会前から欠場が相次ぎました。まずはズベレフ。足首のけがです。チリッチはひざのけが。プイユは発熱。アグーはソフィアで病気にかかりそのまま欠場。そしてディミトロフは2月シリーズすべて欠場。ガスケは手術。キリオスはひざ。

2月シリーズで最もタフな大会になると思われましたが、多くの選手の欠場で普通の500くらいのドローに。といっても、面白いカードがたくさんあります。

[1]錦織はやや良ドローというところでしょうか。
初戦のエルベールはご存知の通りモンペリエで決勝進出。シングルスキャリアハイで、数字通りキャリアで一番いい時期だと思います。

昨日の決勝でツォンガがそうしたように、エルベールのフォアは危険でそれを避けるような展開が求められそうです。

2回戦以降は比較的楽か。もともとドローにいたシャポバロフがシードの棄権により繰り上がりシードとなり、ドロー変更がありました。QFも500優勝以外はぱっとしない[9]バシラシビリということで恵まれています。ここはソフィア決勝進出したフチョビッチもありうるか。

全豪ベスト8、復調気味の[4]ラオニッチはタフドローです。初戦がコールシュライバー、2回戦がワウリンカとペールの友人対決の勝者。さらにQFでは同胞[10]シャポバロフにベルディヒ、シモンが待っています。ベスト4までも一苦労と言った感じ。

錦織はこの準決勝以降が厳しい戦いになります。しかし、ベスト4でもother 6の関係で90pしか加点がないため、ここまで上がってきたら優勝が欲しい。

 

ボトムハーフは若手勢。[2]ハチャノフ、[3]チチパスにはトップ10入りがかかります。ハチャノフは2回戦でツォンガの可能性。ツォンガは完全復活と言っていい状態で、トップ10入りのための重要な一戦になります。

ソフィア優勝、今年中盤戦でのトップ10入りへ向けて快調に飛ばしている[5]メドベデフも順当ならまず上がってくるでしょう。何かとセットで語られがちなロシア勢二人の公式戦対戦成績は1-1です(ただし1試合はnextgenファイナル)。

チチパスのクォーターは[8]ゴファンを筆頭にモンフィス、ハース、セッピ、ククシュキンなど実力者、試合巧者が多く揃った骨のあるドローです。ここをきっちり勝ち切れるようなら本物です。

トップ10唯一の参戦となった錦織が一歩リードですが、上位シードを中心に500らしい選手層の厚さ。錦織は初参戦となるコートへのフィットという意味で初戦が大きなポイントになりそうです。

 

ニューヨーク(ATP250、インドアハード)

www.atptour.com

[1]イズナー
[7]トンプソン
[4]ミルマン
[5]マナリノ

[8]サングレン
[3]ジョンソン
[6]クエリー
[2](WC)ティアフォー

 

アメリカ勢始動。北米マスターズに向けて気合を入れていきたい。

昨年優勝のアンダーソンはけがのため欠場。昨年ベスト4の錦織はロッテルダムへ。前身に相当するメンフィスから通算して、過去の優勝者はハリソンのみ。初優勝者が出そうです。

また北米回りとなったデミノーも欠場、残念です。

 

全豪では力を出し切れなかった[1]イズナーは仕切り直し。マイアミまでに失効のカバーは必須です。先週はなんとチャレンジャーのダブルスに出場しました(棄権勝ち後の初戦で敗退)。序盤のドローは悪くないです。

悲願のATPツアー初優勝へ、[4]ミルマンは初のATPツアー上位シード。このクォーターは昨年ベスト4の[5]マナリノ、ダラス準優勝のマクドナルド、全豪でイズナーに勝ったオペルカと厳しいクォーターです。

第3クォーター注目はWCのリン。名前からラオニッチ同様移民系の選手と思われますが、カナダの選手がWCということで、おそらく今後来るのではないかと思います。楽しみです。

全豪ベスト8、話題を作った[2]ティアフォーが初戦。このブロックも厳しく、昨年準優勝の[6]クエリー、インドアでは怖いカルロビッチとメンバーがそろっています。クエリーはここでポイントを稼げないとトップ50陥落です。トップ10も見えていた時期もそう昔ではなかったのに…

イズナーとティアフォーの二人が中心。創設2年目、地元勢の優勝なるか。

 

ブエノスアイレス(ATP250、クレー)

www.atptour.com

[1]ティー
[5]ソウザ
[4]シュワルツマン
[8]ジャズーリ

[6]ジャリー
[3]チェッキナート
[7]ラジョビッチ
[2]フォニーニ

 

全豪後から休んでいた[1]ティームが復帰戦。
このクォーターはQFに注目。安定感のある[5]ソウザに加え、今週のコルドバ優勝者、(SE)ロンデロが入りました。あっという間にツアー優勝しましたが、実力はまだまだ未知数。今週の結果は注目です。

そして今週はこの人に注目。引退が間近に迫っている(WC)フェレールの今期初戦。相手は[8]ジャズーリです。ポイントは引退原因となった足。クレーの長いラリーに耐えられるかどうか、引退試合になるマドリードに向けても結果が気になります。

ダニエルは初戦カルバエス=バエナと。得意のクレーで勝ち星を重ねたい。デ杯の足のけがはけいれんによるもので問題なかったようで、早くからアルゼンチンに入ったようですし、楽しみです。

地中海、南米勢がドローの大多数を占める中、ひときわ目を引く(WC)アリアシムはWC参戦。クレーはそこまで得意なように見えませんが、この選択がどうなるか。

先週のコルドバはベスト8にシードが2人しか残らない大荒れの展開となりました。今週はティームが収められるか。早期敗退だと今週も大荒れかもしれません。

 

 

今週はあまり試合見れないと思います…それでは。

【week preview】2019week6ドロー解説

こんばんは。

どんどん連投します。

さてweek previewですが、現行のブログフォーマットでは、全選手を記載するとドロー解説が長くなり読みにくくなるという風に私が読んでて感じたのと、実際書くの結構時間かかるので、今後ドロー解説のドロー表はATP公式へのリンクページを貼ったうえで、シード選手のみの記載とします。

 

今週からいわゆる「2月武者修行シリーズ」に入ります。

4週間にわたり世界中で12大会。500も4大会あります。

全豪で好スタートを切った選手は次戦続けられるか、失敗した選手は軌道修正の意味合いがある時期です。

また今後更新予定ですが、錦織はクレーシーズンの4位に向けて重要な位置づけとなる大会です。

正直、シードの恩恵で差が出るのは1~4シードまでで、1位でも4位でもほぼ同じ条件になります。4位の選手が2位になっても、押し出されたもともと2シード(2位)の選手が3シードになるだけなのでほとんど変わりないです。QFまでのドローも理論上は同じですから、上位大会で4シードの確保が最大の目標となります。

 

今週は250が3大会、新設されたコルドバ、ソフィア、モンペリエです。

2月1週目のカギはデ杯勢。例年この週はデ杯出場後移動してツアーに出た選手の成績が落ちます。

しかし今回から3セットマッチ、土曜日には必ず終了し負担軽減となりました。もしかすると、この傾向が変わるかもしれません。

今回に限り、選手の横にDCをつけました。この表記がある選手はデ杯から連戦組です(メンバー帯同し、試合に出場していない場合も含む)。

 

コルドバ(ATP250、クレー)

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[1]フォニーニ
[6]ジャズーリ
[3]シュワルツマン
[8]ペリャ

[5]ジャリーDC
[4]カレノ=ブスタ
[7]マイヤー
[2]チェッキナートDC

 

南米クレー街道の初戦です。

今年からキトに代わってアルゼンチンのコルドバで開催となりました。

ここはシード勢にデ杯出場勢が少ないです。アルゼンチン、スペインといったデ杯のなかった国の選手が多く名前を連ねています。

悲願のトップ10入りに向けて[1]フォニーニの挑戦は続きます。序盤のドローは良さそうです。

迎え撃つはアルゼンチン勢、[3]シュワルツマンと[8]ペリャです。昨期トップ10も見えたシュワルツマンはポイントを伸ばしきれず、リオ500の失効が迫っています。30位付近の争いに飲まれないためにも母国の大会で大きな結果が欲しい。

逆山ではデ杯にメンバー登録されながら出場しなかった[2]チェッキナートの動向が気になります。

チェッキナートも全仏ベスト4の失効までに稼いでおきたい。

デ杯勢ではチリを本戦に導いたエース[5]ジャリーの活躍に期待。チリに大会がない今、実質ホームの大会でどこまで躍動できるか。移動もあまりないのもプラスです。

大会は混戦です。ティームが出場を断念した今週、チャンスを掴めるのは誰でしょうか。

 

 

ソフィア(ATP250、ハード)

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[1]ハチャノフDC
[6]ベルダスコ
[4]バウティスタ=アグー
[8]セッピDC

[5]バシラシビリ
[3]メドベデフDC
[7]モンフィス
[2]チチパス

 

東欧の選手が揃いました。地元のディミトロフは出場なし(現在けがですが、もともとエントリーしていなかったようです)。

デ杯組の[1]ハチャノフ、[3]メドベデフが上位シードです。この大会はノーシードにもデ杯勢が多数。イストミン、ベレッティーニ、バシッチ、クリザン、ハース、ククシュキンです。

全豪ベスト4、一気にトップ10も見えた[2]チチパスは初戦です。中1週と時間がありませんでしたが、ナダル戦の大敗のショックから立ち直れるか。
一発はある選手です。あとは継続的な活躍が必要になってきます。

インドからの大移動、サーフェスチェンジとなった[8]セッピは対応できるか。

フランス勢が集結しているモンペリエをわざわざ回避して乗り込んできた[7]モンフィス、そしてクレー街道ではなくハードを選択した[6]ベルダスコも不気味。

さらに全豪ベスト8とこちらも大躍進の[4]バウティスタ=アグーも気になる。

そしてこの人、迷惑ノーシードのワウリンカです。
ワウリンカは2回戦でベルダスコと当たるドロー。以上のことからも、特にトップハーフは250としてはかなり熾烈なドローになりました。

混戦です。シード勢を中心に、誰が勝ってもおかしくないです。

 

 

モンペリエ(ATP250、ハード)

www.atptour.com

[1]プイユ
[5]コールシュライバーDC
[4]シモン
[6]シャルディー

[7]エルベール
[3](WC)シャポバロフDC
[8]ペール
[2]ゴファン

 

毎年のことですが、フランス勢が集まる大会。今年はシードに5人、大会全体で7人とノーシード勢が少ない印象でしょうか。

注目は全豪ベスト4、モレスモをコーチに迎え、勢いのある[1]プイユです。

プイユはここ最近500以下の成績の方がいいです。地元大会できっちり結果を出せるか、全豪がフロックでなかったことを証明する意味合いでも大事な大会です。
初戦はデ杯組のベセリが濃厚、その後デ杯組の[5]コールシュライバーと続きます。

フランス勢が集まる第2クォーターは復活途中のツォンガに注目。上位ラウンドに上がってくる可能性も十分です。

全豪で死闘を繰り広げたカルロビッチはインドアハードへ。開幕から好調を維持しています。もしかすると復活劇もあるかもしれません。

[3]シャポバロフはデ杯クレーからの連闘。WCをもらっているということは問題なくこなしてくるのでしょうか。

[2]ゴファンはきっかけを掴みたい。昨年目のけがで離脱した時期に入ってきます。こんなランキングに甘んじる選手ではありません。復調の兆しが見える大会にしたいです。

全豪ベスト16で完全復活も近いベルディヒは2回戦でペールと当たる位置。ゴファンの調子が悪ければこの人が上がってくるでしょう。

 

プイユを中心に回りそうです。現在フランス勢は大会がなかった2011年を除いて2005年から13年連続準優勝以上の成績を挙げています。今年も継続なるか。

 

 

今週は早くも全豪活躍勢の出場が目立ちます。
シーズンを占う、グレード以上に重要な1ヶ月がいよいよ始まります。

デ杯予選ラウンド回顧

こんばんは。

結局土曜日は全休、日曜の朝まで休みました。

このブログでもお伝えしておきますが、来週は徳島、再来週は愛知、その翌週は仙台にいます。2/11を除き、全休と言える日がありません。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません、引き続き発信活動が十分とは言えない時間が続きます。3/8までの辛抱です。

 

さてその3月8日はさいたまスーパーアリーナWake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~ です

現在プレイガイドや一般先行でチケット発売中です。
#3月8日はSSA ←ファン内で広がっているやつ
#itstimetowin ←私の今年のスローガン
なにとぞよろしくお願いします。軽率に、どうぞ軽率に来てください。後悔することは100%ありません。錦織×フェデラーに並ぶような素晴らしいものが見れます。

この宣伝もあと一ヶ月です。最後なんで、こればっかりは宣伝させてください…

 

記事更新連発ですが、まずはデ杯回顧です。今回は予選ラウンドのうち、日本戦を除いた11タイについて振り返っていきます。

 

ブラジル1-3ベルギー(ウベルランジア、クレー)

ブラジルはホームでベルギーを迎えました。
先ほどの記事で書いた「ホームチームがアップセットを起こす」可能性が十分に考えられたカードでした。

ベルギーはゴファン不在。ブラジルが得意のクレーで躍動すれば逆転もあると思っていました。

初日を1-1で折り返し、匂いの漂っていたブラジルの大誤算はダブルス。メロ/ソアレスがなんとストレート負け。これで後がなくなったブラジルですがモンテイロが挽回できず敗戦。大きなチャンスを逃しました。

ベルギーはゴファン不在で本戦へ。ダルシスもいない中での本選進出は価値があります。2勝したコペヤンスの今後に期待です。

 

ウズベキスタン2-3セルビアタシケント、インドアハード)

ウズベキスタンホームで迎えたこの試合も大きくもつれました。
初日セルビアが2連勝。決まったかに見えましたが、3連投となったイストミンが奮起。3、4ラバーで連勝し最終ラバーへ。

最終ラバーもファイナルセットまでもつれましたが、最後はクライノビッチがベーグルで決め、マドリード行きを決めました。

セルビアとしては相当厳しい戦いでした。本戦にジョコビッチは出てくるのでしょうか?

 

オーストラリア4-0ボスニアヘルツェゴビナアデレード、ハード)

戦前予想通り、オーストラリアがスイープアウト。完勝でした。

ミルマン、デミノーが確実に勝利し、ダブルスでもヒューイットを使わず勝利。ボスニアは頼みのジュムールがランクを落とし、力が足りなかったでしょうか。前身ルールから含めて初の本戦へ、来年こそ進んでほしいです。

 

インド1-3イタリア(コルカタ、芝)

インドがホームアドバンテージを活かし、芝コートを用意しました。インドにとって最高の条件と言えるでしょう。

苦戦も予想されましたが、芝巧者のセッピがそれを許しませんでした。ダブルスではお家芸のインドが勝ったものの、シングルスで力不足。イタリアが確実に勝利をものにしました。

それにしても、芝ベスト4経験あり、1番手のチェッキナートが干されているんですが、何があったのでしょうか…

 

ドイツ5-0ハンガリー(フランクフルト、インドアハード)

(ズベレフが出れば)本戦優勝候補のドイツがハンガリーを寄せ付けませんでした。

ズベレフ、今のところNAF優先ですが果たして出るのか出ないのか…

 

スイス1-3ロシア(ビール、インドアハード)

スイスはラクソネン、ダブルスで粘りましたが総合力で上回るロシアを破ることができず。フェデラー、ワウリンカの出場もなく、2014年優勝のポイントがなくなることで今後厳しくなります。新たなスターの誕生なしに、しばらく上位進出は厳しいでしょうか。

さてそんなスイスチームに明るい話題が出ました。ジェローム・キムという選手が15歳11ヶ月で出場。なんとダブルスで勝利しました。試合を見れなかったのでよくわかりませんが、今後の活躍に期待です。

 

カザフスタン3-1ポルトガル(アスタナ、インドアハード)

デ杯のカザフスタン、健在です。

ダブルソウザ、エリアス擁するポルトガルに勝利。デ杯男ククシュキンが2勝。ソウザとのエース対決を制して本戦に進みます。

ホームでなくなることでカザフスタンのデ杯の力が発揮されなくなるのかどうか、本戦は注目です。

 

チェコ1-3オランダ(オストラバ、インドアハード)

決定打を打てる選手が不在。もつれると思いましたが、やはり初日は1-1で折り返し。

大きく動いたのは第3ラバー。ロソルとベセリを投入したチェコに対し、オランダはハースとロジェ。大接戦となった試合はファイナルセットタイブレーク9-7でオランダ。天王山のダブルスを制します。この激戦の影響か、ベセリが第4ラバーに出れず、メンバー交代になっています。

典型的な、ダブルスの結果がそのまま試合に影響したタイでした。

チェコはインドアハードの選択がどうだったのでしょうか。クレーでもよかったのではないかと思います。

 

コロンビア4-0スウェーデンボゴタ、クレー)

コロンビアが史上初となるデ杯最上位グレードへの進出を決めました!!!

日本戦で初挑戦して以降何度も跳ね返されてきた入れ替え戦グレード。今回はホームでスウェーデンと、最大のチャンスでしたが活かしました。

ヒラルドもトップ30にいた全盛期から落ちてしまい、ファリャも引退。WG進出の道は閉ざされたかに思いましたが、前戦のブラジル戦から神がかり的な生還で2月シードを確保し、今回の勝利につなげました。

スウェーデンはイメール兄弟が不発。頼みのダブルスも機能せず、悔しい敗戦になりました。将来的に本戦常連国になる国です。かつての王国復活に期待です。

 

オーストリア2-3チリ(ザルツブルグ、クレー)

ティームが出場を表明していたこの2月タイでしたが、全豪の体調不良の影響で辞退。本戦でも勝ち上がれる力を持っていたオーストリアはまさかの敗戦となりました。

ダブルスではきっちり勝ったものの、シングルスで3敗。チリはエースのジャリーが2勝し、責任を果たしました。

そしてかつてF・ゴンザレスらとともに世界の頂点を目指し、現在チリの監督になっているマスーがこのリアクションです

 本戦でも楽しみな一ヶ国です。

 

スロバキア2-3カナダ(ブラチスラバ、クレー)

カナダはネスターが引退、ポスピシルが不在となり、若いシャポバロフとアリアシムの2人で回すベルディヒ・ステパネク方式を取りました。

案の定ダブルスを落としピンチとなりましたが辛くも逃げ切り。本戦でラオニッチが戻ってくれば上位進出もうかがえます。

スロバキアはクリザン3連投が実らず。あと一押しが足りませんでした。

 

これにより、デ杯本選進出18ヶ国は

クロアチア
フランス
アメリ
スペイン(以上昨年ベスト4)

イギリス
アルゼンチン(以上WC)

オーストラリア
日本
カザフスタン
チリ
カナダ
コロンビア
ロシア
ドイツ
イタリア
ベルギー
オランダ
セルビア(以上大陸勝ち上がり国)

となりました。

本戦は3ヶ国6つのグループに分け、各組1位6チームと、2位の中で上位2チームの8チームが決勝トーナメントへ。3位の中で下位2ヶ国が次回予選に出場できない?ようです。

ちょっとルールをまだ正確に把握できていませんが、本戦の組み分け結果が自分以外2ヶ国しかないので、かなりドロー運に左右されます。

シード状況などは確定しないとわかりません(そもそも、ランキングシステムはどうなっているのか?全く追いつけていません)。2/14にドロー抽選があるらしいので、じきにシードがアナウンスされると思います。

雑な計算ですが、今回の1stタイ開始前で日本以下のランキングの国、コロンビア、ロシア、オランダ、チリを上回り、カナダより日本の方が上に行きそう(あくまで2015年2月の日本戦のポイントが失効することが前提)なので、たぶん日本は13番手。はい。一番下のシード帯です…

これってもしかしてウズベキスタンが勝っていればシード帯上だったのでは

たらればはやめましょう。

失効から想定されるシード帯は

1グループ→クロアチア、フランス、アルゼンチン、ベルギー、イギリス、アメリカorスペイン

2グループ→アメリカorスペイン、セルビアカザフスタン、ドイツ、イタリア、オーストラリア

3グループ→日本、カナダ、コロンビア、ロシア、オランダ、チリ

です。ある程度信頼度高いですが、間違ってても文句言わないでください。

シード帯が出てから再度議論ですが、マレーが不在濃厚のイギリス、ゴファン不在の場合のベルギーがやりやすそうでしょうか。フランス、クロアチアは絶対に避けたい。

2グループはあくまで補正がかからないことが前提のカザフスタン、ズベレフでない前提のドイツがやりやすそうでしょうか。避けたいのは層の厚いオーストラリア、スペイン、アメリカです。

計算が間違っていた場合日本が第2グループに入りますが、その場合の第3グループを吟味すると、コロンビア、チリがやりやすそうでしょうか。カナダ、ロシアは絶対に避けたい。

こう見るとどこでも結構タフですね。錦織が出た前提でどうか、といったところでしょうか。
五輪出場要件があるとはいえ、NAF出場後に出れるかって100%じゃないと思うんですよね。

まさにアウェーの洗礼、将来へつながる大きな勝利(デ杯WG予選ラウンド)

厳しい戦いでしたが、日本デ杯チームが11月のデ杯本戦への進出を決めました!!!

 

戦前の予想では日本チームの3連勝という見立てもありましたが、2つの大きな誤算がありました。

まず1つ目がアウェーの洗礼でした。

今回は日本チーム久しぶりのアウェー。錦織加入後、これでもかとホームが続き、特にここ7年(12年の1つ目のタイ含む)でホームアウェーは今回の中国戦を含んで12-4。カナダ、コロンビア、イギリスで3連続アウェーが続いた以外はすべてホームでした。

そのうち、この時のアウェーを経験したメンバーはダニエル、西岡、内山で、西岡はいわゆる「捨てダブルス」のみ。デ杯と言えば有明や靭で応援する、というのも悪い意味で定着してきていた矢先の今回の中国遠征でした。

 

中国チームはきっちり準備していました。今回のデ杯に焦点を合わせてきました。世界ランクトップ100なし、ダブルスのスペシャリストも「見た目上」なし。ツアータイトル経験ありを単複ともに2名ずつ揃える日本に勝つには相当な何かが必要でした。
しかし「ホームである」ことで、一気に可能性が開きます。

私見ですが、デ杯で大きなアップセットが起きるときに、アップセットを起こす国がホームである確率は、5割をはるかに超えていると思っています。

日本ホームが続き、ホームの恩恵を感じることが難しいですが、実際日本ホームの時に吹く神風のようなものはあると思います。

逆に中国は今回それを活かしました。高速コートに日本勢が手を焼く中、プレーがベストフィットしたリー・ジェが大きく立ちはだかりました。

初日は見れませんでしたが、2日目の結果から言っても、西岡が対応する前にあっという間に試合が終わってしまったというのが正直なところでしょうか。

第2ラバーのダニエルも危なかったと思います。結果はストレート勝ちですが、ポイント推移を見ると1セット目2ブレークダウンもありえたとのことで、そこを踏ん張ってタイブレークを取り切れたことが勝因でしょうか。

初日はまさかの1-1になりましたが、中国2-0でもおかしくなかったし、何とか日本が2日目に望みをつないだような結果でした。

 

そして2日目。最大の誤算はここでした。
おそらくテニスファンがもっとも堅いと思っていたダブルスでMPからの敗戦。ショックが隠し切れず、実際多くのテニスファンが日本の勝利は厳しいと思ったでしょう。私も思いました。

正直、デ杯で最もよくある、天王山のダブルスという大一番でホーム下位国が勝利。これによって、アップセットが起きる条件は満たされました。

 

ではなぜ日本ペアは負けたのか?ということが気になってきます。
私の考えとしては、実はデ杯のダブルスは確実にダブルス専門か経験者がいないと勝ちにくいのですが、一方で有力なダブルス専門を揃えても必ず勝てるとは限らない、というのが理由ではと思います。

意外に思うかもしれませんが、フェデラー/ワウリンカのダブルスのデ杯成績は3-4です。ブライアン兄弟の成績も勝率8割台と取りこぼし、カバル/ファラーも10ー6。

どうしてこうなるのか?というと、ダブルスには目に見えない不確定要素があるからです。
まず有力ペア以外にもダブルス専門を集めた即席ペアが機能する可能性があるということです。
また現在のATPツアーのダブルスは、ツアーレベルでメンバー寡占状態になっているため、ランキングがあまりあてにならないということです。
そしてこれが如実に出るのが、ツアーレベルには足りないものの、チャレンジャーをコンスタントに回っているダブルスペア。今回は中国ペアがこれに当てはまりました。

一方日本ペアはマクラクランの主戦のシュトルフがドイツ国籍のため、内山との急増ペア。この差が出ました。

試合を見ていて思ったのは、積極性の欠如でした。これは、全豪終了後急ピッチにコンビネーションを確認せざるを得なかったためではないかと思います。動きのあるプレーは、連携が取れていないと難しいです(例えば、空きスペースを無意識に作ってしまい、そこに決められてしまうから)。

実際試合でよく見たのが、ベンのストロークが強くないため、無理に内山がカバーしてほとんど二人が同じ場所にいるようなパターンです。結果内山が強引に相手を弾いてポイントにしていましたが、相手がラケットに触れられたら失点でした。リスク管理としては不適切なように思いました。

あと最近ベンがちょっと不振のように思います。以前どこかのインタビューで「研究されるようになり、思うように勝てなくなった」(ソース不明で申し訳ないです…)と言っていましたが、勝っていたころのいいプレーが出なくなっています。
また昨日はサービス不振でした。ベンは今のところダブルスの要素の中ではサーブが軸になる選手。1stの確率が悪く、楽にプレーができなかったのもよくなかったです。

それでもなんとかダブルスの基本を貫き、MPまで行ったのでチャンスはあったと思うのですが、全体的にあと1ポイントが遠い一日でした。そのまま流れを引き戻すことができず、中国ペアの勝利。

 

残りシングルスは上海MSで錦織にひと泡吹かせたウー、さらに初日快勝のリーで、この段階で中国チームの勝率は5割あったのでは?と思います。

ここからはシングルス勢の巻き返し。日本のダブルエースが意地を見せました。

まずは西岡。前戦の最後でMTOを取ったこともあり、綿貫に交代するのでは?と思っていましたが、決死の出場。しかしこの采配が見事的中する形になりました。

ちなみに私が監督なら綿貫にしていたと思います。ダニエル以外で全員負けたらチームの負け。仕方ないと思って出したと思いますが、たぶんそうなっていれば結果は違っていたのではないでしょうか。

ウーは緊張していました。上海MSで出したような本来のプレーができず、自分からUEを量産していきました。それに対し、西岡は自分のテニスを貫き、相手のミスをしっかり待って自滅を誘いました。

印象的だったのは、大きくリードした場面でも表情を変えることなく、高い集中で臨んでいた西岡です。初日の負けを取り返すという強い気持ちが見えました。自分のミスに対し何度も憤りを感じていました。この西岡なら負けない。頼もしさすらありました。

結果大差での勝利。切り札を使用した中国は結果的にメンバー交代があだに。初の入れ替え戦(に相当するグレード)、勝てばマドリード行き。ウーのプレッシャーは相当なものでした。

終戦は初日勝っているリーとダニエルの一戦。

厳しい戦いになりました。
正直どっちが勝ってもおかしくありませんでした。3セットマッチになったデ杯ですが、5セットマッチ時代の緊張感そのまま。1ポイントの趨勢を見守る戦いが続きました。

ダニエル、本当に強くなりました。この日のリーは初日の勢いそのまま。最後まで落ちませんでしたが振り切りました。最後はけが寸前というところまで追い込み、日本チームを勝利に導きました。

2015年コロンビア戦といい、ダニエルの第5ラバーは本当に強いです。
添田から日本デ杯男の称号が引き継がれた瞬間ではないでしょうか。

11月に出ることがあれば、日本チームの大躍進に欠かせない存在になりそうです。

正確なレギュレーションを確認してませんが、日本チーム2番手の活躍は引き続き日本チーム躍進の必要条件。ダニエルの今後に期待です。

 

今回、勝利しながらも今後のダブルスへの向き合い方など大きな課題が残りました。勝ってなお学ぶこと、レベルアップが必要なことがたくさんあります。

しかし、今回をWG入れ替え戦のグレードと同義とするならば、またシングルス錦織抜きで勝つことができました。ウクライナ(錦織ダブルスには出ました)、ブラジル、ボスニアヘルツェゴビナ、中国と強力国相手にです。

日本テニス、強いです。
引き続き条件がかみ合えばデ杯上位進出の可能性があります。
今年出れないとかなりその扉は閉ざされるところでした。ポイントを失い、今後2月の試合にノーシードで出ると、勝てるものも勝てなくなります(日本チームのドロー運だし…オーストラリアとかドイツ引きそう…)

本大会で勝ち、シードを維持しながら勝負できる年に勝負する。ここから3年、錦織が元気なうちに見たことのない景色が見れる、そんな姿を期待したいです。

大坂なおみ、グランドスラム2勝目!!!

ちょっと遅めの速報です。

先ほど女子シングルスで大坂なおみが優勝、GS2勝目を手にしました!!!

 

まず試合から振り返っていきましょう。
勝ったら世界1位、負けても日本人史上シングルス最高の2位という条件でクビトバとの対戦でした。

1セット目はじりじりする攻防でした。お互いにBPを握りながらあと一歩が届かずタイブレークへ。
タイブレークは素晴らしい攻防でしたが、サービスポイントでミスがなく、リターンエースとパッシングショットでウィナーを決めた大坂に軍配。1セット目を取ります。

男子で5セットマッチ決勝の1セット目タイブレークだと「始まったな」くらいにしか思わないし、まだまだ試合の序盤に思えますが、3セットマッチの女子ではいきなり試合のピーク。取った方が王手をかける場面で大坂は完璧なプレーでした。
クビトバもそこまで悪いわけではなかったです。まだまだもつれそうという1セット目でした。

2セット目、少しずつクビトバのプレーを攻略していった大坂。次第に主導権を握ってブレーク。さらに5-3相手サーブの0-40。3CPを迎えました。

しかしここからクビトバの本領発揮。全く動じず、むしろ決めに行こうとわずかに焦った大坂に少しだけほころびが出ました。キープすると、次のサービスゲームSFC)でした。セカンドサーブになった1ポイント目を見逃さずにリターンエース。この日のクビトバはセカンドサーブをよく叩けていた。ここを土壇場でブレークバックすると、明らかにメンタルに影響した大阪が崩れ、ほとんどポイントを取れずにセットオールになります。

 

正直、相当きつかったと思います。1度目のGS決勝が不思議な終わり方をした大坂にとって、今回は2度目のGS優勝のようでいて、GS優勝をやり直すような意味合いのある試合でした。

転機となったのはファイナルセット第2ゲーム。まだ立ち直れているかは微妙でしたが、何とかサービスキープ。ここを踏ん張れたのが勝利のポイントだったのではないでしょうか。逆に言えば、クビトバはここで一気に決めたかった。キープすると、次第に大坂のショットに伸びが出てきました。

そして次のゲームでブレーク。あっさりと。DFを見逃さなかった形です。

これもそこまでクビトバが悪かったわけではありませんがブレーク。見事です。GSを取る器と言っていいでしょう。

そして奇しくも7ゲーム目はダブルブレークを逃した形になり、ほぼ第2セットと同じ形になりました。相当メンタル面を試される場面でしたが、2度目はありませんでした。

迎えた2度目のSFC、1ポイント目をサービスエース。最初のSFCでセカンドを狙われたところから、きっちり修正してきました。この最初のサービスポイントで、私も勝利を確信しました。

最後は大坂らしい押し切ったサービスポイントでゲームセット。2度目の優勝にして、1度目の優勝とは全く違った、正当に決勝の試合が評価された優勝となりました。

 

これで大坂はGS2勝目ですがこれは間違いないでしょう、通過点の1勝です。
まだまだ勝てると思います。盛っているわけでもなんでもなく、今後大けがさえなければ二ケタ行けるのではないでしょうか。それほど強いです。

根拠としては、すでに全豪全米を勝ち、サーブのいい大坂はじきにWBでも優勝すると思います。全仏はまだ未知数ですが、キャリアGSの可能性も極めて高いと思います。
どこからでも優勝できるでしょう。

というのも現在の女子テニスはセリーナの出産後群雄割拠。まだこれと言った女王の存在がいない状態です。
そんな中、21歳の大坂があっさりと2大会連続優勝。しかもその勝ち方もすごい。勢いがあった全米はキーズ、セリーナに勝利。今大会は優勝候補に推される中でスーウェイ、セバストワ、スビトリーナ、プリスコバ、クビトバに5連勝。本当にすごい(語彙力なし)。

しかも今日の2セット目や他の大会で見られるように、正直まだメンタルは課題面だと思います。

しかし逆に考えれば、世界1位になってなお、まだまだのびしろがある。これは本当にすごいことではないでしょうか。

彼女はセリーナの後継者として、WTAを引っ張れるだけの素質があります。プレーの強さもそうですが、人柄も含めてツアーのアイコンとなれる人物です。

 

そしてこちらにも触れておきましょう。クビトバのカムバックです。

クビトバはご存知の方も多いと思いますが、強盗に襲われ、手をけがしたところから奇跡的なカムバックで戻ってきました。
けがの段階ではテニスの復帰は厳しいという見方もあった中、ついに来週世界2位になります。
惜しいのは今回クビトバが1位になれなかったことです。WTAのポイントシステムをよく知らないのですが、大坂のIW優勝が失効した段階でクビトバが1位になるチャンスはないのでしょうか…

 

明日は男子の決勝です。ジョコビッチナダル、準決勝は上がってきた非BIG4の2名をそれぞれ一蹴。マスターズではもう簡単に優勝を許すようになってしまいましたが、GSではBIG4というのは今回も健在です。

ジョコビッチナダルと言えば7年前の決勝。史上最長決勝となったあのゲームを思い出します。意外なことにBIG4同士のGS決勝カードは2年前の全豪以来8大会ぶり。今日の女子決勝を塗り替えるような素晴らしい激闘に期待したいです。