two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

死のB組は吉と出るか凶と出るか?2014ツアーファイナルズ組み分け展望

おもしろい組み合わせになりました。

実はツアーファイナルズの組み分けってジョコビッチをAグループ、フェデラーをBグループに固定したときにわずか8通りしかないんですよね。

その中でも面白いほうの組み合わせになったと思います。

昨日の速報コメントでも書きましたが、明らかにB組のほうがきついです。今のマレーは非常に危険な選手です。

しかし忘れてはいけません。日本以外の国の反応は「こっちに錦織か、これはマレーフェデラーも危ないぞ」です。

海外ではビッグサーバー嫌いの人が一定数いらっしゃるのでラオニッチの評価はあまり上がってませんが、正直パリの状況なら止められなくなったらラオニッチも十分です。

さて組み分け展望に入る前にこの格式の高いツアーファイナルズの大会概要を説明しておきましょう。

創設…前身まで含めると1970年、今年は第45回です。

以前はグランドスラムカップというものもあり、GS上位進出者だけのトーナメント大会もあったようですが、ランキングポイントに反映されないのと、ITF(国際テニス連盟)主催だったこともあり(ファイナルはずっとATP(男子プロテニス協会)主催)、いろいろごたってたようです。

ちなみに驚きの事実ですが、1970年の第1回大会は東京で行われました。私も調べて初めて知りました。

ザ・マスターズ→ATPツアー世界選手権(第21回、1990~)→マスターズカップ(第31回、2000~)→バークレイズ・ATPワールドツアーファイナルズ(第39回・2009~)と名称が変わっていますが、その役割が「上位8人による真の世界一決定戦」であることは昔から一度も変わっていません。

出場者の顔ぶれを見て分かりますが、8人にはコンスタントに1年間活躍しないと入れないため、小さな大会で勝つことよりも名誉で、GS優勝と同じようにエントリー自体が選手の目標にされる大会です。

もちろん今年の錦織圭はその出場者の資格に十分足りています。

今年は優勝4回、うち500のタイトルが2つ、さらに全米で準優勝、マドリードでも準優勝で他のマスターズでベスト4が2回。

こう並べると本当に素晴らしい成績ですね。あとはGSやマスターズの優勝のみといった感じでしょう。

さて冠スポンサーがバークレイズ(欧州サッカーが好きな方はご存知ですよね)になってから会場もロンドンに移され、エンターテイメント性がかなりアップしているのも特徴です。

会場のO2(オーツー)アリーナはもともとはコンサートなどの総合施設。照明設備なども完備しており、パリでのライトアップ以上の盛り上がりになります(実際に試合見てもらった方が早いと思います)。期間中だけの特設ハードコートで戦い、収容20000人の大きな会場が毎日満員になるまさに「テニスのお祭り」です。

見る方としても非常にありがたい仕組みになっていて、全ての試合の開始時間は決まっています。事前にオーダーオブプレーが発表されるので、1つのメインコートに居座りながらトップ8同士の息詰まった試合を1日で最大4試合も堪能することができます。

これが6日間も続いた後に準決勝、決勝です。なんと贅沢な大会でしょう。

出場選手の国籍も様々なので別にイギリス人ばかりが見に来るわけもなく、応援もワールドワイドでいいですね。

それでは詳細なルールです。

グループA、グループBに選手を分け、4人で総当たりのリーグ戦(ラウンドロビン)を行う。

次のルールで上位2人を準決勝へ通過させる。(途中でケガで選手入れ替えした場合などの例外を入れるとめんどくさいので掲載してません)

①勝ち星の多い選手

②2人が同点の場合、その直接対決の勝者

③3人が同点の場合

・3試合のセット率 それでも決まらない場合

・3試合のゲーム率 

のようです。これをもとに、以下のケースの場合の順位決定を解説していきましょう(公式サイトの和訳にすぎませんが)。

1.3-0が1人と1-2が3人、ただし、1-2のうち1人が2試合しかこなしていない

3-0の人は1位通過。3試合をこなしていない人を除外。残った2人の直接対決で2位と3位を決める。

2.3-0が1人と1-2が3人

3-0の人は1位通過。3人のセット率で順位を決める。

3.2-1が3人と0-3が1人

0-3の人は4位。3人のセット率で順位を決める。

4.2-1が3人と0-3が1人

0-3の人は4位。3人の得失セットが、5-2が1人と4-3が2人だった場合、まず5-2の人が1位通過、残った2人は直接対決の勝敗で決める。

5.2-1が3人と0-3が1人

0-3の人は4位。3人の得失セットが、5-3が2人と4-3が1人だった場合、まず5-3の2人が通過、2人の順位は直接対決の勝敗で決める。

6.2-1が3人と0-3が1人

0-3の人は4位。3人の得失セットが全員5-4だった場合、ゲーム率で決める。(この時ゲーム率が複数人同じだった場合は書いてない…)

とにかくボーダー上で2人に絞られた場合は直接対決で決めるようです。

実際のここ数年の具体例を見る限り、私が「直接対決」と書いた部分はどうやらそのファイナルでの直接対決(その年の直接対決の総合勝敗とかではないっぽい)らしいです。

ぐちゃぐちゃ言いましたが結局やるべきことは次の2つです。

①極論全部勝てばいい(乱暴

②接戦になりそうな場合、負けるとしても粘る(セット率の問題で)、勝つならストレートで

ゲーム率にもつれることはまあないっぽいので、3-0なら文句なしの1位、2-1や1-2でもつれる場合はセット率なので、この①②がプレイヤーにできることです。

通過条件はちゃんと公式サイトでも速報が出ますし私もできる限り早く書こうと思っています。

そして準決勝はA1位×B2位、B1位×A2位で戦い、勝った方同士が決勝を戦います。3位決定戦はありません。

試合日程は

デイセッションダブルス→デイセッションシングルス 時間をおいて ナイトセッションダブルス→ナイトセッションシングルス

という流れでラウンドロビンを6日間戦います。シングルスはグループBから、ダブルスはグループBから中1日、交互で試合を行います。

注目のグループ分けです。

1.ジョコビッチ

3.バブリンカ

6.ベルディヒ

8.チリッチ

2.フェデラー

4.錦織

5.マレー

7.ラオニッチ

どう見てもグループBのほうがきついですね。死の組と言っていいでしょう。

グループAはファイナル3回の優勝、2年間インドアハード無敗のジョコビッチが難なく3連勝してくると思われます。優勝候補筆頭でしょう。

2位争いは混戦。デ杯クレー調整しているバブリンカは全米以降の不調もあって相当厳しいか。ベルディヒとチリッチの争いとみています。ですがここはインドアハード。ザグレブなどインドアハードに強いチリッチを思い切って2位予想にしてみます。

予想

ジョコビッチ3-0

チリッチ2-1

ベルディヒ1-2

バブリンカ0-3

自信は結構あります。

グループBは思い切ってこんな予想にしてみました。

予想

マレー2-1

錦織2-1

フェデラー1-2

ラオニッチ1-2

フェデラーラウンドロビン敗退、何を言ってるんだと言われそうですが根拠はあります。

フェデラーのラオニッチへの敗戦は衝撃でした。と同時に、手が付けられなくなったラオニッチは相当危険という印象で、確かに決勝で相殺されましたが、やはり1勝はしてくるのではと思います。

同時にマレーに相性がいいのも特徴的で、錦織戦は毎回接戦であることを考えると、1勝してもおかしくないと思います。

あとはやっぱりフェデラーのデ杯クレー調整ですね。パリでアジャストしてない感じがかなり見えてしまい、ファイナルでも似たようなことが起きるのではと思っています。

終戦補正をかけるべき(優勝6回)選手ですし、ファン予想もB組1位通過予想1位と優勝予想2位なのですが、今のところそんな勢いは見れないというのが現状です。

それだけフェデラーがデ杯決勝にかけてるってことの裏返しだとは思うんですけどね。

上のような勝敗のパターンはいくらか考えられます。

錦織defマレー

錦織defラオニッチ

フェデラーdef錦織

ラオニッチdefフェデラー

マレーdefフェデラー

マレーdefラオニッチ

錦織が接戦を制すもフェデラーに敗れ、他は大体予想通りの流れ(マレーとフェデラーは11勝11敗なので、普通にどっちが勝ってもおかしくないと思います)

錦織defフェデラー

錦織defラオニッチ

マレーdef錦織

ラオニッチdefフェデラー

フェデラーdefマレー

マレーdefラオニッチ

マレーに相性で負ける錦織。しかし分がある二人を相手に勝つパターン。

錦織defフェデラー

錦織defラオニッチ

マレーdef錦織

フェデラーdefラオニッチ

ラオニッチdefマレー

マレーdefフェデラー

これもあるかなあと。ラオニッチがマレーを倒すも後が続かず、上と錦織以外の結果がリバースしたパターン。

どのパターンになるかは分かりませんが、これくらいもつれると思います。ただし、この前提はフェデラーが調子を上げきれなかったパターンの状況なので、もしフェデラーが3連勝するようなことがあれば、マレーとラオニッチにおそらく連勝することが必須になります。

どちらにしても言えることは初日のカード、デイセッションで錦織×マレー、ナイトセッションでフェデラー×ラオニッチ、この2試合は全員決して落とせない試合になるということです。

W杯の1次リーグもそうですが、初戦が大事ということです。

逆に錦織は苦手のマレーに勝てば3連勝1位通過もありえます。

1位通過のメリットは準決勝がA2位になることですが、正直に言ってこの激戦のグループBを1位で勝ち抜いた錦織ならA2位に誰が来ても勝てると思います。

一方苦しんで2位通過した場合おそらくジョコビッチとの対戦になり、相当きついです。

また今度解説するランキングの問題からして、決勝まで進みたいところです。夢の全豪第4シードには決勝進出が不可欠です。

今日はこんなところで。明日からは詳細な対戦成績とか今期のもろもろを振り返っていきたいと思います。それでは。

なにか記事にしてほしい内容とかあったらコメント欄まで。質問も受け付けています。なにしろほとんどの人が初めて見る大会だと思うので。