two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

デビスカップ決勝、今年は一味違う「背中」の重み

よくよく考えたら明日からデビスカップの決勝だということに気付いたので、先にこっちから話題を始めたいと思います。

楽天OP決勝のアーカイブはまたの機会に。

さてテニスのW杯とも言われる国別対抗戦デビスカップの決勝が週末行われます。

新参の錦織ファン、テニスファンにはなじみのない大会かもしれませんが、日本もこの1部に相当するワールドグループに所属しています。

日本は1回戦でラオニッチ、ポスピシルを欠いたカナダに快勝。2回戦で昨年優勝のチェコに完敗しました。

大会はそのチェコと準決勝で当たり、ベルディヒ、ステパネクをあの全仏オープンの会場、ローランギャロスで一蹴したフランス。

そしてもう一ヶ国はセルビアカザフスタン、イタリアに2枚看板、フェデラーとバブリンカで勝ってきたスイス。

フランスは13年ぶりの、スイスは初の優勝を狙います。

さて初見の方もいると思うのでデビスカップのルール説明です。

3日制、すべて5セットマッチで最終セットのみタイブレークがありません(いわゆる、キープし続ける限り終わらないというやつです)。全米以外のグランドスラムと同じルールです。

4人で1チームを組みます。

初日はその国のシングルスに出場する選手のうち、チーム内の世界ランキングの1番手と相手の2番手、2番手と相手の1番手がシングルスで対戦します。

2日目はダブルスです。シングルスに出たかどうかは関係なく、別にシングルスに出た二人同士を組ませてもいいし、一人だけ組み替えてもいいしなんでもOKです。

3日目はシングルスで、第4試合は1番手同士、第5試合は2番手同士が対戦します。

分かりにくいので想定オーダーを考えながら具体例を見ましょう。

今大会の今のところの発表オーダーは

フランス

ツォンガ(12位)モンフィス(19位)ベネトー(25位)ガスケ(26位)

スイス

フェデラー(2位)バブリンカ(4位)キウディネリ(212位)ラマー(508位)

ですので、スイスはある事情を除いてフェデラー、バブリンカで確定として、フランスは仮にシングルスランキング上位二人が出たと仮定しましょう。

ちなみに、フランスがツォンガを出さない可能性もあり得ますし、特にルール違反とかになるわけではありません。

あくまで出る二人の中で順位付けをして、試合順を決めようという発想なので、必ずしもランク上位2人が出なければいけないわけではありません(普通に考えて出し惜しむほうが不利ですからね)。

すると今回の対戦カードは

初日

ラバー1 フェデラー×モンフィス

ラバー2 バブリンカ×ツォンガ

2日目

ラバー3 ダブルス

3日目

ラバー4 フェデラー×ツォンガ

ラバー5 バブリンカ×モンフィス

注1・デビスカップ(以下デ杯)では、試合のことを慣習的にラバーと呼びます

注2・ラバー1とラバー2のどっちから始めるかはたしかホーム側が決めるんだったと思いますが正確には記憶していません。どっちのパターンもあるので便宜上フェデラー第1試合としました。

となります。

しかし双方ともある面においてオーダーを変える可能性が十分にありえます。

まずはフランスですが、ランキングを見る限りあまり差はないといえます。

ツォンガはポイント的にも少し抜けているように見えますが、カナダマスターズ優勝の1000pを引くととたんにほかの各選手と並んでしまいます。

またガスケは元トップ10プレイヤーです。今年はけがでランキングを落としましたし、通常の試合でも精彩を欠く場面も多かったですが、クレーは苦手ではありません。

そして何よりもフランスはこのオーダーに上海準優勝のシモンを外すという形になっていることに注目してください。

現在フランスチームは直前合宿を行っている最中ですが、フランスはこのツォンガ、モンフィス、シモン、ガスケのうちから調子のいい選手が出てきます。さすがテニス大国、層の厚さを見せています。

それからベネトーですがこの選手は単複両方こなすことができ、全仏ではフランス人ペアとしてロジャー=ベスリンと悲願のタイトルを獲得、ファイナルにも出場しました。ロジャー=ベスリンを入れるサプライズもあるかもしれません。

というわけでフランスのオーダーはポジティブな面で変わる可能性があります。

一方ネガティブな面で変わる可能性があるのがスイスチームです。

すべての称号、タイトルをほしいままにしてきたフェデラーにとって残された2つのタイトルのうちの1つがデビスカップです。(もう一つは五輪のシングルス金メダル)

ルールを見れば一目瞭然ですが、一人の力で勝つことができないルールになっています。

10位台をうろついていたバブリンカやそのほかの選手では勝てない試合も多く、デ杯優勝とは無縁でした。

そんなフェデラーも今年は大チャンスです。またセルビアジョコビッチを欠くというドロー運にも恵まれてここまで快勝続き。千載一遇のチャンスを目の前にしましたが、ここでアクシデントに見舞われます。

背中のけがです。フェデラーにとって珍しいけがの恐怖がこの大一番で襲いかかってきました。

しかも悪化したのが皮肉にもファイナル準決勝のバブリンカ戦。またこの試合ではフェデラーのファミリーボックスからのヤジの声でバブリンカが激怒するなど、スイスチームとしても不協和音が鳴る事態になりました。

何もなければフェデラーは出場するでしょうが、正直どっちもありうるという気がします。

本来であればスイスがフェデラーのシングルスで勝てる2勝を軸に、あとどこか1つ取れば勝てるという算段だったでしょうが、背中にのしかかる爆弾との戦いも待っています。もしかすると2勝を軸にしなければいけないのはバブリンカのほうかもしれません。

フェデラーが予定通り、しかもパフォーマンスもいい状態で試合に出られればあのファイナルでの躍動した姿、そしてバブリンカの復調から言ってスイスチームの勝利は揺るがないでしょう。

しかしもしフェデラーが欠場した場合、これはキウディネリやラマーではグランドスラムシード格をそろえたフランスに対して申し訳ないですが力不足の気配があります。

勝敗を大きく左右させそうなフェデラーの出場、今日の深夜にはメンバー発表がある予定です。それでは。大会もレポートする予定です。