two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

メンフィスドロー発表、皮肉すぎるビッグサーバー街道

こんばんは。

メンフィス、ロッテルダム、そしてサンパウロのドローが発表されました。

メンフィスのドローについてですが、私の中では考えうる限り最悪のドローだと思っています。

というのも単純に勝つ、負けるという観点において錦織圭はもうストローカーには負けないのではというのをフェレール戦で感じました。単純にストロークを(といってもフェレールなどはレベルは高いですが)打って試合を作っていくタイプの選手はもう敵ではなく、パワー、アグレッシブで押していく選手こそが一番苦手なのではというのが正直なところです。

それではドロー解説です。今回は特例として上位陣の結果が注目されるロッテルダムもやります。

錦織付近

[1]錦織圭

bye

予選勝者

ジャズーリ

予選勝者

ククシュキン

ラコ

[5]カルロビッチ

所詮は予選勝者かジャズーリになりました。ジャズーリが上がってくると厄介だと思います。

この選手、現在自己最高位のベテラン選手ですが、先週テニス界を驚かせる試合をやってしまいました。

モンペリエの1回戦で第1セット6-3と第6シードのイストミンをリードしたところで突如棄権負け。原因には次戦に対戦することが決まっていたイスラエルのセラとの対戦を、政治的な観点から(いわゆるイスラム系とユダヤ系の対立)わざと避けたのではということが話題になっています。

ジャズーリには前科があり、以前もワイントラウブとの対戦を同様の理由で避けたのではという疑惑が立っています。

一応棄権理由はけがということになっており、ダブルスも棄権しているのですが、テニスの状態はいいだけにどのような状態で入ってくるか注目されています。

次戦はもちろんカルロビッチだと怖いですが、あっさり負ける可能性もありわかりません。

ここではククシュキンにも可能性があるとしておきましょう。シドニーでは予選から決勝まで進んでいます。

カルロビッチはサーブ次第ですので、止まらなくなる可能性もありますがその逆にサーブが悪ければ簡単にブレークを許し、自身はブレークされずに負けることもあります。

シード選手の散らばり

[1]錦織圭

[5]カルロビッチ

[3]イズナー

[7]ベッカー

[8]マナリノ

[4]ドルゴポロフ

[6]ジョンソン

[2]アンダーソン

直前でアンダーソンのワイルドカード参戦が決まり、ATP250としては締まった大会になりそうです(トップ10が1人、トップ20が3人参戦するのはいい大会の証拠です)。

トップハーフはベッカーも含め、サーブ主体の選手が多く揃った印象です。

といってもクレーも選択できるこの時期ですので、サーブ主体の選手は(特にアメリカ勢)比較的ここを選びやすい傾向にはあります。したがって全体的にビッグサーバー多めの大会になってしまうことは仕方のないことです。

しかしボトムのマナリノ、ドルゴポロフといいストローカーはだいぶボトムに揃った印象があります。トミッチもボトムですね。

一方危険なノーシード選手としてはグロストミッチ、クエリー、ドディグなどでしょうか。イズナー山が全体的に厳しい印象を受けます。

そして個人的に注目しているのはアメリカの超新星、コズロフです。

オレンジボウルなどアメリカジュニアの主要タイトルを次々と制覇。マッケンローも次世代のスター候補として名前を挙げるなど注目されています。鳴り物入りで臨むこの大会は非常に注目。初戦も地元WC選手とチャンスがあります。

錦織についてですが、ジャズーリor予選勝者→カルロビッチorククシュキン→イズナーorベッカー→アンダーソン?という4試合になります。

とにかくリターン環境がタフです。好材料なのは同じメンフィスでカルロビッチにタイブレーク7-0で勝ち、ストレート勝ちで優勝していることです。

あの時のリターンが出れば問題ないでしょう。ビッグサーバーに対してやることをやり、あまりにも爆発されたら諦める。

本人はビッグサーバーに対して「フラストレーションがたまる」とよくコメントしていますが、体力のロスは少なくなるのでさくっと4試合勝って優勝できると最高でしょう。

イズナーとは未対戦、アンダーソンとはツアー予選レベル以来での対戦と何気に私も見たかったカードが実現するかもしれません。そういった意味では非常に楽しみの多い大会になりそうです。

ちなみに3連覇はメンフィスの数十年にわたる大会の歴史で未だないようです。それだけ難しいことだと思います。

勝てる大会に勝つ、簡単そうに見えてこれほど難しいことはありません。

今回は自身初めて2年連続第1シードで迎えますが、昨年よりも大会出場者のレベルが上がっており、もちろん優勝最有力、貫録のトップシードですがもちろんまさかは考えないといけません。

しかしディフェンドするポイントはわずか250p。これは錦織が保有している5000pからすれば大した数字ではありません。

最悪負けても切り替える、それでいいと思います。アカプルコを挟んでからのマスターズ2連戦が本番です。肩慣らし程度に臨むことが大事だと思います。

でもそれこそ今回求められるのは「優勝?知ってた」と月曜日に適当に結果を見てテニスファンとして「当たり前すぎて考えなかった」というような内容だと思います。

フェレールが第1シードで出場したときの安心感を思い出しましょう。ランキング的にも実力的にも今の錦織がそれを再現してもなんらおかしくないし、むしろ求められていることなのです。

さてロッテルダムのドローが発表されました。

本命不在のサンパウロ、錦織圧倒的で一般のファン目線ではほとんど見る目がないメンフィスと違ってこちらは熾烈な争いが始まります。

全豪での成功、失敗、いろいろあったと思いますがここで軌道修正を狙う選手は多いです。全豪以来2大会目の250以外の大会です。

とりあえずシードの散らばりです。

[1]マレー

[8]シモン

[3]ベルディヒ

[7]バウティスタ=アグト

[5]ディミトロフ

[4]バブリンカ

[6]ガルビス

[2]ラオニッチ

ご覧ください。最終シードは19位のシモン。あのモンフィスやゴフィン、コールシュライバーといった選手がノーシードに回っています。

またこの大会は32ドロー。メンフィスなどと違いトップ選手でも1週間に5試合戦わないといけません。

トップシードは全豪準優勝のマレー、優勝最有力に見えそうですが、そう簡単ではないでしょう。あの決勝からわずか8~9日でコートに戻ってくるというのは簡単なことではありません。

この状態で十分に戦えるのか。全豪ファイナリストの真価が問われる戦いになりそうです。

初戦は予選勝者ですが、次戦のコールシュライバーとポスピシルの勝者というのは厳しい戦いが予想されます。

さらにシモンとのQFはシャルディー、ベネトー、ソウザの可能性も十分にあり誰が来ても難しい戦いになるでしょう。

ディフェンディングチャンピオンベルディヒヤノヴィッツとの厳しい初戦が待っています。

また次戦は厄介なセッピが相手です。バウティスタ=アグトのところはモンフィスがいます。ここも熾烈な戦いが予想されます。

ディミトロフ―バブリンカのQFが実現しそうなボトムハーフも面白そうです。

ディミトロフの2回戦はゴフィンかミュラー、どちらも勢いがあります。

またATP500では自身最高の第2シードで臨むラオニッチはさらなるランクアップがかかる大事な大会です。

対抗シードのガルビスが不調なのが救いですが、SFで当たるバブリンカとディミトロフはどちらもラオニッチが苦手にしている相手。受けに回ると押し切られるだけの力がこの二人にはあります。ラオニッチの戦いに注目したいところです。

優勝予想は?と言われると正直難しいです。

挙げたノーシード選手がすごい選手ばかりなのでわかる通り、シードだけでなく全体のレベルが高い大会です。どこで波乱があったとしてもおかしくはありません。

べたなところとしてはトップ5人、マレー、ラオニッチ、ベルディヒ、バブリンカ、ディミトロフです。

個人的には入り方を間違えるとマレーは相当危ないように思います。またディミトロフの2Rは相当厳しいです。

難しいところですが、ラオニッチの相性を考えてベルディヒとバブリンカが決勝予想とします。

ベルディヒロッテルダムに合っています。昨年も快進撃を見せたように全豪4強の勢いそのままに突っ走りそうな予感がします。

ボトムの決勝予想は難しく、上位の3人全員に可能性があると思いますがわずかな差でバブリンカとしておきます。やっぱあの全豪QFはすごかったなあ…

ATP500は実は波乱はあっても優勝はほとんどトップ10で終わることが多いです。

昨シーズンでトップ10外が優勝したのはアカプルコのディミトロフ、バルセロナの錦織、ハンブルグのマイヤーのみです。

今大会もこの5人を中心に動いていくのではないでしょうか。

まあ錦織ウォッチャーとして無理のない範囲でメンフィスは見ますが、正直今週はロッテルダムを中心に追おうかと思っています。

初戦は勝つでしょ…その次からはビッグサーバーだし分からないけど。

ロッテルダムの結果は3月マスターズのシード付けを左右する大事な大会ですので、必要があればランキング試算も行う予定です。

私個人の見解としてはビッグサーバーとの対戦がラオニッチといい続いているのは皮肉ですが、それはそれで参考になることもありますし、ビッグサーバーは調子が悪いとなんでもない相手にころっと負けることも多いです。今回もカルロビッチ、イズナー、アンダーソンが全員錦織に当たるというのはかなり難しいのではと思います。