two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

今週は胃が痛いウィーク(2015メンフィスQF)

2/13 現地19:00~(日本時間翌日10:00~)

ATP250 Memphis Open

QF

[1]Kei Nishikori 4-6 6-3 6-4 Austin Krajicek

メンタルが鍛えられます、ええ。

という皮肉アメリカンジョークはさておき、今日も内容が悪く厳しい試合でした。

ですが先に総評です。勝ってる限り問題ない。

これを大に主張したいと思います。勝ってる限りランキングは落ちないし、否定されることもない。

本当にやばい時というのはそもそも力なく初戦負けします。それか3か月程度ほとんどQFで止まってしまうような成績になります。

例えば現状これに該当しているのはガルビスです。彼は今シーズンに入ってからまだ1勝もしてません。

もちろん全仏4強など守るべきポイントは先ですが彼のランキングは落ちてませんよね。どっしり構えることが大切です。

他にもいろんな選手が今シーズンに入ってから不安な状況になっています。ナダルなんか事実だけ言えば今シーズンは4勝2敗ですし。

それと比べてみましょう。錦織はなんと8勝2敗です。2敗もトップ10選手のみ。何ら問題がないのです。

もちろん試合中のビハインド状況の時は私だって不安です。本人もごくわずかながら不安でしょう(メンタルモンスターゆえごくわずかにしておきます)。

ですが最終結果、アウトプットは勝ちになっています。フェレールにだって勝っているわけですしまだいろいろ騒ぐには早すぎます。

そしてさらに加えましょう。6位です。

え、ラオニッチが優勝すると錦織の結果にかかわらず6位になる話?それは事実ですがその話ではありません。

暫定ですが、レースランキングでは錦織は6位です。そして今週シモンがロッテルダムで優勝する以外に錦織をかわす選手はいません。

何も心配することはありません。トップ選手として順調に勝ち続けている限り心配はいりません。

試合を振り返りましょう。

今日の出だしは悪くなかったと思います。順調にキープし続けていました。

しかし問題は1stサーブの確率+points won。1stで相手を崩してチャンスボールをミスして失点のパターンが多かったです。皮肉にも2ndのpoints wonの方が序盤は高くなっていたことからも分かります。

相手のクライチェクはあのリカルド・クライチェク(元トップ10)の遠縁の親戚だそうです。左利きのサーブ主体の選手でいかにもアメリカンテニスという感じのプレーでした。

特に大きな脅威は見当たりませんでしたが、時折見せる強力なサーブと強打は危険でした。

問題の第9ゲームと第10ゲーム。ここに一昨日からの悪い錦織が見えました。

第9ゲームはサーブもきっちり行っていたのですが、決め球のコース2択を読まれカウンターの餌食に。しかも複数です。

2択が読まれるのは運もあったでしょうが、コースを読まれているということでもあります。

最近この2択の決定率が下がっているのはすごく問題だと個人的には思っています。流れの中で一度自分に傾いたラリーはものにしてきた選手。生命線でもある攻撃パターンに穴があるのはいけません。

第10ゲームは再三のブレークチャンスを取れませんでした。

ブレークポイントの獲得率もここの所悪いように思います。今日はクライチェクのサーブが要所で決まっていたので仕方ない面もありますが寂しい数字ではあります。

どうとらえるかは難しいところですが、内容の悪い1stセットになってしまいました。

特にクライチェクがばんばんウィナーを取っていたわけではないだけにもどかしい。かといって置きに行くといつまでたってもポイントが取れない。

第2セットで厳しさは増しました。クライチェクが1stを決めだしたからです。ノータッチエースも決まり、サービスキープも楽になりました。

これで一気に形成は傾き始めました。並の選手ならこの勢いにやられてしまうところです。

ですがここで錦織が踏ん張る。再三再四のブレークピンチをしのぎ、ついに第8ゲームでこの試合初のブレークに成功します。

テニスを知っているプレーでした。クライチェクは確かによかったです、しかしこのランキングの選手は1セット通して高いプレーをすることはまれ。1stの確率も落ちてきた終盤戦を見逃しませんでした。

ウィナーを取りに行くテニスも鳴りを潜め、どちらかというと手探り状態のミスを減らすプレーに切り替えた戦術も光りました。

クライチェクはウィナーを取っていません。自滅するくらいならロングラリーに持ち込んだ方が得策です。

結果第3セットではいきなりブレークに成功。終盤のごたごたはなかったことにして、なんとか準決勝にコマを進めました。

本当に負けないテニスがはまってきました。正直到底勝った選手のテニスではありませんでした。

今大会は何かアジャストできない要素があるのか、たぶん次戦もこんな感じになってしまうのだと…諦めてます。

まあ1年間もあればこういう日くらいあります。負けないことの方がすごいことですから。

さて次戦はイズナーとのアメリカンテニス対決を制したクエリーが上がってきました。

イズナーよりも組みやすいのかは微妙です。クエリーはイズナーに対してタイブレーク2本で精度よくプレーして勝ちました。対イズナーにはこの勝ち方しかないでしょう。お見事です。

クエリーも調子はよさそうです。見てた試合の途中ではコート外からバックハンドのDTLを決めたりイズナーとストロークで差を見せました。一概にイズナーよりも対戦相手としていいとはいえません。

しかし事実シードを避けれたのはラッキーです。クエリーも今日の1stは50%台とそこまでよくはありません。きっちりプレーすればいいはずですがはっきり先に言っておきます。今日のプレーが出たら明日は負けます。それは間違いないです。

ここ2戦は相手も100位台、そのレベルのプレーでしたがクエリーは違います。過去何度も負けていることも作用します。クエリーは適度に上の相手に対して真っ向から戦ってくるでしょう。今日のプレーレベルでは正直厳しいというのが正直な見解です。

ですがもちろんプレーを今日より向上させれれば問題はありません。のう胞手術直前のワシントンでも勝っているわけですし、本来怖いですがそこまで怖がる相手ではないはずです。

さてロッテルダムですがマレーが敗戦しました。シモンがいいプレーをしていましたし自分を見失っていませんでしたが、8年間負けなし、その間に10回以上の対戦があったこの両者のカードで番狂わせが起きたことは大きな出来事でしょう。

ベルディヒナダルに勝ったり、今シーズンは今まで結果が固定していた安パイカードが崩れるのかもしれないですね。

そういう意味では錦織×ナダルとか、フェレール×フェデラーとか、そういったカードは楽しみですね。

マレーは終盤かなりイラついていました。それも分かるほどにひどいプレーでした。シモンのペースに持ち込まれ、そのうえでなすすべなく負けてしまいました。懸案事項のセカンドサーブも叩かれました。

そのほかのトップ4シードは全員勝ちあがっています。それぞれ結構もたついている場面もあるので誰が勝ち上がるのかは気になるところです。

ラオニッチ×バブリンカはそろそろ実現してほしいカードだったので超楽しみです。

あとシモン×ベルディヒは何気にシモンが勝ち越しており、記憶に新しいところでは2014上海MSでシモンが勝って、そのまま決勝に進んでいます。やはりロッテルダムはノンストレスで見れて楽しい。

サンパウロアルマグロがロブレドに勝ったのがハイライトですがそのアルマグロも敗戦、シードが総崩れしているのでぐちゃぐちゃになっています。

そして今後の行方を左右する重要な発表が昨日突然舞い込んできました。

フェデラーツイッターフェイスブックウィンブルドンまでのツアースケジュールを発表しました。

ドバイ(500)

インディアンウェルズ(MS)

モンテカルロ(MS)

マドリード(MS)

ローマ(MS)

全仏OP(GS)

ハレ(500)

ウィンブルドン(GS)

一部報道で今年初開催のイスタンブールに参戦という情報が流れたのですが、どうやら誤報だということがわかりました。

そしてもう一つ重要な事実が、あの大会がありません、そうマイアミです。

マイアミへの不参戦はこの情報の取り消しなどがないことから確定だと思われます。

これには次のような意図があると思われます。

・ディフェンスするポイントが少ない(錦織にQF負け、180p)

・連戦を避ける

・クレーへの移行を早くする

ディフェンスするポイントはドバイ500、インディアンウェルズ600、モンテカルロ600に対してマイアミは180。これは少なからず影響していると思います。

そして連戦を避けるですがこれはそれこそ昨年の経験だと思います。インディアンウェルズでは決勝まで戦い6試合。その後翌週の木曜日から1週間で4試合。96ドローはトップ8シードが唯一優勝までに6試合かかる大会です。

そして他にスキップする大会ですが、モンテカルロは人気の高い大会でありしかも昨年準優勝。ロレックスが冠スポンサーでこれもフェデラーが切れない理由だと思います。

マドリードからローマは厳しいですが最近のクレーでのフェデラーを見ると早期敗退もあるので、まあ切らないでしょう。

実はマイアミからモンテカルロまでは今年はわずか1週間しかありません(昨年はデ杯QFがあったので2週)。なので移行に苦しむ選手は増えるでしょうし、そこをついていく狙いはわかります。

さてこれで恩恵を受けるのは、9→8、5→4へとシードがアップする選手たちです。

3→2は以前説明したように第1シードを決勝まで避ける以外では条件は同じなのであまり意味はないと思っていて、とにかくマイアミの第4シード確保は錦織、ラオニッチにとってそれぞれ大チャンスとなったわけです。

マイアミのシードはインディアンウェルズの結果も反映されるので、結果言いたいことはこの3週間頑張れということです。

マイアミで第4シードに入ることは正真正銘フェデラー以外のビッグ4との対戦を避けることに他ならないわけですから、これは大きな意味があります。

ラオニッチに関しては勝ち上がった場合来週のマルセイユにも参戦するのかどうかは注目です。今日遅くか明日にはマルセイユを含めリオ、デルレイのドローが出ますのでそちらも楽しみです。

楽しみが増える一方、いろんなケースが考えられる今シーズンです。マレーの敗戦を見る限り今シーズンはやはり読めません。