two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

追い詰めるも届かない壁…誰がジョコビッチを止められるのか?

こんばんは。

新年度、大変忙しく更新がままならない状況が続いています。

さて今日はいろいろあったここ数日間をまとめていきたいと思います。

まずはタイトルのマイアミ決勝、ジョコビッチ×マレー戦です。

時間が取れず先に結果を見たうえであとで録画で全部試合を見ました。最初にスコア経過から想定した試合と全然違う展開で驚きました。

第1セット、マレーには作戦が見えました。序盤から攻めの姿勢を強く見せたことです。

TENNIS LOVERSさんのほうでも分析がありましたが、ジョコビッチ×マレー戦のポイントはマレーが攻めれるかどうかです。

どちらもやや守備寄りの選手で、打ち合うとわずかではありますがジョコビッチが守り勝つ展開が多く、その影響かここ最近はマレーが全く勝てていませんでした。

一昨日は違いました。第1セットからマレーにいい攻めが見られます。対してジョコビッチが取った戦略はストレート展開を増やすということです。

この二人ですと結構クロスラリーが多めになって、時々どちらかが先にストレートに打って展開が始まるというラリーが多いのですが、一昨日はどちらのコースにも半々くらいで打っていき、お互いにフィジカルを消耗する展開になりました。

また1stサーブのリターンがよく、お互いにサーブが致命的に悪かったわけではなかったのですが2ブレークずつ。マレーが先にブレークした後ジョコビッチがすかさずブレークバック。一進一退の攻防が続きます。

しかしタイブレークではマレーが平易なミスをいくつも犯してしまいジョコビッチが1セット目を取ります。

ここで決まったと思いました。マレーはジョコビッチから逆転勝ちしたことがなく、実際ジョコビッチ自身が先行する展開から負けた試合は相手にかかわらずほとんどありません。

内容的にはほぼ五分の戦いだったので、ここで取り切れなければ厳しいだろう、このあとずるずると失速してベーグルで落とすこともありうる、最近のジョコビッチならやってしまいそうだと思っていたでしょう(残念ながら結果を知って見ているのでそうならないことはわかっていますが)。

第2セットを決めた要因はマレーのサーブでした。

もともとビッグ4の中でサーブが一番いいのは?と聞かれたら総合ではフェデラーでしょうが、球速だけならマレーが圧倒的です。

今でこそ腰の手術の影響でセカンドサーブがウィークポイントですが、1stサーブで210km/hを超え、独特の軌道で刺さるマレーのサーブはビッグ4でも手を焼くほどいいサーブでした。

第2セット序盤、マレーはブレークポイントを握られますが、要所でこのサーブが復活。サービスポイントを重ね、完全に試合を決めてしまう危機を脱しました。

その後はキープが安定し、第10ゲームで会心のブレーク。第2セットを取り返し、試合を分からなくします。

正直結果を知っていなかったらマレーやってしまうのでは?というくらいにマレーが持ち直していました。

ジョコビッチは悪くはなかったのですが、決してよくもなく、ストロークで簡単なミスをしたり、マレーのペースに捕まりつつありました。セットが終わった後のコートチェンジ時には陣営に向かって何かを叫んだようですが、これがボールパーソンがジョコビッチにタオルをちょうど渡しに行ったタイミングであったため主審に警告を取られます。

ただジョコビッチという選手は珍しい選手で、こういうフラストレーションを正しくプレーにぶつけることができる選手です。切り替えのうまさ。結構怒ることもありラケットも全力で叩き割ったこともある選手ですがそのあとのメンタルコントロールはさすがです。

第1ゲーム。マレーがキープすればというところでデュース。この日お互いにミスしていたスマッシュの場面。マレーが安全に行き過ぎて何本打っても決まらず、ついにハイボレーをネットにかけてしまいます。

結果ブレークピンチとなり、一度はしのいだものの耐え切れずジョコビッチがブレーク。次のゲームでもデュースにもつれたもののここでジョコビッチがうまいラケットタッチでネット際の攻防を切り抜けそのままキープ。ここで勝負が決まりました。

マレーにもブレークチャンスは来そうでしたが、第1セットから飛ばしまくっていた影響がここで出ます。無限にも見えた守備範囲が少しずつ狭くなり、左右に振られた時のミスが早くなります。やがてポイント間の移動にも疲れの色が見られ、そのあとは一方的でした。

ジョコビッチにも疲労の色が見えましたが、プレーレベルの落ち方は雲泥の差でした。ジョコビッチのフィジカルの安定感。さすがです。

少なくとも今シーズンジョコビッチが勝ったゲームの中では最も肉薄したように思いますが、しかしこのビッグマッチで簡単に崩れないジョコビッチがIW→マイアミと2年連続2大会連続優勝を果たしました。2大会連続優勝は過去にありますが、2年連続は史上初です。

マレーは悪くなかったと思います。ストレート負けでもおかしくなかったところからサーブで持ち直しファイナルセットイン。第1ゲームの40-30までは勝つ可能性も十分という内容で、今後に期待が持てます。

しかし現地点でフェデラーを除き最もジョコビッチに勝てるのでは?と思えるマレーでこの結果です。またしてもジョコビッチを止めることはできませんでした。

テニスの主要大会はいろいろ意見があるでしょうが年間14大会だと思っています。GS4大会+マスターズ9大会+ファイナルの14大会です。

今シーズンは2敗しているもののジョコビッチが主要大会3連勝中。昨年から加えれば5連勝中。父親になったパリ大会以降無敗です。

シーズン頭は戦国時代の可能性も提示しましたが、完全にジョコビッチ1強で「誰がジョコビッチを止められるのか」という展開に変わりつつあります。

今週からクレーシーズンに入ります。もちろんジョコビッチを止める第一候補はこれだけの不調でも、それでも、ナダルでしょう。

毎年の様式美、どれだけクレー以外でいろいろ言われてもクレーの結果で黙らせてきたナダルが帰ってきます。ナダルの庭ともいえるモンテカルロバルセロナ、まずは昨年取りこぼしたこの2大会の結果が注目です。特にモンテカルロでは実現すればジョコビッチとの直接対決に注目です。

そのほかのニュースです。

ヒューストンで大きな快挙です。

日本の添田豪がヒューイットにフルセット勝ち。マッチポイントをしのいでの逆転勝ちです。

ヒューイットは昨シーズン後半戦からほとんどポイントを稼いでおらず、ランキングでは添田の方が上になっていましたが、添田のポイントはアジアチャレンジャーのポイントがほとんど。ここ1年のツアー成績はクアラルンプール、全豪、ザグレブでかなりの格下に勝利したのみ。ブックメーカーのオッズでも大差でヒューイットの予想でした。

ヒューイットがかなり調子が悪かったようですが、それでも勝ちは勝ち。大きな快挙なのは変わりありません。

何気に添田も世界1位経験者に2勝目となりました(1度目は2012チームカップ(クレー)でロディックに)。GS優勝経験者は3勝目です(2012チェンナイでバブリンカに勝利)。ヒューイットは来シーズン全豪で引退を表明しており「ヒューイットに公式戦シングルスで唯一勝った日本人」になるかもしれません。

そしてこのヒューストンではあのティプサレビッチが復帰します。マイアミではダブルスに出場しており、本格的復帰の準備は万端です。厳しいブロックに入りましたが、どこまで勝ち上がれるか。

それからダニエル太郎カサブランカで予選突破。モンペリエ以来1か月ぶりのツアー本戦です。初戦はアルマグロときつい相手になってしまいました。現在試合中です。

明日からは普通にブログ書けるはず。それでは。