two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2015ローママスターズ後)③3回戦終了時・ジョコビッチ戦展望

こんばんは。

結局トロイツキ戦は見れていません。ご了承ください。ジョコビッチ戦を見た後見れたら見ます。

とりあえず他の方の感想を見る限り苦しいながらもいつも通り何とか試合をやりくりして勝った模様です。

この勝利は勝利であることに大きな意味があります。

まずはローマでの初のベスト8。元来錦織はサーフェス苦手議論がいろいろとささやかれてきましたが、これで

GS

全豪→ベスト8(2012、2015)

全仏→ベスト16(2013)

ウィンブルドン→ベスト16(2014)

全米→準優勝(2014)

MS

IW→ベスト16(2015)

マイアミ→ベスト4(2014)

マドリード→準優勝(2014)

ローマ→ベスト8+α(2015)

カナダ→ベスト16(2013)

シンシナティ→ベスト16(2012)

上海→ベスト4(2011)

パリ→ベスト4(2014)

となり、極端に苦手なサーフェスは存在しなくなりました。IWは賛否あるでしょうが4Rまで行っているのでこれもやや苦手だが、克服はしつつあると思います。

実はローマは怪我によってほとんど出ることができず、16強の成績がない唯一の大会でした。

このローマでベスト8は価値のあることです。すべてのサーフェスで勝って行ける力を証明することができました。

さらにマドリード→ローマと2週連続主要大会で勝ち残っており、これはIW→マイアミ、マドリード→ローマ、カナダ→シンシナティのマスターズ2連戦で連続ベスト8に勝ち残ったのは初めてのことです。

とにかく一発はあるが、なかなかけがに悩まされコンスタントにマスターズで勝って行けない。

このように加点するチャンスを逃していれば上位への道はありません。

今回の連続8強以上はいかに体が丈夫になったかを示すデータともいえるでしょう。

さて大会ですが、3週連続参戦、12日で10試合もこなしたマレーが棄権を発表。これは仕方のないことです。全盛期ナダルでもない限り、クレーでずっと戦い続けることは不可能です。ジョコビッチが欠場したように、マレーもここで試合を止めても許されるでしょう。

ここまでのマレーの勝ち上がりはお見事でした。初めてマレーが全仏優勝候補として本格的に名乗りを上げる年になりそうです。

それ以外はなんと「strong 9」が全勝。一時期危ない時期もありましたがここにきてその強さを取り戻しています。

ジョコビッチがややもたついていますが、それがなんなのかは錦織戦で明らかになるでしょう。

フォニーニは惜しかったのですが、ファイナルセットタイブレークで1ポイントもサービスポイントが取れなかったのがあまりにも痛すぎました。

というわけで暫定ランキングです。

トップ10の整理です。

ベルディヒは今日勝つとナダルに抜かれません。

・錦織は今日勝つとナダルに抜かれません。

・したがって今日錦織が勝ち、ベルディヒが負けると錦織の4位復帰が確定します。

ナダルはとにかく決勝進出。話はそれからです。

フェレールは決勝、バブリンカは優勝が一人前を追い抜くための最低条件です。

今日のQFは「strong 9」がみな勝ち残っているので好カードです。

フェレール×ゴフィンは注目カードです。実はもう結果は出てしまっているのですが、マドリードで好調だったゴフィンがマレー棄権というラッキーもあって初のマスターズ8強。いいテニスをしていただけにこういうツキが回ってくるのはテニスファンとして嬉しいですね。勝てば初のマスターズ4強のかかる大事な試合です。

フェデラー×ベルディヒベルディヒが数多く番狂わせを演じているカードなだけに注目。フェデラーはマスターズ以上のグレードでは昨年モンテカルロ以来の4強を狙います。下手をするとこの環境下ではベルディヒの方が有利かもしれません。

ナダル×バブリンカは注目カード。バブリンカはここまでロッテルダム以降完全に眠ってしまっていますが、今回は久しぶりのマスターズ8強。そして相手はあのナダル。2014全豪以来久しぶりの対戦。嵐の予感がします。

そしてみなさんお待ちかねの錦織×ジョコビッチ、あと1時間少々でのスタートです。

はっきり書きます。錦織の体は100%ではありません。この状況を鑑みると、昨年のパリのような力ない敗戦は容易に起こりえます。正直3-6、2-6くらいのスコアになったとしても痛くもかゆくもないくらいです。

いくら今大会のジョコビッチが2試合連続フルセットとはいえジョコビッチは強い。主要大会では昨年パリから7大会連続無敗(ローマ含む)。今期32勝2敗の選手に負けたところで何も問題はないです。仕方がなかったで済むでしょう。

だからこそ錦織は今シーズン初めて「呪縛」から解放されます。今日の試合のポイントはここです。

負けてもいい試合なんてどこにも存在しませんが、しかし実力から考えれば錦織は「負けたとしても仕方ない」で済まされる試合に今期初めて直面します。

マドリードのマレー戦は微妙なところですが、圧倒的にマレー、という事前見解ではなかったはずなので負けたとしても仕方ない試合ではないと思います。

錦織の今シーズンはプレッシャーとの戦いでした。

過熱する報道、追われるプレッシャー、5位を守るという難しさ、トップシードとしての受けきるテニス…

しかしジョコビッチ相手にそんな気持ちは一切必要ありません。必要なのは当たって砕ける突撃の精神です。

そしてその気持ちは2014年に通じます。あの頃のイケイケどんどんなテニス。何にも邪魔をされない攻撃的なテニス。

こういったものが帰ってくる可能性がゼロではない。そういった意味ではすごくわくわくします。

そしてマレーが提示してきた「錦織対策法」をマドリードでじっくりと見たわけですが、今度はジョコビッチがどんな錦織対策を見せてくれるのか。こういったポイントも注目したいところです。

カギを握りそうなのはセカンドサーブです。ここのところ私の解説は1stサーブに気が行っていますが、ジョコビッチのリターン力を考えると、セカンドから一切ポイントが取れなくなる、そういう可能性すらあり得ます。

まずはここを封じ込め、イーブンで試合を進めること。ここが一つの分かれ目です。

競ってくれば錦織のゲーム調整力もありますし、何より観客が盛り上がります。

ジョコビッチとてメンタルを崩す時があります。全米で突如ジョコビッチが崩れ去ったようにチャンスを逃さないことが重要です。幸いにも、イタリアの熱狂的なテニスファンは乗ってくれれば味方になってくれます。

今シーズン初めて明確な挑戦者として臨むこの試合、結果は重要ですが、それ以上に全仏前に王者に対してどんな爪痕を残せるか。楽しみです。