two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

大波乱の第5日、大会は中盤戦へ

こんにちは。

ほとんど試合見る時間がなくて時差調整もきついしハイライト動画で追ってたんですが、土曜日で時間もよかったのでナダル×フォニーニ戦を見ていました。

珍しくフォニーニがハードで勝ち上がってきてるなあと思ってたのでまさかまさかがないよね?とは思っていたのですが、スコアラインだけ追っていてフォニーニがツーセットダウンから第3セットを返したのでなんとなく第4セットの途中から見始めました。

この時間帯はナダルのプレーが落ち始めていた時間帯でした。フォアは浅く、フォニーニはナダルに過去勝った2回と同じ展開、とにかく信じてフォアハンドを打ち抜いていく戦略を取っていました。

第4セット0-2から挽回して3-2としてここからはキープに苦しみながらも4-3として第8ゲームでした。チェンジコートなのをいいことに席を外していたらなんといいプレーを立て続けにしてブレーク。さらに第9ゲームもしっかりキープして6-3としてファイナルセットに入ります。

といっても数字上は五分、セットカウント2-2です。ただTSD勝ちするときの異様な空気はすでに会場内に漂っていました。

しかもいつものすでに流れが逆転しているときなのとは違って、勢いはフォニーニにあるけどフォニーニ自体がむらっけのある選手なのに加えて、いつもTSD勝ちする立場なのはナダルの方で、先行逃げ切りから逆転負けを喫するイメージは皆無なので、いったいこの先どうなるのかよくわからない、という意味での異様な空気でした。

ファイナルセット、ナダルからのサーブ。第1ゲームはナダルがいいサーブを決めてキープ。第2ゲームはフォニーニのストロークが炸裂してキープ。両者譲りません。

どこで試合が動くか、というところで早速その場面はやってきました。第3ゲームでした。

40-15としたところからフォニーニがいい形でデュース。異様な空気が流れる中でフォニーニがさらに攻撃を強めナダルを打ち破ります。最初のブレークでした。

ただそこからフォニーニはやや消極的なプレーになります。愚直に決めていくのが最もいいポイントの取り方でありしかも確率が高いんですが、どうしても守りに入ってしまって攻撃のキレがなくなります。

ナダルはすぐにブレークバック、2-2にします。しかし今度は次のゲームでナダルが消極的なプレーになってしまいます。またサーブポイントもなく、簡単にフォニーニに打ち込まれて3-2になります。

この時間帯は両者効果的なサーブポイントが打てずにリターンを返してしまい、さらにサーバー側がやや守備的、消極的なつなぎのラリーになってしまうためにリターナー側の積極的なラリーがうまくはまっていきます。

結果第3ゲームから5ゲーム連続のブレークとなり4-3、フォニーニサーブの1ブレークアップになります。

ここでフォニーニはいいプレーを決めます。1ポイント目は外にサーブを打ってからフォア逆クロス。フォニーニの得意なパターンです。

15-0からの2ポイント目はスーパーショット。と言ってもフォニーニには明確な狙いがありました。ナダルの角度のきついバッククロスからコート外からのフォアDTL。完璧に狙いどおりでしたが、よく決めました。

さらに3ポイント目もフォニーニのネットプレーでの崩し。この3ポイント、フォニーニらしいベストのプレーで40-0とします。

ただ、ここからがGSのナダルです。

前回の記事でやや物議を醸してしまい申し訳ありませんでしたが、BIG4がBIG4たるゆえんは「なぜかGSでものすごい力が働いたかのようにすごいカムバックをするので、絶対に序盤で敗退しない」という強さがあります。

40-0、この場面フォニーニはDFをしたのですがそこを見逃しませんでした。一気にデュースに追いつくとそこからはお互いにものすごいプレーでした。

ナダルはフォアハンドに回り込みで入って打つなど5セットの厳しい状況の中ものすごいプレーを見せてくれました。そして何よりおそらくあのゲーム、UEはなかったのではないかというくらいミスが少なかったです。

その厳しい状況に対してもフォニーニはしっかりとビジョンを持ってストローク戦を戦っていました。何度もGP、BPが入れ替わる息詰まる展開。1ポイント1ポイントで最も会場が盛り上がる全米らしく大歓声が上がっていました。

このゲーム、試合を分けるのではないかと思っていました。ナダルが追いつけばそのまま行くだろうし、5-3にすればフォニーニがさすがに取るだろうと思っていましたし。

しかし最終結果はナダル。土壇場でフォニーニがミスをしてしまい4-4。6連続ブレークとなって完全に試合を振り出しに戻します。

第9ゲーム、このままナダルが行くのかというところでフォニーニは一切諦めていませんでした。というかむしろさらに高めていったというほうが正しいでしょうか。0-30からライジングでフォアDTLを決め、最後も攻撃的なプレーでブレークに成功。7連続ブレークで5-4、SFMとします。

こんなにSFMっぽくないSFMがかつてあったでしょうか。

チェンジコートの時間中、フォニーニはタオルで顔を覆い、一人の時間を作りました。

ナダルに勝つのはこれが初めてではありませんが、ハードコート、GS。過去2勝と全く違う光景がそこにはありました。

しかし勝ちびびりはもうない。たった4ポイント、サービスゲームでポイントを取るだけ。

この第10ゲーム、フォニーニはリターンゲームの時のような躍動感あるプレーが出てきました。

一方ナダルは15-0からのセカンドサーブのリターン、ネットにかけてしまいました。

調子が悪くなってからよく見る大事なポイントでのリターンミス。しかもネットにかけました。

最後も40-30から強打を打ち込みナダルがミス、見事に試合を決めました。

ナダルが2セットアップからの逆転負けとなったのは史上初です。

そしてフォニーニはジョコビッチフェデラー、デルポトロに続き史上4人目の1年間でナダルに3勝した選手となりました(ソースはTENNIS LOVERSさん)

そしてナダルは05年から続いていた毎年GS優勝の記録を10年で止め、初めてGSを取った05年以降では初めてのGS獲得なしの年になりました。

さらに連続GS決勝、連続GS準決勝進出の年数も同時に10年で止めてしまいました。

QFのジョコビッチ戦で起こるだろうと思っていた現実が、なんと4日も早く起こってしまったのです。

フォニーニはいいプレーでした。2セットダウンからでも自分を見失わず、今年2勝していた自信からかメンタル落ちする場面がなくなりました。そのプレーなくして勝利はなかったでしょう。

一方のナダルは心配です。13年フェデラーに見られたいいプレーの時間帯が安定しないという傾向が続いています。

いいプレーの時はやっぱりナダルだなあと思うのですが、だめなときは本当にだめなので、それを改善していくしかないのでしょう。

まずは武器のフォアハンドの改善、そして拾っていくプレースタイルから少しずつ変更していかないと今のスピードテニスにはついていけないのではないでしょうか。

私個人としてはナダルは相当うまいしネットプレーの多様なんかを考えてもいいのかなあと思います。

さてこれだけではありません。大会は波乱が続いています。

マレーの件はランキング試算で書くとして、なんと今日1日で上位16シードのうち、ナダルフェレール、ラオニッチ、ゴフィンが敗退しました。

ゴフィンは残念でした。バウティスタ=アグトに2セットアップしながら体調を崩し棄権負け。ジョコビッチとのリベンジマッチまであと1セットと迫っていただけに無念でした。

そしてラオニッチは相変わらず不調のようです。持ち味のサーブをブレークされているようでは勝ち目はありません。

さらにタイブレークではサーブ以外にポイントが取れないのでむしろ不利な状態になっています。悪い時のカルロビッチを見ているような感じです。今日もロペス相手にタイブレークを落としました。

ロペスはシンシナティに続いてのラオニッチ、そしてトップ10撃破で次戦ナダルに勝ったフォニーニと対決します。

情報によるとラオニッチは腰付近にけががあるようです。足の手術との関連性はよくわかりませんが、今年のファイナルはこれで相当厳しくなりました。

さらにフェレールは好調シャルディーに4セットで負けました。

ただぶっつけ本番で臨んで3R進出なのでこちらはまだポジティブでもいいと思います。調整不足の方が大きいと思います。全米はフェレールそこまで得意ではないですし。

フェレールに関してはアジアシリーズの頃にはだいぶ回復しているはずなのでそこからでも判断は遅くはないでしょう。

今日はボトムハーフの3回戦が行われます。

若手世代の陥落が見られる中、ヤング、ベズリー、コペヤンスなどが残っています。彼らには一つでも多く勝ち上がってほしいです。

なんか予想はしていましたが、2015年のシーズンを象徴するような「Young Guns」後退を見せられている今大会です。

2回戦より前の試合についてはランキング試算で振り返ります。とりあえず今日がすごい1日だったので一旦これで。

そういえばペール勝ってますね。まああれだけのプレーができていればそんな簡単に次でころっと負けることはないと思ってましたが、初のGSベスト16ということで喜ばしいことです。