two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

楽天ジャパンオープン・非公式ガイドブック②本戦ドロー解説

こんにちは。

疲れすぎて相当寝てたみたいです…伝聞なあたり察していただけると…

さて昨日夕方に本戦のドローが発表されました。いつも通りのドロー解説です。

32ドローですので2セクションに分けて解説したいと思います。

トップハーフ

[1]ワウリンカ

ステパネク

[WC]西岡良仁

[WC]伊藤竜馬

予選勝者

予選勝者

ソウザ

[7]ロペス

[3]シモン

予選勝者

ベズリー

[WC]内山靖崇

シャルディー

グロス

ミュラー

[5]アンダーソン

ボトムハーフ

[8]ディミトロフ

ペール

バグダディス

ベルダスコ

ラモス=ビノラス

キリオス

バウティスタ=アグト

[4]ガスケ

[6]チリッチ

予選勝者

トミッチ

ジョンソン

ドルゴポロフ

クエリー

コリッチ

[2]錦織圭

トップハーフ

2年連続の出場となる[1]ワウリンカ。メスでは棄権負けとなり、やや体調が心配です。

2年連続のトップシードとしての登場となりましたが、スポンサーでラケット、靴、ウェアとすべてを日本ブランドのヨネックスで揃えている選手です。

初戦はステパネクとなりました。ただ成績は悪く、かつて一線級で活躍した姿はなくなっています。ここは抜けたいところですが、ワウリンカのGS以外の成績を考えるとステパネクというよりも自分次第で一気にもつれる展開もありそうです。

そして2回戦は注目です。ワイルドカード参戦の西岡、伊藤が激突し、その勝者との対戦になります。

まあこれについてはボトムに強豪がそろってしまったことも含めて賛否両論でしょうが、しかしどちらかに大きな初戦勝利の45pが入ります。

この辺りのランクの選手は250、500で初戦敗退して0pを重ねランクを落とすことも多いので、継続的な活躍のためにもこういう運の良さというのは生かしてほしいです。ワウリンカ次第では100位以下のステパネクとの対戦となるのでベスト8、90p獲得のチャンスにもなります。

西岡と伊藤はこれまでも対戦があり、2013年全日本決勝で対戦した時は先輩伊藤が勝ちました。しかし西岡はそこから約2年で飛躍的に成長しました。同じ結果にはしたくないでしょう。

このブロックはノーシード選手に期待が薄く、ワウリンカと[7]ロペスの一騎打ちでしょう。ただロペスは今日クアラルンプールの決勝をフェレールと戦ってからの移動です。連戦の疲労は心配です。

ファイナル争いに向けて負けられないのは[3]シモンと[5]アンダーソンです。

シモンは08年以来、アンダーソンは初めてのファイナルへ向けての戦い、ワウリンカ次第では一気に決勝も見えるだけにチャンスを逃したくないところです。

シモンは序盤比較的楽なドローですが、アンダーソンはシャルディー、グロスといった危険な選手を抱えました。

アンダーソンには同時に自身初のトップ10入りもかかっており、パリQF失効までのチャンスを生かしたいところ。チャンスはあと3週です。

ボトムハーフ

大会連覇を狙う[2]錦織圭。しかし正直に言いましょう、非常に厳しい道のりだということです。

ボトムハーフにはもし大会展望を先にできていれば危険だと言った選手がほぼすべて集結しました。

初戦の相手コリッチは非常に注目カードです。

個人的に現状の若手で最も名前が売れていると思っている3人、キリオス、コキナキス、そしてコリッチ。彼らとは不思議と一度も対戦がないまま来ていました。

この間にキリオスはナダルウィンブルドンで倒し、フェデラーマドリードで倒しました。コキナキスはトップ30に3勝、チャレンジャーには1大会しか出場しておらず10代にして完全にツアーレベルの選手になりました。

そしてこのコリッチは昨年のバーゼルナダルに勝利、2月には今期好調のマレーに勝利しており、6年ぶりの10代優勝も期待されている最注目の若手の一人です。

プレースタイルとしては10代には珍しいフィジカルではなくしっかりとしたストロークで展開していくテニス。やや守備的で、本人も自分のプレーを「いい時はジョコビッチ、悪い時はマレー」と評し、なかなかビッグマウスな発言をしています。

ただその実力は本物で、現在30位台にいるコリッチは10代の選手では現在最高ランクにいます。

錦織は自分より若い選手には中堅選手となった現在でもほとんど負けていないし、特に異様な攻撃性は持っていないので一発持って行ける力はそこまでないので、変に泥沼に持ち込まれなければ勝てるとは思います。逆に初戦の内容が今大会の調子のバロメーターになりそうな予感です。

2回戦は注目です。勝つことは多いが苦戦を強いられるクエリーか曲者ドルゴポロフ。何気にドルゴポロフは相性がいいので、いつも内容ではジェットコースターな展開にこそなりますが総合力で上回れる印象です。

個人的には1回戦よりも2回戦の方が怖い印象です。

さらにQFも遊びがありません。おそらく[5]チリッチが来るのではないでしょうか。

ただチリッチは今日深圳で準決勝決勝のダブルヘッダーになる可能性があり、疲労をためた状態で中国から日本に移動、火曜日に試合でさらに2回戦を戦い、おそらく金曜日にQFとなります。

チリッチの今日の2試合の結果、内容には注目です。

トミッチ、ジョンソンには全勝しており、チリッチが上がってくるかどうかでQFの厳しさが変わります。

そしてSFは注目。ファイナル争いにいる[4]ガスケとの対戦が実現すれば今期でも最大の注目カードになります。

このブロックは初戦バウティスタ=アグト、そしてあのキリオスもいます。ガスケとて一筋縄にはいかないでしょう。

また[8]ディミトロフとペールという若手期待の選手として推されたが、微妙に開花できていない2選手の1回戦も注目です。

実力者がそろったこのボトムハーフ、勝ち抜くのは至難の業です。

総評

ワウリンカが不安定なので錦織が最有力という見方でしたが、ドローの偏りが顕著なのでここ二人が3割ずつ、結構いろんな選手に優勝の可能性がある感じです。

ファイナル争いに加わっているシモン、ガスケ、チリッチ、アンダーソンは最低でも決勝が欲しいところ。なんとか上位2名を打ち破って望みをつなぎたいところです。ここで勝てないと脱落でしょう。

一方錦織は優勝、いや決勝進出でもファイナルを99%から99.9%にできます。上海で決めるためにも今週はポイントが欲しいです。

ベルディヒナダルとの年末5位争いも白熱しており、大事な試合であることには変わりありません。

ここで意外なデータを示したいと思います。なんと今回の楽天OP、優勝経験があるのは錦織圭のみです。

BIG4は3人優勝経験がありますが北京出場orお休み。さらにベルディヒフェレール、ツォンガといった優勝経験者もすべて北京参戦です。

初優勝か連覇か。大会の看板を背負う錦織に注目です。

夜には今年大注目の本戦ダブルスについての解説、さらに別記事でWTAツアーの日比野初優勝について取り上げたいと思います。