two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

IPTLに行ってきました(その1)

こんばんは。

いつ以来でしょうか記事を書いたのは、というくらい久しぶりです。

休みがなく、しかも微妙にまた体調を崩しました。

今年は最後まで健康の大切さを実感する一年でした。

さていまさらですが12/4に神戸に行ってきました。IPTLです。

本日から2回に分けてレポートです。前半はシンガポール・スラマーズ×インディアン・エーシーズの試合と、運営面についてです。

これだけブログを書いておいてあれですが、関東にいないので実は錦織のプレーを生で見るのはこれが2回目。前回は2013年デ杯入れ替え戦のコロンビア戦でした。

当時は全米初戦敗退、トップ10挑戦失敗というどん底の状況での凱旋。復調の兆しを掴み10位台の選手のプレーを見せてくれました。

あれから2年、特にいわゆる覚醒した2014年以降では初めてとなる錦織テニスの生観戦。試合開始の3時間前に行くことを決める突発的な観戦でしたが、高いチケットを払ってなおお釣りがくるほどの素晴らしいエキシビションでした。

会場の神戸ワールド記念ホールは中心地から電車で約15分ほどのところにあります。

普段はコンサートなどに使われるのがメインで、O2アリーナと同様にこのため限定の特設コートが作られている仕様です。

収容人数はそこまで多くなく、最も遠い席でもかなり近い印象を受けました。

当日の地点で残っていた一番安い席であるSS席1万8千円を買おうと当日券売り場に行ったところ、SS席が売り切れ…

もう1階席しか残ってないと言われ、手持ちの問題もあったのでその中で最も安かったアリーナ北3万2千円を買いました。

結果的にはこの選択がいい観戦結果になりました。

私の席からの眺めはこんな感じです。以下携帯画質です、カメラ持っていけばよかった…

一階席は傾斜がないので前の開け具合次第ではかなりいい感じに見れます。

それではさっそく試合に行きましょう。

MS…男子シングルス

MD…男子ダブルス

WS…女子シングルス

MI…ミックスダブルス

LS…レジェンドシングルス

矢印は選手途中交代です。

シンガポール・スラマーズ×インディアン・エーシーズ

LS モヤ 6-5 サントロ

WS プリスコバ 6-4 ストーサー

MD メロ/ブラウン 4-6 ドディグ/ボパンナ

MI メロ→キリオス/ベンチッチ 3-6 ボパンナ→ドディグ/ミルザ

MS キリオス 3-6 ドディグ

第1セット LS モヤ6-5サントロ

会場に着いたらちょうど選手入場が終わったくらいで、さっそくモヤとサントロの試合が始まりました。

サントロは今大会の中でも注目選手の一人です。

現役時代のプレーは生で見たことがありませんが、技で戦ってきたそのプレースタイルから師匠と呼ばれるなど人気のある選手でした。

さっそくサントロはスライスを多用してモヤを翻弄していきます。

現役選手でもこのレベルのスライスが打てるのはフェデラーくらいではないかというくらい、引退したことを忘れさせるキレのあるスライスがコートに落ちていきます。

一方モヤは総合力が高いという印象でした。

過渡期にあった当時のテニス界とはいえ元ナンバー1。世界の頂点に立つからには理由があってスペインテニス伝統のしっかりとしたストロークに加え、クレーコートで培った一撃のハードヒット。押し引きがうまい選手だと感じました。

試合はモヤの攻撃とサントロのディフェンスがうまくかみ合ってシーソーゲームに。土壇場で追いつきマッチポイントをしのいだモヤがタイブレーク3-6からの逆転勝ち。まずはシンガポールが1勝です。

第2セット WS プリスコバ6-4ストーサー

ストーサーは肩周りの筋肉がまるで男子選手かのようなすごい肉体をしています。女性版テニス界の鉄人といったところでしょうか。

サーブのボールをもらいに行くときなどは結構距離が近かったのですが、生で見てわかるほどはっきりとラインが浮かび上がっていました。

この日は両者ともややプレーに精彩を欠き、何度もBPを迎えるピンチの中、プリスコバが5-4からブレークに成功。シンガポールが連勝します。

第3セット MD メロ/ブラウン4-6ドディグ/ボパンナ

今シーズンダブルス世界1位に輝いたメロとドディグの黄金ペアが敵同士となっての対戦。

ブラウンは確率はやや低かったものの長身と身体能力を生かした超高速サーブを何度も決めました。

レジェンドシングルスだとうまい人同士の打ち合いという感じでしたが、テンポの速い男子ダブルスの試合ということもあって球速、リズムも上がってこのあたりから慣れてきたお客さんも少しずつ盛り上がっていきました。

ブラウンがジャンピングスマッシュを決めた瞬間です。

目立つ画質の粗さ(笑)

でも携帯のほうが動画取りながら連写できるからよかったのかも。

試合は大事な場面でのブラウンのサーブのインの判定を巡って中断。そこで冷静さを欠いてしまったブラウンがミスを連発してしまい敗戦。

そしてツイッターでも報告しましたが、この試合中に打ったメロのボールをゲットしました。

IPTLのボールは持ち帰り自由でした。この時間帯はまだ席も全部埋まっていなかったので、さらに高額席だからか落ち着いて見る人が多く、取られないように走って取りに行った私がばかみたいでした…

このようによく見ると緑色のインクが移ってるのが分かります。(携帯画質…)

プロの選手はスピン量が桁違いなので、数ゲームとかちょっと使っただけでもすぐにボールが傷みます。7ゲームや9ゲームごとにボールを変えるわけです。こういうのも実際に触れてみるとわかりますね。

第4セット MI メロ→キリオス/ベンチッチ3-6ボパンナ→ドディグ/ミルザ

キリオスとベンチッチという期待の若手同士のドリームペア。対してインドはベテランのダブルス巧者を投入。

この日はベンチッチがやや不調。それに対しダブルス巧者のボパンナ、ドディグ、ミルザが力の差を見せます。

ただベンチッチのストロークのセンスは垣間見えました。ヒンギスからも将来を期待される逸材の今後の活躍が楽しみです。

第5セット MS キリオス3-6ドディグ

この地点でシンガポール19-21インドとなっていて、先にサーブだったキリオスは1ブレークアップの6-3で勝てばチームとしても勝つことができる条件でした。実は勝ち負けは関係ないということはあとで知るのですが…

キリオスは肩幅が広いからごつく見えるんだなあと思いました。意外と腕とか足は細いです。

あとモーションが独特です。打つ直前まで打ってないようなところから強引に手首とかを使って持って行ってる感じです。

あれでストロークよく安定するなと思いますが、スイングスピードが速いのでいいボールが打てています。

持ち味を消すわけにはいかないでしょうが、試合を見ていてももう少し破壊力のあるストロークが安定すればもっと強くなれると思いました。

試合は中盤で突き放したドディグがキリオスを破り途中出場も含めて怒涛の3連勝。逆転勝ちで第1試合はインディアン・エーシーズが27-22で勝ちました。

面白いゲームでした。特に男子選手は破壊力が段違いです。プロ選手はやっぱりサーブと決め球の威力だと感じました。

シンガポールチーム

キリオスがお茶目でした。彼もまだ20歳の若手選手。時折見せる笑顔などは若いなーと感じました。

チームの空気感も作っていました。

カナダでの例の一件以降冷ややかな目で見ていましたが、今一度温かい目で見守っていこうと思います。

・インドチーム

モンフィスが控えに回ってしまったため、実質監督みたいな感じでチームメイトを鼓舞していました。

初日の日本戦で負傷してしまったため、練習のみでした。

あとチェンジコートの音楽とかはとにかく乗る!映像がないのが残念ですが、いつものヒップポップのダンスのノリで体を動かしていました。

試合後インタビューを受けた後のファンサービス。こういったところがファンから愛される理由ですね。

右上に実はガスケがいますが練習無視して見てますね(笑)

ここからは運営などに関する話です。

・ルールの周知

一応パンフレットでルールを配っていたのですが、結局最終シングルスの延長ルールが採用されないなど最後までバタバタだった印象です。

あと選手側も大丈夫なのかと思ったのがチェンジコートの時のショットクロックです。

チェンジコートの場合、チェンジコートの時間というショットクロックと単純なポイント間のショットクロックの合算なのかどうかが電光掲示板ではわかりませんでした。

そのためなのか、ほとんどの場合でセット間交代などはサーバー側がペナルティーを食らっていました。

ノーアドですから4ポイント先取の0-1スタートです。ちょっとかわいそうでした。

12/4の一日の間には、単純なポイント間のショットクロック適用はありませんでした。

20秒たったらブザーが鳴るとかではありませんでした。微妙に20秒超えたときもあった気がするのですが、一応セーフという扱いになっていました。

1stサーブを失敗してしまった後再度ショットクロックが動くことはありません。しかし妙にDFが多かったのは室内だからでしょうか?

・パワーポイントは結局40-30の場面と相手のMPだから仕方なく使った40-0のケースしかありませんでした。

目に見えてBPを作れるからそれでいいんですが、もっと有効な使い方を探してみるのも面白いかなと思いました。

・警備の問題

手荷物検査がありませんでした。ちょっと驚きましたが、しかしあれだけの小さな会場だとやるほうがいろいろめんどくさそうだし、別に悪くないと思いました。

・食糧、飲み物の確保

会場はポートアイランド(人口島)にあり、近くにコンビニとかもあまりない場所でした。

かといって飲み物や自販機が用意されているかというとあるにはあったんですが少ない印象でした。

楽天OPやデ杯の時のように出店とかが出ているといいなあと思いました。

・お客さんとしての在り方

IPTLはうるさくしていいよと言ったんですが、周知したのが遅かったのと、やっぱり日本の観客は日本なので、いつも通りという感じでした。

4日はいい感じに盛り上がっていましたが、お客さんの少なかった2日3日は静かすぎたという意見も聞きます。

・ポイント間の移動の制限

ツアーと同様ポイント間の移動が制限されていたのですが、これは必要だったのでしょうか?

ツアーの試合だと選手の集中をそいではいけないので厳格に守られるべきですが、お祭りですし、自由に行き来できた方がいいのではないかと思いました。

特に1階席に行くためには2階入り口から入って階段を下りコートにそのまま入れるところを横切って席に戻らないといけないので、各ポイント間に止められた結果平均3ポイントくらいは時間がかかりました。

スピードアップを図っているためポイント間も短く、移動も急いでやらないとすぐ近くの警備員に止められてしまう感じでした。

もっとみんなでビールを飲みながらつまみでも食べて叫んで盛り上がる感じだと思っていたので、そこはきっちり守らなくてもいいのかなあと思っています。

・チケットの値段

私は楽しかったんでいいですが、あの時間、内容でやるならもう少し下げた方が売れ行きが良かったのかなと思います。

基本的には去年の映像を見る限りだとアジアの富裕層向けにやってる感じが強いので、そのフォーマットを日本に持ち込んだら失敗したっていう感じがします。

休日開催だったらこれくらいでよかったんでしょうが、平日に買ってくれる購買層を考えると手が出にくかったですね。

終演時間も遠方からきてホテル泊まりを想定するようなスケジュールでした。

・選手に負担をかけすぎでは

単純に選手を3日働いて1日移動というスケジュールで5都市に帯同させるだけでなく、ミート&グリートなどをやっていたら本当に倒れてしまいます。

そもそもあのような企画を試合と並行して入れることに相当無理を感じます。

プレミアムシートの席数を極限まで減らしてVIPサービスさせるか、値段を落とす代わりに多くの人に行きわたり選手の負担にならないサービスを考えないといろいろ破綻しそうです。

試合に出ない抜け番の1チームをうまくファンサービス側に有効活用できないか、というのが私のアイデアです。

・第1試合と第2試合の間をもう少し空けてほしい

1階にいるとサインをねだれるので、練習とかを見ていたらすぐ第2試合が始まった印象でした。

2階席にいると違ったのかもしれないですが、単純にトイレに行く時間も含めて、もう少し時間を空けてもよかったかなと思いました。

まだまだ船出のIPTL、ミスや問題が出るのは普通のことです。楽天OPを見てみましょう。いまだに批判が尽きません。

次回は神戸以外での開催を希望したいです。なんだかんだおもしろかった。

さて、ツイッターでお知らせしていたこの試合中に起きた「重大発表」とはなんなのか?それは次回日本戦編で。