two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

2015年総括②氷山は再び固まった、時間逆行の1年

あけましておめでとうございます。

やるしかないんだ、そういう覚悟で今年もやっていきたいと思います。

偶然にも12月31日で総アクセス数2000万をめでたく突破することとなりました。

わずか1年1か月程度での達成。2000万アクセスを達成しているスポーツナビブログですら数えるほどしかないのに、これだけの短期間となると聞いたことがありません。

しかしこれからはこれから。いつも通りこれからも自分のスタイルでやっていきたいと思います。

新しいグランドスラムウィナーを2人も許し、正直例えるなら氷山の形は持っているが、ひびが入って今にも壊れそうというのが率直なところです。

2015年は本当の意味でビッグ4崩壊の年になるのか、10人くらいに優勝のチャンスがあるグランドスラムという10年ほどなかった時代が差し迫っています。

いきなりですがこれは2014年最後の記事、「2014年をテニスに限らずいろいろと振り返る」 での文章です。

多くの皆さんが2014年の若手台頭を見て、2015年の大変革を予想したのではなかったでしょうか。

ところが、です。いきなりそれを修正したのが全豪後です。

全豪は1年の流れを占うのにいいと言われます。

昨年はバブリンカの優勝がその後の波乱の1年を予感させました。ビッグ4時代は終わったのかもしれないと私もあの結果を見て評しました。

だからこそ今回の評価は「VSジョコビッチ」の構図への変化です。

気が付けばポイント差は2位フェデラーと4000p近く。3位ナダルと7000p以上。とんでもない数字になっています。

フェデラーはドバイ優勝以降はずっと高得点です。このポイントを守れるかは不透明です。

ついにジョコビッチ1強時代の到来か。2011年以来の無双の可能性もありえます。

(「2015年の答えは「やっぱりジョコビッチ」なのか?」より)

悲しいかな、この予想が変わることはありませんでした。

全豪で見たジョコビッチの強さにコンスタントに対抗できる選手は現れませんでした。

もちろん年間で3度も土をつけたフェデラーはその結果を高く評価されるべきですが、ビッグマッチではシンシナティ決勝以外全敗。本当にジョコビッチに対して戦えたか?と言えばそれは疑問が残ります。

ジョコビッチの今年の6敗はカルロビッチ、ワウリンカ、マレー。悔やまれるのはドーハのカルロビッチ戦と全仏決勝のワウリンカ戦で、このうちどちらかで勝っているか、もしくはフェデラーからあと1敗少なければおそらく「テニス史上最高のシーズン」という評価だったのではないでしょうか。

6敗してしまったのと、トップ10以下に負けてしまったこと、同一選手に3敗してしまったことなどケチがつきやすい内容になってしまいました。

といってもあくまで「テニス史上最高のシーズン」に対してケチがついているだけであって、本質的にはフェデラー05、フェデラー06以来の約10年ぶりの独占シーズンと言っていいと思います(ジョコビッチ11が入るかは賛否あり)

そしてジョコビッチ独占だけでなく、トップ10グループもほとんど変動がありませんでした。

いわゆる「BIG4」に加え、ワウリンカ、錦織、ベルディヒフェレールのファイナル出場メンバーは全員が一度もトップ10を陥落することがありませんでした。

新規のトップ10はアンダーソンのみでわずか1週、それ以外はすべてトップ10経験者でしかもラオニッチを除けば7位以上に食い込んだ選手はいません。

言うなればワウリンカ、錦織(前半戦を含めばラオニッチも)を新規に入れた固定メンバーが年間通してツアーを盛り上げただけで、何の新しい勢力も登場しませんでした。

昨シーズンランキングを上げて今後が期待できる選手はかなり広めに見積もってコリッチ(91→44位)、ティエム(39→20位)くらいでしょうか。下位ではチュンやMuñoz de la Navaなどいますが、まだチャレンジャー主体の成績で大きな撹拌は起こせていません。

2014年にブレークしたキリオスは波があるものの現状維持。コリッチはタフドローにも泣きトップ30を目前に跳ね返されました。

キリオスが今年惜しくも優勝できなかったことで10代優勝は今年もなし。08年以降出ていない10代優勝はコリッチ、ズベレフ、チュンなどに託されることになりましたが、彼らは決勝にすら辿り着いたことがありません。

若手の名前は15歳くらいまで広く上がってくるなど、とにかく「新しい波」にファンが飢えている、それが顕著となったのが2015年という風に感じました。

現役最年少GS優勝者…チリッチ(27歳)

現役最年少GS準優勝者…錦織(26歳)

現役最年少GS4強…ディミトロフ(24歳)

現役最年少MS優勝者…ジョコビッチ(28歳)

現役最年少MS準優勝者…ラオニッチ(25歳)

ご覧ください。これが現実です。

頂点にたどり着くどころか、その手前の場所ですら昔なら簡単に到達していたはずの23歳以下の選手は、現状全くチャンスがない状況です。

2016年、今年こそ撹拌は起きるのか、どのレベルでもいいのでNO.1、トップ10、トップ30、トップ100、それぞれの場所で新しい風が吹くことに期待です。

後半は昨年同様錦織とツアーベストマッチの選出です。

昨年の記事はこちら。

ところで2015年の願望9個のうち

・ダブルスでブライアン兄弟以外が1位

・ダニエルトップ100入り

・西岡GS初勝利

が当たりましたね。西岡のトップ100入りも時間の問題だと思うのでこの二人は楽しみです。

それでは2015年の選定です。

プレイヤー・オブ・ザ・イヤー ジョコビッチ

今シーズン最大のサプライズ ワウリンカが全仏優勝

今シーズン最大のショック ナダルの低迷

新人賞 該当なし

カムバック賞 ペール(文句なし!)

グランドスラムベストマッチ 1位ウィンブルドンF、ジョコビッチ×フェデラー 2位ウィンブルドンQ、ワウリンカ×ガスケ

3位全仏S、ジョコビッチ×マレー

グランドスラムベストマッチ 1位ファイナルRR、錦織×フェデラー 2位カナダF、ジョコビッチ×マレー 3位モンテカルロF、ジョコビッチ×ベルディヒ

劇的だった試合 全米3R、ナダル×フォニーニ

神経がすり減った試合 リオS、ナダル×フォニーニ

トーナメント賞 全仏OP

ベストパフォーマンス賞 エストレラ=ブルゴスのツアー優勝

アイアンマン賞 ジョコビッチ

Most Improved Player アンダーソン

ブレイクスルー賞 チュン

2015年に発見した新しい選手 コキナキス

2016年より注目したい選手 ラオニッチ

最も印象に残った引退選手 ソダーリン

2016年の勝手な願望

・錦織GS取る

フェデラー五輪取る

ジョコビッチ以外が1位に

・全仏ジョコビッチが取りキャリアGS

・ゴフィントップ10入り

・西岡トップ100入り

・ダニエルGS本戦初勝利

・GS優勝者が3人以上

ジョコビッチ以下の年齢の選手のMS制覇

プレイヤー・オブ・ザ・イヤーは文句なし。1位を選ぶ決まりはないと思ってますがやはりジョコビッチでしょう。

そしてその次に大きなインパクトがあったのがワウリンカ。やはり全仏優勝は衝撃でした。

ベストマッチは相当迷いました。正直あまりツアーを追えてないのでビッグマッチが多くなりますよね。

MIPはアンダーソン。1年を通して一皮むけました。

引退選手はフィッシュを選べないのが残念。ここは文句なくソダーリンでしょう。

願望は去年とあまり変わらない。そのあたりが停滞を表しています。

続いて錦織です。

錦織ベストマッチ

1位 ファイナルRRフェデラー

2位 カナダQFナダル

3位 全豪4Rフェレール

4位 ファイナルRRベルディヒ

5位 バルセロナアンドゥハル

ベストショット

全仏ベルッチ戦のポール回し

ベスト大会

1位 ワシントン

2位 ファイナル

3位 マドリード

今シーズン最大のサプライズ 5月までMTO棄権一切なし

今シーズン最大のショック 全米1R

劇的だった試合 ワシントンSFチリッチ戦

神経がすり減った試合 メンフィスSFクエリー戦

ベストパフォーマンス ワシントン→カナダ

突き抜けた大会がなかったので選定には迷いました。

神経が磨り減った試合ってアカプルコフェレール戦とかいろいろあったと思うんですよ。

ワシントンからカナダは連続した2週間で稼いだ最大の週。内容もよかったしベストパフォーマンスでしょう。

すでにブリスベンのドローは出ていますが、3大会すべてのドローが出てからまとめて吟味します。それでは。