two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

2016week15レビュー week16ランキング試算

こんばんは。

予定通り、まずはウィークレビューとランキング試算です。

残念ながら、改良版の試算チャートは完成していないので、手動での作業となりました。

今週はたぶんミスしてないはず…

モンテカルロ(マスターズ1000、クレー)

大会は大荒れとなりました。

従来高速クレーのマドリードや、直前のIWやマイアミなどのほうが荒れる傾向にあり、クレーマスターズ初戦のモンテカルロはそこまで荒れた年がない気がします。

荒れてないと感じているのはたぶんナダルが勝ち続けてる影響なのではと思えてなりませんが…

2回戦のジョコビッチ×ベズリー戦ですが、結果は様々な議論を呼んでいます。

いろいろな理由があったと思いますが、まずは勝ったベズリーを称えるべきでしょう。

昨シーズンはドルゴポロフ、グルビスなどあと一歩まで行った選手は何人かいますが結局すべてジョコビッチが取りました。

それがそうはならなかった。これは大きな意味があります。

正直ベズリーから見てファイナルセット5-3の0-15まではジョコビッチが逆転勝ちすると思っていました。

私は勝因を次のポイントに見い出しています。勝負をかけたベズリーのドロップショットが成功。この試合のベストショットと言っていいと思います。

ここで勝負できる選手は少ないです。さらに言うとそれが決まる確率も少ないです。

この二重の網をすり抜けた結果があの勝利です。

私はディフェンシブテニス論者であると度々言っていますが、私ならあの場面あんなドロップは絶対打ちません。

しかしそれでは負けてしまうのです。これは経験論です。あそこで勝負して、決めたものだけが勝てる。

実際あのドロップショットを失敗して0-30ならかなりの確率でブレークされていたと思います。

ベズリーは勝者に値する選手でした。

ジョコビッチ側の敗因を探ると、ピーキングの問題だと思います。

ストロークミスもそうですが、とにかく反応が悪いという印象でした。試合に焦点を合わせきれていないような感じでした。

と言ってもジョコビッチは責められません。ドバイで病み上がりの状態で棄権してから翌週すぐにデ杯2試合。ククシュキンと5時間近い試合になりました。

その後IWとマイアミで12試合。内容はよかったですが、マイアミでは決勝に進むまでにややもたつく場面も。そろそろかな、という空気はありました。

私はそれが苦手のマドリードで来ると思っていたのですが、思ったより早く来てしまったなという印象です。

ただ、これは1敗にすぎません。

今後のクレーシーズン、全仏、年間1位争いには何の陰りも見えません。

しいて言うなら最強年議論に挙がった時に痛すぎる1敗ということでしょうか。

15年もカルロビッチへの1敗が厳しく(それがなければトップ10以下無敗だった)、最強年にしにくいだけに、それ以下のランキングのベズリーに負けてしまったことはかなり痛いです。

年間GSと五輪金で帳消しくらいでしょうか。それも相当きついですが。五輪からシンシナティを挟んで全米というスケジューリングがきつい。

マドリードでは通常運転のジョコビッチが戻ってくるものと期待しています。

さて、マレーも3回戦で苦しみました。ペール相手に1セットダウン2ブレークダウンの2-6、0-3まで行きました。

ペールは勝つべき試合でした。マレーは下がってつないでいるだけで攻撃性を欠きミスを連発。2014年以前のクレーのマレーに戻ってしまった感じでした。

しかしペールがここでDFでブレークを献上。このすきを突いたマレーがなんとか追いつき、最後は振り切ってフルセットで勝ちました。

DFで落とさず4-0にしていればマレーが戻る前に試合を終えられていただけに、なんとももったいない試合でした。

そしてベルディヒは心配な内容。ジュムールに2回戦で敗戦しました。

内容もタイブレークこそ取ってフルセットにしたものの、取られた2セットはタイブレークにももつれずの落とし方で、完全な力負け。非常に悪い結果でした。

ベルディヒはこの週590p失うこととなり、レース争い、当面のランキングで苦しい戦いとなります。

ラオニッチは微妙です。クエバス、ジュムールに辛勝してベスト8まで行ったものの、マレー戦ではサーブの球速が上がらず、キャリア二度目、試合を最後まで終わらせたうちではキャリア初となるエース0で試合を終えました。

プレーできないわけではないのですが、よくこれで8強まで来れた、という内容で、正直休むべきだと思います。

IW、マイアミ、モンテカルロとラッキードローが重なって勝ち上がってきましたが、それがむしろ体を蝕む結果になっているように思えます。試合をするたびにプレーレベルが落ち、足回りが不安になってきました。ポイントの代償に、今年のクレーシーズンもかなり厳しい立ち上がりとなりました。

ナダルは4回戦でティエムと激突しました。

2月のブエノスアイレスではナダルに勝ち、今回も熱戦が予想されました。

試合はティエムが再三チャンスを掴むものの、BPを取りきれず敗戦。

ナダルはこの試合で何かを掴んだような気がします。全盛期の勝負強さが戻ってきました。

一方ティエムは深刻です。BPが取れなかったのは今回だけではありません。マイアミのジョコビッチ戦でもまったく同じことが起きたからです。

あの試合もティエムは押していたのですが、全くBPが取れず敗戦。

総合力がありいい選手なのですが、一発で決める武器がまだ足りないように思います。

同世代のベズリーとの比較になりますが、ここぞという場面で勝負手が打てなかったのが敗戦の理由かなと思います。

QFのナダル×ワウリンカ戦では、勢いに乗ったナダルがワウリンカを圧倒。

ワウリンカはシモンに勝利し去年の全仏と同じ匂いがしたのですが、負ける時の悪いパターンであっさりと敗戦しました。

復帰戦となったフェデラーは悪くない立ち上がりだったと思います。

初戦はクレーコーターでクレー優勝経験もあるガルシア=ロペスでしたが難なく退け、好調バウティスタ=アグーにはまったく持ち味を出させずに圧倒。

QFのツォンガ戦では幸先よく1セット目を取りましたが、2セット目以降1stサーブの入りが悪くなり、ゲームプランが崩壊します。

フェデラーが最近負ける時はよく1stの確率が悪いことが多いですね。

お互いにブレークが遠いファイナルセットでは何回か両者にチャンスがあったものの、最後はツォンガがブレークに成功し勝負あり。

最終ゲームのフェデラーストロークミスが印象的でした。

SFは久しぶりのBIG4勢揃いかと思いましたが、BIG4対決とフランス対決となりました。

マレー×ナダルは、序盤マレーが素晴らしいプレーでナダルを圧倒しました。

代名詞のフォアハンドを出させず、先にマレーが仕掛けてナダルに強打を許さない展開となりました。

クレーナダルを攻略するには、今も昔も攻撃力で乗り切るしかないようです。

ただその攻撃力を2セット持続させるのは難しかったようです。

第2セットに入ってストロークでの展開ができなくなり、一気に形勢は逆転します。

するとペール戦からの疲労が来たかマレーがプレーレベルを落としてしまい、ナダルがそのまままくって逆転勝ちとなりました。

マレーはマドリードでやったように、しっかりとゲームプランを立てて実行していただけに残念でした。

スコアこそワンサイドな展開が多かったですが、見ごたえは抜群でした。

ツォンガ×モンフィスは、モンフィスの堅実なプレーに対しツォンガが崩れてしまい一方的に。こういうところでお付き合いしてしまうのがモンフィスですがやはり今期は違う。

ラッキードローだけではなく、ラッキードローを勝ちきる実力を見せてくれました。グラノジェルスに敗れチャンスを生かせなかったゴフィンとは対照的です。

決勝は体力的に有利のモンフィスが激戦を勝ち上がってきたナダルに挑む構図。

試合は両者のディフェンスが光る試合に。ロングラリーが続き、モンフィスが簡単にミスしないので持久戦の様相となりました。

特に気になったのはモンフィスの攻守の切り替えです。もともと強打は得意な選手でしたが、クレーでの正しい押し引きを身に付けた感じです。

これがコンスタントに出せるなら、今シーズンのクレーは十分戦えると思います。

一方のナダルもフォアの逆クロスをしっかりと起点にできました。ナダルファンにとっては胸のすくような試合だったのではないでしょうか。

試合は1セット目をナダルが取り、モンフィスが落ちてしまうか心配されましたが、トップギアで戦い続け、第2セットはなんと逆転してセットを取りファイナルセットへ。

この時点で試合時間は2時間を超え、大熱戦となりました。

しかし幕切れは突然来ました。2時間以上トップギアで戦い続けたモンフィスに力は残っていませんでした。220km/hあるパワーサーブを封印するほど疲れ切っていたモンフィスは次第に精度を欠き、ナダルが振り切りました。

今シーズン最も面白い決勝でした。両者とも決勝にふさわしいプレーを見せてくれました。

ナダルモンテカルロの優勝が9回目、オープン化以降では全仏と並んで歴代最多です。

ナダルの今回の記録(オープン化以降)・マスターズ優勝回数でジョコビッチに並ぶ28回・同一大会の優勝9回は自身の全仏と並んで歴代最多タイ、マスターズでは歴代単独最多・同一大会の決勝10回はフェデラーバーゼル12回に次いで2位・ビラスの歴代最多クレー49勝まであと1勝に— twosetdown (@twosetdown) 2016年4月17日

記録づくめの優勝でしたが、それ以上に「クレーキング復活」という印象があります。

どちらにも打てるフォア、確率の高い1stサーブは全盛期のそれです。

あともう少し守備範囲の回復とDFをなくせば全盛期と同じです。

今週バルセロナで同じようなプレーができれば、継続的にできることが証明されれば、今度こそ完全復活と言っていいのではないでしょうか。

ランキングです。

まずはモンテカルロ終了時、月曜発表のランキングです。

モンフィス、ナダルが伸ばしました。ナダルはしばらく5位安泰です。

一方ベルディヒは9位に転落。1年ぶりです。

失効後のランキングです。

昨年は準優勝がアンドゥハルだったこともあり、失効が上位で直接効いてくるのは錦織500p、フェレール180pくらいです。

錦織は45pが入るため455pの失効(今日勝ったんで、普通にバルセロナの成績同士の比較でよくなりました)です。

フェレールは出てる大会数がそんなにないため、ごっそり失効です。

そして皆さん気になるレースランキングです。

基本的には純増なのですが、すでにその他6大会がいっぱいになっているクエバスは20p、アグーは45pが押し出される形になります。

4月で6大会たまっていると、年末に6週連続出てブーストするのが難しくなるため、見た目以上にファイナルに向けては頑張らないといけなくなります。

今週は雑な表になってしまい申し訳ありません。次週までには何とかします。

あ、錦織勝ちましたね(もういいでしょ結果言っても)。

難なく勝って特に力を見せるでもなく。初戦らしく流して勝ったと思います。

とりあえずデバッカーに対してリターンミスが多かったので、シャルディーにはもう少し苦しむかもしれません。

あと何気にクレーではまだシャルディーに勝ったことがないので、それも危険ですね。