two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2016ウィンブルドンのシードについて)

こんばんは。

今週の大会が進んでいますが、今週の結果でウィンブルドンのシードが決定します。

ウィンブルドンのシードは特殊で、現行のトーナメント形式のツアー大会では唯一のランキング≠シード順となる大会です。

ウィンブルドンのシードは次のように決まります。

・シードの有資格者は上から32人まで(後述する「芝ポイント」で33人目以下の選手が逆転している場合でも、シード逆転にはならない)

・その32人を「芝ポイント」と呼ぶ、次の合計点で上から順にシード付けをする

ATPランキングポイント

②過去1年間の芝コートでの全ATPポイントの合計

③②からさかのぼって1年間の芝コートで、1大会で最も獲得したATPポイントの75%

この①~③を足したものを「芝ポイント」と呼びます。

たとえば、錦織圭の場合だと(2016年6月15日、ハレの1R終了時の計算)

①→4155p

②→45p(2016年ハレ)+45(2015年ウィンブルドン

③→180×0.75=135p(2015ハレor2014ウィンブルドン

①+②+③=4335p

です。

②の対象になる主要な大会は2016ハレ、クイーンズ、シュツットガルト、スヘルト-ヘンボス、2015ニューポート、ウィンブルドンノッティンガム

③の対象になる主要な大会は2015ハレ、クイーンズ、シュツットガルト、スヘルトーヘンボス、2014ニューポート、ウィンブルドン、スヘルトーヘンボス、イーストボルンです。

2014~15年に芝コートのツアー編成が変更になり、ちょっと具体例だとわかりにくいのですが、これはどうしようもないので受け入れましょう。

あと細かいですが各大会の予選、チャレンジャーなど、芝コートの大会のすべての成績が加算対象です。

さっそくですがシードの試算に移りましょう。

まずは単純なランキングポイントの方です。実質今シーズン初の運用となります。

今年度用に少し計算プログラムをいじったので、ミスがないとは言えません(ポイントのほうはないと思うんですが、最高点と次に勝った時のポイントの自動化を図ったので、そこはミスが出る可能性があります。目視チェックはしましたが)

今日の記事で使う表はすべて月曜地点で失効を加味した状態のランキングになります。月曜火曜でいくつか試合が終わっていますが、その分は加味していません。アンダーソンはなぜかクイーンズの予選から参戦し、突破したのでその20pは加算しています。

驚くべきはティエムです。min=その他大会の最低ポイントが250となっています。

現在ティエムはアカプルコ500、グスタード250、ウマグ250、ブエノスアイレス250、ニース250、シュツットガルト250が採用されており、1750p。7位にいながらランキングポイントの半分がその他大会のポイントです。

しかも今後失効予定のグスタード、ウマグも、ミュンヘン150、リオ180で失効はほとんどなし。ティエムの今後の躍進は、500で優勝するか主要大会で勝つしかなくなってきました。

上位のランキングの変動は、ワウリンカの優勝時のみです。そして昨日ワウリンカが敗れたので、1~6位までは確定です。

そして本題のウィンブルドンシードです。

ナダルは欠場なので意図的に外しました。

表についての説明です。

GlassPが「芝ポイント」です。これをもとに順位づけしています。

15-16は今週の大会以外の②です。純粋にランキングポイントに加算されます。

todayは今週の大会の獲得ポイントです。②にあたり、これも純粋にランキングポイントに加算されます。

14-15は③です。大会名の明記は煩雑なので避けました。(75%にしたものではなく、計算の都合上もともとの点を入れています)

pointはランキングポイントです。

maxは今週優勝すればどこまで芝ポイントが伸びるかということです。今の段階では目安として見てください。

これらについて疑問があればコメント欄で質問してください。私も今回は手動入力が多かったので(2年前のペールなどの芝のデータとか持っているわけないのでその辺は全部手作業です)、計算にミスがないとは言えません(もちろんチェックはたくさんしましたが)

ただ、この表から確実に言えることは、ウィンブルドンの1~4シードは、今週いかなる結果になっても変わりません、確定しています。

ワウリンカと錦織は全仏失効の素点で並んでいる時期もありましたが、そもそも芝ポイントで500p近く差があり、全仏で540p差がついたのでこの結果となりました。

依然としてレースではワウリンカを離しているので、そのうち順位逆転のチャンスはやってくるはずです。

ラオニッチ優勝の場合第5シードとなり、錦織は第5シードまたは第6シードです。

あと気になるところとしてはラオニッチとキリオス。この二人は脅威ですが、今日のクイーンズの1回戦で直接対決となり、敗戦によりどちらかがシード位置をほぼ確定させます。

ちなみに同点になった場合の規定がわからなかったので、シモンとキリオスのシード位置は同じ15にしています。ATPのように正式なルールブックがあればいいんですが、確認できていません。毎年のシードの発表もシード番号だけ発表するのでそこまでミスがあるかどうかもチェックできません…

現在のシード番号だと、17~24シードに怖い選手がそろっている印象です。

モンフィス、イズナー、アンダーソン、ロペス、カルロビッチ、コールシュライバーと、芝に強い選手、ビッグサーバーが揃っています。

一方25~32シードはクレーコーターが多め。クエリーが危険ですが、それ以外に飛びぬけた選手はいない印象です。

また8シードの攻防も気になります。チリッチ、ベルディヒはティエムと約300p差ですが、勝てば①と②で二重にポイントを伸ばせるので、そんなに遠くはないです。

気になる情報ですのでアップデートをできる限りしていこうと思います(記事更新という形です)。よろしくお願いします。

今年度用のアップデートしたプログラムが間に合ったと言えば間に合ったのですが、芝ポイントの計算まで自動化できなかったので(またプログラムのデバッグが甘いので)ミスがあればご指摘ください。

ここのデータは使ってもらっていいですが、暫定であり100%信頼できるものではないということはご承知ください。