two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【ドロー解説】2016全米OPの展望

こんばんは。

シンシナティなんてなかった…

いや錦織うんぬんではなく、五輪直後にマスターズをやられると完全に息切れです。

観戦が追い付かないファンも多かったのではないでしょうか。

大会はチリッチが優勝。ジョコビッチ以下の年齢の選手では初となるマスターズ優勝です。

やや空き巣大会であったのは否めませんが、それでも決勝で驚異的なプレーを見せたチリッチはやはり力があります。全米優勝もフロックではなかったことが証明されました。

またこれにより、今回の全米では第7シードを確保。優勝、4強と相性のいい大会で今回も躍進を狙います。

錦織については、ある程度疲労で納得がいくので仕方ないです。

ただ疲労を抱えた状態同士でマレーと戦うことは、今後GS2週目で疲れた状態で対戦することを想定すると経験値アップにつながっていただけに、そこは残念かなと思います。

マレーもよくこの大会をまとめました。マレーが序盤で敗戦していたらなかなかひどい大会だったと思います。

ナダル、錦織、モンフィスといった五輪活躍組が軒並み苦しんでいたので、よく決勝まで勝ち上がったと思います。

マレーは充実期に入っていると思います。GS決勝では初のランキング下の選手を相手にきっちり勝ち切ったウィンブルドンで、また一つステップアップした感じです。

ツイッターでは触れましたが、モンテカルロ起算ではマレーはジョコビッチに対して1560pリードしており、来年初頭にかけて1位挑戦が現実味を帯びてきました。ここからはジョコビッチのほうが得意なシリーズが続きます。お互いに正念場です。

それでは大会展望です。

全米オープンは今年最後のグランドスラム、ニューヨークの「フラッシング・メドウズ」で行われます。ニューヨーク中心街からもそう遠くなく、近くに空港があることから飛行機の音が聞こえることもあります。

今回から1番格のコート、アーサー・アッシュスタジアムに屋根が付きました。

全仏やウィンブルドンほどではないですが、全米も雨に悩まされる時もあったので、これで進行が楽になると思われます。

ドローサイズは128、優勝までは全員7勝が必要です。5セットマッチ、ファイナルセットはタイブレーク決着です。

ジョコビッチ

[1]ジョコビッチ

(PR)ヤノヴィッツ

ベズリー

(Q)Myneni

(WC)フラタンジェロ

ペリャ

ユージニー

[28]クリザン

[20]イズナー

(WC)ティアフォー

トンプソン

(Q)ダルシス

ラコ

(WC)Escobedo

エドムンド

[13]ガスケ

[9]ツォンガ

(Q)アンドレオッシ

(WC)ダックワース

ハース

ポスピシル

(LL)コバリク

西岡良仁

[23]アンダーソン

[26]ソック

フリッツ

(Q)M.ズベレフ

エルベール

スタコフスキー

エリアス

ドゥトラ・シルバ

[7]チリッチ

フェデラー以来の全米連覇を狙う[1]ジョコビッチですが初戦はヤノヴィッツとなりました。

ヤノヴィッツはけがから復帰中。8月から本格的に試合に出ています。

現在はチャレンジャーで四苦八苦という段階。年に1回くらいGS準決勝、マスターズ決勝クラスのとんでもない大当たりをする選手ですが、何もなければきっちり初戦をものにできるはずです。ヤノヴィッツの状態次第で試合がもつれるかどうか決まりそうです。

そして2回戦ではモンテカルロで敗れたベズリーが来そうです。あの時のジョコビッチはかなりひどいプレーでした。そうでなければ大丈夫だと思いますが、名前上嫌な相手が続きます。

そして3回戦でもIWで1セットを失ったフラタンジェロか、上限の高い[28]クリザンがいます。

トリッキーな相手が続く序盤をどう乗り切るかがカギになりそうです。

4回戦は[13]ガスケか[20]イズナー。ガスケは13年4強、15年8強と結果を出している大会です。注目と言っていいでしょう。けがを抱えながらのプレーになっているのが不安か。第1シードで出たウィンストンー=セーラムではミルマンに敗れたばかりです。

シンシナティを優勝して一躍全米のダークホースに躍り出た[7]チリッチ。初戦はドゥトラ・シルバ。ここはスムーズに抜けたいです。

次戦濃厚のスタコフスキーはデ杯入れ替え戦に向けてチェックしたいカード。ドルゴポロフが出ないのであれば出場は濃厚。スタコフスキーの状態は見ておきたいです。

3回戦は[26]ソックか。ソックは結局ダブルスでは結果が出ているので、謎のせき込みをしていた五輪のようなことはないということでいいのでしょうか。

西岡の初戦は[23]アンダーソン。厳しい相手です。昨年8強です。西岡は今年は本戦からの出場のため、昨年と同一ラウンドでもマイナス。一つでも多く勝ちたいところですが…

チリッチとの4回戦となりそうな[9]ツォンガはけがからの復帰が焦点。昨年のQFカードですが、今年は実現するか。

ジョコビッチはチリッチに14勝0敗。得意カードとしていますが、今のジョコビッチとチリッチであれば、波乱があってもおかしくありません。まずはこの二人が勝ち上がって来るかどうかでしょう。

ナダル

[4]ナダル

イストミン

ロベール

セッピ

ベルッチ

クズネツォフ

(PR)ベネトー

[31]ラモス=ビノラス

[24]プイユ

ククシュキン

(Q)Clezar

(Q)キウディネリ

(PR)ベイカー

デルボニス

ガルシア=ロペス

[15]バウティスタ=アグー

[10]モンフィス

ミュラー

(Q)Satral

(WC)マクドナルド

(Q)Fucsovics

アルマグロ

セラ

[18]クエバス

[32]ペール

ラジョビッチ

バグダディス

バグニス

マナリノ

(Q)R.ハリソン

ブラウン

[5]ラオニッチ

[4]ナダルは試合過多で五輪終盤~シンシナティはプレーレベルを落としてしまいましたが、休養十分ならきっちり勝ち進むことは証明されました。復帰直後ですが心配はあまりないです。

ただ左手の状況については引き続き注視が必要かなと思います。

ドローを見ると、ここ最近好調の選手はあまりいない印象です。

[31]ラモス=ビノラスはクレー寄り、[24]プイユもクレー寄りで大物食いも減ってきました、[15]バウティスタ=アグーはウィンストン=セーラム準優勝ですが、先週5試合して月曜日スタートの日程なのでかなり厳しいのではないかと思います。

ここはベルッチ、クズネツォフなどノーシード選手も含めて荒れそう。ナダルがきっちり8強までものにできるか。

今期好調の2名、[5]ラオニッチと[10]モンフィスは4回戦で激突する厳しいブロックです。

ラオニッチの初戦はブラウン。一発があると大物を食う力があります。またサービスゲームから展開するタイプなのでラオニッチは苦手だと思います。

ブラウンのランキングや今の状況からすると、リスク度外視の攻めがはまらなければ何も起きないと思いますが、ヤノヴィッツ同様、ブラウンの状態次第というところでしょうか。

3回戦は[32]ペールかバグダディスか。

そして鬼門の4回戦。[10]モンフィスはシンシナティをけがで棄権負けしました。回復しているかどうかがカギです。

モンフィスは初戦のミュラーが気がかりですが、そこを抜けられればきっちり勝ちあがれると思います。

モンフィスとラオニッチは今期すでに3回の対戦の対戦があります。直近のカナダではモンフィスが勝っています。

実はラオニッチにとってGS勝率が一番低いのが全米。全仏と並んで最低で、さらに最高成績の16強は全仏よりも低く、今や最も苦手なグランドスラムと言っても過言ではありません。

しかし、今シーズンは全豪初の4強、今まで苦手と言われてきた芝のウィンブルドンで決勝進出。期待以上の結果を出してきているラオニッチが一つの壁を越えられるか注目です。

③ワウリンカ山

[8]ティエム

ミルマン

べランキス

ジャズーリ

カレノ=ブスタ

(Q)Ivashka

(PR)ティプサレビッチ

[29]クエリー

[19]ジョンソン

ドンスコイ

(WC)デルポトロ

シュワルツマン

ガバシビリ

フォニーニ

ドルゴポロフ

[11]フェレール

[14]キリオス

ベデネ

ゼバジョス

F.マイヤー

ドディグ

マルチェンコ

ジュムール

[17]トミッチ

[27]A.ズベレフ

(LL)ブランズ

エバンズ

(WC)ラム

クドラ

(Q)Giannessi

ベルダスコ

[3]ワウリンカ

激戦のブロックです。

[3]ワウリンカは初戦ベルダスコとなりました。よぎるのは今年の全豪、全仏です。元トップ10プレイヤーのベルダスコ、フォアが当たると今でも上位を倒す力があります。

またワウリンカも今期はGSに合わせてくることができず、今期の低迷はGSの結果と言っても過言ではありません。今大会早期敗退すると昨年からGSだけで約2500p以上失うことになります。

3回戦は伸び盛りの[27]ズベレフ。ハードはまだ目立った成績を出していないので、ワウリンカは初戦を超えれば4回戦までは行けそうか。

問題は4回戦。[14]キリオスか[17]トミッチのオーストラリア勢が待っています。因縁のカードとなってるキリオスが来ればおもしろい。今シーズンもマドリードでキリオスが勝っていて、番狂わせの可能性もあります。またGSではいい試合をすることが多いキリオスです。チャンスはあります。

そして[8]ティエムのブロックは大混戦。ティエムの初戦は五輪で錦織に善戦し、ウィンストン=セーラムでガスケを破って4強のミルマン。今大会で危険なノーシードの一人です。

さらに3回戦の[29]クエリーの実力を疑う人はいないでしょう。またクエリーはUSオープンシリーズを優勝したことがあるなど、夏のアメリカハードコートは得意にしています。

さらに4回戦は大変なことに。低迷気味の[11]フェレールは初戦からドルゴポロフとのタフマッチ。ここは今大会最強のノーシード、デルポトロ、そしてアメリカシーズン好調の[19]ジョンソンがいて厳しいブロックです。

正直ティエムの8強はかなり厳しいと思います。誰が上がってきても驚きはないです。

ワウリンカの勝ち上がりも不透明で、ここが最も荒れる山になりそうな予感です。

④マレー山

[6]錦織圭

ベッカー

(Q)ハチャノフ

(Q)ファビアーノ

(Q)C.ハリソン

マシュー

マウー

[25]コールシュライバー

[21]カルロビッチ

ルー

ヤング

シュトルフ

トロイツキ

アルボット

(Q)ドナルドソン

[12]ゴフィン

[16]ロペス

コリッチ

エストレラ=ブルゴス

ソウザ

(WC)モー

シャルディー

セルバンテス

[22]ディミトロフ

[30]シモン

(Q)ステパネク

ベルロク

ロレンツィ

グラノジェルス

モナコ

ロソル

[2]マレー

2度目の優勝を狙う[2]マレーは初戦「誰もが嫌っている」と評するロソルとの対戦。たまに番狂わせを起こしますが現在のマレー相手には厳しいか。

その次はモナコが上がってくれば五輪、シンシナティに続き3大会連続の対戦となります。

[30]シモンは現在調子が悪く、ここは全仏で激戦を披露したステパネクの奮起に期待です。

マレーにとってトリッキーなのは次でしょう。[22]ディミトロフが上がってくると要注意。今シーズン敗戦、それ以外にも負けたことがあり、両者のランキングから考えると極端に苦手にしている選手です。

ディミトロフも復活気味なのでチャンスはあるでしょう。

一方[6]錦織圭は視野のくっきりしたドローです。

初戦はベッカー。14年楽天では死闘を見せましたが、今回はよほどの何かがない限りきっちり差をつけて勝てる確率が高そう。

2回戦は予選勝者同士の勝者との対戦。ATPが推す次世代のスター候補「nextgen」に名前を連ねているハチャノフが上がってくれば面白いか。身長を生かした大きなプレーをする選手とのことです。

3回戦は[25]コールシュライバーですが、骨折のけがからの復帰戦。状態は不透明です。ここはマウーにも注目です。

4回戦は[12]ゴフィンか[21]カルロビッチか。高速サーフェスですがサーブが長続きしないと厳しいので、カルロビッチがもし4回戦に来れば特殊な試合になります。調子が落ちてきているとはいえ、ゴフィン本命でしょう。

QF以降の対戦に向け、ストローク戦をこなして調子を上げていきたいところです。

全体的に厳しい相手は少なく、たとえばモンフィスやツォンガ、ジョンソンなどいろいろな脅威となる選手の対戦を避けており、これ以上の贅沢はあまり言いたく無いドローです。

その分、QFで錦織とマレーの対戦が実現すれば面白いカードになります。

お互いが体調十分な時に迎えた試合がありません。しいて言えば12全豪まで遡るのでしょうか。ぜひデ杯の時のようなハイレベルな試合をしてほしい。

優勝予想

優勝 マレー

準優勝 ラオニッチ

4強 チリッチ デルポトロ

8強 ジョコビッチ ナダル ワウリンカ 錦織

迷いましたがマレー優勝本筋で考えました。

ラオニッチは来そう。野生の勘がそう言っている。

デルポトロは五輪で長期的にパフォーマンスを維持できることが証明されたので可能性は十分。

錦織マレーは迷いましたが、ドロー位置が近かったのが不運だったということで。ポテンシャルはあります。

14日間、状況的にレポートは厳しくなりますが、最後のグランドスラム、楽しみたいと思います。