two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【ドロー解説】2016楽天/北京の展望

こんにちは。

更新がかなり厳しくなってきています。すいません。

あと半年くらいはこのような状況が続きます。

テニス観戦的に忙しい時期と更新がしやすい時期がかぶることを祈るしかありません。ほぼ運頼みという状況です。

たぶん短い文章だったらもう少し更新できると思うのですが、それでも更新していくべきか、難しい判断を強いられています。

さて楽天と北京のドローが出ました。

ドローリリース前に両大会に大きな発表がありました。それぞれ大会のディフェンディングチャンピオン、ワウリンカとジョコビッチの欠場が発表されました。

ワウリンカについては全米で優勝し、優勝後の記者会見ではかなり疲れていたとしながらも予定通り翌々週のサンクトペテルブルグATP250)に出場。しかし決勝でズベレフに敗れました。

この後の記者会見で「疲れがたまっている、残りの出場大会を見直したい」として、相当疲れていることを公言していました。

ワウリンカの残り出場大会は楽天、上海、バーゼル、パリ。

このうち、MS2大会を飛ばすわけにはいかず、また今年はフェデラーが欠場することにより地元バーゼルも休みにくい状況。そのため、楽天が欠場する大会になってしまったということです。

決して楽天運営は悪くありません。いろいろなことが複合的に重なってしまった結果の不運でした。

出場を楽しみにしていましたが、これはワウリンカを尊重したいです。

全米で優勝した後サンクトペテルブルグに出ることにはやや疑問がありますが

・同一週にガールフレンドのベキッチが出ていた

・エントリー地点ではレースランキングは9位ベルディヒと290点差、全米優勝してなければまだファイナル争いの渦中にいることが予想される

・ワウリンカは今年メスからサンクトペテルブルグに出場大会を変えたばかりで、疲れを理由に断りにくかった

などいろいろと理由があります(「全米優勝したから」でおそらく許されたとは思いますが…)

一方ジョコビッチはショックでした。シンシナティを欠場した時の理由が手首でしたが、今度は肘のけが。ここに来て満身創痍です。

ジョコビッチは2013年にナダルに1位を取られて以降、14年前半戦で1位奪還してからずっとここまで1位をキープしています。

しかし背後にはマレーが近づいています。

全米の結果でやはりマレーは厳しいという論調が増えましたが、今後ジョコビッチが得意のアジア・欧州インドアシリーズで満足な結果を残せなければ、来年序盤に1位交代の可能性も十分にあります。

レースポイントではマレーに対し約2000pの余裕があるので、WTFまでにきっちり戻せば大丈夫そうですが…

医師からは「状態がよくなるまでプレーしない方がよい」と診断されているとのこと。まずは上海に出れるかどうかが焦点です。

また、これにより北京で無敗記録が続いていたジョコビッチがいなくなったことで、北京でもレース争いの中心にいる選手が500pを取る可能性が高まりました。

一方楽天OPもディフェンディングチャンピオンのワウリンカが欠場しているのですからこの500pも大きい。

当初の見立てよりも、かなり重要な週になってきました。

選手としてはこのあとすぐに上海があることもあって、どう2週間をマネージメントしていくか。特に長く勝ち残った選手は1週目でできる限りゲインしたいところです。

楽天OP

楽天OPは日本で唯一のATPテニストーナメント。過去の優勝者にBIG4などがいる、アジアで最も歴史と伝統のあるトーナメントです。

今年も例年通り32ドロー、8シード、予選勝者4人、WC3人(4枠だが、4枠目は使わないことが多い)の形式で争われます。

[1]錦織圭

アルマグロ

クリザン

ソウザ

ベズリー

アンダーソン

(WC)西岡良仁

[5]ゴフィン

[4]チリッチ

ペール

予選勝者

ベルダスコ

(PR)モナコ

フリッツ

予選勝者

[8]ロペス

[6]キリオス

予選勝者

ロベール

予選勝者

グラノジェルス

バグダディス

ミュラー

[3]ベルディヒ

[7]カルロビッチ

デルボニス

(PR)ティプサレビッチ

(WC)ダニエル太郎

シモン

コールシュライバー

(WC)杉田祐一

[2]モンフィス

地元日本の大会で初めて第1シードとなった[1]錦織圭。優勝が期待されるところですが、序盤からタフな相手が続きます。

初戦のアルマグロは3年前にこの楽天OPで敗れた相手。簡単ではありません。

しかしアルマグロが本戦インぎりぎりに入っているからにはやはり理由があります。今シーズンは20勝18敗。やや恣意的ですが今期優勝した1大会を除けば勝率は5割を切ります。

序盤から厳しいですが、やはりアルマグロを乗せないことがカギになってきます。

次戦候補のクリザンも今期ATP500を2勝していますが、それ以外の成績で見ると4勝11敗。けがもあって全くポイントを稼げていません。

QFは現在スランプに入りつつある[5]ゴフィンよりは、ノーシードのアンダーソン、ベズリーのほうが勢いがありそう。どちらも一発がある選手です。

総じて、錦織の序盤戦は錦織自身というよりは相手次第でタフ~イージーまでどんな可能性もありうるという、非常に評価の難しいドローという印象です。内容次第では、まさかの敗戦~5時間程度で3連勝まであると思います。

[4]チリッチは初戦昨年ファイナリストのペールとの対戦。しかし最近の状態を考えるとチリッチがしっかり勝ち上がりそうです。ここもベルダスコ、ロペス、フリッツなど気になる選手がいますが、昨年もQFまできっちり進んでおり、両者大きく取りこぼさなければ、昨年のQF、錦織とチリッチのカードが実現しそうです。

一方初のファイナル進出に向けて第2シードを生かしたい[2]モンフィス。初戦は杉田です。

モンフィスと杉田は今年の全豪で対戦したばかり。この時はモンフィスが大差で勝利していますが、杉田はこのあと一気に力をつけました。今やれば結果はまた違ってくると思います。

モンフィスはその次がタフ。14年楽天OPでベスト4と相性がいいシモンと、実力者コールシュライバー。トップ30常連の2人のどちらかとの対戦となる2Rがキーになってきます。

QFは[7]カルロビッチが濃厚か。ダニエルは楽天OP初勝利がほしいですが、初戦の相手はティプサレビッチ。

ティプサレビッチは久しぶりの日本ですが、残念ながら深センでSF途中棄権。もしかするとダニエルはLLとの対戦になるかもしれません。

有明に久しぶりの登場となった[3]ベルディヒですが、初戦のミュラーはかなり危険な相手です。

2004年には当時10位のナルバンディアン、2015年には12位のアンダーソン、10位のシモンにストレート勝ちで4強です。有明の速いサーフェスにフィットしている選手の一人です。

このタフな初戦を超えると次も14年にフェレールに勝ったグラノジェルスと12年4強のバグダディス。厳しい相手が続きます。

逆転ファイナルへわずかな望みをつなぎたい[6]キリオスはいいドローを引きました。ベルディヒとは何度も対戦しており、いいテニスができれば勝てるチャンスがあります。

優勝予想は難しく、優勝予想が出そうな選手は軒並み序盤で厳しい相手を引いており、例年以上に優勝するのが大変な大会です。

特に錦織の評価は難しく、一応全米後シングルス公式戦なしで休んでいるので本命にしたいですが、序盤の評価が難しいというのが本音です。

モンフィスもATP500を優勝したことがなかったのですがワシントンで勝ったのでそれもなくなった一方で、デ杯outの理由が公式的にはけがなので心配ですし、ベルディヒは調子を上げてきていますが3週連続。チリッチもいい時はいいですがピリッとしないこともあるので、14年のようなシード総崩れから大激戦まで何でもありうるというのが現状です。

とりあえず、地元日本の大会なので、結果に真摯な公正な報道を心掛けてほしいと思います。このラインナップなら、何が起きても私は驚かない、それくらいハイレベルな大会です。

行ける人がうらやましい…

北京

北京五輪の跡地を使って行われるチャイナ・オープンは女子との共催です。

女子はATPでいうとマスターズ格の大会。しかし男子も例年BIG4の招待に成功しており、レベルの高い大会になっています。

今年はジョコビッチに加えツォンガ、イズナーが欠場となっています。

[1]マレー

セッピ

予選勝者

クズネツォフ

ガルシア=ロペス

予選勝者

予選勝者

[7]バウティスタ=アグー

[4]ティエム

A.ズベレフ

ソック

(WC)ジャン

トロイツキ

フォニーニ

クエバス

[5]フェレール

[8]ガスケ

クエリー

カレノ=ブスタ

トミッチ

ペジャ

ジャズーリ

(PR)F.マイヤー

[3]ラオニッチ

[6]プイユ

(WC)ルー

ディミトロフ

ジョンソン

ラモス=ビノラス

予選勝者

ロレンツィ

[2]ナダル

[1]マレーは悲願の年間1位もまた見えてきたので、この大会の結果は非常に重要になってきました。

序盤は予選勝者が多く楽なドローを引いており、デ杯後に軽く足の治療をした影響がなければ難なく超えてくると思います。

[4]ティエムのブロックはティエム次第か。連戦からかプレーレベルも落ちてきていて、成都ではQFでラモスに敗れました。

初戦はサンクトペテルブルグで初優勝したばかりのズベレフ。厳しい相手です。

このブロックはシードの[5]フェレールがあまり状態がよくないため、実力者のクエバス、フォニーニ、トロイツキ、ソックなど横一線の状態です。

一方ボトムハーフは厳しい。[2]ナダルは全米後初のシングルスですが、その敗れた相手[6]プイユとQFで対戦します。

プイユはメスで初優勝と勢いに乗っており、今大会も躍進がありえます。

ナダルは2Rまでは典型的なクレーコーターとの対戦が続きます。ここで調子を上げたいところです。

ファイナル進出をこの大会で決めるか。[3]ラオニッチは他選手との条件も絡みますが上位進出でそのチャンスがあります。またパリのシードに向けても大事な大会です。

ただラオニッチはサンクトペテルブルグでサーブ不調のままユージニーに敗戦。まずはフィジカルが戻っているかがカギ。

[8]ガスケは全米8強を失効し、ランキングを落としています。もう一度上位に戻るためにきっかけの大会にしたい。

優勝予想は難しいですが、マレーが序盤いいドローなのと、ティエム次第ではトップ10との対戦なしで決勝に行けることもあり、SFがトリッキーですがマレーでしょうか。

ナダルはここで優勝して年末6位争いから抜け出し、錦織、ラオニッチに追いつきたいところ。ここからは昨年の失効地獄が続きます。

書く場所がなかったので最後に書きますが楽天はデルポトロも欠場になりました。残念です。デ杯でキャリア最長試合を戦った上に、1日のインターバルもなくダブルスに出たことによる疲労が理由です。

正直アルゼンチンの起用には疑問符が残ります。これも日本のテニスファンにとっては不運でした。コントロールのしようがないですから。

しかし北京も欠場者が相次いだように、この時期は疲れがたまりやすく、このようなことはこれまでも何度もありました。

残念ですが、ツアーカレンダーが変わらない限りたぶんこれからもこういうことは起きます。

とりあえず、至急ファイナル争いと終盤戦の展望は書いていこうと思います。あと有明行きたかったです。それでは。