two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

バーゼル1回戦の感想など

バーゼル1回戦を録画で見ました。

なんだかんだ楽天OPは見れていないので、生で見に行ったデ杯ダブルス以来の試合でした。

内容としては序盤は低調でした。

ラジョビッチのいいプレーもありましたが、錦織は終始ボールを強くヒットすることに集中していたように感じました。

内容よりも、実戦が久しぶりということで打感を取り戻すことを重視した印象でした。

こういうときは感覚のずれによるぎりぎりのアウトが増えます。惜しいショットがあってもラインを割ることが多く、錦織のミス多めで進行します。

ただ徐々にアジャストしたことに加え、ラジョビッチの1stサーブの確率が全体的に悪く、それがセット終盤の押していく流れにつながったと思います。

1本目のSPはサーブでしのがれましたが、その次のポイントがこの試合のハイライトでした。ラジョビッチがコースを突く厳しいショットを打つも、錦織がディフェンスでうまくかわし、たった1球ラジョビッチが厳しく返せなかったところを突いて攻守転換。ディフェンスからのポイントで流れをつかんでそのままセットを取ります。

正直内容はほぼ五分という状況から軽く1セットを取り、これで勝負ありでした。その後は地力の差が出ました。快勝です。

いつものことですが復帰戦は内容より勝利。その中で快勝し、かつ感覚も取り戻せそうな内容でしたから満点と言っていいでしょう。今のところ心配はありません。

今大会は、QFでゴフィンかデルポトロと厳しいドローになっているので、勝ち上がりは運の要素も入ってくると思います。気楽に見たいと思います。

そのほかのことについてです。

まずは今シーズン終了となった選手の話題から。

ナダルは05年以降では最悪のシーズンになってしまいました。結果的に全仏を棄権することになった手首の怪我が治らず、来シーズンに向け早めの撤退となりました。

五輪に出ていなければ…というところですが、ロンドン五輪を怪我で欠場したナダルにとって2度目は考えられなかったでしょう。ロンドンでできなかった旗手も務め、ダブルスでは親友ロペスと組んで金メダル。

一つ一つの判断は決して責められるものではなかっただけに、今は早期回復を祈るしかありません。

これにより、残り3枠がモンフィス・ナダル・ティエムに確定かに見えたファイナル争いは混沌としてきました。

モンフィス・ティエムの通過は近くなりましたが、その分8枠目が熾烈です。

8枠目についてはベルディヒ有利で進んでいましたが昨日の敗戦で一気にわからなくなりました。

決着はパリの木曜日くらいになりそうです。

そしてキリオスは処分という形で今シーズン終了です。

楽天優勝後の上海で疲れがたまっていたからか無気力プレー。

これに対しついにATPが動きました。

昨年カナダMSでのワウリンカに対する試合中の発言により厳重注意と執行猶予処分になったキリオスでしたが、二度目はありませんでした。執行猶予なしの出場停止処分となりました。

この処分は

・原則8週(先週~11月末のチャレンジャーの大会までの6週間+全豪2週)の出場停止

・ただしATPの用意するカリキュラム(セラピストの処方など)をこなせば3週に軽減

となります。

この8週、実質キリオスが出場しないであろう11月チャレンジャーを含んでおり、重い処分に見えて実は軽い処分です。

さらに言えばキリオスは1月はエキシビションホップマンカップに出場することが決まっており、1月の出場停止もあまり影響はありません。

ATPポイントを稼げないと言えばそれまでですが、ATPポイントの剥奪がなく、重い処分のように見えて過疎週を加えることによる軽い処分、さらに普通はないであろうATP会長からのオフィシャルコメントもついており、これはATPのキリオスに対する期待の表れだと思っています。

キリオスは以前「テニスは偏見だらけの終わったスポーツ」という趣旨の発言をしています。

今回の処分を自分に対する偏見と思わず、むしろチャンスであると思ってほしいです。

さらに今シーズンの若手躍進の象徴、ズベレフはストックホルムでシーズンを終えました。

ただこれは規定路線で、昨年もこの時期にシーズンを終了しており、肉体改造に取り組むようです。

来シーズンは19歳~20歳のシーズンでのトップ10入りという偉業への挑戦も待っています。楽しみです。

上海マスターズはマレーの優勝で終わりました。

この大会のハイライトは準決勝でしょう。ジョコビッチとバウティスタ=アグーの対戦。

この試合、アグーのフラットショットがよく決まりました。先に仕掛け、ジョコビッチを崩していきます。

不思議だったところと言われればすべてかもしれません。スタッツではほぼ差はなく、ジョコビッチがストレート負けするようなスタッツには見えませんでした。

さらにアグーがSFMを落とした後、ジョコビッチは簡単に自分のサービスで0-30にするなど、挙げればきりがないほど不思議なことがたくさん起きました。

メンタルの切り替えもうまいジョコビッチですが、発散した後の表情やプレーにもどこか不自然な空気を感じました。

いつものジョコビッチがそこにはありませんでした。普通にテニスをして、普通に負けてしまった…上位勢にいいテニスをされて負けたのとは違う、ぽかっと穴があいたような感覚でした。

全仏優勝以降のジョコビッチは本人のコメントからもモチベーション不足という趣旨の言葉が出ており、どこか変な感じでしたが、そのすべてを感じさせる試合でした。

これから得意のインドアシリーズに入ります。復調と3年連続の年間1位あるか。王者の正念場です。

一方その1位を狙ってマレーは好調を維持しています。

モンテカルロ以降全米以外ではすべての大会で準決勝以上。負けた相手もGS優勝者かそのクラスの上位選手ばかりです。

この勢いが続けばマレー悲願の1位はすぐそこです。最短でパリでの1位達成があり、年間1位はファイナルズまでの自力全勝で可能です。

マレーにとってはまだ決勝進出すらない鬼門ツアーファイナルズで勝てるか。本当の戦いがここから始まります。

テニスシーズンもあと5週間となりました。

バーゼル/ウィーン、パリ、ツアーファイナルズ、デ杯決勝と続きますが、話題は尽きません。