two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

今年の全豪ダブルス、誰が勝っても面白い

こんばんは。

錦織戦を書いてくれ!という要望は分かっています。

ツイッターにも書きましたが現在タスクが玉突き状態で、明日早速準決勝が始まってしまうためまずこのダブルスの記事を優先することにしました。

 

今回の全豪ダブルス、大変なことになっています。

(ATPについて)総合的なブログを目指していこうということで、ツイッターでも男子ダブルスの情報が以前よりたくさん発信されていると思います。

日本は、休日テニスでのダブルスプレー率も高く、ダブルス人気が世界的に見ても非常に高い地域です。

しかしまだまだダブルス人気は伸びるはず。そこで当ブログでも積極的に取り上げていきます。

 

さて、男子ダブルスでは快進撃が起きています。

すでにご存じだと思いますが日本のベン・マクラクランがGS初出場でなんとベスト4に進出しています。

この結果、ベンは全豪後のランキングでこれまで日本人最高位だったトーマス嶋田さん(ダブルス通算3勝)の40位を上回ることが決定的になりました!

ベンが国籍を変更したのは昨年中ごろでしたが、そこからデ杯出場、楽天OP優勝、そして今回の全豪4強と飛躍的な成長を遂げています。

デ杯で見た地点で才能は感じました。ただあの時は相手がメロ/ソアレスだったこともあり、やや緊張からか簡単なミスを打ってしまいその差で敗れてしまいました。

楽天ではマレー/ソアレス相手に完璧なダブルスを披露し優勝。あれから3ヶ月。いきなりの大舞台でまた結果を出しました。

 

 

 

そんなベンの今後の対戦相手が気になる!どんな選手なんだろう!と話題になっていると思うのですが(不倫のニュースとかやってる場合じゃないと思うんですよ)

実は今回かなり面白くなっています。正直どのペアが優勝してもドラマチックです。

 

まず、準決勝のカードを確認してみましょう。

トップハーフ

MCA 11:00~(日本時間)

マクラクラン(JPN)/シュトルフ(GER)×[7]マラック(AUT)/パビッチ(CRO)

ボトムハーフ

RLA 17:30~チリッチ×エドムンド戦のあと2試合目

[11]カバル(COL)/ファラー(COL)×[6]ブライアン(USA)/ブライアン(USA)

 

キーワードは

「初出場の快進撃VS今期無敗の二人VS悲願のGS優勝へVS王者の復活」

です。それでは各ペアごとに見ていきましょう。

 

マクラクラン(JPN)/シュトルフ(GER)

シュトルフはそこまでダブルスが得意な選手というわけではなく、ダブルスランキングも157位です。正直ダブルスランキングは100位以下は全くあてにならないので、参考値程度です(少なくともダブルス専門ではないことは分かる)

サーブは速く、比較的パワー寄りのテニスをするという印象です。

ペア結成も初めて、結成に何か大きな理由があったわけではないと思いますが、大会のふたをあけると快進撃。なんと第9シードのロペス/ロペス、そして昨日第1シードのクボット/メロを破りました。

クボット/メロは昨年のWB優勝ペアで、最終戦準優勝。2017年にこちらも飛躍したコンチネン/ピアースとの争いを制して初の年間1位ペアになりました。

内容も非常に締まったゲームでどちらが勝ってもおかしくない中、ファイナルセットのタイブレークでマクラクラン/シュトルフはすべてミニキープ。ミニブレーク1つの差で勝利を手にしました。

 

[7]マラック(AUT)/パビッチ(CRO)

こちらのペアは昨年初めて最終戦に出場したばかりですが、今最も勢いがあります。

なんと1週目のドーハ、2週目のオークランドで連続優勝。ベスト4までの勝ち上がりも含めて現在開幕から12連勝中です。

ダブルスはレギュラーツアーではノーアド、マッチタイブレークなど圧倒的な実力がないと運の要素で負けることもあるので、12連勝は驚異的です。勝ち方も接戦が続いていて、勝負強さが光っています。

あと2つ勝って14連勝となればダブルスでもめったにない3週連続優勝をGS絡みで達成することになります。

 

まず、マクラクラン/シュトルフはこのペアの連勝を止めないと次に進めません。

 

反対のボトムハーフはダブルスの実力者が揃いました。

 

[11]カバル(COL)/ファラー(COL)

このペアはもう長く、今年で6年目です。

2013年から幾度となくデ杯で日本と対戦のあるペアのため、日本でもなじみが深いでしょう。

2013年入れ替え戦の時は私も現地観戦したのですが「なぜこのペアがランキング50位(当時)なのだろう」と思うくらいキレッキレでした。当時の日本ダブルスはまだ勝負にならなかったため、余計その印象が強かったです。

ダブルスプレイヤーとして重要なコース選択、配球、ボレーの技術、ミスの少なさ、非常にそつのないプレーをするペアです。

そしてこのペアは悲劇の歴史が続いています。

2013年に見つけた私は勝手に静かに応援していたのですが、なんと2014年からダブルスのチームランキングが11位、11位、10位、12位となっています。常にあと一歩のところでロンドン行きを逃し続けています。

5年目の今年こそいいかげんロンドンに行ってほしいという思いの強いこのペアですが、ではなぜロンドンに行けない結果が続いていたのか?というと、答えがGSでした。

実はこのペア、昨年全仏で4強に進むまでなんと5年間、ベスト8すら一回もなかったという極端にGSが苦手なペアでした。

GSさえ勝てれば…というところを全仏4強で達成した2017年でしたが、けがにより後半戦で全くポイントを稼げず結局同じ位置に。今年こそはという思いは人一倍強いはずです。

今日のQFでは地元の英雄ヒューイットと、この大会で引退することを発表したグロスとのやりにくい試合でしたが、きっちりストレート勝ち。今回はドロー運にも恵まれているとはいえ内容が非常にいいです。

 

[6]ブライアン(USA)/ブライアン(USA)

言わずと知れたブライアン兄弟ですが「えっ、第6シードだったの」と驚かれた方もいたのではないでしょうか。

ブライアン兄弟は2012年から13年にかけて五輪を含めて5連勝し「ブライアンズ・スラム」を達成しました。そして2014年には全米OPで優勝し、GS16勝、そしてダブルス史上初の通算100勝を達成しました。

しかし、この優勝以降GSでは実に12大会連続で優勝から遠ざかっており、2015年以降はすべて別のペアに年間1位を取られるなど、明らかな衰えが見えてきています。

もちろんこの二人は39歳で春には40歳。当然といえば当然なのですが、シングルスでフェデラーナダルがさらに記録を伸ばし始めた今、ブライアン兄弟にももうひと頑張りを期待したいところです。

 

ということで改めて復唱すると

「初出場の快進撃VS今期無敗の二人VS悲願のGS優勝へVS王者の復活」

果たしてどのペアが栄冠を取るのか。明日木曜日が準決勝、土曜日が決勝となります。