two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【week preview】2018week5ドロー解説(デ杯プレビュー)

おはようございます。
ついに2018年のデ杯が開幕です。
この記事は5週目のweek previewを兼ねます。
いつも通りデ杯WG1回戦全8試合の解説です。
今年のデ杯は試験的に1チーム5人になるようです。
これにより、ダブルス専門の選手を2人入れてもシングルス要員を3人投入できますし、単純なオーダー変更もかなりやりやすくなったため、層の厚い国にとっては非常にやりやすくなったと言えます。日本もダブルス要員が2人(マクラクランと内山)になったので非常に有利なルールになりました。今回は錦織西岡を欠きましたが、今後が楽しみです。冗談抜きで、錦織がトップ10のテニスを取り戻せば優勝にも手が届くと思っています。

 

左がホーム、数字はシード番号です。

[1]フランス×オランダ(アルベールビル、インドアハード)

フランス
プイユ
ツォンガ→マナリノ
ガスケ
エルベール
マウー

オランダ
R・ハース
Griekspoor
デバッカー
ミドルクープ
ロジャー

R1 プイユ×デバッカー
R2 ガスケ×R・ハース
R3 エルベール/マウー×ミドルクープ/ロジャー
R4 プイユ×R・ハース
R5 ガスケ×デバッカー

前回覇者のフランスは92年五輪開催地のアルベールビルにオランダを迎え入れます。
オランダはミドルクープとロジャーのダブルススペシャリストが揃っていますが、WGシード国を倒すには格落ち感が否めません。
フランスが順当に収めるのではないでしょうか。
なおこの試合の勝者が日本×イタリアの勝者とQFで激突します。

 

 

スペイン×[3]イギリス(マルベーリャ、クレー)

スペイン
カレノ=ブスタ
ラモス=ビノラス
バウティスタ=アグー
ロペス
フェレール

イギリス
エドムンド
Norrie
Broady
ジェイミー・マレー
イングロット

R1 ラモス=ビノラス×Broady
R2 バウティスタ=アグー×Norrie
R3 カレノ=ブスタ/ロペス×イングロット/マレー
R4 ラモス=ビノラス×Norrie
R5 バウティスタ=アグー×Broady

全豪ベスト4のエドムンドはベンチスタート。シングルスで手堅く勝利を重ねていけばスペインの勝利は堅いか。スペインの心配はデ杯であまり成績が良くないバウティスタ=アグーか。それにしても、トップ10クラスのカレノ=ブスタをダブルスだけに使う贅沢ぶりがうらやましい…

 

 

[6]オーストラリア×ドイツ(ブリスベン、ハード)

オーストラリア
キリオス
トンプソン→エブデン
ミルマン
デミノー
ピアース

ドイツ
A・ズベレフ
シュトルフ
Gojowczyk
Puetz

R1 デミノー×ズベレフ
R2 キリオス×シュトルフ
R3 エブデン/ピアース×Gojowczyk/Puetz
R4 キリオス×ズベレフ
R5 デミノー×シュトルフ

ATP250の開催地、ブリスベンセンターコート、パット・ラフターアリーナで行われます。
デ杯デビューとなるデミノーのパフォーマンスが勝敗のカギを握りそうです。
テニスの状態はいいですが、国を背負い5セットマッチという状況でどんなテニスを見せられるか。
また、キリオス×ズベレフの対決も注目。
さらに、ダブルスではエブデンのところにヒューイットが出るという噂も出ています。
話題性としては一番あるカードなのではないでしょうか。
ドイツのダブルスは期待できない状態で、シングルス3勝が必須となります。ややオーストラリア有利でしょうか。ただ簡単な試合にはならないでしょう。

 

 

カザフスタン×[5]スイス(アスタナ、インドアハード)

カザフスタン
ククシュキン
ポプコ
ネドベジョフ
Khassanov
Khabibulin

スイス
ラクソネン
Bodmer
Huesler
Bellier
Margaroli

R1 ポプコ×ラクソネン
R2 ククシュキン×Bodmer
R3 Khabibulin/ネドベジョフ×Huesler/Margaroli
R4 ククシュキン×ラクソネン
R5 ポプコ×Bodmer

スイスはシードですが、これは14年優勝の影響で、その後フェデラーが出なくなってからはとてもシード国とは言えない状態。今回も私ですら全く知らない選手ばかりで解説不能です。
またカザフスタンデ杯で数々の番狂わせを起こしてきた国。ホームかつこのメンバーではカザフスタンの圧倒的優位は揺るがないでしょう。

 

 

[4]クロアチア×カナダ(オシエク、インドアクレー)

クロアチア
チリッチ
チョリッチ
Galovic
スクゴール
ドディグ

カナダ
シャポバロフ
ポスピシル
ポランスキー
ダンセビッチ
ネスタ

R1 チョリッチ×ポランスキー
R2 Galovic×シャポバロフ
R3 ドディグ×スクゴール×ネスター/ポスピシル
R4 チョリッチ×シャポバロフ
R5 Galovic×ポランスキー

非常に面白いマッチアップになりました。
クロアチアは全豪準優勝のチリッチを疲労のため温存しました。
これにより、勝敗は正直読めません。
どちらかのチームが3タテしない限り、最終日のチリッチ投入は間違いないですが、采配が問われます。
クロアチアから見て2勝1敗であれば安全を考えて第5ラバーでの投入となりますが(実際過去にそういう起用があった)、実力通りいけば、初日は1番手同士が勝ち、ダブルスはドディグがいますがデ杯で何度も組んできているネスター/ポスピシルが強い。
1-2で回った場合、第4ラバーに投入するか、第5ラバーに投入するかは迷いどころです。
正直チョリッチとシャポバロフの勝敗は読めません。チリッチを投入して安全策に出たいところですが、しかし第5ラバーのデ杯経験の薄いGalovicにチームの勝敗を託すのも厳しい。
クロアチアとしてはできれば2-1で最終日に回したいところですが果たして…

 

 

[7]セルビア×アメリカ(ニシュ、インドアクレー)

セルビア
ラジョビッチ
Djere
Milojevic
Krstin
Zekic

アメリカ
クエリー
イズナー
ハリソン
ジョンソン

R1 Djere×クエリー
R2 ラジョビッチ×イズナー
R3 Milojevic/Zekic×ハリソン/ジョンソン
R4 ラジョビッチ×クエリー
R5 Djere×イズナー

セルビアジョコビッチ、トロイツキ、ジモニッチが不出場。アメリカ圧倒的有利です。
ただ気になるのはクレーサーフェス。アメリカ勢がコートに苦しめばチャンスが出てくるかもしれません。
またアメリカはブライアン兄弟を起用しませんでした。
正直この5人ルールでかなり得しているのはアメリカだと思うのですが…4人しか招集していないしもったいないと感じます。

 

 

[2]ベルギー×ハンガリーリエージュ、インドアハード)

ベルギー
ゴファン
ベメルマンス
Cagnina
De Loore

ハンガリー
Fucsovics
Balazs
Piros
Valkusz
Borsos

R1 ベメルマンス×Fucsovics
R2 ゴファン×Balazs
R3 Cagnina/De Loore×Balazs/Fucsovics
R4 ゴファン×Fucsovics
R5 ベメルマンス×Balazs

ハンガリー、22年ぶりのWG出場となりましたが昨年準優勝のベルギーを倒すのは難しいか。
全豪で4回戦に進出したFucsovicsのプレーがカギとなりますが、順当にゴファンが2勝すればそれでも厳しい。
またハンガリーは2人を3連投。よほどの何かがなければベルギーでしょう。

 

 

日本×[8]イタリア(盛岡、インドアハード)

日本
杉田祐一
ダニエル太郎
添田豪
内山靖崇
マクラクラン勉

イタリア
フォニーニ
ロレンツィ
ファビアーノ
セッピ
ボレリ

R1 ダニエル太郎×フォニーニ
R2 杉田祐一×セッピ
R3 マクラクラン勉/内山靖崇×ボレリ/ロレンツィ
R4 杉田祐一×フォニーニ
R5 ダニエル太郎×セッピ

史上初、盛岡タカヤアリーナで行われるデ杯イタリア戦です。
最初に断ると日本の勝率は30%くらいと思っています。
日本は錦織、西岡をそれぞれけがからの復帰のための武者修行の影響で欠き、一方のイタリアはベストメンバー。
さらに、全豪でフォニーニ、セッピの両名がベスト16。調子も上向きです。

しかし、その流れを変えるのがデ杯です。
デ杯には魔物が潜んでおり、東北開催、雪、インドアではありますが何やら波乱の要素はたくさん潜んでいます。

忘れてはいけないのが16年デ杯WG入れ替え戦。あの時もマルチェンコが直前の全米でキリオスを破ってベスト16。悲観論も多かった中結果はなんと3タテストレート勝ち。むしろ直前のGSで頑張りすぎて…というパターンもあります。

日本チームの勝ち方としては、やはりこれまで鬼門だったダブルスをむしろキーポイント、強みに変えることです。
楽天ジャパンオープン優勝ペアであるマクラクラン/内山は、前回のデ杯でもストレート負けだったもののメロ/ソアレスに善戦。デ杯での適正も十分です。
一方イタリアはこの人が帰ってきました。シモーネ・ボレリです。けがで長らく離脱していましたがギリギリのタイミングで復帰。フォニーニとのダブルスは全豪を制しており(今のところダブルスはロレンツィですが)全く侮れません。

まずはこのダブルスが天王山の一戦となるでしょう。

ただ日本は第2ラバーを軸に考えても、ダブルスでもう1勝してもまだ一つ足りません。
つまり、第1ラバーで勝てるなら話は早いですがそうならなかったと考えると、最終日、杉田がフォニーニに勝つか、ダニエルがセッピに勝つ。どちらかを達成しないといけません。
そして、この2つはどちらか1つだけとはいえ足しても正直確率半分あるかどうかというところです。
ダブルスが不透明なことも含めて、やや日本不利です。

日本ホーム、会場はデ杯会場としては狭い部類です。
地鳴りが起きるような応援で日本チームをサポートすることが勝利への最短距離なのではないでしょうか。

私も現地に向かいますが、喉を痛めて風邪を引かない程度に全力で声出ししたいと思います。


錦織、西岡のチャレンジャーもあり日本テニス界にとっては過去を振り返っても有数の忙しい週末となりましたが、結果が好転することを願っています。