いつ勝つの?今でしょ!(2018マドリード1Rプレビュー)
ネタが古くないですか
というわけでジョコビッチ戦プレビューです。
現在10連敗中。通算成績2勝11敗。
2度のマスターズ決勝での敗戦。思い返しても、あの全米準決勝での快勝の記憶が消えてしまうほど苦い思い出ばかりです。
通算セット数8-26。しかし勝った2試合で5セット取っているので、負けた11試合で取ったセットは3。肉薄すら許してもらえない試合が続いています。
しかし、そう考えれば考えるほど、今回に関してはジョコビッチの思うつぼです。
今のジョコビッチは、2011年から16年前半までにGS11勝を果たした王者ではありません。普通のATPプレイヤーです。今期5勝5敗。ダニエルにもクリザンにも敗れています。
ストロークの優れた普通のATPプレイヤーを相手として戦うこと。
これをツイッター上でもくどいほどに連呼しているのには、大きな理由があります。それはジョコビッチに対して積み重ねた連敗の内容からわかってきます。
特に象徴的な敗戦は、その後キャリア史上最高のシーズン(14年だろうという異論は認める)を送った2016年、いきなり開幕の全豪でジョコビッチと直接対決し、ストレート負けを喫した試合です。
「worse」と「worst」(2016全豪QF) - two-set-down新章 より
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そしてここで締めくくりたいと思います。表題にした「worse」と「worst」。
ジョコビッチはこの過程で、極端に「worst」になる試合を減らすことに成功したのだと思います。それこそが、彼がNO.1である証拠です。
(中略)
あと(錦織が)攻めすぎた試合が多いのも気になります。全豪ワウリンカ戦、全仏ツォンガ戦といい一つの負けパターンとなっています。GSで強敵に当たると2セットくらい一気に落として、3セット目に盛り返すけど時すでに遅しというのがありますね。
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この試合のスタッツは
錦織のUE→上記の2倍くらい
というようなものでした。
つまり、攻めに対する対価を得られず、結果的に失点が増えて敗勢になる、というものでした。
ちなみにこの試合はジョコビッチが「嵐が過ぎ去るのを待った」とコメントしたことでも有名な試合でした。
最後に勝てばいい。スタッツが物語るように、ジョコビッチはやるべきことをやり切りました。
そして私が最もいい試合を期待していたものの、(予想の範囲内だったとはいえ)大差をつけて敗れた試合がありました。それが最後に対戦した、2016年ワールドツアーファイナルズ準決勝でした。
BIG4に肉薄できるからこそ見えた「明確な差」(2016WTFRR2戦目~SF) - two-set-down新章 より
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そしてジョコビッチ戦。この試合は世界の多くの見方が「ジョコビッチのベストゲーム」という解釈でしたが、私は違います。
確かに目の覚めるようなボールをジョコビッチはたくさん打っていました。コースを読まれて叩かれました。
しかし一方で、そんなボールをジョコビッチは簡単にミスしているように見えました。なんでもないボールをネットにかけました。マレーと違い、そこそこの休息もあったはずなのに、です。
(中略)
ジョコビッチはストローク戦ではほぼウィナーと同数のUEを打っています。14ゲームとゲーム数も少なく、あれだけ試合が淡白だったことを考えるとそこそこ多い数字です。
(中略)
さながら年明けの全豪OPを見ているようでした。悪い意味で、逆戻りしました。
ただ今回はこうなってしまったのが疲労の影響なのは否めませんが、今回のジョコビッチであれば意外とじり貧ラリー戦に持ち込んでもそこそこ粘れた(少なくとも今回の結果よりは)ので、結局最後までそれを試すことがほとんどなかったのがとても残念でした。
年末のインタビュー(※補足すると、この記事を書いたのは2016年12月で、シーズンが終わった後の錦織の発言を引用している)でも錦織はジョコビッチが一段飛び抜けている、と一貫して発言していますが、テニスツアーを見ているとそんなことはないと私ははっきり言えます。
今のジョコビッチは残念ながら(原因はいろいろあるでしょうが)、前半戦の誰も手が付けられない状況からは数段落ちているというのが現状です。
(中略)
そのジョコビッチに対して、疲労がたまっている錦織がどんな風に攻略していくのか?ジョコビッチのプレーに疑問符が生じ始めた後半戦に入ってから初めての対戦。私はかなり楽しみにしていましたし、事実やり方をうまく考えればチャンスもあったと思っているだけに試合を終えてかなりがっかりしています。
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私がこの記事を書く前に考えていたことは、2年前の私がすでに全部書いていました。
当時実況では雰囲気を見せていなかったものの、私はすごくがっかりしていました。
王者ジョコビッチという見えない幻影に捕まってしまった
あの全米以降初めて崩れ始めていたジョコビッチを捉えることは2016年の錦織ならできたはずでした。しかしそれができず、そのまま二人ともツアーを離脱。すべてがリセットされた状態で、明日を迎えます。
一番気を付けなければいけないことは、相手を大きく見すぎることだと思います。
具体的には、リスクを度外視した攻めのプレーは絶対にしてはいけない。モンテカルロでやったような攻守一体、フォアバックどちらからでも仕掛け、バックハンド釘付けやループボール、これまで錦織がやってきたクレーのスタイルを踏襲することです。
2015年も2016年もローマでジョコビッチにフルセットまでもつれています。
あの最強だったジョコビッチにこれまでもクレーテニスでは(届いていなかったにしても)ある程度通用していた。
ですから、変える必要はないのです。自分のテニスを貫く。そうすれば今回は勝てると思います。
あとは細かいことですが、ジョコビッチが1stの確率を上げてくる(BIG4の錦織対策の基本)、錦織のアップダウンを見逃さない切り替え、錦織に先行されない工夫、今の手持ちでいろいろやってくると思います。
このあたり、これまでいろいろとブログに書いてきましたので、暇な方は過去のBIG4との対戦結果の記事を読むとよくわかると思います。
明日は呪縛から解き放たれる日と信じています。
できるはずです。