【week preview】2018week19(マドリード)ドロー解説
こんばんは。
今週はマドリードマスターズが開催されます。
ツアーもなんと今年4つ目のマスターズ。まばたきしているうちに終わってしまいそうな、そんな感覚です。
大会全体としてはやはりナダルを誰が止めるのか、という展開になっていきそうです。
ナイトセッションが固定されているので、観戦者にとってはしんどい時期が始まります。みなさん寝不足にはご注意を。
マドリード(マスターズ1000、クレー)
①ナダル山
[1]ナダル
bye
モンフィス
予選勝者
(WC)アンドゥハル
ロペス
マナリノ
[13]シュワルツマン
[9]カレノ=ブスタ
チョリッチ
予選勝者
シュトルフ
予選勝者
M・ズベレフ
bye
[5]ティーム
連覇を狙う[1]ナダルはタフなマッチアップが続きます。初戦候補のモンフィスはランキングが落ちているとはいえ、依然として一発があります。アーリーラウンドでは当たりたくない相手です。
3回戦はかつてマドリードで4強、今回も好調の状態で入ってきている(WC)アンドゥハルに注目。スランプに陥っている[13]シュワルツマンはきっかけをつかむ大会にしたいところです。
5~8シードのグループで今回もQFナダルを引いてしまった[5]ティーム。ここからマドリード準優勝、ローマ4強、全仏4強の計1680pの失効が待っています。その後はボーナスステージとはいえ、得意のクレーで稼がないと今年は最終戦も怪しくなってきます。(レース10位ですが、500以下の加点が多く今後伸び悩みが予想される)
[9]カレノ=ブスタはそつなくこなしてきますし、ここには今期好調のチョリッチもいます。この二人の初戦は面白いカードです。ティームは3Rで勝って、クレー3連戦まず最初の壁を8強キープで乗り越えたいところ。
また、ナダルとティームのマッチアップですが、さすがに疲労でバルセロナでパフォーマンスがやや落ちたのと、ティームはかつて無名の頃ワウリンカに勝ったことがある大会。モンテカルロとは少し違った結果になることを期待したいです。
②デルポトロ山
[4]デルポトロ
bye
ベネトー
ジュムール
ハチャノフ
予選勝者
ガスケ
[14]ベルディヒ
[11]バウティスタ=アグー
ドナルドソン
コールシュライバー
杉田祐一
予選勝者
(WC)カルバエス=バエナ
bye
[6]アンダーソン
クレー初戦となった[4]デルポトロに期待が集まります。トップ10に復帰し、今のテニスでどこまでクレーコートで通用するか。トップ10で迎えるクレーシーズンはなんと5年ぶりです。
このクォーターはあまりクレーコーターがいないのが特徴。不調の[14]ベルディヒと好調のガスケがさっそく今日1回戦で激突します。対戦成績はほぼ互角で、最近はランキングで上だったベルディヒが勝ち越していますが、今回はまた違ったものになってくるでしょう。
先週チチパスに敗れ初戦敗退となった[6]アンダーソンは切り替えて上位進出を狙いたいです。苦手のクレーコートで踏ん張れないと最終戦は遠くなっていきます。初戦候補のカルバエス=バエナは今期初優勝を達成したこてこてのクレーコーター。試される試合になりそうです。
杉田はまた厳しいドローです。今週ミュンヘンで決勝進出中のコールシュライバー。コールシュライバーは雨で大会が遅れたミュンヘンからマドリードに入ってマレーと激闘を繰り広げたこともあり、疲労はあまり関係ないか。しっかり揺さぶるテニスを心掛けたい。
③ディミトロフ山
[8]ゴファン
bye
ハース
チョン
メドベデフ
エドムンド
錦織圭
[10]ジョコビッチ
[15]プイユ
ペール
シャポバロフ
サングレン
予選勝者
ラオニッチ
bye
[3]ディミトロフ
世界が注目する1回戦が組まれてしまいました。2年前の準決勝カード、さらに2年前の別MSでの決勝カードでもありWTF準決勝カードでもある[10]ジョコビッチと錦織のマッチアップです。
ただ今回に関しては、キャリア史上初めて錦織が有利だと思います。私は6-4で錦織勝ちと見ています。
正直現状のジョコビッチは中位シードクラスの選手です。それに対して、錦織は5年連続マドリード8強以上、さらにモンテカルロで素晴らしいテニスを披露した状態。やりたいテニスを実現すれば勝てると思います。
それでもジョコビッチは…と話を並べたらきりがありません。そうなるとおそらく100位くらいになっても同じことを並べてしまいます。
今勝たなくて、いつ勝つのか。そういう気持ちで臨むべきです。
ではどうやって勝つのか?というのは別記事で。
仮にジョコビッチに勝った場合、2回戦はハードヒッターのメドベデフとエドムンドの勝者。エドムンドが復調気味なのでエドムンドとの初対戦になるでしょうか。
ただBIG4と対戦し勝利した後の次戦。これまでであればガス欠や、別のBIG4との対戦があって敗れることが常でした(事実、錦織は未だBIG4に勝った後同一大会で次のラウンドで別の選手に勝ったことはない)
今回は条件が違います。今の条件で勝ってもあまり意味は出ないのかもしれませんが、それでも悪い呪縛から解放されるに越したことはないです。
3回戦はタフマッチです。[8]ゴファンかチョンが上がってくるでしょう。
チョンはサービスゲームの崩壊が心配か。ゴファンはいいテニスをしていますが、似たタイプの錦織とのマッチアップでどうなるか。
ちなみに、ジョコビッチーチョンの対戦は全豪のリマッチとなり、非常に面白いカードになります。
反対ブロックは元Young Gunsの二人、[4]ディミトロフとラオニッチに注目です。
このクォーターにはゴファン、錦織、[15]プイユもいて、Young Guns祭りになっています。
ディミトロフとラオニッチは状態のいい方が勝っています。今回はラオニッチが故障から回復していれば十分チャンスがあります。一方ディミトロフはかつてこの大会でジョコビッチを破っています。いい試合を期待したいです。
④ズベレフ山
[7]イズナー
bye
(WC)ガルシア=ロペス
ハリソン
gojowczyk
ラモス=ビノラス
クエバス
[12]ソック
[16]フォニーニ
L・マイヤー
ベルダスコ
ロレンツィ
予選勝者
(WC)チチパス
bye
[2]A・ズベレフ
このクォーターは[2]ズベレフの独壇場か。対抗シードに勢いがありません。
そんなズベレフの序盤の山は初戦。今クレーシーズンで一躍時の人になっているチチパスがWC参戦です。
チチパスはバルセロナ準優勝、さらにエストリルでも4強と勢いが止まりません。逆に昨日エストリルの準決勝で敗れたことで、マドリードには少し余裕を持って入れます。ズベレフにとっては相当脅威です。
マイアミで優勝、レースランキングで上位に入ってきた[7]イズナーは苦手のクレーシーズン、踏ん張りどころです。ドローはそこまで悪くないですが、シードを活かして勝ち上がれるか。
ベテランのクレーコーター、ベルダスコ、クエバス、ガルシア=ロペスの旋風にも注目したいです。
総評
ナダルが地力で、ズベレフが相手に恵まれ4強まで固いか。ティーム、チチパスの番狂わせに期待です。第2、第3クォーターは混戦模様で、大きな話題になりそうです。
今回決勝でナダルと対戦するのは誰か。もともとナダルはローマよりもマドリードの方が成績が悪いこともあり、そろそろクレーキングに風穴をあける選手が出てきてほしい。そうでないと今年こそナダルが5大会連続優勝で終わってしまいかねない…
最後にダブルスですが、今週はマクラクラン/シュトルフが組んで出場しています。
シュトルフはシングルスの方でMSのDAが微妙なライン。今回はDAできたのでダブルスもエントリーしていますが、初のファイナル進出に向けてはシングルスの出来も大きく影響してきます。
そしてタフドローとなりました。初戦はIW優勝のイズナー/ソック。
ただクレーコートなのでややサーブの勢いが収まるか。イズナーのビッグサーブ相手にどう対応していくか。注目です。
また、マクラクランは今日ツアー2勝目をかけてイスタンブールで決勝です。こちらも楽しみにしたいです。
ダニエル決勝で盛り上がっていますが、6週間でMS2大会、GS1大会。本当の戦いはここからです。