【week preview】2018week37ドロー解説(デ杯SF・入れ替え戦プレビュー)
おはようございます。
week preview、デ杯ばっかりじゃないですか?
はい、早速行きます。
今週はデ杯準決勝と入れ替え戦です。
今年は入れ替え戦(world group play-off)と銘打ちながら、2019年に新制度に移行するため、勝ったら即WG昇格・残留とはなりません。
来年以降、実質的に2月のタイが予選ラウンド(Davis Cup Finals Qualifing)、11月(または9月)が決勝ラウンドとなります。
2月の予選ラウンドへの進出条件は国によって異なります。予選ラウンドへの条件についてはデ杯ランキング試算で詳細に解説します。(金曜夜~土曜朝を想定)
全てに慣れるまでには数年かかりそうですね。
それではドロー(およびオーダー)の解説です。
左がホーム、数字はシード番号です。
WG準決勝
[1]フランス×スペイン(リール、インドアハード)
フランス
プイユ
ガスケ
ペール
ベネトー
マウー
スペイン
カレノ=ブスタ
バウティスタ=アグー
ラモス=ビノラス
F・ロペス
グラノジェルス
R1 ペール×カレノ=ブスタ
R2 プイユ×バウティスタ=アグー
R3 ベネトー/マウー×グラノジェルス/ロペス
R4 プイユ×カレノ=ブスタ
R5 ペール×バウティスタ=アグー
2014年決勝と同じ会場、リールにスペインを迎えるフランス。4年前はフェデラー対策でクレーを選択しましたが、今回はナダル(およびクレーコーター)対策でインドアハードを選択。
そのナダルは欠場し、決定的に2勝できる選手は両軍不在。総力戦の様相です。
注目はフランスのベネトー。全米オープンで引退することが発表されていたものの、緊急招集。キャリアが2週間延長されることになりました。最後の試合を勝利で飾れるか。マウーとのベテランコンビという素晴らしい組み合わせになりました。
また、スペインのポイントはアグー。デ杯と相性が悪く、ランキングが下の選手にも何度も取りこぼしています。全米では力なく敗れており、彼のプレーが大きくタイの勝敗に影響してきそうです。
クロアチア
チリッチ
チョリッチ
スクゴール
パビッチ
ドディグ
アメリカ
ソック→ハリソン
ジョンソン
ティアフォー
クエリー
マイク・ブライアン
R1 チョリッチ×ジョンソン
R2 チリッチ×ティアフォー
R3 ドディグ/パビッチ×ブライアン/ハリソン
R4 チリッチ×ジョンソン
R5 チョリッチ×ティアフォー
意外にもクロアチアの4戦全勝というカード。今回もクロアチアが有利です。
全米ベスト8のチリッチ、ベスト16のチョリッチがシングルスを務め、GS優勝経験のあるパビッチとドディグのダブルス。死角なしです。
対戦相手のアメリカ対策でクレーコート選択にしているのもプラス。
アメリカはGS2連勝中のブライアン/ソックに活路を見出すしかなかったのですが、そのソックがけがで欠場。ソック大復活でシングルスも取る目も消えてしまい、厳しいマッチアップです。
[1]アルゼンチン×コロンビア(サンファン、インドアクレー)
アルゼンチン
シュワルツマン
ペリャ
ゼバジョス
ゴンザレス
コロンビア
ガラン
ヒラルド
ロドリゲス
ゴメス
メヒア
R1 シュワルツマン×ヒラルド
R2 ペリャ×ガラン
R3 ゴンザレス/ゼバジョス×ゴメス/ロドリゲス
R4 シュワルツマン×ガラン
R5 ペリャ×ヒラルド
南米対決となったカード。意外だったのはコロンビアのメンバーにカバル/ファラーがいなかったこと。シュワルツマン擁するアルゼンチン相手にほぼ勝利は絶望的か。
[2]イギリス×ウズベキスタン(グラスゴー、インドアハード)
イギリス
ノリー
クラーク
エバンズ
ジェイミー・マレー
イングロット
ウズベキスタン
イストミン
カリモフ
FAYZIEV
SULTANOV
DUSTOV
R1 エバンズ×イストミン
R2 ノリー×カリモフ
R3 イングロット/マレー×FAYZIEV/イストミン
R4 ノリー×イストミン
R5 エバンズ×カリモフ
2016年優勝のイギリスは厳しい戦いを強いられます。
復帰途中のマレーが当面の5セットマッチの出場を断念。デ杯に出れないことを表明する声明には心動かされるものがありました。
会場のグラスゴーはスコットランド。協会側もマレーの出場を心待ちにしていたはずです。
さらにマレーに代わってイギリストップに立ったエドムンドもけがで欠場。シングルス1番手はスペイン戦で彗星のようにデビューしたノリーと、やや不安が残ります。
一方のウズベキスタンもゾーングループからイストミンが一人で頑張ってきているチーム。決定力に欠きます。
力通りならばわずかにイギリス有利ですが、デ杯の魔物が顔を出しそうな予感がします。最終ラバーまでもつれれば全く分かりません。
オーストリア
ティーム
ノバーク
ジェラール・メルツァー
ユルゲン・メルツァー
マラック
オーストラリア
ミルマン
デミノー
トンプソン
ピアース
ヒューイット
R1 ティーム×トンプソン
R2 ノバーク×デミノー
R3 マラック/ユルゲン・メルツァー×ピアース/トンプソン
R4 ティーム×デミノー
R5 ノバーク×トンプソン
入れ替え戦屈指の好カード、オーストリアとオーストラリアのカードです。
今回ゾーングループから勝ち上がった国の中で最も入れ替え戦を勝てるポテンシャルを持っているオーストリア。エースのティームがホームのクレーコートで躍動すれば、2勝は堅いでしょう。
ここから3勝目を巡る攻防が熱い。オーストラリアはキリオスを欠いたものの、全米ベスト8に入ったミルマン、ベスト16のデミノーと強力な2名を揃えました。ただ、そのミルマンは現在リストになし。
これは、疲労による温存策と思われます。トンプソンを第1ラバーに当ててこのラバーを捨てて、第5ラバーでメンバーチェンジして確実に取りに来るのではと思います。そして、ダブルスでは恒例の代打俺があるか。レジェンド、レイトン・ヒューイットに出場可能性あり。
オーストリアの2番手ノバークはオーストラリアのシングルスには対抗できそうもないです。ダブルスが実質的な天王山になりそうです。
[4]スイス×スウェーデン(ビエール、インドアハード)
スイス
ラクソネン
ハスラー
ポール
BELLIER
MARGAROLI
スウェーデン
エリクソン
BERGEVI
MRIDHA
GORANSSON
リンドステッド
R1 HUESLER×エリクソン
R2 ラクソネン×MRIDHA
R3 BELLIER/MARGAROLI×エリクソン/リンドステッド
R4 ラクソネン×エリクソン
R5 HUESLER×MRIDHA
スイスは例年通りフェデラーとワウリンカが不在。さらにスウェーデンは入れ替え戦に上がるまで大活躍だったイメール兄弟を欠きます。
正直に言って、どうなっても全く不思議ではないです。全くの五分です。
ここ数年、WGから落ちてもおかしくないメンバーでありながら対戦相手に恵まれてきたスイスですが、来年は2014年優勝のポイントが完全に失効します。今回残留できないと今後の活躍は相当厳しいです。
[5]セルビア×インド(クラリェヴォ、インドアクレー)
セルビア
ラジョビッチ
ジェレ
KRSTIN
ミロジェビッチ
ペトロビッチ
インド
ラマナジャン
GUNNESWARAN
MYNENI
BALAJI
ボパンナ
R1 ジェレ×ラマナジャン
R2 ラジョビッチ×GUNNESWARAN
R3 ミロジェビッチ/ペトロビッチ×BALAJI/ボパンナ
R4 ラジョビッチ×ラマナジャン
R5 ジェレ×GUNNESWARAN
セルビアはジョコビッチ、トロイツキらを欠きますが、ハード文化の強いアジアのインド相手にホームのクレー選択ということで、ある程度勝ちが計算できそうです。インドはラマナジャンが2勝し、ダブルスで取るしか方法がないか。
[6]カナダ×オランダ(トロント、インドアハード)
カナダ
ラオニッチ
シャポバロフ
ポスピシル
オージェアリアシム
ネスター
オランダ
ハース
GRIEKSPOOR
デバッカー
ロジェ
ミドルクープ
R1 ラオニッチ×デバッカー
R2 シャポバロフ×ハース
R3 ネスター/ポスピシル×ロジェ/ミドルクープ
R4 ラオニッチ×ハース
R5 シャポバロフ×デバッカー
WG国同士の入れ替え戦。厳しいマッチアップが続きます。
カナダはデ杯上位進出も狙えるメンバーを揃えてきました。一方オランダもこのメンバーであれば(普通の対戦国なら)入れ替え戦に勝てるメンバーです。
注目はカナダのネスター。ダブルスの名手として長らく活躍してきました(46歳!!!)が、このデ杯で引退することを発表しています。最後の試合を勝利で飾ることができるか。パートナーのポスピシルは責任重大です。わずかにカナダ有利か。
ハンガリー
BALAZS
VALKUSZ
PIROS
NAGY
BORSOS
チェコ
ベセリ
ロソル
パブラセク
JEBAVY
R1 PIROS×ベセリ
R2 VALKUSZ×ロソル
R3 BORSOS/NAGY×JEBAVY/パブラセク
R4 VALKUSZ×ベセリ
R5 PIROS×ロソル
ハンガリーはホームでゾーン勝ち上がり国のチェコを迎えますが、大黒柱のFucsovicsが不在。非常に厳しい戦いを強いられます。
チェコはベルディヒがデ杯引退を発表してから初めての入れ替え戦。ステパネクも引退し、優勝メンバーがいなくなりましたが、先輩の力を借りずに新世代でWGに向かえるか。
[8]日本×ボスニア・ヘルツェゴビナ(大阪、靭テニスセンター、ハード)
ボスニア・ヘルツェゴビナ
バシッチ
ブルキッチ
ファティッチ
ボジャノビッチ
R1 ダニエル太郎×ブルキッチ
R2 西岡良仁×バシッチ
R3 内山/マクラクラン×バシッチ/ブルキッチ
R4 ダニエル太郎×バシッチ
R5 西岡良仁×ブルキッチ
組み合わせ発表時は日本にとって苦しい対戦になることが予想されたが、ボスニア・ヘルツェゴビナにとっては直前にショッキングなニュースが流れてきました。ウィンストン=セーラムの大会中にエースのジュムールが負傷。全米初戦で力なく敗れると、けがの影響でこのデ杯も欠場が決まりました。
これで展開は大きく変わり、日本が大きく有利となりました。
選手権監督であるブルキッチはチャレンジャーレベルの選手。また、バシッチもソフィア優勝が際立ちますが、それ以外のツアー成績はパッとせず、特に現在ツアーレベル7連敗中。USハードコートシーズンでは精彩を欠いています。
また、層の厚さでも日本が上。3連投が必須条件になっているボスニアに対し日本はきっちりそれぞれのメンバーが仕事を果たす形に。体力面でも有利に立ちます。
第1ラバーをきっちり取り、理想的には次の第2ラバーで西岡がバシッチに勝てば相当楽に進められます。
今回の日本チームは全員がキーマンです。初めてエースとなったダニエルが仕事を果たせるか。2月の盛岡で不在だったムードメーカー、西岡の試合内外での役割。ダブルス2名は今回は固定です。確実にデ杯初勝利を(相手が強すぎて、実は0勝2敗だった)。初召集の綿貫も有効ラバーでの出番はないでしょうが、将来の日本のために選出された逸材。献身的なサポートに期待したいです。
日本は敗れると最悪2月の予選ラウンドに進めなくなります。確実に勝利を。盛岡での借りを返しましょう。
会場に行かれる方、何度も繰り返しになりますが声出しお願いいたします。
応援で流れは作れます。最後にプレーするのは選手ですが、お膳立ては出来ます。
雨で空気もよどんでいることでしょうし、度重なる中断も予想されます。お客さんも含めてすべての関係者が気力・集中力でこの入れ替え戦を乗り切ってくれることを願っています。
私は明日から参戦です。この記事を書いたら仕事に出ます。それでは。