two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

錦織圭はツアーファイナルズに行けるか?④残すはパリと500の2大会、99%錦織は大丈夫

ただいま。

このタイトル、そして今から見せる試算表のフォーマットが証明です。

ハンドルネーム、ブログタイトルを変えましたが、とらきち、戻ってまいりました。1年以上ブログをやってきて突如閉鎖してしまいましたが、この度戻ってまいりました。

閉鎖の経緯、復活の経緯はこの一つ前の記事に書きました。それ以上のことは聞かないでください。特に旧ブログを読んでいらっしゃった方は必ず読むようにお願いします。

さて早速本題に行きましょう、まずはレースランキングの暫定試算表です。現在バレンシアバーゼルATP500がベスト4まで決まりました。その状況でこちらです。

5 錦織圭       4265 パリ

6 チリッチ Q     4150 終了

7 ベルディヒ       4105 パリ

8 マレー       3975 バレンシアSF +パリ

9 フェレール       3865 バレンシアSF +パリ

10 ラオニッチ       3840 パリ

11 ディミトロフ     3555 パリ

とりあえず前置きも何もないですが、この2大会が開催される前の地点での概況とその変化について説明します。

バレンシアのドローはトップハーフにマレーとフェレールが固まり、押し出されるポイントまで計算すると、どちらかが90ポイントの加点で終わるデスマッチの構造にありました。そして実際この二人が勝ち上がり、まさにそれが実現しようとしています。

ボトムハーフは苦手選手の多いベルディヒが勝ち進めば錦織をレースランキングでかわすというところでしたが、ストックホルムでのディミトロフとの決勝が2時間20分かかってしまったことで疲弊し、序盤で敗退しました。今週の加点はなしです。

ドローが出た瞬間に、ベルディヒが優勝でマレーとフェレールがポイントを積めずに割を食う形になると予想していたのですが、錦織にとってはそれよりも事態は好転しているといえます。ベルディヒの追い越しがなく、うまくいけば5位でパリに入れるからです。

しかしマレー優勝で錦織をかわすため、もちろん今後の結果は重要です。後で解説しましょう。

一方のバーゼルはほぼラオニッチ次第という印象でした。

ディミトロフはまたしてもQFでフェデラーを引く最悪のドロー。一方ラオニッチは虫垂炎で出場すら微妙だったナダルが上位対抗シード。これは決勝まで行ってしまうと思っていました。

ラオニッチはモスクワで加点することができず、今大会は勝てば勝つだけポイントが増えるというところでの私の決勝進出予想。ここで決勝進出の300p入れば残りの3枠は錦織-ベルディヒ-ラオニッチで決定かと勝手に思っていました。

ところが私も落とし穴にはまりました。下位対抗シードが今最も当たりたくない最強の下位シード、ゴフィンだったのです。

確かに粘るかなとは思っていたのですが、実際ラオニッチに3ブレークしての勝利は非の打ちどころのない素晴らしい結果です。好調を裏付ける試合運びには脱帽ですし、来週のフェレールには大きな障壁となりそうな存在です。これは別記事で解説します。

書いてて思ったのですが、続けて書いてなかったのでとにかく新情報が多く分かりにくくなっています。他のブログ主様の記事も読みながら見ていただけるとありがたいです。

というわけでディミトロフがフェデラーに敗戦したことも含め、想像以上に今日付けで思うことは「もうロンドン行きは決まったも同然」ということです。

後で詳細な条件を説明しますが、どう考えてもこれらが同時に達成されることは難しいと思えます。現状レース争いをしている選手は錦織以外疲弊しており、全員が高いラウンドに勝ち上がり、加えて錦織が早期敗退することは極めて起こりにくいと言えます。

もし私が考えていたように今日地点でディミトロフ以外の全員が勝ち残っていれば(加えてナダルが敗戦していれば)大事を取って「分からない」としていたと思います。

さらに追い風になったのはナダルのツアーファイナルズ欠場です。こちらは正式決定しており、手術の日程まで決まっており、公式サイトでも発表されたことから揺るがない事実でしょう。

ナダルは今シーズン前半はものすごい成績で進んでいましたが、芝シーズン後ケガやキリオスへの敗戦などもあり失速。すでに最終順位を3位でほぼ確定させました(バブリンカにわずかに可能性は残されていますが条件が厳しすぎで、おそらくないでしょう)。

来シーズン前半はポイントを守る戦いが続くため、今後の成績次第では4位以下へ転落の可能性もあり得ます。しかし前半戦までの成績は立派ですし、何より虫垂炎での離脱は不本意だったと思います。来期の巻き返しに期待しましょう。

というわけで錦織がツアーファイナルズに「行けない」条件は

ベルディヒ、マレー、フェレール、ラオニッチ、ディミトロフのうち4人にパリでかわされる」

です。では実際どうなるのか?それをここから後半で検証していこうと思います。

長い記事ですのでこの辺で一つ深呼吸でもどうでしょうか(笑)

では、行きますね。

もう一度レースポイントを再掲します。

5 錦織圭       4265 パリ

6 チリッチ Q     4150 終了

7 ベルディヒ       4105 パリ

8 マレー       3975 バレンシアSF +パリ

9 フェレール       3865 バレンシアSF +パリ

10 ラオニッチ       3840 パリ

11 ディミトロフ     3555 パリ

さてまずは今週の得点を整理しましょう。フェレール、マレーはこのあと直接対決が待っています。したがって次の4パターンが考えられます。

①マレー優勝、フェレール4強

フェレール優勝、マレー4強

③マレー準優勝、フェレール4強

フェレール準優勝、マレー4強

こう書くと分かりにくいと思うので、こう書き換えましょう。

①マレーに+320p

フェレールに+320p

③マレーに+120p

フェレールに+120p

この4パターンしかありません。上の表は準決勝まで加算されているので、二人ともに加点されるパターンはありません。

決勝はロブレドorシャルディーですが、今日はとりあえずのところランキング通りマレーorフェレールが優勝するパターンだけ考えましょう。

ここから考えていきたいのは「錦織圭がパリで4人にかわされる」パターンの想定です。したがって最も加点幅が大きい①②を考えれば十分ということです。③④になれば確度はさらに上がるでしょう。

バレンシアの地点で錦織をかわせるのは、①のパターンのみです。

さてまずは錦織はどれだけ加点すればいいのか?という面から見て行きましょう。

パリでの得点は

優勝(1人)…1000p

準優勝(1人)…600p

4強(2人)…360p

8強(4人)…180p

16強(8人)…90p

ファイナルのかかっている選手はこれ以下は初戦敗退(10p)しかありません。

さてまずは4強の360pが入った場合、これ以上にポイントを取れるのは2人なので、これは明らかに錦織が4人にかわされることはありません。(仮にマレーにバレンシアでかわされたとしても最大3人です)

続いて8強(錦織4445p)の場合ですが、この場合はパリのドローも加味して

①の場合

マレー8強(4475p)かつフェレール準優勝(4465p)かつラオニッチ優勝(4840p)かつベルディヒ4強(4465p)の場合にだめです。マレーに関しては4強でもいいですが、ドローの組み合わせ上、フェレールベルディヒの成績がこれよりいい場合、ラオニッチが優勝できなくなるのでこのパターンしか不可能です。(ドロー表を片手に見ると分かりやすいです。後で解説記事も上げます。)

②の場合

マレー準優勝(4575p)かつフェレール4強(4545p)かつベルディヒ4強(4465p)かつラオニッチ優勝(4840p)の場合にだめです。しかしこれもベスト4の顔ぶれとその結果が固定されるため、一つでも違えば成り立ちません。

簡単に書きますがバブリンカ、ジョコビッチフェデラーがいます。これが起こる確率は計算しなくとも相当低いことは明らかですね。

したがって8強の場合でも100%ではないにしろほぼほぼ決定です。

そうなると気になるのは初戦敗退(+10p、錦織4275p)のケースですね。これが考えうる「最悪」なわけです。最後にこれをやって締めたいと思います。

初戦敗退の時に超えるべき成績を選手別にまとめました。

①のとき

ベルディヒ…8強以上

マレー…欠場でも超えることは確実

フェレール…準優勝以上

ラオニッチ…準優勝以上

ディミトロフ…優勝

ところが、です。準優勝以上になれるのは2人までなので、実は4人に越されるパターンは

フェレール×ラオニッチの決勝カードorディミトロフ優勝、ラオニッチ準優勝)かつベルディヒ8強以上のみとなります。

ディミトロフの優勝には、直接対決があった場合マレー、ジョコビッチフェレールに勝ち、この場合決勝でラオニッチにも勝つ必要があります。

フェレール×ラオニッチの決勝カードだとしても、ラオニッチはいまだ全敗のフェデラーに勝つ必要があります。

②のとき

ベルディヒ…8強以上

マレー…4強以上

フェレール…8強以上(16強は同点だが錦織が規定で上)

ラオニッチ…準優勝以上

ディミトロフ…優勝

ところが、ディミトロフとマレーの条件は2人がドローで近い位置にいるため、同時達成が不可なため

マレー以外が条件を達成するパターンか、ディミトロフ以外が条件を達成するパターンの2つです。

以上で全てのパターンを網羅したわけですが、訳が分からないと思います。私も書いてて間違いがないか心配です。

ただこれだけは明らかだということ、今日必ず覚えて帰っていただきたいことを書きます。

全てのパターンに対して共通する項は

A.ベルディヒは8強以上必須

B.ラオニッチは決勝進出必須

この2つです。

つまりこれらが1つでも不達成になった瞬間、つまりラオニッチ、ベルディヒのどちらかが条件を満たさない地点で敗退した地点で、錦織のツアーファイナルズ進出は決まります。

さてこれの地点で十分に厳しいことは明らかなのでそれを説明しましょう。

ベルディヒの8強はもちろん射程圏内ですが、対抗シードが苦手のロペスのため、簡単ではないと思います(今のベルディヒの状態も含め)。

さらにラオニッチの決勝進出は至難の業です。なぜならQFではおそらく対戦成績全敗のフェデラーが待っているからです。

以上の条件からも、最悪に最悪を仮定し続けてもこれだけ難しい条件が揃わないとあり得ないということをまとめた上で、錦織圭は99%ツアーファイナルズに行けるという判断に至りました。

あまりにも愚直で真面目な論文みたいになってしまいましたが、以上で終わりです。

復帰記事で私も明らかになまってます。あと内容が難しいのでコメント欄で遠慮なく質問してください。ミス等の指摘もお願いします(合ってると信じていますが)。

今晩か明日パリのドロー展望も行います。それでは。