two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2014パリMS後)

こんばんは。

すでに大会は始まってしまいましたが、今シーズンのレギュラーシーズン最後の大会、パリマスターズが開幕しました。

7日後に笑っていられるのは誰でしょうか。今大会はシーズン最後ということで様々な面で「年末ランキング」が大きくクローズアップされる大会です。笑うのは決して優勝者だけではなく、それぞれの目標をクリアできたかにも大きく関わってくると思います。一人ではないでしょう。

そこで錦織圭が終盤戦で掲げた「目標」こそが第5のグランドスラム、バークレイズ・ATPワールドツアーファイナルズへの出場です。今日本のテニスファンの最大の関心事と言っていいと思います。

シリーズものですが、今回はいつものランキング試算を特別態勢で伝えて行こうと思います。

試合結果などもまとめて総合的な1本の記事でやっていきたいと思います(マドリードの執筆過多の反省を込めて)。

今大会にかかっているのはツアーファイナルズの出場だけではありません。大きく分けて4つあります。そのすべてを今回紹介していきたいと思います。

まずは今日発表の最新のATPランキングです。

1 ジョコビッチ    11510

2 フェデラー       9280

3 ナダル       8195

4 バブリンカ       5385

5 ベルディヒ       4485

6 フェレール       4465

7 錦織圭       4355

8 マレー       4295

9 チリッチ       4195

10 ラオニッチ       3930

11 ディミトロフ     3645

12 ツォンガ       2660

13 ガルビス       2465

14 ロペス       2085

15 バウティスタ=アグト 2065

16 イズナー       1970

16 ロブレド       1970

18 アンダーソン     1945

19 シモン       1810

20 フォニーニ       1790

21 モンフィス       1735

22 ゴフィン       1566

23 ガスケ       1485

24 コールシュライバー 1460

25 ドルコポロフ     1455

26 メイヤー       1404

27 カルロビッチ     1355

28 ベネトー       1330

29 ロソル       1245

30 シャルディー     1205

31 ヒラルド       1200

32 クリザン       1106

33 ベルダスコ       1090

34 クエバス       1049

久しぶりにやってるのですが、ちゃんと文字列が揃うんですかね…

エクセルからコピーする過程でいろいろと面倒なことが多くて、手作業で少し直してあわせています。

ちなみにスマートフォンから見ると見事にずれまくっているのですが、あくまでPC版で合うようにしています。

さて失効点を挟むべきなんでしょうが、それはなんと今週発表のレースランキングに一致します。なんて便利なんだ…

というかそういうルールですからね。

さてここで疑問に思った方は少し知識のある方です。

レースランキングにはツアーファイナルズのポイントは入りません。ですがポイントは1年持つ。

レースランキングには入らなくとも来週のエントリーランキングには2013ツアーファイナルズのポイントが入るのでは?という疑問です。

答えはノーです、ツアーファイナルズの失効日はパリ終了後となっており、通常の52週間ではありません。

つまり今週の失効点は昨年パリ+(下部ツアーのチャレンジャーなど)+ツアーファイナルズです。

これは毎年デ杯決勝とツアーファイナルズの週が動きまくっていることと、ツアーファイナルズが上位勢のボーナス点、特別な19大会目のポイントであることに起因します。

今週スタート地点でのポイント=今週のレースランキングです。

1 ジョコビッチ     9010

2 フェデラー       8520

3 ナダル       6835

4 バブリンカ       4805

5 ↗3 マレー       4295

6 ↗1 錦織圭       4265

7 ↗2 チリッチ       4150

8 ↘3 ベルディヒ       4105

9 ↘3 フェレール       3865

10 ラオニッチ       3840

11 ディミトロフ     3555

12 ツォンガ       2650

13 ガルビス       2455

14 ロペス       2040

15 バウティスタ=アグト 2020

16 ↗1 ロブレド       1970

17 ↗1 アンダーソン     1900

18 ↘2 イズナー       1880

19 ↗1 フォニーニ       1780

20 ↗1 モンフィス       1735

21 ↘2 シモン       1720

22 ゴフィン       1554

23 ↗2 ドルコポロフ     1445

24 ↗2 メイヤー       1389

25 ↘1 コールシュライバー 1370

26 ↗2 ベネトー       1320

27 カルロビッチ     1310

28 ↘5 ガスケ       1305

29 ロソル       1200

30 シャルディー     1195

31 ヒラルド       1130

32 クリザン       1094

33 ベルダスコ       1045

34 クエバス       1020

バレンシア優勝も含めて一気にマレーが暫定5位です。

ただその代償はものすごい疲労です。果たして初戦を無事戦えるのでしょうか…

バレンシアバーゼル決勝の感想は明日に回します。

それでは今大会で見えてくる4つを説明しましょう。

①年間1位争い

現在ジョコビッチフェデラーの差は490p。フェデラーは優勝すれば最低でも400p差を詰めることができ、フェデラー優勝-ジョコビッチ4強以下、フェデラー準優勝-ジョコビッチ16強以下の時なんと2年ぶりにフェデラーがエントリーランキングで1位になります。達成された場合最長1位在位記録の更新+最年長1位記録に前進(年初まで保てば達成)となります。

また仮にそれが達成されなくとも、年間1位の可能性は残ります。

私も正確に把握できていないのですが、ATPのアナウンスを見る限り、いわゆる「年末ランキング」は最低でもツアーファイナルズ後の週のランキングであることは分かっています。

今年のカレンダーだとファイナルのあとにデ杯決勝があり、ここが入るかどうかは不明です(入る場合フェデラーはさらに可能性大)。

後述するコミットメントプレイヤーとも合わせて、誰か詳しい方教えてください。

英語で320ページのルールブックとか読めません、助けて…

②壮絶なツアーファイナルズ争い

錦織だけではありません、なんと4枠を6人で争う今年のパリは少なくとも現行のポイント制度になってから6シーズン目で、過去最高の盛り上がりと言っていいでしょう。

また単純にパリ後の8位のポイントを比較しましょう。

8位

09 3300(ベルダスコ)(9位も通過)

10 3665(ロディック

11 2965(フィッシュ)

12 3490(ツォンガ)(9位も通過)

13 3330(バブリンカ)(9位も通過)

これに対し11位ディミトロフが3555pです。

普通なら通過でもおかしくないこの点数が、正直厳しいという点数になっています。

さらに私は夏ごろに若干冗談っぽく「4000ないと厳しい」「3800では落ちるかも」と言っていました。

今年のカットラインである9位はすでに3865p。このままなら3840pのラオニッチが落ちます。

本当にこの数字になるとは私も思ってもみませんでした。

この11人は本当に今期1年間を通して目覚ましい活躍でした。ナダルを除いた10人でツアーファイナルズしてほしいくらいです。

各選手の目指すべき目標をこのあと詳しく説明します。

③熱いコミットメントプレイヤー争い

ランキング中位にある「30位」という一つの大きな壁があります。

これはコミットメントプレイヤーのカットラインで、来年のツアースケジュールを決める大きな線です。

コミットメントという言葉からわかる通り、選手たちを確約させるという性質があり、今年のルールブックではパリ終了30位以内に入った選手の翌年のATP500大会4つの出場義務を課すというものです。

このレベルのランクの選手はケガがない限りマスターズも全部出るので、4+8+4=16大会に強制or半強制出場がかかります。

この4大会が入るか入らないかでその選手のツアーカレンダーは大きく変わりますし、大会側からも呼びたくなる度合いが変わるラインの一つです。

今年は30位付近にあまり選手が密集していないためあっさりと決着しそうです。2回戦の終わる水曜日までには大勢がはっきりすると思います。

今年初めてコミットメントプレイヤーになりそうなのは

バウティスタ=アグト

ゴフィン

メイヤー

ロソル

です。ヒラルド、クリザンもチャンスがあります。

それから一つ触れておきたいのは28位ガスケです。

ガスケは昨年この地でファイナル進出を決めた選手です、その選手がこの位置にいるというのは今年の荒れ模様を象徴する一つでしょう。

④ダブルスもファイナル争いの佳境

ファイナルはシングルスだけではありません、ダブルスもあります。

特にシングルスと同じコート、同じ扱いで戦えるとあってシングルスの選手以上に特別視されている大会です。

ダブルスのレースランキングはこうなっています。

1 10545 ブライアン/ブライアン 

2 5820 ネスター/ジモニッチ

3 4760 ペヤ/スアレス

4 4740 ベネトー/ロジャー=ベスリン

5 4130 ロジャー/テカウ

6 4090 グラノジェルス/ロペス

7 3570 ドディグ/メロ

8 3205 ブトラック/クラーセン

9 3030 ポスピシル/ソック

10 2990 クボット/リンドステッド

11 2755 カバル/ファラー

ロンドン行きの可能性が残っているのは、11位のカバル/ファラーまでで、残りは4枠です。1位から4位は通過決定です。

このうち、ポスピシル/ソックと、クボット/リンドステッドはそれぞれグランドスラム勝者、チリッチと同じルールが適用されます。

ただグランドスラム優勝者ルールは最大1チームなので、仮にこのままの順位で終わればポスピシル/ソックが進出し、クボット/リンドステッドはファイナルに出れません。

ポイント差は近く、この2チームのどちらが上に行くかと、7位までを巡る争いの2つになりそうです。

さてシングルスのファイナル争いですが佳境です。

今日はマレー優勝の余波を解説し、詳しい条件計算は明日に回します。

マレー×ロブレドの死闘はマレーが我慢に我慢を重ね、マッチポイントもしのいでの勝利で幕を閉じました。

この結果レースランキングはついにマレーが5位に。一気にファイナル行きに前進です。

錦織の戦略はじゃあ間違っていたのか?というとノーです。

それはマレーの姿を見ればわかります。

マレーはこの5週間全ての大会に出場し、18勝2敗という数字こそ残したもののロブレド戦では今にも止まりそうな足で3時間20分の戦いを演じました。

シードの分パリ初戦が水曜日になるとはいえ、初戦敗退はかなりの確率であり得ると思います。

これは勝ち進みまくったマレーに起きた現象ですが、結局のところ

・勝ち進んだ選手は疲弊し、絶対加算のパリでいい結果が残しにくい

・負けた選手はレース争いから遠ざかる

どっちにしてもデメリットが出てくるんですね。

だからこそポイントに余裕のあった錦織は出れたかもしれませんがバレンシア回避。これでよかったんです。

実際ドローがいいこともあり、再びマレーを逆転できる確率もかなり高いと思います。夢の年末5位、ファイナルを入れれば4位フィニッシュも十分視野に入れれる絶好の機会です。

さて錦織の詳細な条件ですが、以前の記事で説明した①になりました。

つまり、ファイナル進出できない条件は、初戦敗退の時

ベルディヒがQF進出+ラオニッチ決勝進出+(フェレールorディミトロフ決勝進出、ディミトロフの時は優勝)になります。

まあ繰り返しますが確率は相当低いです。正直おのずとファイナルはやってくるものだと思います。

そこで私が今回錦織にパリで目標にしてほしいのは、来週のランキングでの5位フィニッシュです。

これはまず自己最高ランキングということもありますが、ツアーファイナルズで第4シードになるというメリットがあります。

ツアーファイナルズのラウンドロビン(予選リーグ)は、

1位or2位

3位or4位

5位or6位

7位or8位

となります。(ナダルがいない分のずれは脳内補正でお願いします)

正直今やバブリンカ以下8位までのグループは一緒な気もするのですが、やはり取れるものは取っておいた方がいいですし、全豪での第4シード獲得に向けてもいい位置でファイナルを迎えることは重要です。

というわけで次の記事で目標の5位に向けて何が必要かも説明します。

とりあえず今日は最後に各選手の自力ファイナル決定ラインを示して終わりにします。

マレー    Q

錦織     S

ベルディヒ  S

フェレール  F

ラオニッチ  W

ディミトロフ W

アルファベットはATP公式の略記です。Qがベスト8(=準々決勝進出=クォーターファイナルのQ)、Sがベスト4(=準決勝=セミファイナルのS)、Fが準優勝(=ファイナリストのF)、Wが優勝(=ウィンのW)です。今後はこれで表していこうかと思います。いちいちベスト8とか書くと長いしややこしくなるので。

これらはATPから公式に発表されています。ディミトロフにも自力の権利があります、しかし逆に最低でもベスト4でないとファイナルには行けません。

明日は大会1日目の様子と、注目のレース争いの全条件をまとめます。それでは。