two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

今日はラオニッチの日だった(2015ブリスベンSF)

1/10 現地14:00~(日本時間13:00~)

ATP250 Brisbane International presented by Suncorp

SF

[2]Kei Nishikori 7-6(4) 6(4)-7 6(4)-7 [3]Milos Raonic

負け惜しみとかではなく、錦織のプレーレベルは高かったので、全豪に向けて特に不安がないまま前哨戦を終えられたのはよかったです。

珍しく先行する展開から敗れる結果となりましたが、これはラオニッチを褒めるしかありません。ブレークチャンスがほとんどなかったのはラオニッチもでした。2,3セットよく我慢したということでしょう。

1セット目序盤から勢いをつかんでいたのは錦織でした。ラオニッチのサーブ確率が低かったのもあっていい展開を作ることが多かったです。

しかし今日のラオニッチは崩れません。崩れないからこそトップ10なわけですが、特にデュースコートでのサーブの配分がよかったように思います。

1セット目のタイブレークは息詰まる戦いでした。本当にミスが少なく、1セット目を終わってアンフォースドエラー2本。対トップ10とは思えないスタッツでラオニッチの1ミスを逃さず取り切りました。

言い換えればウィンブルドンの時と同じでした。これだけのタイトな戦いでやっとのごとくもぎ取った1セット、これもう一回しないといけないの?錦織ならやってくれるとは思っていましたが、結局その不安が的中した形になりました。

できることはやっていたと思いますが、まれに来るブレークチャンスもサーブで握りつぶされ、特にポイントだったのは3セット目第11ゲーム1ポイント目、ほんの少し甘いボールをラオニッチがフォアでクロスコートに決めたあのショットです。

ああいうギャンブルプレーはラオニッチはよくしてきますが、大事な場面での精度が上がってきているように思います。

第2セットから追い込まれたラオニッチはフォアのフラットショットをたたきつけてくる場面が多かったのですが、その精度は低いにしても決まったポイントが要所のポイントばかりで、精度以上の脅威を感じました。

あのポイント、落としていれば実はこのあと15-30になっていた場面です。価値のあるポイントでした。

今日の試合を見て私が感じたのは「ラオニッチのデルポトロ化」です。

デルポトロと言えば強力なサーブに強烈なフラットショット、さらに動きも大型選手の割にはよく、新ハイブリッド型の選手と言われていました。ラオニッチにも以前からその可能性があると思っていましたが、もう少し敏捷性が上がればポストデルポトロとしては十分どころか、それ以上のサーブを持っているわけですからそれはGSも取れるだろうし今後すべての選手にとって脅威になってきます。

そもそもこのレベル同士ですと最後の解説でもあった通りほとんど五分でわずかな差で試合が決まるので、今日はラオニッチの日だったと割り切るべきでしょう。

だってブレークされてないわけですから。今日の錦織は本当にサービスゲームの安定感が素晴らしかった。

ブレークされていないということに着目するとやはり1st、2ndとも球速ではなく効果的なポイントにつなげるためのサーブ、これが増えていることが確認できたことはいい材料です。

この大会の3試合を見て思ったのは、ベスト16は確実、その上はドロー次第でしょうがかなり全豪期待できるのではないでしょうか。自信さえ喪失せず、無駄な疲労をためなければかなり上は見えると思います。

その証拠がサーブです。今大会の錦織のサービスゲームは全部で37ゲーム(タイブレーク含まず)、すべてキープです。

今回のビッグサーバー相手はあまりにも運がなかったとも解釈できます。幸い全豪ではSFまでラオニッチとの対戦はありません(前記事のコメント参照)。他の相手にはよほどのことがないと負けないと思います。

敗戦こそしたもののむしろ私の全豪の楽しみや期待は増えるばかりです。お疲れ様でした、ラオニッチおめでとう。

さて来週のオークランドシドニーのドローが出ました。

発表通りデルポトロがシドニーで復帰です。ここの所元気がないフォニーニの山に入りましたがどうなるでしょうか。

そしてナダルのWC緊急出場はありませんでした。そのナダル、結局ドーハのダブルスで優勝して少し自信を取り戻せたでしょうか。

それから錦織のダブルスの決勝が明日あります。相手はマレーの兄と地元オーストラリアのダブルスの名手、ピアースです。

まあ軽く流す感じで楽しくやったらいいんじゃないですか(適当)、プレッシャーもないですし、体力も使わずに初のダブルスタイトル、狙ってほしいですね。

それからNHKさん、いつもありがとうございます。

なぜか毎回緊急中継で負けちゃいますが(笑)、テニスは真剣勝負の世界ですのでこういうことはあります。

私は阪神戦の中継で似たようなことを何度も経験してきましたから…

バスケットボールを見られていたみなさんすいませんでした。101chを譲っていただいて感謝です。

あとQFの緊急中継をねじ込んでくださったGAORAさんにも大感謝です。いつもいろんなスポーツの権利がある中ありがとうございます。

と、細かいことはこの辺にして…

一応敗因を探りましょう。

第2セットからのプレーレベルの低下ですかね。ミスも最終的には20本を超えてしまいました。

サービスゲームを楽にキープできず、悪いリズムに持ち込まれる展開も多々ありました。

結局ラオニッチに3セット続けてサーブを打ち込まれたということは、それだけプレッシャーのかけ方が甘かったということでもあります。

やるべきことはやっていましたが、0-30のカウントをおそらく1回も作れなかったのではないでしょうか。

普通2時間も3時間もやれば入らなくなる時間帯というのは存在します、そういった場面を、隙を逃さないことが大事なんですが、今日の場合はその隙を作る過程がよくなかったかなあと思います。好き勝手に打ち込まれて、カルロビッチ×ジョコビッチ戦のレベルでサービスエースを量産されました。

今回の対戦は必ず布石になるはずです。勝ったもののラオニッチはブレークに困難さ、不可能さを覚えたことは確かです。こういったことが後々の対戦に効いてきます。たとえばファイナルセットタイブレークのないウィンブルドンです。こういった場面で自分のキープはいいにしてもブレークできないとなると話が変わってきます。

本当にいいライバルになりそうですね。2年後くらいに1位と2位になってても驚きがない、そんなハイレベルマッチでした。

ATPの未来も安心です。