two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【ドロー解説】2015全豪OPの展望

こんばんは。いや、おはようございます?

本当は寝てないと明日に響くのですが明らかに体を押して書いています。

予定では全豪の1,2回戦あたりまで外出予定だったのですが、どうやら週明けには戻ることができそうです。

結局そのつけはいずれ払わないといけないのですが、ブログ的に繁忙期を避けられそうなのでラッキーと言えそうです。

まだ確定ではありませんが錦織のいるトップハーフはあとの日程、火曜スタートという情報も聞いています。確定ではありませんのでメディアのみなさん、一般のみなさん、ここをソースにしてこの情報を絶対に出さないでください。お願いします。

火曜なら初戦から見れる可能性すら出てきました。うっし、私事頑張ります。

話は変わりますがクーヨンについて

ディフェンディングチャンピオンの錦織→合ってる

全豪の前哨戦→一応合ってる

だから今年も優勝しなければならない→???

こんな報道が某メディアであったようです、いったいこの大会の獲得ATPポイントがいくらなのか聞きたいところです。

クーヨンをエキシビションだと思ってない人が大勢いるのではと心配です。ここに来るような人にそんな方はあまりいないと思いますが、私は間違った(およびミスリードに近い)報道がなされるくらいなら報道されないほうがましというスタンスを取っていますので、最近の報道にはがっくりきています。

私のように発信力のある人の発言だと鵜呑みにされかねないので、先ほどの不確かな情報については強く釘を刺しておきます。

さてうって変わって全豪のドローです。

執筆までに時間があったので今回は珍しく皆さんの意見を参考にしてみました。

単にツイッターエゴサーチをかけただけなんですが、「錦織 ドロー」と打つとみなさんの感想がいろいろ書いてあって、私自身も参考になりました。

特に最近テニスを見始めた方にとって、アルマグロという選手はどういう風に映るのだろうということが興味深く、今回の記事に反映させていただきました。

結論から言いますと、私が判断する錦織のドローは「普通~やや厳しい」です。その理由を解説していきましょう。

まずは全体俯瞰です。

ジョコビッチ

[1]ジョコビッチ

添田豪(初戦は予選勝者)

[31]ベルダスコ

[19]イズナー

[13]バウティスタ=アグト

[12]ロペス

デルポトロ(初戦ヤノヴィッツ、モンフィスブロック)

[17]モンフィス

[25]ベネトー

[8]ラオニッチ

総合的に判断して、最も選手層が厚く、厳しいベスト4争いの山になると予想されます。

もちろんその最右翼は[1]ジョコビッチで間違いないでしょう。下位対抗シードに錦織を引かなかったこと、そして過去全勝の[8]ラオニッチを引いたことはラッキーでしょう。しかしそれは昨年までの一般論。今年は違います。

特にビッグサーバーのカルロビッチに敗れて迎える全豪というのはジョコビッチも気が気でないでしょう。

ラオニッチはこれに加え着実にストローク力を上げてきています。内容次第では大接戦、そして初のまさかも十分にあるとみています。

ジョコビッチの序盤は比較的楽なドローだと思います。ここでは添田に注目。初戦は予選勝者で、まだ決まっていませんが杉田守屋は予選決勝に残っており、日本人対決の可能性もあります。

[13]バウティスタ=アグトと[19]イズナーは小さな故障明けで迎える全豪となり、4回戦はミュラーやティエムといったノーシードも不気味です。

そしてラオニッチは試練の戦いになりそうです。もちろん下位に負けないテニスをすれば大丈夫だとは思いますが、一応ベスト8までに当たる可能性の選手として、マナリノ(今週決勝進出)、デルポトロ、ヤノヴィッツ、プイユ(今週4強)、モンフィス、ヒューイットと目白押しです。特に4回戦はタフな試合が予想されます。調子が上がってこない[12]ロペスよりもノーシード勢に注目でしょう。

普通に考えればジョコビッチラオニッチのQFカードなんでしょうが、まさかも十分にありそうです。

またラオニッチにとっては、8強までは視界がある程度良好としても、QFの壁が厚すぎます。正直1勝+感触のいい1敗のあったフェデラーよりも未勝利のジョコビッチはラオニッチにしてみれば相当厳しい印象があるのではないでしょうか。

②バブリンカ山

[4]バブリンカ

[27]クエバス

[21]ドルコポロフ

[16]フォニーニ

[9]フェレール

[18]シモン

[30]ヒラルド

[5]錦織圭

錦織周りは詳しく解説するので簡素に。

[4]バブリンカと[5]錦織がベスト4の本命・対抗でしょう。え?フェレール?まあ待ちなって。

バブリンカはとにかくこのドローがかなりいいです。[27]クエバスもそこまでですし、[16]フォニーニは相変わらずの不調、そして[21]ドルコポロフはクーヨン決勝を棄権、ここにきて全豪出場も怪しいという情報です。

危険なノーシード選手も見当たらず、調子のいい時どころか普通のバブリンカだとしてもまず負けることはありません。バブリンカが8強まで来る確率は95%を超えるといっていいでしょう。

昨シーズンのバブリンカを通してみればわかる通り、上限と下限の差がかなりはっきりしているタイプの選手です。全仏の時のようにふらっと足元をすくわれる可能性というのは全豪だってあります。

しかしそれでも4回確実に勝ってくる確率が95%予想というのがいかに高い確率であるかということはお分かりでしょう。(つまり1試合当たりの勝率は約99%ということです)

さて[5]錦織圭ですが、まあ半分以上は8強に来るでしょう。そういう選手です。力はあります。ただし8強に来た地点で体力と体がどうなっているかはわからないですし、半分ということは負けるということも考えないといけないということです。

ナダル

[7]ベルディヒ

[26]マイヤー

[22]コールシュライバー

[11]ガルビス

[14]アンダーソン

[24]ガスケ

[28]ロソル

[3]ナダル

最も楽な山だという印象です。

しかしここはナダル次第とも言えます。

上位相手になかなか勝てない[14]アンダーソンに加え、17連勝中の[7]ベルディヒというのは[3]ナダルにとってみれば最良のドローです。しかし前哨戦での内容を考えると、どの段階で足元をすくわれてもおかしくないスリリングさも残っています。

3回戦…[28]ロソル…いやなんでもないです。

初戦もランキングが落ちているとはいえ元トップ10のユージニーが相手です。

正直4強はナダルorベルディヒの2択でしょう。それもナダルがQFまで来るか次第です。

ここは地元勢と今週決勝進出のベズリーがどこまで旋風を巻き起こせるかが注目です。

フェデラー

[6]マレー

[32]クリザン

[20]ゴフィン

[10]ディミトロフ

[15]ロブレド

[23]カルロビッチ

[29]シャルディー

[2]フェデラー

どうしてシャルディーなんだろう。

フェデラーは思っていると思います。もちろんドローに一喜一憂するようなレベルの選手ではないのですが。

[2]フェデラーにとってはなかなかに厄介なドローになったと思います。

初戦のルー、2回戦のモナコorボレリもまあまあ厄介ですが、昨年のローマで敗戦を喫した[29]シャルディーは厄介。コリッチ、セッピもいる3回戦はなかなかタフです。

[23]カルロビッチも対戦成績がいいとはいえ直近の内容を見ると怖いですし、何より[15]ロブレドは不調だった2013年全米時には5セットマッチで敗れている相手。嫌な組み合わせです。

そして[6]マレー[10]ディミトロフの勝者が待っています。まあ最近の状況だとマレー濃厚です。マレーがエキシビションで無双しており、公式戦に出ていないのがここにきて不気味です。

あと注目なのはやはり[20]ゴフィンとディミトロフの仮想3Rです。実現すればいいカードになると思うので両者とも頑張って勝ちあがってほしいです。

伊藤竜馬は[32]クリザンとの初戦。厳しいと思いますがバブリンカを破った経験を活かして久しぶりの勝利に期待です。

カルロビッチのところにはキリオスもいます。ちょっと爆発しそうな気配は少ないのですが警戒はしないといけないですね。

お待たせしました、錦織近辺のドローです。

[9]フェレール

ベルッチ

スタコフスキー

ラジョビッチ

グラノジェルス

ロベール

ハース

[18]シモン

[30]ヒラルド

予選勝者

予選勝者

ジョンソン

ドディグ

ソウザ

アルマグロ

[5]錦織圭

初戦はスペインのアルマグロになりました。

元トップ10プレイヤーです。これを聞くと震えだしてしまうところですが、けが明けというのが重要なポイントです。

アルマグロバルセロナナダルに勝ったものの、その直後に負ったけがが長引き、結局2014年の残りすべてを欠場に追いやられました。

12月のムバダラ(エキシビション)で復帰、この時はバブリンカ、ロペスに敗れており、公式戦は今週のシドニーで半年以上ぶりに復帰したものの、クエバスにストレート負け。

さてここまで年初から初日の出ていないアルマグロです。正直なところを言うと、名前だけ見るとアルマグロです、2012年からテニスを見ている私にとっても怖いです。しかし断言します。世界ランク5位の錦織圭、ここで詰まっているようではいけない。

現在のアルマグロはまだ試合勘、試合を戦うための体力を取り戻していない様子で、クエバスが次の試合でククシュキンに敗れたことからも分かる通り、調子のいい相手に当たり初戦から不運だったわけでもなく、本当に力で負けてしまっています。

ムバダラも参考にはしづらいですが不調のロペスに負けているというのはかなり材料としてよくないです。

またアルマグロはクレーコーターです。ヒラルド、フェレールを加えてこれが全仏なら文句なく最悪と言っていたでしょうが、アルマグロのハード勝率は格段に落ちるので、早仕掛けをきっちりしていけば揺さぶっていけます、勝てます。

何度も言ってますが根拠があるからこその「勝てます」です。錦織だから~ではないのです。れっきとした材料があります。

アルマグロはとにかく後ろから打ってくるタイプの選手です。クレーの試合だとラインズマンのすぐ手前でラリーを続けることもあるくらいです。片手バックで回転をかけてくるのがちょっとハースやガスケを彷彿とさせて嫌ですが、攻撃性は少ないのでしっかり振っていけば必ず崩せると思います。マレー戦を思い出しましょう。下がる相手は錦織の格好の餌食です。

クーヨンのようにミスが多いと手こずるかもしれませんが、まあ今のアルマグロに負けるような錦織ではないと強く信じています。

そして2回戦が割といいですね、ドディグとソウザ。

ドディグは結構当たってるのでもうおなじみでしょう。対戦成績もよく、特に苦にしていない選手ですのでむしろウェルカムです。

去年は目立った成績もないですし、80位台の選手にはすんなりいくでしょう。

ソウザはジョアオ・ソウザという全く同じ名前(アルファベットではSouzaとSousa)の選手が実は2人いて、こちらは実績があまりないほうのソウザです。

ポルトガルテニス界を変えたソウザは結構厄介ですが、ブラジル出身のチャレンジャー上がりの普通の選手で、まあ負けるイメージがないです。どっちが来ても問題ない、いいドローです。

実は数字だけで言えば60位より上の対戦がないんですね、この地点でいかに悪くないドローかがわかると思います。

3回戦のヒラルドはこちらもおなじみでしょう。バルセロナ決勝の相手であり、大事なのはクレーコーターです。

そして対戦成績でも圧倒しており、正直負けるイメージがありません。

そして残る3人のうち2人は予選勝者で、もう一人はブリスベンで簡単に勝ったあのジョンソンです。

つまり私はベスト16までは大きな山はほとんどないいいドローだと判断しました。

はい、4回戦とQFです。普通~タフと判断したのはここからです。

何もフェレールを引くことはなかったのに…というのが本音です。

何より2013年にはこの全豪の同じ4回戦で敗れています。サーフェスがハードだからというのも通じません、純粋に敗れています。

そして言うまでもないタフマッチ確定カード。いくら錦織がマラソンマンだからと言っても4回戦でこれを強いられるのは厳しいのは自明です。そしてその次がタフな選手であるバブリンカ濃厚。

全米では乗り切った錦織ですが、今回は昼間のかんかん照りの可能性だってあります。仮に勝ててもその先が…というのは痛いです。

あと、QFのバブリンカはもちろんビッグ3を引かなかったことを考えると最良なのかもしれませんが、バブリンカのシードダウンが考えにくい今回、加えて全米のリベンジに燃えていて、ドローもイージー。また忘れられがちですが対戦成績は1勝2敗で、その2敗は完膚なきまでにやられていること。

こういったことからフェレールによるデメリット>>>>>>>>なんとかバブリンカを引けたメリット

というのが私の考えであり、これこそが普通~タフとした理由です。

ただし一つだけ、フェレールの対抗シードシモンには可能性があります。

昨年全米の3回戦、このカードの軍配はシモンに上がっています。もつれる展開が大得意のシモン、もしフェレールと粘り合いを見せれれば、共倒れの形になり錦織としてはラッキーになるかもしれません。

このシモンの勝ち上がり、少し注目しておきましょう。ちなみに錦織とは未対戦、見てみたいカードでもあります。

さて、よくドローがイージー/タフという議論が行われますし、にわかのかたから詳しい方までいろんな方が今回はコメントされています。

一応私のドロー解説ではシードがこうだからということより、シードが勝ち上がれるかも含めた純粋な期待値での議論を行うようにしています。

つまりナダルは力として脅威ですが、今回のトップ4シードの中だと一番早期敗退の可能性が大きく、ドロー位置などの関係から錦織は5~8シードの実際の位置ならベルディヒのところに入っているのが一番良かったと判断しています。

たぶん今回私の評価はかなり厳しいと思っているのですが、その理由の一つにドローの何をタフと考えるかの見解の違いがある気がしたので述べておきます。

普通ですとバブリンカはシードダウンがあるということを考えるので、去年夏ごろの評価とかを見ればわかるのですが(記録が残ってない…)明らかにバブリンカの山が楽と判断しますし、読者のいかさまさんも前記事でそうおっしゃられています。

ところがチェンナイの内容を見る限り4Rまでに負ける可能性はほぼゼロ、一応5%と判断しました。対抗シードも勢いがなく、バブリンカが調子のいい状態でQFに来る、これはほとんどビッグ3と変わりありません。

まあラオニッチにとってのジョコビッチなどを考えればかわいいほうなんでしょうが、しかしタフであることには変わりありません。

さてもう上位選手がみんな負けてしまったのでランキングの動きもなく、全豪後のランキング試算をしないといけないのですが、今日のツケを明日(今日)払わないといけないから無理かな…尽力します。