two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2015全豪OP後)④3回戦終了時

こんにちは。

結局波乱の3回戦かと見ていたここ2日間でしたが、フェデラーのみの脱落となり、16シードまでのシードキープは11人と比較的普通の第1週となりました。

よく言いますけどベスト8までトップ8シードが全員残るなんて幻想ですからね。全員勝つというのはある意味異常な結果であって、シードダウンは当たり前に起こることです。

ランキングでテニスをしているわけではないですからね。試合で勝った人が次に進めるということです。

フェデラーの敗戦もショックではありますが、他の選手から「こういうことだって起こりうること」という趣旨のコメントが来ており、これがテニスの世界だなあと思いながら見ていました。

そのフェデラー戦について振り返っておきましょう。

フェデラーは非常に精彩を欠いていました。

ストロークが不発、サーブもいつもよりは入っていない状況で、とりあえずネットプレーに出るもセッピがうまくかわしていき、攻撃の手段を完全に失ってしまいました。

マッチポイントのセッピのラストショットはテニス人生でも最高のショットだったのではないでしょうか。

ともかくこれでボトムハーフは大混戦です。

ナダルは勝っているとはいえ、後述の理由によりまだ最有力には推せません。

特に今日の4回戦は今後の戦いを占ううえで注目のカードが続きます。

そのほかの試合を振り返りましょう。

昨日のフェレール×シモンはいい試合でした。

もともとストローカーでビッグサーブもない二人にとって生命線はラリー。そして粘り強さ。とにかくロングラリーを制したものが試合を制す、そんな展開が予想されましたが、まさにその通りの展開になりました。

最低でも10本は続くようなロングラリーからウィナーを取ったりミスを誘ったり、じりじりするような展開でした。

ブレーク数の合計も二けたを超え、試合展開の先も読めない内容でした。

シモンはグランドスラムで長期戦、特にフルセットにもつれ込むことが多く、最近では全米でのチリッチ戦がフルセット(実はチリッチを一番追いつめていた相手です)、敗れはしたもののすごいゲームでしたし、5セットの勝率も高く、気が付いたらフルセットに持ち込まれているというのはシモン戦ではよくあることです。

この日は第1セットでフェレールが押し込み、71分もかかった要所の第2セットをシモンが取り切れず、第3セットもフェレールの5-3。あっという間に勝負はつく、かに見えました。

ところがここからが泥仕合の始まりでした。

このサービング・フォー・ザ・マッチをシモンが会心のブレークでしのぐと、自身もキープして6-5としたところで、勢いに乗ったシモンはさらに連続ブレークを決めて7-5とします。

この地点で2時間半を超えていた試合では、ラリーが続く展開で足を使っていたのもあってシモンは既にヘロヘロの状態。

第4セットではメディカルタイムアウトも取って1-5と劣勢。今度こそ勝負は決まったと思いました。

が、ここでシモンが残っている力を振り絞り、最後の攻勢に出ます。

踏ん張りが利かなくなってきている中渾身の力で強いショットを連発。フェレールは耐え切れず、なんと1-5から6-5に大逆転します。

ゲームの流れとしてはここでブレークしてファイナルセットインのところでしたが、なんとかフェレールが耐えて、運命のタイブレークに入ります。

タイブレークではシモンが踏ん張り切れず、7-4でフェレール。最初のサービング・フォー・ザ・マッチから1時間以上がたった3時間37分の熱戦でした。

試合後のフェレールは足を軽く引きずっていました。靴下に血の跡が残っていました。壮絶な試合だったことを物語っています。

フェレール戦での展望は別記事になりますが、試合後のフェレールは「次に錦織とやることについては、今は考えたくない」と話していることから、相当疲れているのでしょう。錦織と戦う時はそうでなくとも大概疲れますからね。

とりあえず、不謹慎ですが体力が削られたことで錦織としてはアドバンテージだと思います。1日あればフェレールもだいぶ戻してくるとは思いますが。

シモンもあっぱれでした。自分のフィジカルもよくないのにあえて持久戦に持ち込まんとばかりにまだ戦い続けたのは本当に素晴らしい姿勢です。

さて、ランキングの方に移りましょう。

21~30位は変わらなかったので載せていません。

この表にない対戦カードは、セッピ×キリオスです。

こうしてみると、実はトップ8シードのうち7人が勝ち残っています。それぞれ4回戦でどう組んでいくか注目です。

4回戦カード

[1]ジョコビッチ×ミュラー

[12]ロペス×[8]ラオニッチ

[4]バブリンカ×ガルシア=ロペス

[9]フェレール×[5]錦織圭

[7]ベルディヒ×トミッチ

[14]アンダーソン×[3]ナダル

[6]マレー×[10]ディミトロフ

キリオス×セッピ

トップ10の情報の整理です。

ジョコビッチフェデラーの1位2位は確定しました。

3位から11位までは、チリッチを除き全員勝ち残っているのでまだ明確な変更はありません。

ナダル自力3位キープの条件は、優勝です。

準優勝でも錦織優勝の場合は錦織が上に行きます。

ただ一つ言えることは、ナダル、マレー、ベルディヒ、ディミトロフ、この4人のうち誰かが決勝に行く確率は非常に高いために、誰かが最低でも1200p入るということは大きな変動が残っているということです。

ディミトロフの場合下位なのでいいのですが、マレー、ベルディヒはジャンプアップの可能性をかなり秘めています。

そういう意味でも錦織の3位、4位については現状のタフドローからネガティブな見解を出さざるを得ません。現状は。

さっき書いたように優勝さえしてしまえば、乱暴ですが3位になれます。これは確定事項であり、誰が決勝に来ようが関係ないですから優勝さえすればいいんです。道は遥かに遠いですが…

さて今日の4回戦は上の表の下4試合です。

個人的な注目はナダル×アンダーソンです。

ナダルはなんとか3回戦まで勝ち上がってきているものの、3回戦で100位付近のセラとの対戦、ドローがラッキーなのは言うまでもありません。

そんな状況で現在順調に勝ち上がってきているアンダーソンとの対戦というのは、試金石の意味合いを持つ大事なゲームです。

特に今大会のアンダーソンは、ガスケにストレート勝ちするなどメンタルの弱さを克服しかけているだけに、このビッグマッチをどう戦うのかは注目です。サーフェスがビッグサーバー有利という話もありますし。

そしてウィンブルドンでも激突したマレー×ディミトロフは好カードです。

マレーの方に今大会は勢いがありますが、ウィンブルドンの時もディミトロフがするすると行ってしまったので分かりません。

NHKで試合をやるみたいなので、たまには錦織以外の試合も見てみるといいと思います。

セッピ×キリオスは、どちらがノーシード8強になれるか、特にキリオスが地元で偉業を達成するかは大注目です。きっと熱狂的な豪州ファンの大声援が聞こえることでしょう。

え?ベルディヒを飛ばすなって?正直ベルディヒトミッチに負けるビジョンが見えない。

ベルディヒは安定しています。ナダルと(?)当たる次までは問題ないと思っていました。そしてさらっとナダルに負けてしまう…いやなんでもないです。

第2週、日曜日ですがいよいよ始まりました。1週間後の栄冠に向けて、真の戦いが幕を開けました。