two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

2015年の答えは「やっぱりジョコビッチ」なのか?

こんばんは。

花粉とか言ってた頃からずっとのどの調子が悪く、今回のインフルエンザも発見が遅れました。

なんなんですかね。本当にアレルギー系ならいいんですけど、そろそろ違う病気を疑いたくなってくる今日この頃です。

インフルエンザと同時にのどの痛みも消え去ってくれないかなあ…

さて全豪はジョコビッチの優勝で幕を閉じました。

ですがそれだけではありません。今大会の準決勝はベルディヒ、バブリンカ、そしてマレー。実は若手世代「Young Guns」の侵入を一人も許さなかったのはGSではちょうど昨年の全豪以来1年ぶりです。

特にクローズアップされる「Young Guns」3人の敗戦した相手はラオニッチがジョコビッチ、錦織がバブリンカ、ディミトロフがマレー。実はそれぞれに特別な対戦相手だったことは言うまでもありません。

ラオニッチはルーツであるバルカン系の選手でトップ選手として、コーチのルビチッチの影響もありオフシーズンをジョコビッチと練習。

しかしこれが逆に仇になったというのが今回のQFでした。完全にラオニッチが見抜かれてしまったのです。

ジョコビッチは3度のブレーク。一方ラオニッチはブレークポイントすらもらうことのできない完敗。

それでもタイブレーク3本取ればいいのでしょうがまだラオニッチがジョコビッチ相手にそれをするには遠すぎます。この日も1stセットのタイブレークは落としていますし、それが精いっぱいでした。

一方のジョコビッチはビッグサーバー相手の教科書通りのプレーを実践。持ち前のリターン技術も加えてつけ入る隙を与えませんでした。

錦織の相手のバブリンカはある種1~4シードの中では悪いほうだったのかもしれません。

攻撃的な片手バックハンド。錦織が苦手とする部類に入ります。加えて全米でのあの死闘以来の対戦。バブリンカは負けたくなかったでしょう。

「QFの地点で精神的に相当疲れていた」と語るように錦織戦にかけた精神力というのがいかに凄かったかを本人が後に語っています。トップ選手相手にこう来られては難しいゲームだったでしょう。

ディミトロフは準優勝のマレー相手にメンタリティの差を見せつけられました。

内容自体は競っている時間帯も長かっただけに、判定に泣いた場面もありました。

さてそんな中ジョコビッチとマレーというビッグ4が決勝に進んだのはある種時代の逆行では?という意見の中迎えた決勝でしたが、その決勝が答えを示してくれました。

マレーはディフェンシブなプレーを心掛けていたように思います。ジョコビッチが序盤不安定だったのと、あとは指のけがの影響によってか少し精彩を欠く場面が多かったように思います。

マレーとしてはのらりくらりとした展開から強打を使うなど一時期のビッグ4らしいプレーも垣間見え、今後が楽しみと言えそうです。

転機だったのは第3セット。両者タイブレークを取り合った後の序盤でした。

マレーの逆を突いたボールがネットイン。ネットに詰めていたジョコビッチが嫌な転倒をしてしまいます。

そこから足を気にしだすジョコビッチ。ブレークされて0-2となり、2年連続のけがによる決着か――

しかしここからがジョコビッチの本領発揮でした。

それまでは1セットに70分以上もかかっていることからわかる通りじりじりとしたロングラリーでミスの誘いあいといった展開でしたが、ここでロングラリーを足の影響で嫌ったのか攻め込む展開に変化します。

マレーも食らいつきます。逆襲のカウンターも決めますがここでジョコビッチに一気に試合の流れが振れてしまい、一度触れた流れは戻らず。そのままジョコビッチが押し切りました。

1,2セットはマレーのラリースピードにお付き合いしてしまった形ですが、抜けてから先はジョコビッチモード。といっても何かが大きく変わったというよりはより精度がよくなった、それだけのような気もします。

ジョコビッチの良さは説明しにくいですが、テニスに必要な完璧性だと思います。

振られても拾う。ミスをしない。攻撃性もある。テニスとは穴があればいくらうまくてもそれだけでやられるし、逆に一撃必殺の武器が相手に噛み合いさえすれば誰にだって勝てるスポーツです。

その競技の本質を突いたときに完璧に最も近いのはジョコビッチなのかもしれません。

それはフェデラーの完璧と称される時の「完璧」とは違います。フェデラーの場合はプレーの美しさとかエレガントさ、洗練さの寒完璧ですが、ジョコビッチは無駄をそぎ落としていったうえでの完璧というゴールなのだと思います。

どこから崩していいのかがわからない。そういった強さがジョコビッチにはあり、決勝を終えた今、その強さはより強大なものになっていると思いました。

また状況適応力の高い選手だと思います。

トップ10同士の頂上決戦でありながら、しっかりと照準を見定めるとファイナルの錦織戦、そして今回の準決勝のバブリンカ戦のファイナルセット、そして決勝の第4セットのベーグルフィニッシュです。いとも簡単にやってしまいます。

正直今回はジョコビッチとマレーに大きな差を感じる試合でした。と書くとマレーが悪いようにも見えますが、残りのビッグ4の2人はフィジカルに不安、ベルディヒはSFで上位に対するメンタルでの敗戦、「Young Guns」は力不足が目立ち、バブリンカは長期戦に対する不安、現トップ10の誰でも今日戦ったらジョコビッチに一蹴されてしまうイメージすらあります。

全豪は1年の流れを占うのにいいと言われます。

昨年はバブリンカの優勝がその後の波乱の1年を予感させました。ビッグ4時代は終わったのかもしれないと私もあの結果を見て評しました。

だからこそ今回の評価は「VSジョコビッチ」の構図への変化です。

気が付けばポイント差は2位フェデラーと4000p近く。3位ナダルと7000p以上。とんでもない数字になっています。

フェデラーはドバイ優勝以降はずっと高得点です。このポイントを守れるかは不透明です。

ついにジョコビッチ1強時代の到来か。2011年以来の無双の可能性もありえます。

さて来週からはいよいよ2月武者修行シリーズ。当ブログも休み気味になるかもしれません。

しかし今年はトップ10が詰まっており、順位交代も大いにありうるため、特に500のある週は注目です。

明日は定例にする1月の反省(ネタを探す前に、自分の予想がネタだらけだった…)、それ以降は2月のランキング変動について、それからネタです。メンフィスまで1週間しかないので耐えれる。やはりシーズンは偉大。間違いない。1か月以上誰の試合もないオフシーズンはきついんですよね…