two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

スロースターターは健在、もう勘弁してくれ~(2015メンフィス2R)

2/11 現地15:15~(日本時間翌日7:30~)

ATP250 Memphis Open

2R

[1]Kei Nishikori 3-6 6-3 6-4 Ryan Harrison

錦織圭を応援しているとファン自身までメンタルが強くなるという皮肉があります。

明らかなスロースタートからの逆転勝ち。それをトップ選手相手にもやってしまう劇場型の試合内容。

しかしスロースターターはトップ選手には必要ありません。少し悲しくもあるけどさくっと勝つ試合が増えること。年初の観戦目標にもしていましたが、ストレート勝ちを増やしていくことが今後のポイントだとしました。

2014年に入ってからだいぶさくっと勝つ展開も増えていたのですが、クレーシーズンでよく見られた第1セット飛ばしてペースを落とした第2セットで中だるむという展開でセットを落とすことが増え、なんとかならないのかと思っていたのですが今日は完全に昔の錦織圭でした。

第1セット冒頭はミス連発。あっさりとブレークを許しブレークされても特に表情も変えず淡々とプレーを続けていきました。

ハリソンは錦織らとかつては肩を並べるほど期待の若手として名を挙げていましたが、残念ながらトミッチらとともに伸び悩んでいる選手の一人です。今やソックのほうがアメリカでは期待できるくらいですし。

ここ1年間はチャレンジャーレベルの生活をしていたハリソンは予選を勝ち抜いての本選2回戦。すでに5日連続の試合でした。

内容はそこそこといった感じで、失うものはなくトップ選手に戦っていましたが、普通ならば錦織にとって脅威ではないプレーレベルでした。

1stサーブも50%付近をうろちょろ。しかし錦織は1st、2ndともにリターンミスが目立ち、まったくリズムがつかめません。

一方の錦織のサーブは効果的なポイントがほとんど出ず、苦しいラリー戦に持ち込まれます。

向上中の1stサーブも40%台。第1セットは決め球のミスなど平易なミスも多く全くいいところがありませんでした。

全豪の頃のミスはネットが多かったのですが今日はバックアウト、サイドアウトも多くいいボールは行っているけど効果的なポイントが取れないために自滅展開になっていました。

私なんかだとハリソンのウィナーはほとんどなかったので守備的なプレーに回ってしまうところでしたが、とにかく淡々とプレーをしていく錦織。少しずつ流れは戻りつつある中チャンスは訪れず第1セットを落とします。

ブレークチャンスが見えない、自分のサーブは効いていない、冷静に考えれば絶望しかありませんが修正力には定評のある錦織、今日もここから挽回します。

不安だった第1ゲームをここまでで最も安定してキープすると第2ゲーム、いわゆる「展開するテニス」がいよいよ効果的にポイントを取り始めます。いいプレーも飛び出しこの日初のブレーク。さらに畳み掛け4-0とし、決まったかに見えました。

ところがここで再びミスが続き、ラブゲームで落としてしまうとじりじりした展開に逆戻り。6-4で第2セットをかろうじて取ります。

第3セットは不安でした。逆転のパターンに入っているにもかかわらず不安がよぎりました。

ハリソンは結果的に11度あったブレークポイントをサーブを中心に8度しのぐなど錦織が決めきれない。不意にカウントが悪くなった場面でブレークされそのまま押し切られる展開は普通に考えられました。

押し切られるといってもこの時間帯の試合内容はすでに錦織が振り回しを始めていて、そのボールがミスになるかハリソンがしのげなくなるかに依存する形になっていました。

といってもハリソンの守備も堅く、5連戦を感じさせない運動量で粘ります。

粘っても押し切ることが多い錦織ですがミスがあることがわかっているので明らかなオープンコートはミスを避けるため緩く送って取られるなど悪循環に陥り、結局いいプレーは出るものの煮え切らないまま試合は終わりました。

普通ですと錦織が一気にレベルを上げ、逆転したなーすっきり(時にビハインド時に胃を傷めながら)となるのですが、今日はずっと微妙な気持ちのまま終わってしまいました。

試合の前半と後半でレベルは上がっていないように思います。ただ試合をうまくマネージメントして勝ちに持って行ったと思います。この辺はトップ10らしいです。トップ10はいくら悪くても試合を何とか作って序盤ラウンドを切り抜ける。こういう巧さがあります。

2015年は今日に限らずスロースタートな試合が多い印象です。全豪ジョンソン戦などもそうですが「1セット目だけ抜くときれい」というような試合はもう勘弁してほしいところです。

2014年は「強い」から勝つ錦織という感じでしたが、2015年は「負けない」から勝つという感じに変わってきたように思います。ある種の成長でもあり、強い錦織、今シーズンはフェレール戦、トミッチ戦くらいでしか見れてないので残念でもあります。

正直これで次戦がカルロビッチだと最悪という流れでしたが、何と予選勝者のクライチェクがフルセットで勝ってしまいました。

もちろん勝ったクライチェクを褒めるべきですが、えてしてビッグサーバーとはこういうことです。だめなときはだめ。

カルロビッチとしては30本以上エースを打っていたのですが、1stセットではタイブレークを取れず、最終ゲームでは30-30から痛恨のダブルフォルトで招いたピンチをしのげず敗戦。サーブに依存しているからこそ、サーブで試合に負けてしまうのです。

クライチェクはまだツアー出場は5大会目。08年全米にWC出場、12年デルレイに予選突破(アンダーソンに負け)、14年ニューポートでスミチェクに唯一の1勝(イズナーに負け)、15年キトで初戦負けと通算1勝4敗でした。

それがここまでククシュキン、カルロビッチと連勝。フルセットを連続で制し勢いがあります。

しかし5連戦、内容を考えても、またこれまでにツアーでわずか3勝ですしやっとカルロビッチに勝ったような相手に負けることは決してあってはならないと思います。世界5位とはそういう位置です。たとえカルロビッチにビッグサーブで粉砕されてしまうのはもう運なので仕方ないとしてもそういう相手に不調で負けてはいけません。さすがに負けないとは思いますが、準決勝は24本のエースで全くつけ入る隙を与えずドディグを倒したイズナーが有力です。クエリーもよさそうですが、今回はイズナーの調子がかなりよさそうです。70%をこえる1stでほぼポイントを取る。絶望的です。

そのためにも次戦は勢いをつかみたいところです。1日休んで金曜日からの3連戦。上位シードの中では日程が楽な方に組まれるなど追い風は十分に吹いています。

更新が止まっていたのは私事です。あと記事書くネタがなかった。

あまりまとまっていないくらいの情報と内容で記事書きたくない人なので。

あと一昨日くらいから特に喉がひどいと思ったら黄砂ですか…これは4か月間のどの痛みが取れない、にわかに現実味を帯びてきましたね…