two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2015IWマスターズ後)③3回戦終了時

こんばんは。

今日は目立った波乱はありませんでした。一応昨日今日と見た試合を中心に。

フェレール×トミッチトミッチののらりくらりとしたテニスにフェレールが捕まってしまいました。

拾えるサーフェスフェレールが得意そうに見えるIWですが、実はフェレールはQF進出経験が1度。4回戦進出も09年にさかのぼる大の苦手大会(調べるまで知りませんでした)。跳ねるサーフェスが低身長のフェレールには不利なのか。いまいち理由はよくわからないのですが、この試合内容を見ても苦手なのが分かる気がしました。

攻めのボールが次々と外れ攻撃性を欠き、ミスも多くトミッチが勝つのは自然な結果でした。

好調のトミッチはレース暫定12位に。今後かなりランキングを上げてきそうです。

ジョコビッチはラモス=ビノラス相手に苦しみました。

足に違和感があるようで、精彩を欠いたプレー。ラモスが破る力がなかったのでストレート勝ちですが、少し不安が残ります。

マレーはいいプレーをしていましたが、第2セットにレベルの高いプレーを見せたコールシュライバー相手にフルセットの試合になりました。

そこまで不安ではないですが、これをふまえても錦織が勝てない状況ではないことが分かります。

もっと心配なのはナダルです。ヤング戦、NHKでの中継となりましたが序盤はぐだぐだのブレーク合戦。第1セットをナダルが取り、少しだけ抜け出した結果6-4、6-2のスコアとなりましたが、失ゲーム3つがブレーク。他の選手だったら負けていた可能性もあります。ここからの数試合はポイントになりそうです。

そして興味深かったのがコキナキス×モナコ戦です。

ファイナルセットに入って線審のミスが続き(今大会は結構どこも線審がひどい…)お互いにチャレンジを連発。終盤戦を前に二人とも3つを使い切ってしまいます。

コキナキスが5-4、40-15の2MPから1本落とし、次のポイント。モナコの打ったボールはサイドアウト…かに見えましたが、線審の判定はイン。

しかしコキナキスはチャレンジを使い切っているためチャレンジできず、主審は「人間ホークアイ」と呼ばれツアー屈指の信頼を得るラヒアニさんだったのですが、MPでオーバーコールはしづらいし、しかもモナコもチャレンジ権がないので覆すとそこでお試合が終わってしまうため、ラヒアニさんも微妙な表情で線審のジャッジを支持、結局モナコのポイントに。実はこのボールはわずかにアウトで、チャレンジしていれば試合終了でした。ここで崩れたコキナキスはこのゲームを落としタイブレークに入ります。

タイブレークでもコキナキスが6-4としてから1本落としてモナコのサーブ。追いつくかに見えましたがモナコが最後はネットにかけて終了。MPでの誤審から20分、コキナキスが勝利を収めました。

私はこれでコキナキスの評価がかなり上がりました。誤審の場面は正直メンタルがやられかねないくらい厳しいシーンでした(疲れていたのもあってがっくりとうなだれていました)。

そこから勝ちきったのは高く評価できます。「Young Guns」の中ですが、錦織ラオニッチディミトロフの89~91年生まれ世代と比較して「新世代」と評している92年以降の選手の中で最高評価になりました。これまではコリッチがトップでした。

一方対照的に残念だったのはディミトロフです。

ロブレドとの戦い。第1セットでタイブレークを落とし、第2セットではロブレドを圧倒。このペースで逆転できるか…に思ったのですが、ここでロブレドがしっかり自分を取り戻しファイナルセットはオールキープに。

5-6の15-15からディミトロフがまさかの2DF。よぎるのは錦織×ベルダスコ戦ですが、なんとディミトロフは1本目でロブレドにドロップボレーを決められあっさり敗戦。

…期待してるんですけどね。どんどん錦織ラオニッチと差がついていきます。

さて試算表です。今回は色分けしました。

同じ色は次の対戦相手です。

この表にないのはコキナキス、マナリノ、ソックです。

明日は4回戦が8試合一気に行われます。QFは2日に分けて行われるので、ボトムの選手は昨日から2連戦1休3連戦、トップの選手は明日から2連戦1休2連戦です。

明日は注目カードです。展望です。

センターコート(スタジアム1)

第1試合 日本時間3:00~ [5]錦織圭×[12]ロペス

昼から 日本時間5:00~の第2試合 [3]ナダル×[13]シモン

昼から 日本時間5:00~の第3試合 [2]フェデラー×ソック

ナイトセッション 日本時間12:30~ [1]ジョコビッチ×[18]イズナー

スタジアム2

第1試合 日本時間3:00~ [4]マレー×マナリノ

第2試合 第1試合に続いて  [9]ベルディヒ×[27]ロソル

第3試合 第2試合に続いて  [6]ラオニッチ×[17]ロブレド

第4試合 第3試合に続いて  [32]トミッチ×[WC]コキナキス

[5]錦織圭×[12]ロペス H2H(対戦成績) 錦織3-2

ロペスは典型的サーブ&ボレーヤー。絶滅寸前のプレースタイルと言われる中33歳のベテランが気を吐いています。

左利き、スペイン人選手ということでベルダスコとの比較がされるところですが、サーブはロペスの方が上。しかしストロークではベルダスコの方が上です。

ベルダスコ戦ではあれだけストロークでも攻撃を序盤受けながらノーブレークに抑え込んでいます。ここからロペス相手には平易なミスを1ゲームに3つ以上しなければブレークされるようなことは少ないと思います。

そして意外な統計があります。2015年のキープ率は、すでに160本以上エースを決めているロペスよりも錦織の方が上。もちろんリターンスタッツは大差をつけています。普通にやれば負けることはないはずです。

昨シーズンのロペスの活躍は目覚ましかったですが、今シーズンはいまだトップ30に勝利なし。必要以上の警戒は避けるべきだと思います。

崩すためのポイントはロペスのバックハンドをどう考えるかです。つなぎのスライスを打つ確率が高く、攻撃性はかなり低いためウィークポイントとも言えます。錦織のフォアクロスをぶつけることで打開のポイントにしてほしいところです。

[3]ナダル×[13]シモン H2H ナダル6-1

本来ならばナダル…と言いたいところですが、シモンは侮れません。今シーズン好調を維持しており、特に強い攻撃性はないものの堅実なラリーで接戦をものにしています。

昨日のナダルを見るとミスが多く、シモンのペースにつかまってしまえばまさかは十分にあり得ます。

ナダルとしてはミスを減らしたいところ。我慢比べでどっちが勝てるかという勝負になりそうです。

[2]フェデラー×ソック H2H 初対戦

ソックがついに戻ってきました。バウティスタ=アグトに逆転勝ちした今のソックは本物です。

フェデラーも100%とは言い難く、セッピ戦では軽易なエラーもありブレークを許しています。面白い戦いになりそうです。

[1]ジョコビッチ×[18]イズナー H2H ジョコビッチ5-2

ジョコビッチとイズナーの名勝負が生まれるのがここIWです。

2敗のうちの1敗が2012年のSF。イズナーが2つのタイブレークを制し初のマスターズ決勝進出を決めた場所。

2014年もSFで対戦した両者はフルセットの激闘。マスターズで最も得意な大会のIWでイズナーが躍動すれば今年も名勝負は必至でしょう。

[4]マレー×マナリノ H2H 初対戦

マレーが負けたら大騒ぎ。ポスピシルとコールシュライバーに順調に勝っているマレーで間違いないでしょう。

[9]ベルディヒ×[27]ロソル H2H ベルディヒ1-0

同国対決。さすがにベルディヒか。バブリンカとカルロビッチを避けれたベルディヒが負ける印象はない。

[6]ラオニッチ×[17]ロブレド H2H ラオニッチ2-0

ハードでは初対戦。ディミトロフをベテランの味で破ったロブレドだがナイトセッションからの連戦も含め厳しいか。

[32]トミッチ×[WC]コキナキス H2H トミッチ1-0

オーストラリア有望若手対決。今年のブリスベンではトミッチが先輩の実力を見せました。

トミッチはコリッチ、フェレールとストレート連勝しているのに対してコキナキスは4戦目で連続フルセット。モナコ戦の終盤は疲れを見せていました。ややトミッチが有利か。どちらが勝っても初のマスターズ8強です。

個人的に一番見たいカードです。

第1,2,3に続いて第5シードの錦織がマレーを差し置いてセンターコートに入っているのは、明後日トップハーフの2試合をマレー×錦織第1試合、ジョコビッチ×トミッチを第2試合に置きたい意図が見えるからです。連戦になるので、こういう時の予定は一回時間帯が前に入るとずっと前に固定になることが多く、錦織×ロペスとマレー×マナリノを比較したときにセンターに入るのは錦織戦なのは明らかなのでこういう予定になっていると推測されます。

あっ、よく見ると公式の広告バナーの4人がそのままセンターだ…

最近マレーが不憫です…

ランキングの話に戻ります。

トミッチはSFまで行くとキャリアハイ(27位)更新です。

・イズナーは次勝つと360p失効のピンチを1つ順位を落とすだけで終えられます。

・おそらくコキナキスは次勝つとトップ100入りになります。現時点でキャリアハイ更新は確定しています。

フェデラー、ツォンガの欠場を仮定しますが、ほぼマイアミのシード帯は全選手確定しています。優勝でもすれば話は別ですが。好調シモンが9~12シードに入ってくるのは大きいです。

トップ10の整理です。

1位2位は変わりません。

3位争いはフェレール、バブリンカが脱落。ナダル、マレー、錦織、ラオニッチの4人に絞られました。

マレーと錦織はQFでの対戦が濃厚。勝った方が4位(or3位)になります。

ナダルは今日勝ったのでマレーが超すための条件はFに変わりました。シモンに勝つと錦織もFに条件が変わります。また次勝つとラオニッチ優勝でも越えられなくなるので、来週の4位以上が確定します。

ラオニッチはランクアップだけでなく、マイアミ第4シードが欲しいですが、条件は優勝です(優勝の場合自力)。

ベルディヒは次勝っても9位のまま、その次(フェデラー?)に勝つと7位です。優勝の場合のみ6位です。

明日は大きな1日になりそうです。QFも連戦になるので、マレー×マナリノを考えると錦織はできればさくっと勝ちたいところです。それでは。