two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【拡散希望】GAORAとBS朝日の今日の中継に対する誤解を解くために

こんばんは。

試合前ですが緊急投稿です。

今日の中継はGAORAなし、BS朝日ありという前代未聞の事態となりました。

ツイッターを見ているとGAORA解約したなどというコメントがあり残念でした。GAORAさんは1ミリも悪くありません。そういった方にこの記事が拡散されることを強く願っています。

冗談でもなんでもなく、GAORAさんは一切悪くないのです。恨むべきは中継してくれなかったGAORAさんではありません、バルセロナ大会事務局です。

今回のGAORA中継なし、BS朝日緊急中継に至った経緯(以下推測も一部あり、その場合は但し書きあり)について解説します。

BS朝日の放送がどのようになるかわからないので、試合前のうちにこれまでに起きてきた経緯をBS放送を見てバイアスをかけないうちに書いておきます。

まず、話をややこしくしないために民放各局が中継に乗り出さなかった頃のGAORA・WOWOW2大体制のころについて説明します。

もともとGAORAはATP/WTAツアーの主要大会を長らく放送してきました。一方WOWOWは各局が(NHKのウィンブルドン除く)グランドスラムの中継権を手放していった結果独占放送になっていきました。さらに2010年にNHKがもう一つのコンテンツであったジャパンオープンの放送権をWOWOWに手放し、こうして地上波でテニスを見るという方法はウィンブルドン以外手段がなくなりました。

さて、こうして放送権が主に2分されていること、そして各放送の形態を見ていると、テニス中継はおおよそ次の形態で放送されているものと思われています。

まず、tennistvという世界共通の公式ライブストリーミングが存在します。tennistvは世界中の大会の放送のすべての大元を取り仕切っており、基本的にこの放送枠に入っていなければどんな選手の試合でも見ることができません。そうたとえBIG4であってもです。

そしてこのtennistvがカメラを入れるコートに特に決まりはありません。こう書くと語弊が出そうですが実際どの大会のグレードはいくらコートカバーしないといけないという具体的な決まりはないと思われています。現に今週の放送カードの多さは500のバルセロナよりも250のブカレストのほうが充実しています。

tennistvがカバーする試合は基本的にGSとデ杯以外全部です。いわゆる「ATPツアー」としてATP公式が前面に押し出せる大会すべてです。

ちょっと待てじゃあデ杯とGSはどうなっているという話ですが、デ杯はITF管轄です。独自ライブスコアやその中に独自スタッツ評価などがあるように、運営から何から全く別です。以前のコメントでもあったようにデ杯はエキシビションだという意見もあるくらいです。ATPポイントが加えられるようになったのも最近です。

この裏付けとして以前デ杯(とフェドカップ)はGAORAが中継していましたが、ある時からWOWOWに放映権が移譲されました。GAORAが持っている「ATPツアー全体」とは独立した存在なのではと思われます(推測)。

基本的にGAORAはいちCSテレビ局なので、資本の多い他局が絡むと放映権を手放さざるを得ない歴史がここから始まります。

加えてGSはGSそれぞれの運営がメインで、ポイント間のリプレイ映像のロゴがそれぞれの大会のマークになっているようにとにかく配信形態から何からATPツアーとは一線を画しています。

GSの放映権が2015年現在、全豪…NHK、全仏…テレビ東京ウィンブルドン…NHK、全米…?(以前はTBS)と各大会ばらばらになっているのがその何よりの証拠です。

すると今度はATPツアー、tennistvの管轄が気になってくるのですが、基本的には各大会ごとにtennistvからかなり細かくばら売りされているものだと思っています(推測、ここ重要)

その証拠としては楽天OPのみWOWOWが権利を持っているからです(以前はNHK)。ATP500のグレードで一括とかではないのだと思われるのです。

さらにGAORAが独占放送を守れなくなってしまった経緯も

メンフィス→WOWOWが1大会単独で買い込み、錦織戦のみ放送

マスターズ1000→箱買いしているものの、NHKは錦織戦と上位ラウンドのみのスポット放送

ATP500→中継形態は不明だが、BS朝日系列が錦織戦と上位ラウンドのみスポット放送(推測)

と、基本的に各局が「錦織需要に合わせて必要な分だけ」買い込んでいることがわかります。

GAORAさんは一括して大会を放送し、(WTAは最近放送されなくなりましたが)ATPツアーの序盤・中盤ラウンドを上位選手を中心に余すことなく垂れ流しで(重要)放送しています。

つまりGAORAさんはtennistvから主にATP500以上の大会全体を「全試合放送する権利を」買い込み、他局は「錦織戦以外は放送してはいけない」という契約で買い込んでいるものと推測されます。

その証拠にtennistv公式配信の時に流れるオープニング映像はどの放送局が中継しても必ず流れます。つまり胴元にtennitvが絡んでいることはほぼ間違いないのです。

またGAORA・WOWOW以外の放送では不自然なほどに前の長引いた試合の放送がありません。それにはそういった背景があるものと推測されます。

さて今回の本題に行きましょう。

つまりGAORAさんはtennistvから映像を買い込んでいるので、放送カードに入っていない今日は基本的に緊急中継を流し込むことが物理的に不可能なのです。

お金をいくら出そうが放送することは不可能です。決してGAORAのスタッフさんが仕事をしていないわけではありません。どうすることもできないのです。

GAORAさんは250の大会を中心にあらゆる場面ですべての試合で緊急放送をねじ込む努力をしていただいています。それで生で見ることができた素晴らしい試合をいくつも知っています。

むしろ問題なのはATP500なのにセンターコート第1試合を放送カードから外すようにしているバルセロナ大会事務局のほうです。

別に今日だけ怠慢をしているわけではなく、ここ数年ずっとこの体系を取っているようなので(ちなみに昨年の3回戦はそれで見れなかったはず)これは仕方のないことです。第1試合に組まれた地点で無理でした。シエスタなどの文化的背景か?理由はわかりませんが、メインコートフル中継なし、アザーコート一切中継なしはATPツアーでも最悪クラスです。

ちなみに第1試合に組まれるのも大会の進行具合から考えるとごく自然な運営なのでそれにも文句は言えません。すべてはtennistvカバー試合を1日当たりわずか3試合(センターの第2~4試合)と少なく設定しているバルセロナ大会事務局の問題なのです。

事務局は何を考えているのでしょうか。もちろんtennistvに配信してもらう量は大会側が設定できるはずですが、それにしても不可解です…

むしろtennistvがこの状況なのにどうやってBS朝日は生中継を実現できたのか?その答えは試合後追記で書きたいと思います。

追記18:40ごろ

やはり強引な放送で大変なんだと思います。各所が。

これもBS朝日さんに責任はないです。急に中継を決めて、本来tennistvから垂れ流しのところを頑張って交渉しているものと思われます。

そりゃあそこまでして放送したいなんてバルセロナの人は思ってなかったでしょうから、あらゆる面で準備が不足してしまうのは仕方のないことです。

後で映像が補填されることを期待し、気長に待ちたいと思います。

追記19:20ごろ

GAORAさん、緊急ニアライブ放送決定です!!

しかし大事なことを忘れてはいけません、GAORAさんは総合スポーツチャンネル、これによって押し出されてしまう放送があるわけです。

テニス需要が高まっていることは嬉しいことですが、インディーカー、アメフトなどGAORAさんでしか見られない独自コンテンツもあるテレビ局です。いつもこのような対応(つまり断腸の思いで放送を休止した番組がある)ということを肝に銘じて見ましょう。

GAORAさん、本当にありがとうございます!!