【ドロー解説】2015全仏OPの展望
こんにちは。
全仏OPのドローが発表されました。
いろいろ衝撃の点が出てきました。ちなみに今回ドローセレモニーでは男子をシャラポワが、女子をナダルが引きました。もちろん自分で自分のを引いたらあれなので、女子のドローを男子、男子のドローを女子が引きました。二人ともディフェンディングチャンピオンです。
シャラポワが引いたそのドロー、決めたのはシード選手のみでしたが驚くべき組み合わせになりました。
今回は2つに分けて行きたいと思います。優勝予想をまじめに書きたいのでその分は別記事です。
まずは全体ドローです。
①ジョコビッチ山
[1]ジョコビッチ
ニエミネン
ロレンツィ
[Q]バシラシビリ
[WC]コキナキス
[Q]バンニ
[27]トミッチ
[20]ガスケ
[Q]Gigounon
[Q]マルチェンコ
ベルロク
カブチッチ
ルー
スミチェク
[15]アンダーソン
[10]ディミトロフ
ソック
カレノ=ブスタ
エストレラ=ブルゴス
コリッチ
クエリー
[LL]ゴルベフ
[18]ロブレド
[30]マナリノ
メルツァー
クズネツォフ
ジャズーリ
ドルゴポロフ
[WC]ハリス
[6]ナダル
[1]ジョコビッチはキャリアグランドスラムがかかった大切な大会。マドリードの欠場も含め、全仏を取るという気持ちは誰よりも強いのではないでしょうか。
序盤は特に気になる選手はいないと思います。[27]トミッチはやってくれそうな期待を出していますが、クレーシーズンに入ってからは完全に普通のトミッチに戻ってしまったので、正直3Rに行けるかどうかも微妙です。
そういった意味ではコキナキスは大注目です。ぜひ3Rまで勝ち上がってジョコビッチとの対戦を実現してほしいです。
今シーズンもコンスタントに結果を出している[15]アンダーソンですがここは地元で復調気味の[20]ガスケに期待。序盤のラウンドも悪くなく、ベルロクにさえ注意すれば16強、ジョコビッチとの4回戦の対戦も可能だと思います。
やはりフランス地元の大声援は大きいです。ツォンガ、モンフィスらが躍進したときもそうでしたが、全仏であって全仏でないような全く別の環境を作り出します(全仏を初めて見る方は去年のパリMS錦織×ツォンガ戦を想像するとわかりやすいです)。
ジョコビッチを崩す一つのキーを観客としている私です。このラウンドはガスケが上がってきた場合一つポイントになりそうです。
そして[6]ナダルの入ったブロックは大混戦。もちろんナダルは通常であれば誰が来ようが関係なく次々と捻り潰していくのがここローランギャロスでの光景でした。
しかしここ数年その陰りは少しずつ見え始め、言うまでもなくここ10年で最低の成績でクレーシーズン前哨戦を終えて臨むこの大会、どこで足元をすくわれてもおかしくないと感じます。
ポイントは2回戦のアルマグロ×ドルゴポロフの勝者との対戦。どちらが来ても実力者、ここでナダルの出来が分かるのではと思います。
3回戦がクレーに入って結果の出ていない[30]マナリノというのはナダルとしても救い。しかし問題は4回戦です。
[10]ディミトロフ×ソックは今大会の1回戦の中で最高のカードと言っていいでしょう。もともとディミトロフはそこまで全仏は得意ではないですが、マドリード、ローマと前哨戦ではしっかり結果を残しています。
一方のソックもアメリカ人として久しぶりのクレー優勝をヒューストンで達成。このカードは見ものです。
そしてクレータイトルがあるエストレラ=ブルゴスとクレーコーターのカレノ=ブスタ。加えてコリッチに全仏で何かをやってくれそうな[18]ロブレド。この塊はものすごくタイトな戦いになることが予想されます。
ナダルへの挑戦権を誰が獲得するか。ディミトロフは一時的ですがトップ10復帰のチャンスもあり、16強までは何とか進みたいところ(条件はランキング試算にて)。
QFはジョコビッチ安泰、ナダルは普通ならもっと安泰ですがしかし不透明。この二人のQFが実現する確率はかなり高く、実現すれば全仏史上でも最高のQFの戦いになることは必至でしょう。
②マレー山
[3]マレー
[LL]アグエロ
ポスピシル
ソウザ
[Q]エドムンド
[Q]ロベール
イストミン
[29]キリオス
[17]ゴフィン
クライノビッチ
ヒラルド
ヤング
シャルディー
[Q]ベレール
セッピ
[16]イズナー
[9]チリッチ
ハース
ダックワース
[Q]Arnaboldi
ヤノウィッツ
[WC]ハモウ
ベズリー
[23]L・マイヤー
[31]トロイツキ
シュトルフ
ボレリ
ダルシス
ヒメノ=トラベル
ソウザ
ラコ
[7]フェレール
全仏が苦手、キャリアグランドスラムなんて無理だ…全米で悲願のGS初タイトル、そしてウィンブルドンを取った後でもなお言われ続けた[3]マレーですが、今回は違います。間違いなく優勝候補の一角として全仏に臨みます。
昨年はややドローにも助けられてなんとかベスト4にたどり着きましたが、今年はタフなマッチアップが続きます。
1R、2Rはいいとしても3Rで戦うことになるのはあの[29]キリオスです。
今年の全豪ではキリオスをうまくいなしたマレーですが、キリオスはクレーでもフェデラーに勝っており、もしかするとあの全豪の時よりもチャンスがあるかもしれません。
そして4Rも厄介です。全仏でナダルを追い詰めたことがあり、キックサーブが厄介な[16]イズナーかマドリードから好調を維持している[17]ゴフィン。マレーとて容易ではないでしょう。
ノーシードにはあまり危険な選手はいないので、3R4Rともシード選手とのタフな試合が続くマレーは試される1週目になりそう。逆にこれを難なく勝ち抜くようなら今年のマレーは本物です。もうすでに本物だとは思いますが。
一方[7]フェレールは序盤はイージードロー。対抗シードの[9]チリッチには復調の兆しは見えず、危険なノーシードもベズリーくらい。8強は容易でしょう。マレーとの決戦に向けエネルギーを蓄えておきたいところ。
③ベルディヒ山
[5]錦織圭
[WC]マシュー
マトセビッチ
ベルッチ
ベメルマンス
ベッカー
[Q]ダニエル太郎
[32]ベルダスコ
[19]バウティスタ=アグト
F・マイヤー
[Q]イメール
ロソル
デルボニス
ガバシビリ
[11]ロペス
[14]ツォンガ
[Q]リンデル
ククシュキン
セラ
ラモス=ビノラス
[22]コールシュライバー
[28]フォニーニ
[Q]エリアス
ペール
ドディグ
ステパネク
[Q]西岡良仁
[4]ベルディヒ
[4]ベルディヒと[5]錦織圭。わずか10pが分けた天地の差はなくなりました。直接対決の実現です。
錦織の初戦はマシューに決まりました。古くからのファンはよく知っているであろう元12位の実力者ですがすでに33歳。しかもチャレンジャー周りをしているワイルドカード。ソックやアンドゥハル、アルマグロなど危険なノーシード選手はごろごろいる中でマシューとの対戦は正直ラッキーだと捉えています。
もちろん地元選手、大歓声が降り注ぎアウェーになりますが、その分アーリーラウンドでフィリップ・シャトリエ(センターコート)を経験できるなどおいしい要素もたくさん。正直ケガ以外の理由でマシューに負けるビジョンは見えません。
注目は2回戦。もしベルッチが上がってくれば注目でしょう。ローマでジョコビッチに善戦し、今週もジェノバで決勝に残っています。
ただ最低でも月曜日スタートなので、今日土曜日に決勝をして移動して月曜に5セットマッチ。1日休んで水曜日には2回戦なのでガス欠で止まってしまうかもしれません。少しこのベルッチには今日のジェノバ決勝を含めて注目したいところです。
3回戦は[32]ベルダスコ。いやノーシードにならなくてよかったですが、嫌なマッチアップです。
なんと初戦は予選を勝ち上がったダニエル太郎との対戦になりました。ダニエルにも頑張ってほしいです。
ベッカーとベメルマンスはノーチャンスだと思うので、正直ベルダスコとの対戦はほぼ決定的だと思います。
ベルダスコにはとにかく勢いに乗らせる時間を減らすことが大事です。IWの1セット目もそうでしたが、元トップ10プレイやーの上限は高いです。逆に言えばこれを封じればさくっと勝てるのではと思います。
4回戦はクレーコーターが揃っており、[11]ロペスは勝ち上がってくるのは厳しいのではと思います。[19]バウティスタ=アグトもそうですが、ロソル、モナコといったノーシード選手も含めて横一線といった印象です。
[4]ベルディヒは躍進を狙います。序盤は比較的楽なマッチアップ。
[28]フォニーニはふたを開けるまで分からないですね。いいプレーができればローマの時のようにいい試合ができますが、今回はおそらくダブルスにも出るでしょうし、難しいかなと思います。
伊藤竜馬はフォニーニとの初戦。フォニーニも集中が切れやすい選手なので、とにかく食らいついていくこと。それができれば勝つことも不可能ではありません。
添田は[22]コールシュライバーとの一戦。ベテラン同士の技巧派対決になりそうです。
ベルディヒは4回戦のマッチアップに気を付けたいところ。地元で4強経験もある[14]ツォンガは好調なら危険です。またコールシュライバーも昨年マレーをフルセットまで追い込み、ノーシードには覚醒中のアンドゥハルもいます。
錦織もベルディヒも4回戦は注目。そして願わくばここもQFでの4位直接対決が実現してほしいところです。
④フェデラー山
[8]ワウリンカ
ラジョビッチ
ゴンザレス
ベランキス
スタコフスキー
ジョンソン
[26]ガルシア=ロペス
[24]ガルビス
[Q]セイスリン
[WC]マユ
[Q]Coppejans
[WC]ティアフォー
クリザン
[WC]プイユ
[12]シモン
[13]モンフィス
[WC]ロジャー=ベスリン
シュワルツマン
ハイダー=マウラー
ティエム
ベデネ
[21]クエバス
[25]カルロビッチ
バグダティス
Dzumhur
ユージニー
グラノジェルス
[Q]バッキンガー
[LL]ファリャ
[2]フェデラー
最も波乱が起きそうだとにらんでいるのがこの山。クレーに入ってまだ安定感がない[2]フェデラーとこちらもふたを開けるまで分からない[8]バブリンカの山。
フェデラーは幸運なことに初戦がチャレンジャーレベルのファリャなのは救い。アーリーラウンドでしっかり感覚をつかみたいところです。
3回戦も[25]カルロビッチとクレーではあまり活躍できない選手。誰が来ても比較的楽なマッチアップではと思います。
注目は4回戦、地元で昨年8強の[13]モンフィス。ここが相当山場だと思われます。
さらにこのブロックにはTSD一押しのティエム、さらに[21]クエバスもいます。かなり難しい戦いを強いられるのではと思います。
昨年フェデラーが負けたのも4回戦。この時はアーリーラウンドから不調が続き、覚醒ガルビスに負けました。
フェデラーは決して全仏では安定ではありません。この組み合わせは4回戦の中でも最注目です。
[8]バブリンカは調子が良ければ8強までスムーズに行けると思いますが、要注意なのは[12]シモンです。地元、そしてバブリンカにとって相性が悪そうな実直なストローカータイプ。ここでストロークの調子が良ければなんということはないのですが、ミスを連発するとシモンのペースに捕まります。
スイスの2人が地元の2人を迎え撃つ。そんな構図になりそうです。
[24]ガルビス?ちょっと知らない人ですね…昨年4強だったのか…
というのは冗談ですが、ガルビスはここで頑張らないと一気に100位付近に落ちるので、正念場です。
ここまではいつものドロー解説でしたが、今回は優勝予想を真面目にやりたいと思うので後半戦として別記事で上げます。
それにしてもえらいトップハーフに固まったなという印象です。
そして大会はボトムハーフからのスタートが公式発表されました。錦織×マシュー戦は日曜日のフィリップ・シャトリエに入ることが確定しています。
※追記 ツイッターレベルでの情報で、ある程度信頼できそうな人からのツイートですが公式確定ではありません。ただ初日のメンバーから言えばフィリップ・シャトリエでも何らおかしくないと思います。