two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【ドロー解説】2015ワシントンの展望

こんにちは。

もう少し更新しようと思っていたのですが、いろいろ立て込んでしまい後半戦に備えることにしました。

体調の方は峠は越えた感じはします。これからは比較的忙しくないのでいつものペースに戻そうかと思います。

北米シリーズは向こうの昼一番に入れられるときついですが夕方からナイトセッションは一週回って朝の観戦になって見やすいです。

まあナイトに入れられるかは運なんですけどね…一回デイの最初の方に入れられると試合間隔の調整のため最後までデイになることが多いんで…ここはもうどうにかすることができないですからね。

さてワシントンのドロー解説に入る前にいわゆる「7月武者修行シリーズ」(知らない方は過去にツアーをまとめたこちらへ)のまとめです。

・デ杯QFは驚きの結果になりました。

まずは優勝を本気で狙っているイギリス。マレーの活躍でフランスに一人で3勝。兄弟ダブルスも久しぶりに見ることができ完勝です。

このイギリス-フランスの勝者が優勝最有力と見られているだけにイギリスは大きな勝利です。

そして感動的なのはオーストラリアでした。初日にキリオスとコキナキスでまさかの2連敗を喫してしまったオーストラリアは今シーズンがデ杯最後と表明しているヒューイットを背水の陣のダブルスで投入。首の皮一枚つなげると最終日のシングルスは第4ラバーで年長者のグロス、そして第5ラバーでヒューイットを投入。この起用が大当たりとなりチームを背負ったヒューイットが大逆転勝ちを演出しました。

カザフスタンはそれにしてもすごい。ククシュキンとネドベジョフはデ杯で数多くの番狂わせを演出しており、ここ数年でゾーン2から一気にWGの常連になりつつあります。

決してテニス国力の高い国ではありませんが、デ杯で確実に結果を出しているこの姿勢は日本だけでなく他チームも見習いたいものです。

ボトムハーフは大変な試合になりました。

なんとベルギーが4強。こんな展開を誰が予想したでしょうか。優勝の可能性もあったスイス、カナダを撃破しての4強です。

といっても今回のカナダはラオニッチ、ポスピシルを欠いていました。しかし若手のゴフィン、ベメルマンスの活躍によってなんと5-0。ショッキングな結果でした。

さらにジョコビッチが参戦し優勝候補筆頭とも見られていたセルビアをクレーのアルゼンチンが撃破。地元でデルボニスが躍動。トロイツキをTSD勝ちで下すなどの活躍で4-1としました。

これで9月の準決勝は、イギリス×オーストラリア(左がホーム)、ベルギー×アルゼンチンとなりました。

またゾーン1の結果が出揃い、スペインが極東ウラジオストックへの遠征を強いられ(モスクワ開催にしなかったのはスペインの強豪選手の遠征を避けるため?)ロシアが勝ちました。スペインは来年もゾーン1が確定しました。

ナダルフェレールは年齢の衰えが心配され、ロブレド、F・ロペスも年長組、若手が出てきていないスペインはいつWGに戻れるのでしょうか。来年戻れないと相当深刻です。

この結果入れ替え戦の対戦カードも決まり、日本はコロンビアとアウェーでの戦いを強いられることになりました。

クレー選択をされるであろうコロンビアとの対戦は全米OP直後でこのあとクレーの大会がないことを考えると正直厳しいです。

さらに厳しいのは日本の勝利条件である錦織シングルス以外のもう一勝という観点で見ると、ダブルスに昨年パリまで最終戦圏内、今シーズンもレース10位付近を走っているカバル/ファラー組がいます。

2013年9月に現地(有明)で入れ替え戦を見ましたが本当にダブルスのうまいペアという表現がしっくりくるペアで、そつがなくダブルスの基本的な攻撃を確実に決めてくるイメージがあります。たとえ錦織/内山などを投入しても勝算は半分もないとみているほどにダブルスは厳しいです。

そうなるとポイントになるのは第5ラバーではないかと思います。私はこの重要な試合にダニエル太郎推していきたいです。

実はダニエル、5月からクレーのチャレンジャーで突如覚醒し優勝を含んで一気に112位。錦織、伊藤に続き日本人3番手に上がっています。また昨シーズンの成績から言っても、今シーズン中のトップ100入りも見えてきています。

クレーの成績だけならすでに伊藤は上回っており、デ杯経験もすでにあるので思い切った起用を個人的には期待したいです。

ツアーの結果です。

ニューポートではなんと100位以下だったラムが優勝しました。

このラム、古くからのテニスファンには有名ですがアメリカ人ながら芝に強く、このニューポートだけ異常に成績がいい選手で、2012年には当時シードだった錦織を破っているほか、09年にもニューポートで優勝しています。

こういう特定の大会にだけ化ける選手はいますが、ラムの場合それが異常すぎます。この大会でもイズナー、カルロビッチを破るなど文句のない優勝です。

またこの大会のダブルスにはフィリポーシスが復帰。03年ウィンブルドン決勝でフェデラーと戦った相手です。

バスタッドでは伸び悩んでいたペールがツアー初優勝。フランス4銃士(ツォンガ、ガスケ、モンフィス、シモン)が全仏ウィンブルドンで復活ののろしを上げる中それより下の世代がついに結果を出しました。彼の場合遅すぎるような気もしますが。クエバスロブレドに連勝は見事でした。

さらにウマグではティエムがツアー2勝目。ボゴタではトミッチが連覇達成。ここにきて若手復活の勢いが出てきました。

さて久しぶりに書いているので息切れ気味ですがワシントンのドロー解説です。

まずはシード16人を並べます。ドローは48で、16人のシード選手は5試合、ノーシード選手は6試合優勝までに必要で厳しい戦いが続きます。

[1]マレー

[14]クエバス

[12]ポスピシル

[8]イズナー

[4]ガスケ

[15]ソック

[11]トミッチ

[6]ディミトロフ

[5]アンダーソン

[10]カルロビッチ

[13]クエリー

[3]チリッチ

[7]ロペス

[9]トロイツキ

[16]マイヤー

[2]錦織圭

いろいろ議論は尽きませんが、錦織の3Rの対抗シードはマイヤーになりました。これはよかったのではないでしょうか。北米シリーズに強いクエリーと好調ソックを避けることができました。クエバスも比較的楽なので2分の1でしたがいい引きです。

次のトロイツキ、ロペスはやや不調気味。ここでも優勝したトミッチ、カルロビッチ、イズナーなどいた中で大きな地雷は避けたように思い、4強までは確実に行ってほしい視界良好なドローと私は考えています。

また厳しいブロックはガスケのブロックで、トミッチ、ソック、好調ガスケが固まりました。ディミトロフは…ええ…

イズナーは本来北米ハードコートでは危険なんですがマレーと相性が悪そうなのでちょっと厳しいかと思います。

錦織ブロックを細かく見ていきましょう。

 [7]ロペス

予選勝者

(WC)ヒューイット

グロス

ベルッチ

 [9]トロイツキ

 [16]マイヤー

(WC)クドラ

ロラ

ダックワース

予選勝者

 [2]錦織圭

かなり錦織としてはいいドローです、初戦のダックワースと予選勝者というのは最良の組み合わせでしょう。

次戦はマイヤーよりも好調クドラのほうが可能性が高そう。今週のアトランタで4強、ウィンブルドンでは錦織が棄権したのもあって同ブロックを勝ち上がって4回戦進出。その前にもチャレンジャーで優勝しており、獲得ポイントの半数がここ2か月でのポイントで、ランキング以上の怖さを感じます。

しかしここさえ乗り切れば、あるいはマイヤーかロラが上がってくれば4強は見えてきます。ロペスにはどうしても印象悪いですが五分以上の成績ですし超えてほしい。

SFはビッグサーバーが揃いました。こういう時は結局運になってしまうのでもう少し大会が進んでみないとよくわかりません。なんだかんだチリッチがものにする展開なのでしょうか。それも一枚岩ではないですが。

決勝は誰が来てもという感じです。仮にもATP500の決勝です。マレーが上がってくるかどうかが一つカギですが、それ以上に注目はガスケでしょう。ウィンブルドン4強でついに復活したガスケがそのウィンブルドン以来の実戦。どんな結果を出してくるかが注目されます。

序盤は比較的楽なので、1か月ぶりの実戦としては申し分ない組み合わせですが、ワシントンはダブルヘッダーを強いられて負けたりその後手術に至ったりと縁起の悪い大会です。

結果が出ないから縁起が悪いというのは早計すぎますが、錦織は08年全米以降昨年全米で爆発するまでは比較的成績の悪いシリーズです。

この時期はケガがちだった錦織にとって酷暑、年初からの疲労がたまりやすい時期で思うように結果を残せていません。

今年の錦織は耐久面で一味違います。ここでワシントン~カナダ~シンシナティと3週連続続いて全米、ここをしっかりと戦い抜いていくことが将来求められます。

ワシントンは余計かもしれませんがこれから強くなっていけばカナダ日曜決勝→火曜にシンシナティというパターンも出てきます。結局疲労度としては同じになります。今シリーズを新しい錦織がどう戦いぬいていくか、楽しみです。