two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

注文なしの快勝、次につなげる(2015ワシントン3R)

8/6 現地16:00~(日本時間翌日5:00~)

ATP500 Washington Citi Open

3R

[2]Kei Nishikori 6-4 6-4 [16]Leonardo Mayer

タイトルはもちろん2回戦と対になっています。

これほどの快勝があったでしょうか。というか、私が2回戦終了後に言っていた展開のテニスをそのまましてくれた、というくらい見事な勝ちっぷりでした。

マイヤーは2013ウィンブルドン、2014全米に続く3度目の対戦でしたがこの2試合を振り返っても錦織のテニスと噛みあってしまい、マイヤーとしてはどうしようもないという展開だったように思います。

錦織はペース変化(ただし天才肌タイプの突然のペース変化は噛みあう)に弱い傾向があり、マレーやガスケのテニスにじわじわとはまってしまうのがこの好例だと思っています。

ところがマイヤーは攻撃性もあるのですがややプレーは単調なタイプの選手です。攻めもやるべき時にだけやってくるという感じで「テニスが素直」な選手に分類されると私は考えています。

こういったタイプの選手で他に上がるのはベルディヒで、やはり錦織は得意にしています。

結論から言うと錦織はかなりのびのびとテニスができ、加えて必要なタイミングでの仕掛けにも成功したまさに描いた通りの試合が実現できたゲームだったと私は考えています。

まずは安定したサービスゲーム。第2セットに至っては100%1stサーブからポイントを獲得し、マイヤーに満足なリターンすら与えない素晴らしいサービスゲームを展開しました。

終わってみればBPなしどころかデュースもなし。先行されるゲームもわずかで、最初の立ち上がりのとりあえずの不安さを抜けた後は一本道という感じでした。

一方のリターンゲームですがこれはもう少し向上してもいいかなとは思いましたがそれを抜きにしても勝負強さが光ったゲームでした。

この試合、錦織のブレークポイントは2/6でしたが、なんとブレークチャンスに至っているのはわずか1ゲームずつで、その2ゲームを確実にものにしています。

ブレークに成功したのは第1セット第5ゲームと第2セット第9ゲームでしたが、2ゲームともマイヤーのミスに付けこみ、かつ2ndサーブが増えたゲームでした。

特に第2セット第9ゲームはマイヤーの心理に立つといろいろわかってくるゲームでした。

最初のポイントは錦織のバックハンドパッシングショットが決まって錦織のウィナー。ここでマイヤーは焦ります。当然落とせば次自分がBP取れてない相手のサービスゲーム。ここでプレッシャーを感じます。

この地点でラリー戦は錦織の方が取れており、苦しくなってきます。

2ポイント目は3球目のバックハンドをネットに。さらに3ポイント目も返しただけのリターンで生まれたチャンスボールをネットに。この2つはマイヤーのUEです。

2本凌いだ後の3本目もサーブ&ボレーである程度形には入っているものの、リターン後コートカバーに走った錦織にプレッシャーを感じ厳しく打ったボレーがミスに。

錦織の目に見えない上位選手としてのプレッシャーを受けてしまったマイヤーの自滅によるゲームでした。

ただこういう場面を恩恵を受ける側として取れるのが今の錦織です。トップ10選手です。

本当に文句のつけようのない快勝。これをやってほしいという内容そのままでした。

さて次戦はグロスになりました。ロペスはサービスゲームで展開を作れず、ビッグサーバーグロスサービスゲームに苦しんではストレート負けです。

グロスはカルロビッチが持っている公式最速サーブ記録より速い記録を持っています。ただしチャレンジャーだったため非公式となっています。

サーブのスタイルとしては球速重視、コースはあまり厳しくない印象です(他のビッグサーバーに比べて)

ただ速いのでそれでもエース量産ですし難しい相手には変わりありません。

また調子も上向きです。デ杯QFではヒューイットの活躍ばかり取り上げられがちですが、第3、第4ラバーで勝利に静かに貢献していたのがグロスです。

とにかくグロスのサーブにどう対応するかに尽きると思います。

錦織の今日のサービスゲームならグロスがブレークする確率はほぼゼロです。断言します。

ただそれは今日のサービスゲームならという仮定です。ビッグサーバー相手の単調な試合に対して同じプレーができるか。

ほころびさえ作らなければ必ずチャンスはやってくると思います。球速よりコースや威力を重視するラオニッチよりもとりあえず速いボールを打ち続けるグロスの方が私は錦織にとっては楽な相手だと思っています。

錦織はラケットに当てさえすればうまくリターンを合わせるので、ノーチャンスのノータッチエースが少なくなるグロスは早く攻略できるのではという印象です。

最初数ゲームでブレークされず少しずつプレッシャーを与え、セット終盤では糸口を作りたいところでしょう。

さて多くの方が気になっているランキングとカナダ・シンシナティのシードについてです。今日はどっちかというとこっちが本題です。それは次の記事に回したいと思います。ちょっとまた外出するので試合前更新になると思います。それでは。

22:30追記

生で見る場合体力に余裕がないのでQFレビューとまとめます。すいません。