two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ナダルへの挑戦権を獲得!静かに大きな勝利!!(2015カナダ2R、3R)

はい、試合完全に見れてません。すいません。

というわけで本題ですが、アンドゥハル戦のフルマッチを録画で、ゴフィン戦の第1セットだけ見ました。このあと記事を書ききってからすぐに残りを見ます。

アンドゥハル戦は移動の疲れもあったのかややミスも目立つプレーとなりましたが、私がいつも言っている「最悪の連続は避ける」形での勝利となりました。

アンドゥハルがクレー覚醒状態ではなかったとはいえ、上位8シードにとっての初戦で勝ち上がり選手は2試合目、結構足元をすくわれやすい組み合わせなのですが、今年トップ8シードに入ってから錦織は主要大会の初戦は全勝です。

これは錦織以外では今期ジョコビッチ、マレー、フェレールしか達成していません。フェデラーはキリオスに負けていますし、他の上位シードはだいたい今大会でこけました。

結局2-1からブレークバックされ2-2になったところで目覚めた、という本人のコメントがすべてを物語っています。その後2-3から怒涛の7ゲーム連取。アンドゥハルのサーブに対してしっかりリターンから展開を作り、ラリーでも主導権を握りました。

ゴフィン戦は結構警戒していましたし、その予想は当たっていました。

少なくとも第1セットのゴフィンのプレーはいつ錦織が足元をすくわれてもおかしくないほどいいプレーでした。

正直錦織以外の山ならマドリード同様ディープランできた可能性すらあると思います。それほどに素晴らしかったです。

以前私は錦織×フェレールがラリーが続いて面白いから最も好きなマッチアップということを書いたと思うんですが、最近錦織×ゴフィン来てます。ほんとに好きなカードです。

この二人だと早めの展開、フォアバック両方から打ち合えるラリー力。本当にテニスが噛みあっていると感じますし、お互いにいいプレーが自然と出てきます。

錦織としては明日以降を考えるといい練習になったと思います。

ゴフィンのいいプレーに対し錦織は総合力で上回りました。マイアミと同じようなゲーム展開になりました。

マイアミレビュー

マドリードレビュー

私としては疲労もあるしマドリードのようなパターンも想定していましたが、一気に落ち込む時間帯をなくせたことがいわゆる「総合6-4ローコスト勝利」につながったのだと思います。

ストロークの質を上げ、かつ試合時間も短く終わらせた。何気ない勝利ですが大きな価値があります。

さらに錦織はマイアミ、マドリード、ローマに続きなんと4大会連続のマスターズベスト8です。

通算でマスターズベスト8はまだ9回。そのうちの4回が今年で自己最高。しかもシンシナティ、上海、パリを残してのこの数字です。

今シーズンの錦織の安定感。これがついにナダルとの対戦を実現させることとなりました。今日はここが本題です。

0勝7敗。

目を背けたくなるような数字ですが決して悲観する数字ではないと思います。

ワウリンカは14連敗からジョコビッチに勝ちそのまま全豪制覇。もっとすごい数字はいくらでもあります。

ましてや伸び盛りの若手と初対戦のころからNO.1を争うような選手のマッチアップ。7連敗はむしろ当たり前と言ってもいいかもしれません。

ただ違ったのは「最初」と「その後」です。

2008年クイーンズ。初対戦でフルセットに持ち込んだ錦織にナダルはこうコメントしました。

「He is very, very good. he is going to be top 10 for sure, top five. I am 100 percent sure. He’s a very talented player.」

当時デルレイビーチを優勝したばかり。まだ期待の若手の一人であった錦織にナダルはこれでもかというリップサービスをかけました。

当時の錦織ファンにとってこれは大きな心のよりどころの一つだったと聞きます。ナンバー1からのお墨付き。先は明るいように見えました。

ところがその後錦織はひじのけがに苦しみ1年を棒に振ります。

本当に行けるのか?そんな不安とともに時間が経ちます。

2010年ウィンブルドン、2011年マイアミ、2012年マイアミ。全く届きもしない遠い相手。

2013年全仏はトップ10挑戦中。ナダルは大会序盤不調なのもあって期待がかかりましたが結局ナダルに蹂躙されます。

潮目が変わったのは2014年でした。

1月、全豪。結果的にストレート負けだったものの世界のテニスファンをうならせた大接戦。当時の私も2014年の錦織の飛躍を少し予想させるほどの肉薄でした。

ただ、複数のブレーク、さらに全セット5-5まで行きSFSもあった。ただアウトプットはストレート負け。ナダルの底はどこにあるのか。近いようで遠い敗戦と当時私は称しました。

そして覚醒後の2014年マドリード。世界が驚きました。

あと2ゲーム、そしてするりと逃げて行ったマスターズの初優勝…

正直あの試合は錦織の勝ちでした。ケガがなければ確実に勝っていたでしょう。あのままナダルが眠っていれば錦織は本当の意味で勝者でした。

しかし、受け入れなければならない事実。負けたのです。

8度目。あの試合で勝っていれば…ではなく、今日初めてナダルに勝ちに行く。そんな気持ちがないと簡単にやられてしまう相手、それがラファエル・ナダルです。

ナダル対策はとにかく先に仕掛けること。ゴフィン戦で多彩なストロークを見せてくれた錦織。これがナダルのボールに対して対応できるかということでしょう。

ナダルの持ち味であるエッグボール、スピンのかかったボールをうまく処理し展開を作れたのがあのマドリード決勝でした。これをもう一度やることです。

あとは昔よりナダルはサーブに不安がある印象を受けるので、特にセカンドサーブ、ナダルに少なかったDFも出るようになりました。一度もチャンスが来ないということはないと思うので、こういった場面で思い切った勝負強いプレーができるかがポイントです。

一方ナダルとしてはあのマドリードをやってしまえば結果は同じでしょうから展開を変えてくるでしょう。ナダルらしからぬベースライン付近のプレーも見れるかもしれません。

錦織もセカンドは最近よく狙われるのでナダルも狙ってくるでしょう。あとは自分のフォアハンドの出来ですね。走りながらのフォア、そしてバック側に来たボールを逆クロス(錦織のフォア)へ。この2種類の得意のショットの出来は試合を左右します。

非常に楽しみですし、本当に五分の勝負だと思います。ナダルも復調気味。必ずいい試合になると思います。

錦織としても今期初のBIG4への勝利、ナダルとしてはクレーで回り道して加速した勢いをそのままつなげるためにも大事な試合。ナダルは今期モンテカルロフェレールマドリードベルディヒ以外トップ10に勝っていません(2-6)。

どちらにとっても負けられない一戦。

なんと!!7時半開始なのでTSD見れます!!!!!ありがとうカナダMS事務局!!!

…正直今シーズン一番ワクワクする試合が迫っています。寝れる気がしません。寝ますけど。