two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2015シンシナティマスターズ後)②3回戦終了時

こんばんは。

シンシナティマスターズは3回戦まで終わり、ベスト8が出そろいました。

様々な波乱、接戦がありましたが全体的に言えるのは疲れがたまっている、けが寸前の選手が多いということです。順に振り返っていきましょう。

ジョコビッチはゴフィンに苦しみました。ひじの状態(?)が悪い中カナダ決勝から中1日で2回戦に入りました。そして昨日の3回戦ではゴフィン相手に第1セットなんとか6-4で取った後完全にペースを失い、ファイナルセット0-3まで完全にゴフィンのテニスにやられてしまいました。

ゴフィンは早い打点からの切り返しのカウンターで動きの悪いジョコビッチからウィナーを量産。このままいけば大金星も、というところでしたがここで落とし穴が待っていました。

2ブレークアップ、3-0とリードした第4ゲーム、ほころびはたったひとつの30-30からのDFから始まりました。

このあたりからゴフィンの早い展開を警戒してジョコビッチは苦しいながらもゆっくりとしたつなぐラリーを意識させ、ゴフィンのリズムを乱します。

簡単にウィナーを取ることができなくなってしまったゴフィンは耐え切れずそれまで神がかり的なプレーだったところから一転1ポイント取るのに精いっぱいになってしまいます。

結果その流れを戻すことができずジョコビッチが6ゲーム連取で6-3。勝負はあっけなく決しました。

ゴフィンは対トップ10の成績が1-19と悪く、その1勝も2014バーゼルの発熱明けのラオニッチ。ここで世界1位を破ることができれば自信になったでしょうが結局殻を破れない結果となりました。

ジョコビッチのうまさも光りましたが、あそこまで行ったのであればゴフィンは勝ってほしかった…

他記事へのコメントもありましたが、ゴフィンは持っているものはすごいだけにもう一つ、もう二つ武器がないと「うまい選手」で終わってしまいます。今後の成長に期待です。

ジョコビッチはゴールデンマスターズがかかっていますが、やや先行き不安です。このあと3試合、しっかり勝てるでしょうか。

ここ最近のジョコビッチは2011年を彷彿とさせます。

2011年は年初から勝ちを積み重ね、全仏SFでフェデラーに負けるまで連勝を重ねます。その後ウィンブルドンでも優勝するも、この夏のマスターズから疲労がたまり、けがに近い状態で棄権負けしたり試合に負けることが増えました。

2015年のジョコビッチも年初の2敗が痛かったですが、その後は全仏決勝以外ではすべての大会で優勝。信じられないペースで勝っていましたがカナダでひじに不安のある状態でマレーに敗戦。シンシナティも優勝できるかは不透明でジョコビッチにとっては全体的に相性の悪いシリーズになりつつあります。

ワウリンカはコリッチ、カルロビッチにそれぞれ1stセットを落としてからの逆転勝利。

試合内容を見るととても本調子とは思えない内容です。カルロビッチ戦は第2、第3セットのタイブレークですべてのサービスポイントを取りましたが、それがなければまさかは十分にありました。

動きも鈍く、カナダでのけがの内容が完全によくなったわけではないのか?という感じでした。

錦織が欠場してしまった山では錦織の代わりに入った予選勝者のドルゴポロフが奮闘中。トミッチ、カルロビッチに勝ってベスト8。ランキングもトップ50復帰の見通しです。大きなチャンスを生かしています。

一方この山で快調に勝ちを続けているのがこういう場面にはめっぽう強いベルディヒ。なんと4セットでわずか6ゲームしか落としていません。

カナダではジョコビッチ山に、そして今回は錦織のいない山に、どうしてこういう結果になってしまうのか…相変わらずです。

また最もいいスコアで勝ち上がっているのに他がいろいろありすぎて話題にほとんど上がってきません…

チリッチはここのところシードキープはしっかりやっている印象でしたが、昨日の3回戦でガスケが勝ってベスト8に進んでいます。

ガスケはワシントンでは悔しい敗戦、カナダでは欠場でしたが、今回ベスト8に入って好調を維持しています。全米では2年前に8強。台風の目になるかもしれません。

マレーとディミトロフの試合はディミトロフがやってしまいました。

この試合は今朝途中まで見てディミトロフ4-1(2ブレークアップ)になったのを確認して出先に向かいました。

ところが即座にマレーにブレークバックされると、なんとさらに追いつかれてタイブレークを落としてしまいます。

ファイナルセットも2-2からディミトロフが先にブレークして3-2。そのままSFMに入るもなんとここから一気に崩れ、1ゲームも取れずに5-7として負けてしまいました。

マレーはカナダ決勝で3時間の激闘を戦った直後。ベストのプレーからは程遠く、ややフットワークにぎこちなさを感じるプレーでした。

正直この試合に勝てなかったのはディミトロフとしては痛すぎます。もちろん下位選手次第ですし上位の欠場次第ですが下手をすると全米は第17シード以下の可能性もある暫定17位フィニッシュになりました。さらに大型ポイントはもうなくなりました**

ただマレーとしても勝ってよかったのか?というくらい調子は悪そうで、一刻も早く回復に充てるべきという感じがしました。次戦ガスケ戦は行うのでしょうか。ただマレーはいつもしんどそうにプレーするので、致命的に悪くなければ普通にまたプレーするのでしょうか(昨年の終盤戦を思い出します)

そしてナダルはやってしまいました。比較的相性の悪いロペスに2014上海に続き連敗を喫しました。

第1セットはブレーク合戦でロペスのサーブがよくなかったのでしっかりナダルが戦いを制しました。ここで出先に向かいました(マレー戦と並行でやってました)

ただいかんせんボールが浅く、ロペスにネットプレーを許すとともにリターンミスは目立っていたのでもちろん第2、第3セットのような展開になることは予想できました。

ただナダルにとってもこの負けは痛い。錦織欠場でレース争いを逆転できるチャンスだっただけでなく、勝てば戦うだけでプレーレベルを戻せるライバル、フェデラーとの対戦を決められただけに再び自信を失う結果となりました。

ナダルは全米でどうなるのか。様々な記録がかかっているだけに注目です。

ロペスは今シーズン中盤から不振が続いていただけに大きな勝利になりました。

ジョコビッチ、ワウリンカ、マレーが苦しみナダル、ラオニッチ、チリッチが敗退し錦織、フェレールが欠場する中快調に飛ばしているのはフェデラーです。

フェデラーはもともとシンシナティ6回優勝と得意な大会ですが、なんとビッグサーバーのアンダーソンから6-1、6-1で快勝です。

トップ選手で唯一休養十分、ウィンブルドン準優勝以来1か月以上空いた大会で高いパフォーマンスを維持しています。

しかしこういう戦略を取りながら出た大会で確実に勝てるのはさすがですね。わかっててもできないことです。

優勝争いとしては圧倒的にフェデラー有利という展開です。フェデラーは優勝で自力全米第2シードが取れます。ここにきてチャンスが出てきました。

試算です。下位選手のシードはほぼ確定しました。

今回は35位までの記載です。これより下の勝ち残りはドルゴポロフですが、シード体に入ってくるには決勝が必要です。

トップ10の情報です。

フェデラーは優勝で2位、準優勝でもマレーが次負けると2位復帰ですが、それ以外は3位です。

錦織-ワウリンカの条件はワウリンカが優勝するかどうかです。

ワウリンカ-ベルディヒの条件はベルディヒが優勝するかどうかです。

ガスケはシード帯は9~12で確定です(フェレール欠場、ほか出場を仮定)。優勝でトップ10復帰です。

ロペスは次勝つと13~16シード帯に上がれます。

現在実質的にマイヤーまでシードになりそうです。あとはこの北米MS2大会を欠場しているガルシア=ロペスが不安です。そのほかは今のところ出れそうです。唯一錦織は心配です。出れる確率の方が圧倒的に高いとは思っていますが。

QFのプレビューです。

[1]ジョコビッチ×[5]ワウリンカ

二人とも状態が悪く、下手をすると凡戦になってしまうかもしれません。ジョコビッチはひじに、ワウリンカは背中と腰に不安を抱えながらの試合です。ここ最近はGSではワウリンカ、3セットの試合ではジョコビッチですがはたして今回はどうか。NO.1争い、錦織の全米第4シードなど大きなものがかかった試合です。

(Q)ドルゴポロフ×[6]ベルディヒ

普通に考えれば絶好調のベルディヒですが、ドルゴポロフも状態が良く、加えてこういうトリッキーなプレイヤーはベルディヒは苦手です。十分に波乱も起きると思います。

[12]ガスケ×[3]マレー

マレーはディミトロフ戦で3時間を使ってしまい、ただでさえ状態も良くないところに大きな負荷をかけてしまいました。ガスケが一気に行く可能性も十分。全く展開が読めません。

ロペス×[2]フェデラー

ロペスはサーブ&ボレーヤーとはいえ、広義で言えばビッグサーバーの一人。アンダーソンに充実の勝利をしたフェデラーの勝ちはほぼゆるぎないでしょう。

めいめいの疲弊なので残念ですが、今日の試合は本当に読めません。少し大きな流れを作りそうな一日になりそうです。それでは。