two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

いよいよ開幕!全米オープンドロー前展望

こんにちは。

最近ドロー解説が長くなってきている原因がドローを解説したうえに選手間の状況やら記録までいろいろ言いだしてるからだということに気付いたので、分けれるところを前記事に分けようという魂胆です。

それと別件になりますが、TENNIS LOVERSさん、復帰ということでこの場を使って祝福の場としたいと思います。

素晴らしいブログ著者が帰ってきました。私もなお一層頑張っていこうと思います。

テニスカテゴリー全体で高め合っていけたらなと思います。

さて全米ドローですが、ドローセレモニーは日本時間今晩24時半開始ということです。今年は現地昼開始のようです(例年夜が多い)

心配されたフェレールですがとりあえずニューヨークに向かっているということです。ただフェレールの場合、基本的に出れる大会は全部出場しようという意思でいつも動いている選手なので、今回もドローセレモニー直前、あるいはドロー発表後に欠場の可能性もゼロではないと思っています。何せ2週間前に「いつ戻れるかわからない」と本人が発言していますし。

報道でも未だひじに違和感という記事ともう全開全米はOKという記事が海外誌でも混濁している状態です。結局ふたを開けるまで分からないのではないでしょうか。

さて、ウィンブルドンフェレール欠場でわかったさまざまな事です。

前回フェレールはドロー発表後、さらに初日OOP発表後に欠場を発表しました。

初日OOPが発表されると様々な観点から大幅なドロー変更はできないため、フェレールの位置にラッキールーザー選手を入れることで対応しています。

ところが初日OOPが発表されていない場合、ドロー発表後のドロー変更は基本的にシード次点の選手をシードに繰り上げ、ドロー位置を変更していくことで行います。

このへんは私もウィンブルドンの件まで詳しくなかったのですが、グランドスラム用のルールブックがあることを知ったので読んでみました。

それによると(それらしい単語を入れて調べればすぐに出てきます)

・大会開始48時間前までに上位8シードのうち2選手が欠場した場合、ドロー抽選をやり直すかそのままやるかを決めることができる

・初日OOP発表までに1~4シードの選手が欠場した場合、

①1~4シードの空いたところには5シードの選手が入る

②5シードの空いたところには17シードが入る

③17シードの空いたところには33シードに相当する次点の選手が入る

だそうです。

5~16シードの選手が欠場した場合には②から③が、17~32シードの選手が欠場した場合は③が適用されるそうです(空いたところのシード番号はそれぞれ置き換えてください)。

ですので今回だと、もし第7シードのフェレールがドロー発表後初日OOP発表までに欠場した場合、17シード相当のディミトロフがフェレールの位置に入り、33シード相当のマイヤーがディミトロフの位置に入ることになります。

詳しく知りたい方はルールブックの24ページ以降を読むとわかります。

英文が長いのでコピーしていないので、もし解釈にミスがあったら早急に訂正依頼をしていただけると助かります。

さて、一旦はフェレールの欠場を仮定しないで話を進めましょう。

すでにシードは24日付のランキングで確定しています。

1 ジョコビッチ

2 フェデラー

3 マレー

4 錦織圭

5 ワウリンカ

6 ベルディヒ

7 フェレール

8 ナダル

9 チリッチ

10 ラオニッチ

11 シモン

12 ガスケ

13 イズナー

14 ゴフィン

15 アンダーソン

16 モンフィス

17 ディミトロフ

18 ロペス

19 ツォンガ

20 ティエム

21 カルロビッチ

22 トロイツキ 

23 バウティスタ=アグト

24 トミッチ

25 セッピ

26 ロブレド

27 シャルディー

28 ソック

29 コールシュライバー

30 ベルッチ

31 ガルシア=ロペス

32 フォニーニ

シード次点

マイヤー

マナリノ

コリッチ

クエリー

シード帯別で見ていきましょう。

1~4シード

ジョコビッチフェデラー、マレーの(現状)BIG3に対して錦織がやや落ちるのは仕方ないか。1~3シードの3人が優勝本命でしょう。

ジョコビッチはカナダ、シンシナティで見せたひじの違和感はなくなったとコメントしています。疲労もそこまで溜まっていないはずなのでひじさえ大丈夫なら最有力でしょう。

フェデラーシンシナティで突如見せたあのセカンドサーブのリターン。これが全米でどう決まるのか。あるいは相手がどう対策してくるのか。ここで決まりそうです。TENNIS LOVERSさんも触れていますが非常に斬新で画期的な攻め方です。これだけでGS取れると言ってもいいくらいの可能性を秘めた新戦術です。

そしてフェデラーは何よりも体力面。14日間最低21セットを戦い抜く力が34歳に残っているか。特に序盤で誰を引くかが一つポイントになってきます。

マレーは疲弊した状態から回復することが最優先です。持ち前のコートカバー能力はカナダ、シンシナティで存分に見せてくれましたがそれがないと一気に厳しくなります。モレスモビョークマン体制の集大成としてそろそろビッグタイトルが欲しいところ。

錦織はドロー運でしょう。まずはそこからです。本命ではないからこそ、まずは他力からの期待です。

5~8シード

明確な上位シードにとって当たりやすい序列を書きます。

フェレール>>>ベルディヒナダル>>ワウリンカ

後者2名は早期敗退がありますが一方で当たると怖さがあります。特にナダルに付きまとっている不思議な呪い(?)には今大会も注目です。

ワウリンカは錦織、ジョコビッチに対して成績がいい(ジョコビッチは直近の対戦に限る)のもあり、5~8シードでは今最も可能性があるでしょう。

前回全米に出た時は優勝しているナダルですが、現状推せない状態です。

ナダルは05年全仏以降、09も全豪を取っているので実に10年連続GS優勝という記録が続いています(もちろん史上最長です)、今年全米が取れないと記録が途絶えます。

さらにフェデラージョコビッチが続けている連続決勝進出年数、連続準決勝進出年数といった記録すら危うい状況です。ナダルはここまでQF、QF、2回戦という成績です。

一方不調のベルディヒはこれ以下という判断です。トップ10以外にも負けだしているので、調子の良い下位選手と当たったらあっさりやられてしまう展開か、仮にQFまで来ても相手が1~4シードだったらきついでしょう。

さらにまずいのはフェレールです。復帰戦でとても戦える状況ではありません。全米は速いサーフェスなのもフェレールにとってマイナスです。

錦織の場合、ナダルとワウリンカの間に>をもうひとつつけた方がいいでしょうか。

9~12シード

シモン>ラオニッチ>>チリッチ>ガスケ

シモンが不調です。3大会連続2回戦までに負けています。ウィンストン=セーラムの調整がてらの出場も実りませんでした。

何が起きているかはよくわかりませんが、現状そこまでいい状態とは思えません。

ラオニッチはむしろ苦手なのでは?と言われている速いサーフェスに加えて足の状態がいまだよくないのが不安材料です。サーブだけで押せたらチャンスはありますが、けが以降のタイブレーク獲得率なども含めて(全米はファイナルセットもタイブレーク)、ラリーに入ると劣勢を覆せず、期待するのは難しいか。

チリッチは昨年優勝ですしコンスタントに勝ってますが、まさか今年もあるのでしょうか。最近はコンパクトな成績が続いているのでガスケの方が危険と判断しました、ガスケは2013年に4強に入っています。

錦織の場合、ラオニッチ≧シモン>>>>チリッチ>>>ガスケでしょうか。

ラオニッチはなんだかんだ勝てるのとシモンのプレースタイルは錦織にうまくはまりそうで不安なので逆転させています。

チリッチは全米では錦織に2-1と相性がいいので(2014以外の2年がいつかを答えられたら強い錦織ファンです)危険と判断しています。ガスケはもう言うまでもないでしょう。4Rで直接当たるドローではないですが絶対に避けてほしい相手です。

13~16シード

これは難しかった。

ゴフィン>>モンフィス>アンダーソン>>>>イズナー

ゴフィンはちょっと最近調子悪そう。ただ錦織戦になると噛みあってある意味大変な試合になるかも。

モンフィスはちょっと不安定すぎますね。ここのところ大きな番狂わせを起こしてないのもマイナス要素です。

アンダーソンはやっぱり危険ですね。こういう場所では特に。

イズナーはよくわかりません。QF進出経験があるのですが、一方で全米ではここ3年すべて3Rでコールシュライバーに負けています。

どっちのイズナーを信用していいのかわかりませんが、イズナーは北米の大会だけ異様に活躍する選手で今期調子もいいので避けたい相手です。

17~24シード

あえて挙げるならカルロビッチでしょう。調子もいいですし一発もあります。間違いなくこのシード帯で一番危険な選手でしょう。

そして復調気味のツォンガ、ロペスも要注意。特にロペスは速いサーフェスでサーブ&ボレーも決まってきます。ラオニッチ、ナダルに連続勝利したシンシナティはフロックではないでしょう。

ツォンガは前哨戦のウィンストン=セーラムに出ています。ランキングが落ち込むことが想定されていたのでエントリーしていたのでしょうが、この調整が足かせになってしまわないか心配です。

ディミトロフは全米と相性が悪すぎるので(去年も早期敗退)、躍進は難しいでしょう。少なくともあの試合マレーに勝てなくて16シードを取れていないようでは…

25~32シード

30~32シードの3人はクレーコーターです。錦織としてはこの3人を引きたいでしょうか。

ロブレドもベルディヒにひどくやられているところを見ると組みやすいのかもしれませんが、GSでは成績を出してくる選手なのであまり当たりたくないですね。

シャルディーはあのカナダが一発だった可能性もあるのでちょっと評価しずらいですね。トップ10に勝ったとかではなく、シードダウンの多かったワウリンカ山をするする抜けただけなので…

危険なのはソックでしょう。そういえばこういうのをずっと言っている気もしますが、地元全米では必ずやってくる選手です。

ベテランのコールシュライバーは錦織と未対戦。少し見て見たい気もしますが、技術のある片手バックハンドの選手なので錦織は苦手そうです。

セッピは他選手からするとそこまででもないですが、錦織としてはリベンジしたいところですね。

ノーシード

危険な選手はうようよいますが、あえて5人挙げてみました。

キリオス、コリッチ、クエリー、ドルゴポロフ、コキナキス

若手3人は要警戒です。特に自分のペースでパワープレーで押していくキリオスは若手選手の中でも錦織との相性がよさそうなイメージがあります。

コリッチはディフェンシブストローカーなので錦織としては組みやすいか。コキナキスは5セットに持ち込むことの多い選手なので要注意です。

ドルゴポロフは錦織にとっては相性がいいですがこの復活ぶりを見るとあえて当たりたくないですね。

そして特に最近の実績はありませんが、USハードコートシリーズには強いクエリーはやはり避けたいところです。

他にはジョンソン、ポスピシルなども警戒です。

結構今大会は同じシード帯でも調子上向き、下向きな選手が混ざっている印象なのでドロー次第で大きく変わると思います。

特にGSではここのところほとんどQF以上をキープしているワウリンカが4人のうち誰を引くのか。ここで大きく変わってきそうです。

ジョコビッチとワウリンカのQF…全豪…うっ頭が…

フェデラーとワウリンカのファイナルSF…うっ頭が…

錦織とワウリンカのQF…うっ頭が…

そういえばマレーとワウリンカって最近戦ったっけ?と思って調べてみたら2013年の全米QF以来…その時はワウリンカ勝ってる…うっ頭が…

こう考えるとワウリンカすごいなあ…

明日は昼くらいにドロー解説になると思います。発表が今から待ち遠しいです。それでは。