two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPランキング試算(2015上海マスターズ後)

【お知らせ】

今後の更新についての方針を前記事にアップしました。ご理解いただけると幸いです。

こんにちは。

ドロー解説は今回はすいません。なしです。理由は前記事に書いています。

さて上海です。気持ちの上では上海です(大事なことなので2回言う)。

今回のドローはある程度散らばった印象です。とりあえず初戦がキリオスになったということで楽しみです。キリオスのような技術に裏付けられたパワータイプという選手はこのタイプの代表格であるツォンガなどの対戦結果を見ても、うまく対応できればしっかりゲームマネージメントして勝ってる印象があるので、何とか勝ってほしいです。

マスターズは8シードにいる間は最初の1勝が90pです(IW、マイアミは1試合多いため違う)。1回勝ってきている相手とはいえおいしい立場です。しっかりと初戦突破は果たしたいところです。

さてランキングですが、この後のレースと比較すると分かるように、だいぶエントリーランキングとレースランキングが一致してきました。

もちろんレースランキングとは「このあとすべて0pだった場合のパリ翌週のエントリーランキング」なのですから当然と言えば当然です。

そろそろ気になってくるのがコミットメントプレイヤーの話題です。

コミットメントプレイヤーは30位以内の選手に与えられる「義務」です。commitmentという英単語を考えればわかります。

年末30位以内の場合、翌年はATP500に4大会、しかもそのうち1大会はアジアシリーズor欧州インドアシリーズの間に出ないといけないという義務が課されます。

義務と聞くと堅苦しいですが、このレベルになってくるとある程度のテニスファンであれば認知していて、地元の大会にその選手が来れば「○○が来るぞ!」と言われるような格の選手です。待遇なども含めこの辺りから変わってくると言われています。

今年の新規コミットメントプレイヤーが濃厚なのはティエムです。3大会で優勝、マスターズなどにもしっかり出場し、来シーズンはさらなる飛躍が期待されます。

また現在エントリーランキングでは圏外ですが、レースランキングでは29位につけているキリオスにもチャンスがあります。

それから復帰勢としてはトミッチ、ペールなどがほぼ確実にしています。

ペールは今シーズン末まで失効がなく、楽天で負ったけがの回復次第ではさらに伸びそうです。

まずはエントリーランキングから。しばらくやってなかったので楽天・北京終了時のランキングです。

楽天OPではワウリンカが優勝、ペールがトップ30復帰を果たしました。

一方北京ではジョコビッチタイブレークなし、全く相手を寄せ付けない10セット連取で完全優勝。初出場からの北京無敗記録を29に伸ばしています。

またナダルが決勝に進んだことはテニスファンとして朗報でしょう。ジョコビッチには敗れたもののテニスの内容はよくなっているという意見を多く聞きます。

そして前回も触れましたがアンダーソンが公式発表でも10位となり、見事初のトップ10入りを果たしました。おめでとう!

ここからは失効後のランキングです。今週はウィーン/ストックホルム/モスクワの週が失効し、4-7-7制から4-8-6制に戻ります。

基本的には(先週)-(該当週or7番目の大会)+上海のポイントが来週のポイントになります。

ベルディヒストックホルム優勝の250pを失効し、錦織と接近しています。

ガスケが10位に浮上、2014年4月14日以来の久しぶりのトップ10復帰の可能性が出てきました。

トップ10の情報です。

ジョコビッチは1位キープ確定です。3月くらいまでは追い越し不可だと思います。

フェデラーは上海優勝を失効し3位転落ですが、マレーとの差はわずか。この二人の2位3位は確定しています。

・ワウリンカの4位は確定です。

フェレールナダルにも5位がありますが、おそらくベルディヒ錦織の争いでしょう。

フェレールナダルは下と大きく離れており、この2人の7位8位もほぼ確定です。

・ラオニッチは下位から追い越されるには4強以上が必要なため、おそらく9位キープです。

・10位争いは混戦。アンダーソンは1週での陥落が防げるでしょうか。

レースランキングです。

今回から「仮想通過ライン」という概念を使います。

仮想通過ラインは、「9位以下の各選手が、その大会で次のラウンドで敗退し、そのあとのツアーですべて優勝した場合の獲得ポイントをまとめ、そのポイントのうち最大のポイント」とします。

いまいち分かりにくいと思うので実際に計算してみましょう。

まずは今週発表のレースランキングです。

ナダルが決勝まで進んだので錦織は7位に後退です。

さて、9位以下の選手が上海初戦敗退+残り3週の大会すべて優勝した場合のポイントに変えてみましょう。

表のrank、moveは気にしないでください。

見ていただくとわかりますが、9位以下の選手には欧州インドアで3連勝した場合のポイント+上海初戦敗退の10pの数字が加わっています。錦織など8位より上の選手には1ポイントも入っていません(今週のレースランキング)

図で見てわかるように上海で大きな加点がなければ、9位以下の選手のポイントは高々4000p程度にしかなりません。

しかもバーゼルにはフェデラー、パリにはBIG4や錦織らがいる状況でこれらを達成するのは限りなく不可能に近いです。

お分かりでしょうか。これが99.5%錦織は大丈夫と言っている理由です。

これには錦織0pを仮定しています。つまり錦織は勝てば勝つだけ加点されます(バーゼルは除く)

例えばこの表を見るとチリッチ、シモン、ツォンガの3人は早期敗退すればその地点で錦織のいかなる結果にかかわらずレースでの追い越し不可能になります。

現在の仮想通過ラインは4070です。これはガスケなどが勝てば今週は上がり続けます。しかし現状錦織のレースランキング=この後全部敗退とその差は215pしかありません。

基本的には上海以降は特定の選手が続けて優勝しない限り下がっていきます。

この仮想通過ラインというのを覚えておいてください。この後は断りなく使っていきます。

大会はすでに始まっています。年末に向けたそれぞれの争いに注目です。