two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATPの5,6番目のファイナル通過宣言に難癖をつける

こんばんは。

何か物騒なタイトルからスタートしていますが、これから話す仮定をすべて理解すれば、すべての方が疑問に思うと期待して執筆します。

昨日上海決勝が終わり、何事もなくジョコビッチが盤石の強さで優勝しました。

詳しくはウィーン、ストックホルム、モスクワのプレビューと同時に次の記事でやっていきたいところですが、取り急ぎレースランキングの方について様々な疑問が出てきたのでまずはそちらを優先します。

レース暫定9位に上がったツォンガが決勝で敗退したことで、さらに9位以下の選手が8番目より上の選手を抜くことが困難になりました。

この結果、5番目につけていたナダル、6番目のベルディヒがそれぞれ5番目、6番目のツアーファイナルズの切符を手にしました。

こう見るととても当然のように見えますが、私はかねがねこのATP(および、バークレイズ・ATPワールドツアーファイナルズ公式)がファイナル通過発表するタイミングについて疑問を感じていました。

今年はジョコビッチがなんと全仏開催中の6月4日に通過を決めました。GS優勝者特権が3枠余っている中での決定は驚きでした。

そのあと、マレーは8月15日に通過を決めました。奇しくも優勝したカナダマスターズ開催中の事です。

フェデラーの通過が決まったのは9月8日。全米オープンの途中でした。

その翌日にはワウリンカが通過決定。9月9日には全米4強が出そろい、自分より下位の選手の中ではチリッチ以外にGS優勝者特権が使われないことが確定した段階でした。

これらのタイミングに共通することはないでしょうか?

一つはその選手が勝ち上がっている大会での発表ばかりということです。

というのもそれは当然で、下位選手がそれによって一気に追い越しにくくなるからで、これ自体は当たり前のことです。

ですがもう一つ理由があると考えています。

ファイナルはATP管轄のすべての大会の中で(GSは除く)最も売り上げ、収益の高い大会です。

のべ10万人以上の人が会場に足を運び、そのチケット代が破格の高さであることは日本でも去年たくさん報道されました。

ですから運営としては「誰々が来るぞ!」と大々的に宣伝したいわけで、それが初戦敗退した週に発表だと白けますよね。

勝ち上がった大会で発表しているのはおそらく序盤の選手に関しては勝ち上がった大会の時に意図的に発表しているのではないかと思っています。

これは私の仮定、想像にしかすぎません。しかし次のことは過去の発表から明らかになっています。

5枠目からあたり、10月以降に通過を発表する選手は本当にその選手が100%確実になったその日に発表する

これを説明するのにいい例なのが2014年のチリッチです。

チリッチはGS特権枠を確保していましたが、10月18日の土曜日に通過が発表されました。

この時のATPの説明は「チリッチはモスクワで決勝に進んでいるが、翌週のドローの組み合わせ上、チリッチが落ちるパターンの可能性がなくなった」という表現でした(ソースありません、すいません)

この日バーゼルバレンシアという500のドローが発表され、ポイントの分配で理論上ありえた最後の組み合わせが消滅したと見られています。(おそらくマレーとフェレールバレンシアで同じ山に行ったため)

つまりATPはぎりぎりまで発表は待つけど、本当の本当に100%が確定したその瞬間に発表したということがこのチリッチの例から言えるのです。

さて、今回もそのように「本当の本当に」100%の確定があったからナダルベルディヒは通過を決めたんだ、と私は最初思っていました。

ところが、です。試算チャートを眺めながらある仮定をすると途端にその100%が破たんしてしまうことに気が付きました。

まずはエントリーランキングから見ていきましょう。

ジョコビッチ前人未到の16785pを達成しています。

09年以降では最高、フェデラー全盛期のポイントを無理やり今のルールに直してもジョコビッチは同等か、それ以上だそうです。

今回の優勝と圧倒的なスコアを見てジョコビッチを史上最高の選手の議論に上げる意見が出てきました。

それについてはまた別枠で。

ただもうレジェンドとして十分すぎる活躍でしょう。いったい誰がこの男を止めるのか。

明確に止める選手が出るとすればものすごく面白いことになりそうですね。

ツォンガが準優勝で伸ばし、2014年全米前以来のトップ10復帰です。

アンダーソンは1週陥落ですが、ラオニッチが落ちれば再びトップ10に上がれるかもしれません。

さて問題はレースランキングです。こちらをご覧ください。

審議としているのはこの後の話につなげるためです。

ご覧の通りツォンガは9位に上がりました。15位だったアジアシリーズ開幕前がウソのようです。

さて、ここから仮想通過ラインはこうなります。

以前に私はアンダーソンが実質9位争いの命運を握っていると書きました。

ご覧の通り現在仮想通過ラインを握っているのはアンダーソンで、4205pです(このことから、live.atprankingさんの仮想通過ラインが間違っていることも分かります。上位8人は4205pを同時に超えることができます)。

じゃあ4205pを超えているナダルベルディヒは通過でいいじゃないか、ついに過労でTSDは算数もできなくなったのかと言われそうですが違います。私のブログを注意深く読んでいる方は気づいているはずです。ツォンガがバーゼルWC参戦する可能性があることについて。

つまり、ツォンガの4500pが実質的な仮想通過ラインとなるのです。

そして今後ありうる最も最悪な方法では、こういうことが起こりうるのです。

これはドロー上の可能な組み合わせで起こる最悪のケースです。フェレールのウィーンが180pなのは、ツォンガとSFで当たってしまうためです。この辺ドローをしっかり考慮してやっています。

いろいろ考えてみましたが、ナダルを下の4人が超える方法はありませんでした。なので、ナダルは通過決定でいいと思います。

ところがベルディヒに関しては、この図を見ると分かるようにツォンガ3週連続優勝(厳密にはウィーンかバーゼルは1個準優勝でよい)+フェレールパリ準優勝&バレンシア優勝+錦織パリベスト4(バーゼルは初戦敗退でもよい)などの条件が重なれば普通に9位になります。

ATPワイルドカード参戦などあらゆる最悪条件も考慮していると思っていただけに、ベルディヒに関するフライング発表は衝撃でした。

と同時に、次の疑念が浮かびました。

①マレー欠場を知っている?

実はマレーはもう欠場することをATPに言っていて、9人目までがファイナルに行けるのだが混乱を避けるために発表していない→まあ提唱しといてあれですが、さすがにこれはないかと

②ツォンガWC出場はない?

現在MTFを監視している限りではバーゼルのWCは1枠も発表されていません。

確かにこれだけの選手が揃った大会にツォンガが飛び込むことは確率として低いですが、ゼロでない以上ATPは可能性があるなら発表は避けるべきです。

実は秘密裏にツォンガ陣営に確認を取ったのでしょうか?それならいいんですが。

ATPのミス?

抗議するつもりはないですが、ここまで真剣に考える馬鹿なテニスファンがいると思ってなくてあまり詳しく確かめずフライングしてしまった?

個人的には②で、ATPがツォンガ陣営に確認を取っていることを信じています。

ATPがデータや発表で大きなミスをしたことは私が知る限りないので(今回の件も言いようによっては些細ですが)②であることを願っています。

と同時に、もし本当にツォンガがWC参戦しないとしたら99.5%出場確定とした錦織のファイナルは依然揺るぎのないものになります。

で結局何が言いたかったかというと、とりあえずATPがこういう発表をしたのでバーゼルのツォンガ出場はないと仮定して、とりあえず仮想通過ラインを4205pとして話を進めていこうというのが結論です。

そんなわけで明日は3大会の展望をしながら錦織ファイナル決定のXデーを探っていこうと思います。それでは。