two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

2015上海感想・今週の大会展望

こんばんは。

突然忙しくなったり、突然暇になったり。

まあそんなもんですけどね。昨日も結局更新できなかった…

というわけで水曜日ですが行きたいと思います。今更な今週プレビューと上海ハイライトです。

上海、分かってはいましたが衝撃でした。

夏のシリーズで決勝で2連敗したジョコビッチでしたが、マスターズの決勝で2連敗で雲行きが怪しいといわれるほどのジョコビッチです。

北京、上海は得意なシリーズ。北京では無敗、上海では2012年以降最高レベルのフェデラーに去年SFで敗れたのみ。中国、インドアに来るとジョコビッチはさらに強くなります。

ただしかし、あれだけの圧倒劇を予想できた人はどれくらいいたでしょうか。

2011年のジョコビッチはここにたどり着くころにはもう失速気味でした。自分の持っている実力は十分、しかし体がついてこない。そんな終盤戦でした。

2015年のジョコビッチも2011年に重なるところがありました。全仏で夢を打ち砕かれ、一方で3つのGSを獲得し、主要大会でも勝ちっぱなし…

2011年は夏の北米シリーズから体の不安が出ただけに、今回はどうなるか、というところでしたがここからが2015年のジョコビッチでした。

様々なテニスの試合があれど、注文なしの快勝はそう見ません。しかしそれをジョコビッチは次々と成し遂げました。

攻撃、守備、サーブ、リターン、ネットプレー…どこをとっても彼のプレーに文句のつけようがありません。

当たった選手はどうしようもなかったと思います。

マレー、ツォンガともにミスも目立ちましたが、ジョコビッチがミスをさせた部分もあります。あれだけ丁寧に深く返されてはどうしようもありません。

唯一QFのトミッチにチャンスがありましたが、タイブレークでは落ち着いて必要な場面でポイントを取り流れを渡しませんでした。

そんなわけでジョコビッチ優勝。ツォンガ、ナダルはポジティブになれる一週間だったと思います。

一方ツォンガ以外のレース争いの選手はほぼ足並みそろえて3回戦敗退の90pを手にし、いよいよ欧州インドアシリーズへと臨みます。

正直私は全米付近まではジョコビッチに勝てるビジョンがありました。しかし今はもうなくなってしまいました。

実は前後のゆさぶりを先に仕掛ければジョコビッチも処理はそこまでうまくない印象だったので面白いかと思っていたのですが、上海でジョコビッチはネットプレーでの高いポイント獲得率、1対1になった時のボールの処理がうまくなり、ネットに出た同士の勝負でも負けなくなりました。

他には観客を味方につける、いいポイントを作って会場を盛り上げる、緩んだすきのブレークを狙うなど考えたのですが、どれも偶然を待つようなものです。

今現在、ジョコビッチに対抗できる確実に遂行できる戦術を私は持っていません。

ジョコビッチは得意のインドアに入って上げてきました。このままいけば全米から無敗でシーズンを終える可能性も相当高いと思います。

全ての選手が束になってかかる必要があると感じています。

さて今週のプレビューです。もう水曜日とか言わないでください。

一応シード勢のみの記載で、火曜日までに起こったこともハイライトで書きます。

モスクワ(28ドロー、ATP250)

[1]チリッチ

[8]ククシュキン

[3]トロイツキ

[6]コリッチ

[5]クエバス

[4]コールシュライバー

[7]ソウザ

[2]バウティスタ=アグト

日本の伊藤竜馬が予選を勝ち上がりましたが、イルハンに敗退。

すでにチリッチは錦織とのレース争いについては大きな関係はないため、あまり注目はされない大会になりそうです。

ストックホルム(28ドロー、ATP250)

[1](WC)ベルディヒ

[5]ディミトロフ

[4]トミッチ

[8]ミュラー

[7]ソック

[3]シモン

[6]シャルディー

[2]ガスケ

ニエミネンが惜しまれながらも引退です。

楽天OPでのセレモニーでも紹介しましたが、出身国フィンランドから現在一番近いATPツアーであるストックホルムで単複ともに公式戦最後の大会に出場しているニエミネン。

シングルスは無名選手との初戦でしたが、何と試合前棄権によりラッキールーザーでアルマグロとの対戦に変わりました。

試合はニエミネンが先にマッチポイントを握るも、タイブレークで逆転しファイナルセットも取ったアルマグロが勝利。シングルス公式戦としては最後の試合となりました。

ダブルスにも出場しており、今日はその1回戦があります。1日でも長く現役を続けてほしいです。

なおニエミネンはパリMS終了後、ファイナルまでの期間に同世代のフェデラーを呼んでエキシビションマッチを行う予定で、これが実質的に最後の試合となります。

大会はベルディヒがエントリーを忘れたのか昨年覇者としてWC参戦。

その結果ファイナル争いのシモン、ガスケは同じ山に行きました。

昨年準優勝のディミトロフはリスタートを切りたい。好調ミュラーも不気味です。

ウィーン(32ドロー、ATP500)

[1]フェレール

[8]フォニーニ

[4]ツォンガ

[6]モンフィス

[7]カルロビッチ

[3]イズナー

[5]ティエム

[2]アンダーソン

レース争いに絡んでいる選手が4人出場しており、非常に興味深い大会です。

フェレールは優勝で一気にファイナルを引き寄せます。錦織にもレースポイントで追いつくことができ、何としても優勝が欲しいです。

一方自力8位通過を目指すなら落とせない残りの3人。残り3大会すべてに出ていて、対抗シードのティエムが敗退したアンダーソンはやや有利です。

イズナーはカルロビッチとのビッグサーバー争いに勝つことができるか。

そしてアンダーソン、ツォンガ、フォニーニはそれぞれ前週長く勝ち残っていた(フォニーニはダブルス)ので、優勝するためには今日水曜日からの5連戦に勝ち続けないといけません。

残念なのはラオニッチ。まだ万全でないのかウィーンの出場を取りやめました。

さて気になる仮想通過ラインの話題ですが、こうなっています。

仮想通過ラインは「次戦で敗退し、翌週以降の大会ですべて優勝した場合のポイント」という定義です。

上海終了時に比べみな下がっているのは、先週の仮定では優勝することになっていた大会が0pになっているからです。

これを見ると、現在はガスケが仮想通過ラインを持っていて、3945pとなり、奇しくも錦織と並んでいます。

しかしこの場合はGS+MSの合計ポイントが優先されるので、ウィンブルドン4強、全米でも8強のガスケが錦織を上回っています。なので実は今週日曜日まではわずかの差で錦織圭がファイナル進出を決めることはありません。

しかしガスケの成績は注目です。わずか250p(厳密には205p)とはいえ、ストックホルムで貯金できるかどうかは大きな違いになってきます。

具体的に言えばストックホルム優勝の時のみ、バーゼル決勝進出でも錦織を超えるパターンが出てきます。

ただ所詮は200p程度、ストックホルムの成績も実はあまり関係なかったりします。細かな関係はあるんですが。

モスクワについてもチリッチはもう仮想通過ラインをはるかに下回っており、モスクワ優勝でも届かないので錦織より下の順位になることは確定しており、他の対象選手はいません。

またラオニッチもウィーン不参戦により錦織より下の順位になることは確定しました。

つまり今週錦織の通過Xデーを決めるのに大きな影響を与えるのはウィーンの結果のみです。具体的には、ツォンガ、イズナー、アンダーソンの3人です。

そして今日のところは結論だけ言っておくと、ツォンガ、イズナーは優勝、アンダーソンは決勝進出できないとその地点で錦織を上回ることができなくなります。

二人以上、ガスケを含めて来週3人可能性が残るのはツォンガ優勝、アンダーソン準優勝のパターンのみです。

お互いがお互いを潰しあった結果、来週錦織に挑戦できるのは高々3名、おそらく2名か1名で迎えることになると思います。

明日は今日水曜日の結果を踏まえてより詳しくXデーを議論していこうと思います。