two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

禊を終わらせろ!バルセロナSFプレビュー

こんばんは。

見事にSFまで勝ち上がりました。

バルセロナは時間帯がいいので、私にとってもありがたい観戦スケジュールです。

ナイトマッチが入ってくると無理なケースも出てきますからね…今年は躍進が期待されますが、マドリードとローマが夜当番にならないことを強く願っています…

4/20 現地14:00~(日本時間翌日21:00~)

ATP500 Barcelona Open Banc Sabadell

2R

[2]Kei Nishikori 6-4 6-2 Thiemo de Bakker

4/21 現地15:30~(日本時間翌日22:30~)

ATP500 Barcelona Open Banc Sabadell

3R

[2]Kei Nishikori 6-3 7-5 [13]Jeremy Chardy

4/22 現地15:00~(日本時間翌日22:00~)

ATP500 Barcelona Open Banc Sabadell

QF

[2]Kei Nishikori 7-5 6-0 [11]Alexandr Dolgopolov

盤石でした。

2回戦のデバッカー戦はもはや記憶から消えつつありました。

特筆すべき内容もなく、淡々とラリーをして状態を確かめて終わったという感じです。試合形式の練習か?と思いました。

フットワークもまったく使わず、体力消費も相当抑えられているイメージでした。

3回戦のシャルディー戦は個人的に警戒していた試合でしたが、こちらもストレート勝ちでした。

終始ゲームをコントロールし、取りに行くと決めたゲームのプレーレベルの向上、見事でした。

2回ブレークされてしまいましたが、どちらもBPでのシャルディーのギャンブルショットが決まりました。

これをどう捉えるかは難しいでしょう。まぐれ当たりが2回当たったとも言えますし、セカンドが叩かれているとも言えます。

結果的にはビッグサーブを持っているシャルディー相手に4ブレークですから問題はなかったと思います。

総合力でしっかり上回り、やるべきことをやって勝ちました。

QFのドルゴポロフ戦では第1セットドルゴポロフの猛攻に会いました。

マイアミ同様普通に打っているだけではだめだという考えからドルゴポロフは猛攻を仕掛けてきました。

マイアミの時はあまりにもミスが早く、第1セットは第2ゲーム目以降しばらく全く勝負にならなかったですが、本来昨日のようにピタッとはまった時にはこれくらいの高い攻撃力で襲い掛かることができる選手ですし、上位選手への数々の番狂わせからもそれは証明されています。

ただその猛攻に対して、錦織はしっかりとサービスゲームをキープし続け、我慢の時間帯を耐えました。

第10ゲームでは中途半端なミスで先行されると一気にドルゴポロフが強打を連発。正直どこで落としてもおかしくなかったと思います。

問題だったのはデュースサイドでの1stサーブです。これが入らずに2ndサーブから厳しいストローク戦に持ち込まれる形になって失点するパターンが続きました。

アドサイドでいいサーブで助かったこともありましたが、なかなか堪える場面でした。

実際、あのドルゴポロフなら錦織がセットを落としたとしても何の不思議もなかったと思います。

ただここで4BPを止めると、続く第11ゲームでは錦織がBPを掴みます。

ドルゴポロフも何度もBPを止めますが、ミスが出始めたドルゴポロフに対して最後はブレークをものにし、11ゲーム目を取ります。

SFSとなった12ゲーム目も1ポイント目で錦織がミス。嫌な立ち上がりとなりますが、ドルゴポロフはこのあたりからプレーレベルが落ちてしまい、ミスで失点して錦織が楽に。キープしてセットを取ります。

この「いい時間帯」を長く続けられないのが中位選手の特徴です。

時間帯を切り取ればトップ10と遜色ないプレーができるものの、それを大会、ゲームを通じて持続できない。

第1セットの猛攻をしのぎ切った錦織には視界が開けました。ドルゴポロフのミスが増え試合は一気に傾き、そのまま9ゲーム連取で締めくくり、錦織がベスト4進出です。

見事でした。しのぐべきポイントでしのいだことでチャンスが生まれ、その後は一気。止まらなくなるタイプの選手に対して最高の形で勝ちました。最後ベーグル(6-0)で締めたことで試合時間も1時間20分と悪くない数字。激戦を感じさせない試合時間になりました。

さて、準決勝の相手はペールです。

ペール、様々なことを思い出します。少し振り返っておきましょう。

全米その1

全米その2

楽天

何よりも強烈だったのが「頭のメンタル」という造語を生み出すほどのショッキングな敗戦だった楽天OP。

あのような「二度目」はない、と思った矢先に1回目を遥かに上回る負け方。

当時は錦織の試合数も少なく、様々な議論が巻き起こる結果となりました。

敗因を当時の記事から探ると

・ラリーの配球がよくない(クロス体質)

・仕掛ける手前でのイージーミス

・GP、BPのコンバージョンの悪さ(攻守ともに)

セカンドのリターンミス

・バック攻め

・要所でのペールのサーブ

などが挙がっています。

今の錦織にとって問題になっている箇所はもうほとんどないですね。

やっぱり怖いです。そりゃあ。2回連続負けてますから。

しかしペールの良さを引き出してしまった、その時間帯をしのぎ切れなかった錦織にも大きな責任があり(特に楽天OP)、普通にやれば錦織が勝てることは言うまでもないことです。

問題はそのペールに対し、どう考えるかですが、今週の錦織の戦い方はすでに答えを出していると思います。

シャルディー戦では2つのブレークともに即ブレークで返しています。

ドルゴポロフ戦では4SPをしのぎ、次のゲームでブレークして試合を決めました。

そうです、勢いを出させないような「対応する」プレー、もうできているんです。

そして今週はクロス体質でプレーしているわけではなく、展開するときはしっかりと展開しています。

いつもとは逆ですが、フォアクロスにくぎ付け→時折フォアストレートでバックに送って仕掛ける、でいいと思います。

それでだめならまた考えればいい話で、不要なドロップでタッチ合戦とかになると変にペールが勢いづきます。

まずは先行して、確実に主導権を握ってペールが上がってくる「その時」を待つ。そして逆に落ち込んだ「その時」を見逃さない。

これです。同じようにトリッキーなテニスをしてくるドルゴポロフにできました。

総合力ではペールのほうが上でランキングも上ですが、少なくとも昨日はひどかったですし(2R3Rの快勝、特にクエバス相手に圧勝したのは気になるが)、全くだめな時間帯が来ないというのは想像できません。

今週はナダルの状態もよさそうですし、まずは決勝に行くこと。これができればもう100点です。決勝は錦織のベストパフォーマンスでもだめという可能性も容易に考えられるくらいナダルがいい感じなので…

嫌な場面でのペールとの対戦となりましたが、いつまでもそうは言ってられません。まさにタイトルの通り「禊」(みそぎ)、通過しなければいけないポイントです。

今日その禊をしっかりと終え、IWでの借りを返す戦いへ駒を進めたいものです。