two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【ドロー解説】2016ローマMSの展望

こんにちは。

いやー、奮い立ちました。

王者ジョコビッチ相手にストレート負けではあったものの内容は格段に良くなりました。

いい成長ペースです。願わくば1セット取りたかったですが(特に第2セット)、こればかりはジョコビッチを褒めるしかないと思います。

つい2か月前にこんなことを書いていました。

今年の個人的目標はBIG4対戦12回、5回好勝負を繰り広げる、です。

すでに対戦2回、1回の好勝負です。

特にランキング1位を望む方は少し焦りから開放されたのではないでしょうか。あるいはこれくらいで当然でしょうか。

しかしいずれにしても見えてきました。本当に日本人がGSを取る、ということを、これだけ現実味を帯びて語れるようになるとは。

いよいよ長い長い道のりの折り返しに立ったのかもしれません。

ですが、まだ道は半ばです。

あれから2か月、それ以降出場したすべての大会でBIG4と対戦し、ゲームを壊してしまった試合はしいて言うならマイアミ決勝のみ。

好勝負ということでいえばバルセロナナダル戦、昨日のジョコビッチ戦で合わせ技1試合くらいはあると思います。

すでに対戦6回、2回の好勝負です。

主要大会を半分消化する全仏までにすでに半分達成しそう。それを超えるペースです。

何せ2月末にクエリーに負けて以降、BIG4以外には16連勝中です。

トップ10下層のガスケ、ツォンガにしっかり勝ち、負けの結果はすべてトップ5以上の選手。

一段進化しました。今の錦織の強さを疑う「テニスファン」はいないでしょう。

特に今週の結果はかなり高く評価されています。天敵ガスケを撃破し、キリオスと名勝負、その疲れの中ジョコビッチに食らいつきました。

正直テニスの内容には現状に満足するなら一切文句のつけようがないです。

次に書くジョコビッチ戦の記事では非常に高い要求をつけますが、もうそれは本気でMS、GSを取るための要求です。

トップ10、トップ10常連、いやトップ5付近に食い込む力は確実に持っていると思います。

あとはワウリンカ、もしくは悲しいですがフェデラーを抜くのは今のペースなら時間の問題だと思います。

テニスですから、何度も言うように年間15敗します。

その代わりの60勝近い数字。これをいかに洗練させるか。今の錦織はそれができています。わずかな隙もついて勝ちに変える試合が続出しています。

久しぶりに言えます。

たった2つ、疲労とけがのみが心配です!!

というわけで土曜日には発表されていたローマのドロー解説です。

今大会はとんでもないドローになりました。過去10年レベルで最も偏ったドローになっています。

こういう時に最もきつい山にいることが多い錦織ですが、最悪の山は回避しています。

ジョコビッチ山…目も当てられません。

ジョコビッチ

 [1]ジョコビッチ

予選勝者

予選勝者

クエバス

マウー

ベルッチ

[14]モンフィス

[10]ラオニッチ

(WC)チェッキナート

キリオス

(WC)Caruso

コールシュライバー

予選勝者

 [5]ナダル

今大会の死のブロック。

[1]ジョコビッチは初戦が予選勝者なのが救い。しかし3Rは[14]モンフィスか、そのモンフィスそしてキリオスと激闘を繰り広げたクエバス。

両者とも休養は十分で、2回戦で体力消費が少なければジョコビッチの脅威になりうる。

モンフィスは今大会もドローが厳しい。初戦のベルッチも侮れない。ここで連続で早期敗退となると上位のレース争いから一歩後退してしまう。なんとしても90pは獲得したいところ。

一方[5]ナダルのブロックはよくもこんなに選手を集めたなというタフドロー。

初戦のコールシュライバーはバルセロナSFで対戦したばかり。勝てるとは思うが初戦にしてはタフ。

そして問題は次。[10]ラオニッチかキリオス。

ラオニッチもなんとかマドリードで8強に進んでおり、一時の心配は抜けたか。

しかし今のラオニッチではキリオスに勝てるのだろうか。非常に怪しい。

キリオスは先週のパフォーマンスが出せれば8強も十分にありうるが、初優勝となったマルセイユ翌週のドバイではガス欠というか集中を欠いて負けてしまったので、ふたを開けないとわからない状況。

ジョコビッチも錦織戦で2時間、今日のマドリード決勝ではロングマッチも予想されるので、全仏を考えるとここはそこまで重点的に取りに行く大会とは思いにくい。

だってモンフィスとラオニッチいるし…

と先週も言っておきながらマドリードではラオニッチと対戦して何事もなく勝ったわけですが、本当に結果が読みにくい山です。

フェデラー

 [3]フェデラー

ズベレフ

ディミトロフ

ソウザ

(WC)Sonego

ドルゴポロフ

[13]ティエム

[11]ガスケ

(PR)ベネトー

セッピ

ポスピシル

ガバシビリ

トロイツキ

 [6]錦織圭

[3]フェデラーは今期4大会目(ええ…)。出れば確実に100p以上の高いポイントを獲得しているので、大丈夫な…はずだったのですが…

初戦がズベレフとディミトロフとなりました。

ディミトロフが上がってきた場合、似たプレースタイルでフェデラーは実力で上回っているので相性としてはよさげ。全豪では一緒にシャラポワの試合を見て盛り上がっていた二人ですが、その動画の下のテロップには「ディミトロフはフェデラーに勝ったことがない」と書かれていました…

しかしズベレフが上がってきたら大変です。

まだ大物食いには至っていませんが、すぐにでもその可能性はやってきそうな逸材です。

今シーズンのフェデラーは、実質トップ10のラオニッチとトップ10のジョコビッチ、ツォンガにしか負けていません。

普通に行けばQFまでは行けるはずなのですが…

その次の[13]ティエムもトリッキーですが、なんとマドリードでいきなり8強に進んだノーシードのソウザもこのブロックに入りました。

ドルゴポロフもいて、ティエムとて余裕はありません。

ここのところ連戦でパフォーマンスが落ちがち、先週初戦敗退なので少し落ち着くことができたはずですが果たしてどうなるでしょうか。

一方[6]錦織は疲労だけが心配。

初戦のガバシビリは組みやすい相手。トロイツキは何気に20位台にいてレースも20位なんですが、全然記憶にない…

調べたらほとんどが500以下での成績。250で優勝1つ準優勝1つでした。

通算勝率もクレーが一番悪く、上がってきてもそこまで脅威ではないと思います。

次の3回戦は消去法で[11]ガスケだと思います。

復帰中の(PR)ベネトーのメインドロー入りはうれしいですが、ガスケを脅かすことはないでしょう。

さらにポスピシルはクレー通算1勝13敗という大のクレー苦手。

セッピはクレータイトル持ちとはいえ、今期7勝8敗と物足りない成績。

以上の状況から、万一ガスケが負ければ8強まではかなりイージードローと言わざるを得ません。

錦織の結果はほぼマドリードまでの蓄積疲労に依存すると見ています。

ガスケ戦の結果も正直疲労が大きく影響しそう。バックDTLを打たれたときに守備できる足が残っているか。今週のように切り返しができ、まだ使ってないフォア攻めをするなどできれば連勝は可能です。

③ワウリンカ山

 [7]ツォンガ

カルロビッチ

予選勝者

フォニーニ

ガルシア=ロペス

予選勝者

[9]フェレール

[16]アンダーソン

ロペス

ジョンソン

(PR)モナコ

ペール

トミッチ

 [4]ワウリンカ

本命不在。

調子を上げたかった[4]ワウリンカは、マドリードでキリオスに事故レベルの不運な敗戦。

ただ、今期主要大会で一度も8強に進めていないワウリンカ。全仏が終わればついに第4シードから陥落し、ジョコビッチ、マレーらとQFで対戦することになる。今のうちにできる限り加点しておかないと今後厳しい。

そして昨年はナダルを破っての4強に進んだだけにポイントディフェンスが必要。これから4週間で2360p、さらにウィンブルドンも入れると2720pの大量失効が待っている。

全仏後の錦織とのポイント差は現在270p。全仏で4シード確保の見通しは立ちつつあるとはいえ、初戦から厳しい相手です。

ペールとトミッチの初戦はおそらくペールが上がってくるでしょう。

マルセイユではワウリンカにペールが勝っており、ペール得意のクレーコートで再び勝つ可能性は十分にあります。

それを抜けると[16]アンダーソン。なんだ復帰途中のアンダーソンかと言われるかもしれませんが、なんとワウリンカはアンダーソンに4勝4敗。しかも昨年全米で勝つまで4連敗しています。

ワウリンカ→ベルディヒ→アンダーソン→ワウリンカの不思議な三すくみ関係がありまして、矢印の方向に勝ち越しています。アンダーソンはワウリンカに前回まで勝ち越していました。

アンダーソンが上がってくるかは微妙で、クレーコートであることを考えるとモナコが有力か。アンダーソン以外が上がってくれば組みやすいでしょう。

一方[7]ツォンガはチャンス。初戦のカルロビッチ―予選勝者がかなり楽。

[9]フェレールは全仏8シードに向けて厳しい戦い。2回戦でガルシア=ロペスと好調フォニーニの勝者と対戦。ここが山場です。

ツォンガの全仏8シード入りは堅いですが、全仏後720pを失効するツォンガにとって今後のシードに向けて大事な一戦。この山の誰が4強になるかは大きくツアーの今後を左右しそうです。

④マレー山

 [8]ベルディヒ

ラモス=ビノラス

クエリー

ソック

ペリャ

マイヤー

[12]ゴフィン

[15]バウティスタ=アグー

(WC)ロレンツィ

シャルディー

予選勝者

予選勝者

コリッチ

 [2]マレー

[2]マレーはクレーでも一気に優勝候補に挙がってきました。

なんと初戦はコリッチとの対戦が濃厚です。

コリッチは昨年ドバイで負けた相手。パリでリベンジはきっちり果たしたが、今回も若手に負けるわけにはいかないでしょう。

次のラウンドは組みやすいか。[15]アグーに前半の勢いはなくなってきました。危険なのはシャルディー。この大会でフェデラーを破った実績があります。

一方[8]ベルディヒは手堅く8強を取りたい。小粒ないい選手はそろっているが今のベルディヒであればなんとかかわしきれるか。[12]ゴフィンはソック、ペリャとの2回戦がややきついか。しかしファイナル進出のためにはこのドローでは落とせないでしょう。

優勝予想です。

今回も難しいなあ…

優勝 ジョコビッチ

準優勝 マレー

ベスト4 フェデラー ツォンガ

ベスト8 ナダル 錦織 ペール ベルディヒ

これマドリードの結果に引っ張られてるだけでは

今回はジョコビッチがBIG4を3枚抜き!みんなどうしたらいいかわからない状態で全仏に入る!

こういう予想でいきます。

錦織も体力的にきついかなーという予想です。

フェデラーもなんだかんだモンテカルロではベスト8まで行っているし普通に強い、問題ないと思います。出れればね…

ペールのところですがワウリンカに勝ってそのまま行きそう。2013年にはベスト4に入った縁起のいい大会です。

ツォンガペールは迷いどころ。フェレールベルディヒ戦の内容がそんなによくなかったのでツォンガで止まりそうです。

ベルディヒは定期。今回も前の週で決勝まで行っているとはいえマレーでしょう。そんなに試合時間もかかってないし。

さて、今回のドロー、どれくらい偏っているかをまとめてみました。

1-2シード 自動的に入る

3-4シード トップ フェデラー  ボトム ワウリンカ

レースランキング上ではワウリンカのほうが上だが、フェデラーのほうがよさげ

5-8シード トップ ナダル 錦織  ボトム ベルディヒ ツォンガ

どう見てもナダル錦織が抜けている

9-12シード トップ ラオニッチ ガスケ  ボトム ゴフィン フェレール

レース的にはガスケのほうがゴフィンフェレールより下。しかしラオニッチがトップでフェレールがボトム。

13-16シード トップ モンフィス ティエム  ボトム アグー アンダーソン

レース的にはモンフィス、ティエムのほうが上。

ノーシード レース上位から キリオス(11位) クエバス(13位) コールシュライバー(16位) この3人まで全員トップ

レースランキングで見るとこうなります。

①ジョコ山

1位ジョコビッチ、2位or3位(決勝の結果次第)ナダル、5位ラオニッチ、6位モンフィス、11位キリオス、13位クエバス、16位コールシュライバー

フェデラー

4位錦織←素晴らしい!、7位ティエム、14位フェデラー

③ワウリンカ山

8位ワウリンカ、15位ツォンガ

④マレー山

2位or3位マレー、9位ゴフィン、10位アグー、12位ベルディヒ

ジョコビッチは何をしたらこうなってしまったんでしょうか。おそらく考えうる限り最悪のドローです。

最もまずいのはキリオスかラオニッチから見たドローですが。モンフィスから見ても大概だと思います。

ただ、この偏ったドローが嵐を巻き起こしそうな予感です。

ジョコビッチとて余裕ではないでしょう。

ローマは全仏OPのシード決めに関わります。

錦織はまず8強、うまく狙って4強を取れれば最高です。

今週の疲れ具合からだとタフなSFを勝つのは相手がジョコビッチ以外でも難しいでしょう…