【ドロー解説】2016シンシナティMSの展望
こんばんは。
銅メダル決定の試合の解説、決勝の解説、要求されている内容が多く、時間が足りません。
しかも私は他競技も見ながら、1週目の時差を戻すように生活しているので大変です。順次、アップしていきたいと思います。
また、例のトイレットブレークについて公式見解が出る可能性も考慮して少し更新を待っているというのが現状です。
この問題はできる限り中立に、公正に判断して書きたいと思っていますので…
せっかく3位決定戦を前に結果に後腐れなく~という趣旨のことを書いたのにこの結果は大変残念でなりません。
さてシンシナティマスターズは日曜から開幕しています。
雨の影響もあって消化試合数は少ないですが、毎年のスケジュールを今年も踏襲している形です。
毎年カナダの決勝の裏で数試合始まっていることが多く、疑問も出ていましたが、今年は特にその批判が多い気がします。
五輪で決勝の日まで残っていた男子のシンシナティ出場選手はマレー、ナダル、錦織です。ソックはドロー前に欠場しました。男子ダブルス銅のジョンソンは早めに競技が終わったので、早い段階でシンシナティ入りしてます。
大会は高速サーフェスで、速めの全米に似たようなサーフェスになっています。
高速サーフェスが得意なフェデラーは7回優勝。去年は新技「SABR」を披露して優勝しています。もうSABR出てから1年経ったんですね…
この大会いまだ優勝なしのジョコビッチは左手首のけがで欠場。ここを優勝するとマスターズ9大会完全制覇なだけに残念です。大記録は来年以降に持ち越しです。
上位進出の可能性のあるマレー、ナダル、錦織は五輪明け。かなり横一線の優勝争いになりそうです。
①マレー山
[1]マレー
bye
カルロビッチ
(PR)モナコ
ドルゴポロフ
アンダーソン
(LL)マナリノ
[13]ガスケ
[11]ゴフィン
(Q)バシラシビリ
ソウザ
(WC)フリッツ
(Q)ユージニー
bye
[5]錦織圭
五輪メダリスト2名が入ったブロック。
トップシードとなった[1]マレーはジョコビッチ欠場もあり、年間1位争いに向け上位進出したいところです。
初戦はモナコが上がってくれば五輪で対戦したばかりなのでやりやすいですが、カルロビッチが上がってくると危険です。分かっていてもあのビッグサーブをこの高速コートで止めていくのは難しい。疲労もあり、コースを読み切れないと厳しい初戦になるかもしれません。
3回戦は復帰の[13]ガスケかそろそろポイントがほしいアンダーソンか。ガスケが来るとマレーは相性がいいですが、アンダーソンが来ると全米のリターンマッチになります。
[5]錦織は悪くはないというドローでしょうか。初戦はユージニーかフリッツと、マスターズ2回戦ということを考えれば比較的いい相手です。
ユージニーはなかなか上位に戻ってこれません。アジアチャレンジャー連続優勝で復活した時はすぐトップ30に来ると思ったのですが。またフリッツは52位ですが、ポイントの7割近くを10月~アカプルコまでに稼いだポイント。ここ半年ほどはパッとしません。
しんどいところですが、1勝で90pもらえるのでここはきっちり勝ちたいところです。
次戦は[11]ゴフィンでしょうか。ゴフィンは五輪でベルッチに敗れました。またウィンブルドンでも2セットアップから負けるなどここのところ波に乗れていません。
錦織とプレーすると噛みあうことが多いです。最近は大会に入ってからの練習相手にすることも多い間柄。テンポの速い打ち合いが見られるでしょうか。
錦織とマレーが対戦すると2大会連続。BIG4との対戦は今期11回目になります。なんとかここまではたどり着きたいです。
②ラオニッチ山
[4]ラオニッチ
bye
フォニーニ
イズナー
(Q)杉田祐一
A.ズベレフ
マウー
[15]バウティスタ=アグー
[9]モンフィス
カレノ=ブスタ
バグダディス
ポスピシル
(Q)ジャズーリ
(Q)ミルマン
bye
[8]ティエム
五輪を欠場した上位シードと五輪で活躍した下位シードの組み合わせになりました。
[4]ラオニッチはカナダで上位進出を逃し、上位陣の中では休養も十分。今大会の躍進は十分にあり得ます。
しかしラオニッチも厳しい相手になりました。シンシナティ決勝進出経験のあるイズナーが初戦に来る可能性があります。
ラオニッチが苦手なタイプが意外なことに同じビッグサーバータイプ。カルロビッチに1勝1敗、そしてこのイズナー相手にはなんと0勝3敗です。ラオニッチとしてはまずこの難敵を退ける必要があります。
日本の杉田祐一はなんとペリャ、エドムンドという上位選手を破っての本戦進出。五輪から好調を維持しています。
初戦の相手はズベレフ。厳しい相手ですが食らいついてほしいです。
[15]バウティスタ=アグーは五輪8強。状態は何とか持ち直してきたのでここで躍進がほしい。
一方[8]ティエムは五輪を回避し同じ週のロスカボスに出場する予定が、けがでカナダ、ロスカボスを飛ばすことになり、復帰戦です。初戦はミルマンかジャズーリ。復帰戦としては悪くないですが、五輪で錦織にいいプレーを見せ、予選をしっかりと勝ち上がっているミルマンには注目です。
またティエムは早いコートは比較的苦手。後ろから溜めて打つタイプなのでサーフェス適応力にも注目です。
そういう意味でこの山の台風の目は夏場から絶好調の[9]モンフィスです。2回戦までのドローも悪くないので、ティエムの状態次第では8強も見えています。またラオニッチはカナダで下したばかり。現状のモンフィスならカナダとの連続4強も可能でしょう。
③ナダル山
[6]ベルディヒ
bye
(Q)ベズリー
グラノジェルス
(WC)ベルダスコ
ラモス=ビノラス
トロイツキ
[12]チリッチ
[14]キリオス
プイユ
コリッチ
ペール
クエバス
クエリー
bye
[3]ナダル
イバニセビッチをコーチに招聘して初の大会となる[6]ベルディヒには注目。イバニセビッチの元弟子の[12]チリッチと3回戦で激突するのはなんの偶然でしょうか。実現すれば非常に面白いカードになりそう。
[3]ナダルは1週間で11試合の疲労と手首の状態が心配。五輪後のインタビューでは「100%ではない」とコメントしており、初戦免除でどこまで回復できるか。初戦のクエリーとクエバスの勝者はタフです。
そして[14]キリオスとの対戦が実現すれば初対戦からの因縁のカード。2年前のウィンブルドンではキリオス、今年のローマではナダルと得意サーフェスでお互い勝利しています。キリオスはけがが心配です。
シードの状態次第では一気にチリッチが来そうな気もしますが、チリッチもコーチ不在で、マスターズ4強の経験がありません…
順当にベルディヒとナダルになればナダルの得意カード(かつて17連勝)なのですが、一筋縄ではいかなさそうなブロックです。
④ワウリンカ山
[7]ツォンガ
bye
(WC)オペルカ
シャルディー
ジョンソン
デルボニス
(PR)ベネトー
[10]フェレール
[16]ロペス
(Q)M.ズベレフ
シモン
ディミトロフ
(WC)ドナルドソン
bye
[2]ワウリンカ
[2]ワウリンカはカナダに続いて第2シード。
すぐそこには全米720pの失効が迫っており、重要な大会です。
しかしシンシナティの通算成績は12勝9敗。トップ10に復帰して以降の成績は2回戦敗退、QF敗退、QF敗退といまいち。
ティエムと同様、後ろから溜めて打つタイプのプレースタイルなので、うまくフィットできるかが重要です。
初戦のアルマグロとドナルドソンはやりやすいか。
次戦の[16]ロペスはロスカボス決勝進出と好調です。シモン、ディミトロフとランキングは落としてますが実力者が揃っています。
[7]ツォンガは五輪を棄権寸前で敗戦。まずは足のけがが回復しているかが焦点です。
そしてここで紹介したいのがWCのオペルカ。イズナー、カルロビッチの系譜を継ぐ長身ビッグサーバーが若手で出てきました。
夏のアメリカシリーズからWCをもらってツアーデビューしていますが、結果も出しています。今後が楽しみです。
早くトンネルを抜け出したい[10]フェレール。初戦は復帰中のベネトーです。
山場は2回戦。ジョンソンは五輪シングルス8強でマレーを追い詰め、ダブルスではソックと銅メダルを獲得。もしかすると一気に跳ねるかもしれません。
シード勢に不安要素が多く、ここも荒れる気配がします。何事もなければワウリンカですが、ワウリンカも一応公式発表ではけが明けの大会です。
優勝予想
かなり困難です。普通ならマレーを挙げるんですが、さすがに五輪決勝の最後の方は疲れた顔をしていました。
優勝 マレー
準優勝 ワウリンカ
4強 モンフィス ベルディヒ
8強 錦織 イズナー キリオス ジョンソン
たぶんボトムハーフはカナダみたいななんだかんだワウリンカが収める気がしますが、今シーズンのマスターズのワウリンカだと何が起きても驚きません。
ナダルは高速コートでキリオスとの対戦が分が悪いですね。けががなければキリオス来るんじゃないでしょうか。
ラオニッチはイズナーに負ける予想。モンフィスが調子いいので一気に来そう。
錦織もマレーも疲れた状態でなんとか8強まで来て、疲れてる同士だと経験のあるマレーに分があるか。
でなんだかんだ勝ち上がっている間にマレーが体力を回復して優勝という予想です。
そろそろ今年の予想反省会でもしたいですね。かなり外してる気がします…
[1]マレー 五輪での疲労
[2]ワウリンカ けが明け復帰戦(?)
[3]ナダル 五輪での疲労
[4]ラオニッチ
[5]錦織 五輪での疲労
[6]ベルディヒ コーチ変更直後
[7]ツォンガ けがを抱えている
[8]ティエム けが明け復帰戦
こんな状況で優勝予想をする方に無理がある…
イズナー戦を超えれば、ラオニッチの初優勝もあるのではないでしょうか。