【オーダー解説】2016デ杯準決勝/入れ替え戦プレビュー
こんにちは。
全米が終わったばかりですが、いきなりデ杯準決勝と入れ替え戦が始まります。
このあと11時から日本戦ということで急いでアップしております。
能書きはちょっと書いてたら間に合いそうにないので、各会場の対戦カードと展望だけ書く雑な記事になります。
すべて左がホームです。
準決勝
イギリス×アルゼンチン(グラスゴー、インドアハード)
マレー×デルポトロ
エドムンド×ペリャ
マレー/マレー×デルボニス/L.マイヤー
マレー×ペリャ
エドムンド×デルポトロ
試合に名前がない登録メンバー…エバンズ(イギリス)
いきなりマレーとデルポトロの五輪決勝カードが実現です。従来エース格の選手は第4ラバーで当たるのがデ杯のルール上の基本ですが、今回はデルポトロがランキングを上げる途中のため、いきなり大一番となりました。
五輪決勝ではお互い疲れが見えた二人でしたが、今回は全米QF敗退後1週間程度の余裕がありました。前回よりさらにいい試合になるのではないでしょうか。
イギリスはマレー3連投での3連勝。アルゼンチンはデルポトロ+第2ラバーorダブルスで取るというのが勝つパターンになって来るので、第1ラバーの結果がそのまま勝敗に影響しそうです。
予想…イギリス3-1
クロアチア×フランス(ザダル、インドアハード)
コリッチ×ガスケ
チリッチ×プイユ
ドディグ/ドラガンヤ×エルベール/マウー
チリッチ×ガスケ
コリッチ×プイユ
クロアチアは全米3回戦敗退のチリッチの出来、対するフランスはツォンガ、モンフィスをけがで欠き、ガスケがけがの不安、
プイユが代表経験の少なさでそれぞれ不安材料があります。
メンバーが揃っており、全員に番狂わせを起こすだけの力があり、勝敗予想が困難です。
予想…フランス3-2
イストミン×BELLIER
ドゥストフ×ラークソネン
ドゥストフ/イストミン×BOSSEL/NIKLES
イストミン×ラークソネン
ドゥストフ×BELLIER
試合に名前がない登録メンバー…FAYZIEV、KARIMOV(ウズベキスタン)
スイスがベストメンバーからほど遠く、ワールドグループ落ちも十分にありそう。
スイス3番手のラークソネンはデ杯に強く、ラークソネンの2勝がまず条件になります。
ただウズベキスタンホームのクレー、地の利も含め、ウズベキスタンが有利でしょう。
予想…ウズベキスタン3-1
ベルギー×ブラジル(オステンド、インドアハード)
ゴフィン×モンテイロ
ダルシス×ベルッチ
ベメルマンス/DE ROOLE×メロ/スアレス
ゴフィン×ベルッチ
ダルシス×モンテイロ
昨年準優勝のベルギーに暗雲です。
エースのゴフィンはスランプ中。さらにカギとなるダブルスではスペシャリストのメロ/スアレスが相手。今回ブラジル相手にシングルス3勝できるかはホームのインドアハードとはいえ難しいです。
ゴフィンは復活のきっかけにしたい。16年躍進を支えたのはこのデ杯での経験。13年錦織と成績がだぶるところがあると評される最近のゴフィン。13年デ杯入れ替え戦で2勝し、復活の兆しを掴んだ錦織と同様、ここをターニングポイントにできるか。
予想…ブラジル3-2(かなり難しい)
キリオス×マーティン
トミッチ×コバリク
グロス/ピアース×マーティン/ZELENAY
キリオス×コバリク
トミッチ×マーティン
試合に名前がない登録メンバー…ゴンボス(スロバキア)
ベストメンバーを揃え、かつホームのオーストラリアは圧倒的に有利。スロバキアはエースのクリザンを欠き、非常に厳しい。
予想…オーストラリア3-0
カナダ×チリ(ハリファクス、インドアハード)
ダンセビッチ×GARIN
ポスピシル×JARRY
ポスピシル/SHAMASDIN×JARRY/PODOLIPNIC-CASTILLO
ポスピシル×GARIN
ダンセビッチ×JARRY
試合に名前がない登録メンバー…シャポバロフ(カナダ)、ラマ(チリ)
今回ラッキーもあって入れ替え戦に進んできたチリ。厳しいかと見られていましたが、カナダにも不安材料が。ラオニッチ、ネスターを欠くこととなり、ポスピシルに重責が集まりました。
チリはシングルストップのラマを外しており、3日目に投入してくるかもしれません。
いずれにしても、カナダ有利ではありますが不気味な試合展開になりそうです。
予想…カナダ3-1
ロシア×カザフスタン(モスクワ、インドアハード)
クズネツォフ×ネドベジョブ
ドンスコイ×ククシュキン
クラフチュク/ルブレフ×ゴルベフ/ネドベジョフ
クズネツォフ×ククシュキン
ドンスコイ×ネドベジョフ
試合に名前がない登録メンバー…POPKO(カザフスタン)
ありそうで最近なかったロシアと旧ソ連加盟国の隣国カード。
カザフスタンはデ杯になるとランキング以上の力を発揮してくる国。今回も額面上はロシア有利ですが、もつれるかもしれません。
特にデ杯で好成績を残しているククシュキンには注目。ククシュキンの2勝が条件になってきます。
ただロシアは最終ラバーの相手が3連投のネドベジョフなので、もつれてもなんとか差し切ることができるか。
予想…ロシア3-2
インド×スペイン(ニューデリー、屋外ハード)
ラマナジャン×ナダル
MYNENI×フェレール
MYNENI/パエス×ロペス/ロペス
MYNENI×ナダル
ラマナジャン×フェレール
試合に名前がない登録メンバー…ナガル(インド)
スペインがインドにベストメンバーを派遣しました。
ここまでしなくても…ということですが、これにはスペインの痛い失敗があります。
15年欧州ゾーン2回戦でスペインはアウェーでロシアと対戦。この時ロシアが極東で開催したので、上位選手は軒並み欠場。しかし結果は大方の予想を覆してロシア勝利。スペインは1年でワールドグループに戻ることができませんでした。
今後アジアシリーズを控える上位選手にとって、インドに遠征することは様々な面でマイナスですが、それを超えるだけの悔しさがありました。ベストメンバーで臨むスペインに死角なしです。
予想…スペイン3-0
ドイツ×ポーランド(ベルリン、屋外クレー)
シュトルフ×MAJCHRZAK
F.マイヤー×HURKACZ
ブランズ/MASUR×クボット/マトコウスキー
F.マイヤー×MAJCHRZAK
シュトルフ×HURKACZ
テニス大国ドイツですが、ベルリンで開かれる国際試合というのは非常に珍しいです。
ドイツはコールシュライバー、ズベレフを欠きますが、それでも有利か。
対するポーランドは大黒柱のヤノヴィッツが出場せず、厳しい展開。
スペシャリストのクボット/マトコウスキーの勝利は堅いですが、他が続けなさそう。
予想…ドイツ3-1
日本×ウクライナ(大阪、屋外ハード)
西岡良仁×マルチェンコ
ダニエル太郎×マルチェンコ
西岡良仁×スミルノフ
思い切ったオーダーで来ました。錦織をシングルスから外しました。
しかしここには植田監督の綿密に練られた作戦と、今後の見通しがありそうです。
五輪にも帯同し、植田監督はみなさんが思っている以上に様々なことを学び、この場に生かそうとしています。
今回のテーマは「脱錦織依存」のように見えます。
正直に言えば、第1、第4ラバーに錦織を出し、もう一つ取って勝つ、そういう選択肢もできたように思います。
ではなぜ外したか?それは錦織の疲労回復もありますが、ダニエル、西岡の成長を期待してと考えるのが自然でしょう。
つまり植田監督は、本気で日本をデ杯上位ラウンドに進めるための足掛かりを今回作ろうとしているのではないでしょうか。
いざとなれば錦織は3日目に投入があると思います。もちろん緊急事態を考慮して、です。
ただダニエル、西岡はこのチャンスを必ず活かすはず。特にダニエルはデ杯男です。これまでも結果を出し続けています。
まずはこの第1ラバーできっちり勝つことが条件になってきます。相手はスミルノフ。正直ランキングも低く、私も全く知らない選手です。
第2ラバーのマルチェンコは自身最高の全米ベスト16を挙げての来日。厳しい相手です。
ただ西岡も得意のハードコート、勝てない相手ではありません。
そしてキーになるのはダブルス。錦織がシングルスを飛ばしてダブルス参戦。かつてなかったパターンでのこの試合を取ることも勝利への絶対条件です。
特にスタコフスキーはボレーの名手。ダブルスで頂点に立つような成績こそ挙げていないものの、要警戒です。
デ杯特有の、片方を集中的に狙い撃つような戦術というのが見えてきそうです、日本はカレニチェンコ、ウクライナは杉田を狙っていくのではないでしょうか。
3日目は今のところ最終ラバーがスミルノフとなっており、2-2にもつれてもなんとかなりそうですが、しかし一方でここにスタコフスキー投入では?というのが私の予想です。
日本から見て初日を終わって2-0ならほぼ勝てる、1-1だとダブルス次第、0-2だと非常に厳しいという状況です。
また最終日に2-1で入った場合、もしかするとスタコフスキー投入の観点から、錦織の投入は第4ラバーではなく第5ラバーになるかもしれません。今回西岡ダニエルの成長を期待しての起用であれば、第4ラバーのダニエルがマルチェンコに勝って残留を決めれば最高です。錦織のシングルス0勝で残留を決めるのですから。これまでと全く次元の違う勝利になります。最悪そこがだめでも最後に錦織が待っていると思えば精神的余裕も違うでしょう。
土日は現地に行けますので観戦レポートを上げる予定です。そちらもお楽しみに。
現地のみなさん、わずか5000席しかない会場です。一人一人の声が大事になってきますし、距離が近いですから選手に必ず届きます。よろしくお願いします!