two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

案ずるな、夜明けは近い(2018ニューヨークSF)

2/17 現地19:30~(日本時間翌日9:30~)
New York Open
SF
[5]Kei Nishikori 1-6 6-3 6(3)-7 [1]Kevin Anderson

 

この惜敗は間違いなく悔しいです。
しかし悔しさと同時に喜びも感じています。
このフィールドで、勝負できる錦織圭が帰ってきた。
そう確信できる敗戦でした。

 

試合は第1セット、アンダーソンに全く歯が立たないところから始まります。
あっという間の失セット。内容はベストには程遠く、このまま敗れれば酷評は間違いないと思う内容でした。

第2セット、起点は第1ゲームでした。
2本のBPをしのぐと、気合が入ってきました。
そこからはプレーレベルが上がり、互角の勝負を繰り広げました。
今回錦織は半年ぶりのトップ50との対戦。そしてアンダーソンはこの勝利でトップ10に復帰することが確定したそうです。そんなアンダーソン相手に互角の勝負。

敗れはしましたが、この試合を見せられてポジティブにならない理由が見当たりません。

何が変わったのか?ということですが、単純なプレーレベルの向上に加え、アンダーソン相手に何をすればいいかが明快になったのがこの第2セットでした。

ビッグサーバーはそのビッグサーブ自体も脅威ですが、それ以上に危険なのが3球目攻撃です。
やっとの思いで返しても次を叩かれてはリターン側はノーチャンス。そうするためにビッグサーバーの多く、いや全員と言ってもいいかもしれませんがフォアハンドが得意な選手が多いです。
今日の錦織は2016年中盤戦のクレーコートでよく見せた相手バックハンドへの意識付け、釘付けが機能しました。

これでアンダーソンは攻撃する方法を失いました。時々バックハンドから仕掛けたりフォアハンドで打ち込もうとしますが、なかなか主導権を握れない場面が続きました。

 

ただ、初めてのグランドスラム決勝を経験したアンダーソン、強かったです。
最後までサービスを打ち続け、大崩れすることがありませんでした。
惜しかったのはアンダーソンがスマッシュミスをして錦織がBPを迎えたあのファイナルセットの場面でしょうが、そこもアンダーソンが難なく1stサーブを沈めエース。
250の準決勝ではありましたが、両者の勝ちたい気持ちがよく伝わってきました。250の決勝、いやそれ以上の試合だと言われても疑いはなかったでしょう。

 

なぜ負けてしまったのか、ですが、ファイナルセットタイブレーク、錦織が踏ん張り切れなかったというところでしょうか。
フレームショット2本、しかも先に先行してからということで、もう力が残っていなかったんだと思います。
正直2本ミニブレークして4-1なら決まっていたかもしれません。3-1からも確かセカンドサーブのリターンでした。そこからの数本のミスにギリギリで戦っていたことが現れたような気がしました。

 

正直に言えば私は現実的なので、錦織の復帰はかなり時間がかかると思っていました。
相手に合わせて落ちてしまうことも多い錦織です。ダラスを見てもわかりますが、相手のプレーレベルが上がらないと自分も上げきれない。
これから上位選手との対戦はしばらくコンスタントにあるかグレーです。そんな中でトップ選手としてのプレーを思い出し、かつそこで勝っていく。それをできるかは非常に怪しかった。クレーできっかけをつかみ、芝ではあまり活躍できないので爆発するには夏MSくらいまでかかると思っていました。

フェデラークラスでもない限り年15~20回負けます。そう考えると今回の負けはニューポートの時とは違って大きな学び、収穫を得ることができた負けで、私個人としてはすごくポジティブに考えています。

そのうち勝ちに変えてくれるはずです、この男なら。

最後に今日空港で撮った錦織さんです。

 f:id:twosetdown:20180218222013j:plain

天空へ。

夜明けは近いです。