two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【week preview】2018week14ドロー解説(デ杯QF、ゾーン2Rプレビュー)

こんばんは。

今週はデビスカップ第2タイが開かれます。レギュラーツアーはお休みです。
第2タイではQF4試合と各大陸ゾーングループの試合が行われます。

 

左がホーム、数字はシード番号です。

[8]イタリア×[1]フランス(ジェノバ、クレー)

イタリア
フォニーニ
ロレンツィ
セッピ
Berrettini
ボレリ

フランス
プイユ
マナリノ
エルベール
シャルディー
マウー

R1セッピ×プイユ
R2フォニーニ×シャルディー
R3ボレリ/ロレンツィ×エルベール/マウー
R4フォニーニ×プイユ
R5セッピ×シャルディー

 

日本に勝利したイタリアが今度はホームで昨年王者のフランスを迎え入れます。
フランスはメンバー選びに難航。ツォンガが手術で離脱、ガスケモンフィスも不調とあり、かつてのフランス 4銃士(これに加えてシモン)が一人もメンバー入りしない事態となりました。
正直2番手がシャルディーというのはかなり寂しい。なぜマナリノがメンバーにいるのに出れないのでしょうか…(どちらかというと前回マナリノは強制召集されたり結構デ杯に関してはかわいそうな立ち位置…)

世界史的に見ても因縁の深い両国の対戦成績はなんと5勝5敗。
日本戦同様にフォニーニが奮起すればイタリアのアップセットも十分にあり得ます。
第3ラバーでフォニーニ3連投を決断するのか。初日の結果がカギです。正直五分という印象です。

 

 

スペイン×ドイツ(バレンシア、クレー)

スペイン
ナダル
バウティスタ=アグー
カレノ=ブスタ→M・ロペスに変更
F・ロペス
フェレール

ドイツ
A・ズベレフ
コールシュライバー
シュトルフ
Marterer
Puetz

R1フェレール×ズベレフ
R2ナダル×コールシュライバー
R3ロペス/ロペス×Puetz/シュトルフ
R4ナダル×ズベレフ
R5フェレール×コールシュライバー

スペインにこの男が帰ってきました。ラファエル・ナダルです。

ナダルは昨シーズン終盤からけがと隣り合わせの状態。春のMSを飛ばして庭のクレーシーズンに備えてきました。
しかし、いきなりデ杯の5セットマッチ、しかも強敵ドイツとかなり厳しいマッチアップです。ナダルの今期クレーシーズンを占うには少し刺激の強い2試合になります。
ズベレフも復帰戦のナダル相手とはいえ気合十分でしょう。かつてIWマスターズであと一歩まで追い詰めながら敗戦。全豪でも惜しいところまで行きました。しかし未だ未勝利。公式ツアーではないとはいえ初勝利に向けて全力で臨むはずです。

ズベレフの不安はサーフェスチェンジか。直前までマイアミに残っていた影響がどう出るか。クレーでしっかりやれるフェレール、コールシュライバーもそれぞれ脇をカバーし、非常に渋いカードが続きます。今年のデ杯でも屈指の好カードと言っていいでしょう。
ダブルスの分だけややスペイン有利か。最後まで分からない熱戦に期待したいです。

 

 

[4]クロアチア×カザフスタン(ヴァラジュディン、インドアクレー)

クロアチア
チリッチ
チョリッチ
Galovic
ドディグ
メクティッチ

カザフスタン
ククシュキン
ポプコ
ネドベジョフ
Yevseyev
Khabibulin

R1チリッチ×ポプコ
R2チョリッチ×ククシュキン
R3ドディグ/メクティッチ×Khabibulin/ネドベジョフ
R4チリッチ×ククシュキン
R5チョリッチ×ポプコ

 

クロアチアはエースのチリッチが比較的クレーを苦手にしていますが、それよりもカザフスタンにクレーコーターがいないことを考慮してクレーを選択しました。
チョリッチが力をつけてきたことで、クロアチアも一気に優勝に手が届くチームになってきました。

カザフスタンは正直相手がスイスでなければ敗退していた可能性が極めて高いため、特別な補正がかかるカザフスタンホームでもないことから番狂わせは起きないでしょう。

 

 

アメリカ×[2]ベルギー(ナッシュビル、インドアハード)

アメリカ
ソック
クエリー
イズナー
ハリソン
ジョンソン

ベルギー
ベメルマンス
De loore
Vliegen
Gille

R1イズナー×De Loore
R2クエリー×ベメルマンス
R3ハリソン/ソック×Gille/Vliegen
R4イズナー×ベメルマンス
R5クエリー×De Loore

 

昨年準優勝のベルギーはエースのゴファンを欠き、非常に厳しいです。
アメリカはマイアミ優勝のイズナーを使ってきました。
疲労が心配ですが、実力を発揮すればアメリカに隙はないでしょう。

 

 

そして日本のテニスファンが注目したいカードがもう2つあります。
日本のデ杯入れ替え戦シードがかかっている重要な2試合です。

ITFチームランキング試算の方で解説しますが、現在日本のシード位置は入れ替え戦出場国の中で暫定6番目。しかし、アルゼンチンとチリの勝者は必ず日本の上に行くため7番手。これ以外に日本を上回れる可能性があるのはブラジルとチェコの2ヶ国です。

今の日本チームの実力なら入れ替え戦ノーシードでも勝てるのでは?という質問ですが、錦織の調子がどこまで戻るか不明なうえに単純に出ない選択肢もある上、入れ替え戦ノーシードの場合対戦可能性があるのが

オーストラリア(キリオス、トンプソン、ミルマン、コキナキス、ピアース)
イギリス(アンディ?ジェイミー、エドムンド)
セルビアジョコビッチ?クライノビッチ、トロイツキ)
カナダ(ラオニッチ、シャポバロフ、オージェ=アリアシム、ネスター)
こういった国です。もちろんフェデラーもワウリンカも出るわけないスイスや、格落ち感の否めないハンガリーなどもいるのですが、私の長年の勘から言うとノーシードになった場合上の4ヶ国を引きます。野生の勘です。

実際日本はかなりデ杯のドロー運が悪いです(その分ホーム率は高いが、実は今回ノーシードになりそうなのは、ずっとホームでの試合が続きアウェーボーナスがなかったのが原因の一つ)。嫌な予感しかしません。盛岡でドミニカとブラジルの試合を実況したほどです。このいろんな条件をくぐり抜けて悪い方向に行きそうな嫌な予感しかしていません。

 

というわけで対象の2試合です。

コロンビア×ブラジル(バランキージャ、ハード

コロンビア
ガラン
ヒラルド
A・ゴンザレス
カバル
ファラー

ブラジル
モンテイロ
クレザー
SORGI
メロ
デモリナー

R1ヒラルド×モンテイロ
R2GALAN×クレザー
R3カバル/ファラー×デモリナー/メロ
R4GALAN×モンテイロ
R5ヒラルド×クレザー

 

コロンビアは悲願の初のワールドグループ進出に向けて宿敵ブラジルとの対戦です。実はこのカード、ブラジルが過去8勝0敗としています。
しかし今回コロンビアは秘策を打ってきました。なんとホームで迎えるこの試合でハードコートを選択しました。
今回のコロンビアメンバーはもちろんクレー得意ですが、ヒラルドもゴンザレスもハードコートを苦にしないタイプの選手。対してブラジルはすべてクレーコーターです。
今回に限り、ハードコートは大きくコロンビアにとって地の利を生かす形になります。
さらにこのタイミングでコロンビアにかつてのトップ30、サンティアゴ・ヒラルドが帰ってきました。

ヒラルドは全米後試合に出ていませんでしたが、マイアミの予選から復帰。まだ未勝利ですが、ブラジルのメンバー相手なら十分にチャンスがあります。

一方ブラジルは2月に続いて大幅に格落ちのメンバー。今回はデ杯にも出れるはずのベルッチ、ドゥトラ・シルバ、ブルーノ・ソアレスなどがメンバーから外れています。

それでもダブルスにはマルセル・メロとダブルス専門のデモリナーが入ってきました。
カギはこのダブルスでしょう。コロンビアはシングルス3勝がなかなか難しい状況。今期ここまで好調のカバル/ファラーがコロンビアに勝利をもたらし、2-1でシングルスに回すことが条件になってくるでしょうか。

 

チェコ×イスラエル(オストラバ、クレー)

チェコ
ベセリ
パブラセク
SAFRANEK
ロソル
JEBAVY

イスラエル
セラ
LESHEM
OLIEL
エルリッチ

R1ベセリ×LESHEM
R2パブラセク×セラ
R3JEBAVY/ロソル×エルリッチ/OLIEL
R4ベセリ×セラ
R5パブラセク×LESHEM

 

チェコイスラエル両エースのプレーが勝負を左右しそうです。
イスラエルはダブルス専門のエルリッチがいてわずかに有利です。
まずはベセリ以外の3勝を取りに行くプランになると思いますが2番手が不安定。最終ラバーに回したくないと考えると、やはり第4ラバーでエース対決に勝つことが必要になってきます。

なおゾーングループ1は今回から3セットマッチ。また、2日目に第3ラバー~第5ラバーまで一気にやってしまいます。おそらくダブルスとシングルス同時に出ることはできると思いますが、極限状態のプレッシャーの中2日で3試合をこなすのはいくら3セットマッチとはいえかなり疲れます。この辺りどのような作戦を取ってくるのか注目です。


来年からデ杯の形式が変わる可能性が示唆されています。ゾーングループから上がる規定が変わる可能性もあり不透明なので、日本は絶対にワールドグループから落ちてはいけません!!!

あと入れ替え戦に向けての応援のいい予行演習になると思います。
ホームになるかはわかりませんが、ホームならこれくらい盛り上がっていいという指標になります。
散々盛岡で声出そうと言っていた理由がわかるはずです。
※といってもDAZNでしか中継されないと聞いてますが…

 

最後に日本と対戦可能性のある国ということでゾーングループ1の8試合とすでに決まっている入れ替え戦出場国を並べて終わります。

ワールドグループ敗退組
イギリス
オーストラリア
スイス
セルビア
カナダ
日本
オランダ
ハンガリー

ゾーングループ1 2回戦
コロンビア×ブラジル
アルゼンチン×チリ
中国×インド
パキスタン×ウズベキスタン
チェコ×イスラエル
スウェーデン×ポルトガル
スロバキア×ボスニア・ヘルツェゴビナ
ロシア×オーストリア