two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

2019全豪OPドロー解説&4回戦まで振り返り その2

昨日の記事の続きです。

 

フェデラー

 

[]チリッチ

トミッチ

ルブレフ

マクドナルド

モー

アルボット

(Q)ケマノビッチ

[26]ベルダスコ

[22]バウティスタ=アグー

マレー

デルボニス

ミルマン

西岡良仁

サングレン

ゴヨブチック

[10]ハチャノフ

 

[14]チチパス

ベレッティー

(Q)トロイツキ

カルバエス=バエナ

(Q)Travaglia

アンドレオッシ

(Q)Eubanks

[19]バシラシビリ

[30]モンフィス

ジュムール

ノーリー

フリッツ

(Q)伊藤竜馬

(Q)エバンズ

イストミン

[]フェデラー

 

 

昨年の決勝カード、[]フェデラー[]チリッチがQFで激突するブロックになりました。

フェデラーは4Rまでは[14]チチパスに注意か。

ホップマンカップでは退けたフェデラーですが、公式戦では未対戦で、一発あるかもしれません。

チリッチのブロックは注目カードが目白押し。

引退を発表した(いったん白紙に戻した?)マレーが初戦で[22]バウティスタ=アグーと対戦します。

最後の全豪となる可能性が高いマレーですが、どんな試合を見せるか。復帰後もシードダウンを演出して、健康であれば強さは健在です。

2回戦ではミルマンとの対戦か。全米でベスト8に入り、全豪シリーズも好調。こちらもいい試合になりそうです。

西岡良仁はサングレンと。西岡は2017年前半戦で達成しているはずだった、松岡修造さんの46位越えに向けて一戦必勝の大会が続きます。現在69位。キャリアハイの更新も目前です。サングレンは全豪ベスト8。これと前哨戦のオークランドの優勝でランキングは高いですが、どちらかと言えばそれ以外はぱっとしない成績の方が目立ちます。その日の調子次第で十分に勝てる相手だと思います。

チリッチは厳しい相手が続きます。初戦が地元トミッチ2回戦がルブレフかマクドナルド、3回戦にはかつてこの大会でナダルを破った[26]ベルダスコがいます。4回戦の[10]ハチャノフも一発あります。

チリッチはこの大会に1200pのディフェンドがかかっています。今後のツアーを考えても8シードはキープしておきたいところ。負けられない戦いが続きます。

 

3年ぶりのGS本戦となった伊藤竜馬エバンズと。予選勝者の対戦相手の中では比較的楽なほう。4年半ぶりのGS初戦突破もありそうです。

 

 

 

大荒れのブロックになりました。

チリッチは微妙な結果でした。3回戦のベルダスコ戦もほぼ負けでした。

ただ、MPでベルダスコがDFすると私も思っていたし、多くのテニスファンも思っていたでしょう。2年前にドーハでジョコビッチに勝ち損ねたこともありました。まだまだやれることは分かっていますがあと一歩が遠い。あのシーンももう少し差のあるカウントであれば決まっていたでしょうが…

チリッチはこのピンチを潜り抜けてチャンスありかと思いましたが、結局アグーに敗戦。なかなか調子が上がってきません。

昨シーズンは全豪準優勝の後はピリッとしないものの、確実に勝ち残ってポイントを積みました。開幕ダッシュが切れずトップ10落ちもありうるこの状況から、どこまで巻き返せるでしょうか。

 

そしてこの試合を振り返りましょう。マレーとバウティスタ=アグーの一戦です。

マレー、本当にすごかった。一部しか試合は見ていませんが、2セットダウンからの粘り。持ち味となる粘り腰を痛みに耐えながらやってのけました。そして結果論になりますが、その後のバウティスタ=アグーの勝ち上がりを考えると、まだまだトップでやれるということを証明してくれました。

マレーは片手落ち、いや両手落ちの状態です。日常生活にも支障が出るほどの痛みというのがどれほど厳しいかは、想像に難くありません。それでも最後まであきらめなかった姿は、多くのテニスファンに感動を与えたと思います。

全豪では最後になると発言したマレー、その後のプレカンの内容から実質引退宣言という風潮が高まりましたが、試合後訂正がかかりました。昨シーズンツアーを離脱したボブ・ブライアンの症例を参考に、手術などに踏み切る可能性も出てきました。

引退がうやむやになった以上、まずは動向を見守るほかありません。そして健康であれば、おそらくまたトップに戻ってくると思います。良い結果を祈りながら待ちたいと思います。

 

アグーもやりづらかったと思います。陣営以外はマレー応援一色の中、TSD負けの恐怖から脱出しました。

2回戦のミルマン戦でも同じ状況に陥ったアグー。タイブレークで6-2の4MPを落としてファイナルセットへ。またしても地元ミルマンへの声援になりアグーは完全アウェー。しかし地力で何とか振り切りました。

前哨戦を勝ち、体力切れも不安視される中でそこからハチャノフ、チリッチまで破ったのは見事でした。ベスト8までのドローとして大会史上屈指の厳しさだったと思います。

これでアグーは初のGSベスト8。大きく一皮むけました。堅実性が売りのプレースタイルですが、今年はまだまだ活躍しそうです。

 

ミルマンもこのアグー相手にフルセットであれば不満なしでしょう。

今シーズンは悲願のツアー初優勝をぜひ達成してほしいです。4月のクレー250、9月のアジア250とかチャンスだと思います。

 

西岡はよく初戦を突破しました。サングレンは簡単な相手ではありませんでしたが、しっかりと勝ち切りました。シードに敗れてしまうのは仕方ないので、まずはトップ50以下からきっちり勝ちを拾っていく。それができれば、9月までに相当ランキングを上げれると思います。楽しみです。プロジェクト45、3人目の突破者が現れることを期待しています。

 

そしてこの話題です。フェデラーとチチパスの一戦。

2セット目から見始めたのですが、フェデラーのフォアハンドが伸びない。対して、チチパスのプレーは完成されつつありました。若さを感じさせない総合的なプレーで対抗します。

そして転機は2セット目。再三のBPを取り切れなかったフェデラーの歯車が狂います。その後も幾度となくチャンスを逃し、追いつかれたところで実は勝負は決まっていたのかもしれません。

ここのところのフェデラーの敗戦ですが、もつれて敗れるよりも、このように先行しながら潮目が変わって追いつかれて負けるパターンです。

全米ミルマン、ウィンブルドンアンダーソン、マイアミコキナキスなど、1セット目(および2セット目)を取って先行し、もつれたところから立ち直れず敗戦。

もちろん37歳を迎えるフェデラーが体力切れに近いような形で負けるのは仕方ないのですが、相手やその内容など、ショッキングな出来事が続いています。

実際、18年全豪は準決勝で途中棄権勝ちというラッキーがあったことが、決勝フルセットを勝ち切れた理由ではないかと思います。

つまり、7試合をきっちり戦って体力を残しながら勝ち上がっていくのは、もうこれからは相当難しいのではないかと思います。

そんなフェデラーはクレーシーズンへの出場を表明しました。ポイント稼ぎではなく、調子を維持するためとのことですが…

多くしのぎを削ってきたBIG4のマレーの引退(に近い)宣言なども影響するでしょう。私はあまり口にしたくないですが、フェデラーの最後の試合も、そう遠くないところに来ている気がします。

 

チチパスは見事でした。自分のアイドルと語り、片手バックハンド打ちでも尊敬するべき相手に対し見事なプレーを披露しました。そういえばnextgenファイナルの優勝者が全豪で勝ち上がってますね(QFの結果も含めると、2年連続ベスト4)。いやー恐るべきというか、大会通じても思いますがnextgenがとにかく来てますね。

 

といっても、今回はyoung guns世代の逆襲(錦織、ラオニッチ、プイユ)も目立ちます。世代間抗争という意味でもこの大会は面白い。

 

 

ナダル

 

[]アンダーソン

マナリノ

ティアフォー

(Q)Gunneswaran

ロペス

トンプソン

セッピ

[31]ジョンソン

[20]ディミトロフ

ティプサレビッチ

エバ

ラジョビッチ

WC)キュブラー

ファビアーノ

オペル

[]イズナー

 

[13]エドムンド

ベルディヒ

ガルシア=ロペス

ハース

WCPolmans

クドラ

QMolleker

[18]シュワルツマン

[27]デミノー

ペドロ・ソウザ

バシッチ

Qラクソネン

エブデン

シュトルフ

WC)ダックワース

[]ナダル

 

 

史上初のオープン化以降ダブルグランドスラム(全てのGS2勝以上、オープン化前も含めるとレーバーが達成済み)がかかる[]ナダルが最右翼です。

ナダルはけがとの闘いです。足回りなどのけがの状況が問題なければまず間違いなく上位進出でしょう。実際健康にプレーできたカナダでは優勝できているわけですし、ハードでも大丈夫だと思います。

初戦はダックワース。ダックワースは、全豪公式の大会開幕前の注目カードのツイートに自分の試合を自薦するユーモアを見せました。はたしてどこまで食い下がれるか。2回戦もエブデンシュトルフと骨がありそう。さらに3回戦は昨年全豪シリーズで一躍時の人となった[27]デミノー。タフなマッチアップが続きます。

4回戦は相手次第という感じです。昨年ベスト4の[13]エドムンドは微妙な状態で、ここは[18]シュワルツマンの方が怖い。ナダルは過去にシュワルツマンと対戦した次戦で棄権負け+次戦負けとなりました。シュワルツマンとのマッチアップは非常にタフで、2018全米で錦織も相当やられましたが、ナダルもフィジカルに不安がある状態で突っ込めば相当危険です。

このブロックには復調気味のベルディヒがいます。昨年ベスト8の失効もあり、エドムンドとの初戦が注目されます。

 

昨シーズン大旋風を巻き起こした[]アンダーソンは前哨戦プネーで優勝。今年も上位争いに絡んできそうです。

ただアンダーソンはやや全豪が苦手。特にここ3年は初戦敗退(1年欠場あり)。試金石の大会となります。

注目はセッピでしょうか。全豪と相性がいいセッピ、過去にフェデラーも破っています。このブロックでは台風の目になりそう。

昨シーズン悲願となったファイナル進出を決めた[]イズナーもこのブロック。初戦は面白いゲームになりました。ATP屈指のビッグサーバーで、おそらくイズナーの後釜になっていくであろうオペルカです。新旧アメリカビッグサーバー対決、面白くなりそうです。もしかしたら、全セットタイブレークで、今大会初導入されるファイナルセット10ポイントタイブレークの試合になるかも?

[20]ディミトロフはいいドローです。かつて全豪4強。ブリスベンも決して悪くありませんでした。イズナーがこけるようであれば上位進出はこの人か。

 

 

 

うん、読みは外してなかったですね。まずはイズナー。全セットタイブレークという完璧な予想だったものの、結果はオペルカの勝利…

これでオークランドから通算して2連敗。タイブレ1勝5敗です。

運がなかったと言えばそれまでですが、イズナーはタイブレ勝率も高く、気になります。

また好調時はストロークもよく、ブレークでセットを決めることもあっただけに、1ブレークアップ以上してセットを取れていないのも気がかり。

昨シーズンのイズナーもスタートに失敗していますが、その後のマイアミ1000pの失効も近いです。この失効が来ると一気に落ち、しばらくトップ10に戻ってこれない可能性が高いです。

今年トップ10の入れ替わりは必至ですが、じゃあ誰が落ちるのかと考えるとどうしてもイズナーの名前が挙がってしまいます。奮起に期待です。

ディミトロフは正直チャンスを活かしたかった。もったいない敗戦と言えるでしょう。

 

アンダーソンは相手がティアフォーなら仕方なかったか。昨シーズンも初戦がベスト4のエドムンド。少しドローに恵まれていません。そのティアフォーはアンダーソン→セッピ→ディミトロフの3タテです。見事というほかありません。

 

このツイートが光ります。

 

あの時見てた人、どんどん価値上がってますよ。

 

ナダルが充実しています。なかなか骨のあるドローのはずだったのですが相手を全く寄せ付けていません。

現状ベスト8の8人の中では最もいい状態であり、優勝に近いと思います。

象徴的だったのが4Rベルディヒ戦。エドムンド、シュワルツマンを破って上がってきたかつてのトップ選手相手。しかも過去に全豪でやられている相手です。普段の相性はいいとはいえ、ダブルベーグルもあり得たほどの圧倒劇で快勝。驚きを隠せません。

ジョコビッチの状態が悪く、クレー以外でも勝てるようだとこの人の年間1位も十分にあると思います。そんなここまでの勝ち上がりです。

 

そしてベスト16に入ったベルディヒはもう完全復活でしょう。結果が連続して出ています。今シーズン上位争いに食い込んでくる可能性が十分にあります。

 

 

 

 

開幕前優勝予想

一応ジョコビッチにしておきますが、かなり混戦です。フェデラーナダルの状態がどこまでか、不気味な第2クォーター、調子のいい錦織、やはり怖いアンダーソンなど、ふたを開けるまで分かりません。

 

優勝 ジョコビッチ

準優勝 フェデラー

ベスト4 ティーム アンダーソン

ベスト8 錦織 ズベレフ ハチャノフ ナダル

 

ナダルはシュワルツマンと対戦して次戦でパフォーマンスを落とす予想です。

 

 

ベスト8出そろった段階の今後の予想

 

優勝 錦織

準優勝 ナダル

ベスト4 ラオニッチ チチパス

ベスト8 ジョコビッチ プイユ アグー ティアフォー

 

 

完全なる妄想

たまにはいいじゃないですか。それほど今回の錦織の勝ち上がりはドラマチック。

それならアグーとのドラマチックファイナルを予想すればより面白いんでしょうが、さすがに今のナダルなら決勝までは電車道でしょう。

え?どうやってジョコビッチに勝つかって?

え?どうやってラオニッチに勝つかって?

え?どうやってナダルに勝つかって?

知らない

 

いや今回ばかりはね、理論派の私ですら奇跡を期待しますよ。

逆に考えて、錦織の最初のグランドスラム獲得がこれなら納得がいきませんか?彼らしいというかなんというか。そういう意味では今回は最高の環境です。

 

まあそうはいっても、現実的に優勝するなら決勝はナダル以外じゃないときつい。BIG4を2人倒して優勝なんて厳しい。優勝のためには、ある程度の運はさらに必要でしょう。もうジョコビッチとやることが決まった以上、余計に。

 

それにしても今大会は各所でドラマが起きています。また選手それぞれのいいところ、課題、それがたくさん見えてきているGSではないでしょうか。要するに神大会です。面白い。

14日間休みならずっと見てたんじゃないですかね。現実無理だけど。

 

明日に備えて今日はこの辺で。