two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ショックだが、一度目までなら許される敗戦(2019ドバイまとめ)

1回戦からストロークの調子がかなり悪く、2回戦でどう修正してくるかな、という試合でしたが、修正しきれませんでした。

 

1セット目の序盤はフルカシュがリターンを全く合わせられず、淡白な展開で試合が進み、4ー4まで錦織がサービスポイント16ポイントをすべて取る内容。

さらに錦織のリターンでも返球さえすればラリーでほぼポイントが取れる展開。ここまでは錦織が負けるイメージはありませんでした。

さらに5-4とブレークに成功し、迎えたSFSで事件が起きました。

それまでも入っていなかった1stサーブが極端に入らなくなり、すべてセカンドサーブとなってブレークされます。

さらに12ゲーム目でも力なくサービスを落とし、5-7でセットダウン。

 

衝撃でした。テニスの恐ろしさを感じさせるシーンでした。

2セット目に入って、錦織はプレーを取り戻して5ー1とリード。この場面でもリターンさえ返していれば自分のポイントにできていましたが、ここでまた同じ出来事が起きます。SFSを2度落とし、この間にフルカシュのプレーがみるみるよくなっていきます。

5-5で迎えた11ゲーム目はフルカシュがおつきあいしてしまい錦織がブレーク。12ゲーム目を取ってセットオールとなりました。

しかし、この間にサーブの調子を取り戻したフルカシュが簡単に崩れなくなります。1セット目序盤同様エースを打ち始め、さらにストロークにも勢いが出てきます。

 

一方錦織は悪くはなかったものの、定期的にフォアのミスを繰り返しなかなかいい時間帯を作れません。

第4ゲームはアンラッキーでした。錦織のフォアウィナーがネットに嫌われ大きく跳ねてアウトに。さらにフルカシュのリターンがどう頑張っても取れないネットすれすれに落ちて、これが傷となりブレークを許します。
このゲーム、錦織が悪いわけではありませんでした。
しかしビッグサーブ気味、調子を上げてきたフルカシュに対抗する手段はもう残っていませんでした。そのままキープを重ねられて最後はフルカシュが何を打ってもウィナーの状態。勝ちビビりもなく、初のトップ10勝利を錦織が献上する形になりました。

 

敗因を簡単に言うことはできて、フォアハンドの不調と1stサーブの確率に尽きます。
最後には焦りからかバックDTLまでオーバーするようになり、どうしようもありませんでした。

ストロークが調子悪い時間帯に輪をかけて1stサーブの確率も落ちたことが、対処不可能になってしまった原因でした。

 

少し気になったのは、1回戦のペール戦試合前に右手首のテーピングを直してもらっていたことです。
普通であれば試合前にそういった処置は行ってから出てくるはずなので、不思議に思っていました。

現実の結果と比較すると、やはり手首の状態については疑問視せざるを得ません。
去年復帰してすぐの、フォアに頼れない状態に近いものを感じました。

また風の影響もあったと思います。初戦から風が強く、ボールをコントロールできないシーンを何度も見ました。

 

フォアハンドとサーブの絶不調が何だったのか、原因をきっちり修正すればIWではまた難なく勝てると思っています。本来調子が悪くなければフルカシュのプレーがよくなる前に片付いていた試合でした。

フルカシュが尻上がりに調子を上げ、勝ちビビりもなく勝ったのはあっぱれですが、やはり錦織は勝てた試合であったというのが正直な感想でしょう。

 

ただ、本来トップ選手でも年に数回こういう試合は出ます。
好調だった2017フェデラーもこの大会でドンスコイに敗戦、通称ドンスコったということもあります。今日がGSやMSでなかっただけよしとしましょう。

この1敗がただの1敗で終われば問題ない話です。

そのためにも、手首のケアはきっちりしてほしい。その他の要因であれば大会が変われば解消されるはずですから。

 

ツアー全体のことを考えると、錦織の安定感はここ半年で見ればジョコビッチの次に位置するというほど安定していて、ベスト8に残れなかった大会はシンシナティまでさかのぼります。

メドベデフも敗れました。ジョコビッチ以外は今のところ戦国時代の様相です。勝てるときに大きく勝ちましょう。それでいい。それがMSやGSの決勝なら、言うことなしです。