WUGファイナルカウントダウン ①衝撃の交響曲
「今田さあ、来週のWUG来ないの?」
2015年7月、私の友人との会話。
私はこの言葉を一生忘れることはないだろう。
当時の私はブログ「two-set-down」*1も軌道に乗り始め、学生生活を適当にうまく処理謳歌しながら、毎日を過ごしていた。
ただ一つ、どうしても忘れられないロス現象があった。それがロスト・ハナヤマタ現象だった。
見始めた理由は「なんとなく」で、この日に他に見るものがなかったとか、そんな消極的なものだった。実際、夏アニメ詳細が出た段階で視聴リストには入っていなかった。
それが8月を過ぎる頃には、見ていた他のアニメを圧倒的に凌ぐほど「最も続きが見たいアニメ」になり、ついには9話から1周目の視聴*2で必ず号泣するようになってしまった。
9月、アニメ放送が終わり、錦織はグランドスラムのファイナリストになった。
私の人生、この時から先の10年を決定づける大きな出来事が、わずか1ヶ月の間に2つ起きていたのだ。
アニメが完結し、行く当てのなくなった私は、別の事情で初代ブログ(とらきちの悠々自適生活)も閉じ、一気に生活が一変した。残っている資料を漁り、過去のニコ生やMAD動画なども全部見た。そんな時、ある動画に出会った。
この動画はすでに投稿者によって削除されてしまっているが、代用として似たような感覚を得られる別の動画を貼っておく。
私が見た動画は、ニコ生で他のキャストがものを落としてしまった時に、田中美海さん(以下みにゃみ)がゲラゲラ笑っているというものだった。
直感、「ああ好きだなあ」と思ったわけだが、この第一感がじゃあどこから来たのか?ということを、もう少し言語化してみると
・素で笑ってるのが好き
・そもそも、ニコ生という不特定多数空間で素を出せる強さ
・転じて、仕事を楽しんでいることが伝わる
TSDブログお得意の、本質は最後にある、という話で、この子は声優に向いているなあと思った。
しかも、実力があるのは明白だった。モノマネの形態模写もうまいし、ハナヤマタでの演技も遜色なかった。
後から知って驚いた話だが、この時のメインキャスト5人のうち、3人は若手新人。しかしそんなことは感じさせないほどみんなうまかったし、事実この時の主演だった上田麗奈さんは、翌年声優アワード新人賞を受賞した。*3
以前私がプロライターになった時に書いた一節を再掲したい。
一つの頂に立った日(プロライターになって思うこと) - two-set-down新章
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よく「なぜ推しを推してるのですか」という質問を受けることがある。
色々理由があるのだが私は「好きなことを仕事にできてるから」と答えることが時々ある。
私には、やりたかったけどできなかったことを彼女たちはやっている。それは憎しみでも悔しさでもなく、素直に尊敬の対象なのだ。
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きっと人によって推しの定義は違う。色々あるだろうけど、私には
①圧倒的な才能を感じる
②好きなことを楽しそうにやっている
③同時に、現在の地位はそのポテンシャルに対して圧倒的に低い
というのがある。当時、みにゃみはまだWUG1期のアニメ放送が終わり、ハナヤマタに出演して、あとプリパラの真中のんでちょっと出演していたような時期。現在から比較すれば、WUG関連の仕事以外はまだほとんど来ていなかったような頃の話である。
この子を追いかけてみるか。
それまでアスリートをたくさん応援することはあっても、こういった「追っかけ」に近いことはしたことがなかった。
時間もお金もかけることは、一種のギャンブルだ。
今までスポーツ観戦という全くお金のかからない趣味しかなかった私にとっては、なおさらだ。
そして、2015年4月、最初のイベント*4に行った。
最高の景色だった。
そしてハナヤマタの2期は発表されず、男は、ハナヤマタロスに入っていった。
「今田さあ、来週のWUG来ないの?」
2015年7月、私の友人との会話。
実際当時の私は困っていた。調べていくと、みにゃみは「Wake Up, Girls!」という声優ユニットグループに入っているらしいのだ。声優活動の全てを追っていくうえで、避けては通れない存在だった。
だが、チケット代は高い。2回公演回し?両方行ったら1万5000円?
学生身分には高かった。行きたくて行ったハナヤマタのイベントとは違う。行くか迷っているものに、同じような値段を突き付けられるときつかった。
しかも、当時WUGのことを検索するとネガティブな内容しか出てこなかった。監督批判、アニメの作画崩壊、アイマスやラブライブなどを目指そうとして失敗した、など…メンバーの今後すら怪しいような内容だった。
とりあえず、1回行って、それでだめそうなら見切りをつけよう。
そう決めて、地元の大阪公演だけ行くことにした。
ライブ前に楽曲を覚えていく、いわゆる「予習行為」をしないとと思い、最初に見た動画がこれだった。
ふーん、こんなものかと思った。まだまだ力不足、新人だし仕方ないか。
おそらくこの動画を見た人も、同じことを思ったのではないだろうか。私は、大きく期待もせずに私服で適当な時間にライブ会場に向かった。
そしてライブが始まった。
MCで「新曲5曲やります」と突然の発表、興奮も冷めやらないまま流れたのがこの2曲だった。
何これは。こんなのできるの?聞いてないんだけど。
予習をした段階では元気いっぱい溢れる感じで、まだ若さとか青さみたいなのが垣間見える感じだったのが、なんだいこれはという感情に支配された。
重厚感あふれる楽曲の少女交響曲、電子音やシンセなどをふんだんに盛り込み、いかにもエイベックスっぽい、かっこいい曲の素顔でkiss me。
まさに大迫半端ないってコピペである。
言うといてえやあ、できるんやったら!!!
終演後、友人と会った私が放った第一声は、ツアー福岡のチケット、余ってないのか、だった。
この7人に賭けてみる価値はある。
4年にわたる、長い道のりの最初の夜だった。
※このブログは普段テニスの記事を書いていますが、3/8さいたまスーパーアリーナファイナルライブまで、毎日カウントダウン兼宣伝・応援記事を短期集中連載で書いていきます。初日からなかなか飛ばしてますが、マイナスのことも思いっきり書きますのでくれぐれもご注意を。