two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

ATP race to Tokyo 2021(3月22日付)

こんばんは。

 

いやーATPも困ったもんですよ。なんと2020年から通算して4度目のランキングに関するルール変更です。*1

大手のランキング計算サイトもこの改正に四苦八苦。独自のプログラムを組んでいる人たちですので簡単に変えられずルール対応に苦しんでいて、今日現在でも正確な数値を出せていません。

既におなじみplumさん(Twitter:@plum_vk)と私はそれぞれ個人の計算チャートで問題なく動作することを確認しています。まさに正確性が売りのメイドインジャパンクオリティといったところでしょうか。

 

ルール改正の詳細と選手への影響は木曜日に別記事でアップする予定です。

 

さてこれで影響を受けたのはATPランキングだけではありません。私のrace to Tokyoの試算プログラムも抜本的な見直しを強いられました。

アカプルコ/ドバイの週の段階で実はある程度出来上がっていましたが、念のためポイントが半分になるルールとマンダトリー解除の実際の運用を22日付ランキングで確認して、問題がないことが判明。そこから再度チェックを行い、なんとか今日公開に至りました!


こちらが最新の22日付race to Tokyoです。

 

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次回マイアミ後の回で詳しく再度説明しますが、現在のランキングポイントから2019シーズンのIW1週目~全仏2週目までの大会のポイントを50%にして全てノンマンダトリーに変更。ただし19年ローマと全仏は完全失効、代わりに20年ローマと全仏を50%にして処理しています。これが2021年6月7日付ランキングの基礎点です。

またこれから全仏まではマンダトリー大会が一つもないため、19大会のベスト(19-20年で残ってるマンダトリー+残り大会のベスト)で計算しています。

 


なお、現状では確定できない要素が2つあります。

①20年ローマ・全仏のポイント処理方法
20年にローマと全仏に出場し、19年のポイントを置き換えられなかった場合、19年のポイントが100%失効した時に20年の成績が復活するかどうかがルールブックを読んでも判断できませんでした。

具体的には錦織の例が分かりやすく、19全仏360p、20全仏45pを獲得しましたが、現在採用されているのは19年の360pです。
21年の全仏が終わればこの360pは全て失効されますが、仮に21年に1Rで敗退だった場合、20年のポイントが復活して22.5ポイント(50%されるため)が入るのか、21年1R敗退の10ポイントになるのかどうかということです。

私としては、ATPの新ランキング制度を公式が「Best of」と表現していることから、常に同一大会について2年間のどちらかいい方を採用するという意味と捉えていますので、21年大会終了後、20年の成績は21年の成績に関わらず一旦復活し、20年21年で比較されてベストな方が採用されると考えています。ローマの結果が出て確定するまでは、race to Tokyoのポイント計算もその仕様で行います。

それに、錦織の例だと分かりにくいですが、例えばある大会で19年360p、20年180p獲得した選手がいた場合に、21年に10ポイントだったとして、その180pが採用されなければ何のために無理して20年の大会に出たのか分からなくなってしまいます。そういったことを考えても私の説が正しいのではと推測しています。

 

②小数点の切り上げについて
22日発表のランキングでは、小数点以下のポイントを切り上げしています。
例えばある大会で45pを獲得した場合、50%にした後のポイントは23pで計算されています。
今後小数点以下のポイントが大量に発生した場合、個別にポイントを切り上げて足し上げるのか、全てを合算した時に小数点を切り上げるのかが今の段階で分かりません。
これはマイアミが終われば確定します(IW+マイアミで両方小数点の成績になる人が出るため)。今週の表では小数点付きで計算していますが、4/5以降は対応したルールで計算を行います。

 

以上2点についてご了承頂きたいです。また主に①について、ルールブック解釈など何か情報を持っている方がいらっしゃいましたら、コメントかTwitterで意見を頂けると非常に助かります。

 

なおrace to Tokyoの表の見方については前回の記事で解説しましたので、そちらを参考にしてください。


表を見てわかる通り、ついに100位までの表に錦織の名前が初登場しました。現在74位。Alt3の位置です。
ロッテルダム、ドバイで計180p加算。錦織は出場大会が少なく、しばらくは他の選手に比べてrace to Tokyoのポジションが上がりやすい状況にあります(言い換えると、それだけ失効した時にダメージを食らいやすいということでもあります。五輪関係なくとにかく成績を残すことが重要です)。
全豪が終わった段階では錦織の五輪出場にはこれから最低でも300ポイント必要で赤信号という見解を出していましたが、200ポイント近い加点で一気に黄信号まで戻してきた印象です。

なお、先日Twitterのフォロワーの方から質問で「五輪にPRは使えないのか」と聞かれましたが、ATPルールブックを読む限りでは、錦織は復帰後9ヶ月以内までにしかPRを使えないため、復帰後10ヶ月以上経っている五輪には使用できないと考えています。


その他前回の表と比較して目立つところを紹介します
・カラツェフは既に安全圏ですが、さらにジャンプアップ。
・フチョビッチ、アリスがボーダーから圏内に上げました。
・2020年版や今年年明けにはボーダーよりだいぶ上にいた西岡が落ちてきています。今シーズンの出だしで相手が厳しかったとはいえ勝ちを積み重ねられず、欧州に入ってからもピリッとしません。今後も続くようだとボーダー以下転落もあり得ます。

 

残り2ヶ月ちょっとですが大きな大会がたくさん残っているため逆転の可能性はまだまだあります。ボーダー上の選手も油断できません。

実際このうちどれくらいの選手が出るかも分かりませんしね…なんやかんやで100位くらいまでエントリーできても不思議ではないです。

 

当ブログでは当確が出揃う全仏1週目後半まで毎週更新していきます。海外向けファンのために英語版の運用もしたいなと思っています。まだまだプログラムに改良も必要ですし*2他の作業もあります。

 

ありがたいことに先の仕事の話も来ています。五輪まであと4ヶ月。できる限りのことをやります!

*1:1度目の改正が22ヶ月ルール(8月)、2度目が24ヶ月ルール(10月)、3度目がIW中止などによる週ずれ解消目的の2週間の延長(1月)、そして今回3月に4度目でした

*2:自分でも苦笑いしてるのですが、ついに計算ファイルの容量が2MBを超えました。数字と数式しか入れてないんですよ…?