two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

楽天ジャパンオープン・非公式ガイドブック④前半戦総括・Day5プレビュー

こんにちは。

今週は本当に書けるはずだったのに…どうしてこうなった…

更新したいと思っても時間ないって何事よ…

ちなみに1Rは中盤からしか、2Rは全く見れてません。お察しください。ちなみに今日のQFも見れないことが確定しています。

昔ですとなんとかいろいろ調整して見てたんですけどもうそれは当面できそうもないですし、更新も不定期になってしまうのかなあと思います。

ちょっとスタイル等については今後改めるかもしれません。ATPツアーも結果と総評を一般の方のコメントから追うのが精一杯です。

さて楽天OPは大会4日目まで終え、ベスト8が出揃いました。振り返っていきましょう。

・例年通りの大波乱、シード勢は4人に

せっかく世界のトップ選手を呼んでいるのに早期敗退が続くのは楽天OPの大会、サーフェスが悪いんだ、と決めつけるのはあまりにも総計でしょう。

アジアシリーズに出れるのは上位50人ほどの選手です。このレベルの選手は10位台のシード選手であれば簡単にシードダウンできてしまう力を持っています。

これは私の感覚にすぎませんが、楽天OPも北京もカットオフランキングを除いてはほとんど選手層は同じだと思います。

ただ、ここ数年BIG4が来ていないようにネームバリューでは北京の方が上だと思います。

ジョコビッチナダルベルディヒフェレール、ツォンガ、ラオニッチ…特にツォンガが北京に行ったことで今年その傾向は強まったと思います。

一方楽天OPが北京に圧倒的に勝っていると思う点は「曲者」の多さです。

本来であれば来日するはずだったモンフィス(けがのため欠場)を筆頭に、泥沼流テニスのシモン、勢いで持って行けるアンダーソン、ロペス、長らく楽天OPを引っ張ってきた技巧派ニエミネン、ステパネク、今年のノーシードにはシャルディー、コリッチ、キリオス、ペールなど「何かやってくれそう」な選手がたくさんいます。

全体的にテニス玄人にはたまらないカードが多いのではないでしょうか。単純にテニスを見に行くなら北京の方がメンバーは揃ってますが、楽天のカードは1年以上テニスを見てくると楽しいカードが多い印象です。

まあ新参の人が多い環境でその選手招致が正しいのかは微妙なところですが。結果的には選手の意思でエントリーするので運営側がどこまで関与できるかも不透明なんですが。

そんなわけで楽天は例年シードダウンが多い印象があります。

レース争いに向けて前の週から出ている選手も多く、疲れもたまっていて思わぬシードダウンも出ます。

今年の最大のサプライズはガスケがバウティスタ=アグトに初戦で負けたことではないでしょうか。

バウティスタ=アグトは好きな選手ですが、きっとガスケファンの方が日本に多いことはなんとなくわかるのですいませんでしたと思いました(笑)

ガスケというよりもバウティスタ=アグトを褒めるべきゲームだったようです。攻撃的なストロークが次々と決まっていきました。ガスケは1stが入らなくなり、2ndセットではどうすることもできなかったようです。

そしてロンドン入り、トップ10入りを狙うアンダーソンは残念ながらミュラーに敗退。大きく遠のく結果になりました。

一応触れますがディミトロフはペールに敗戦。まあこれは…ディミトロフだし…

完全にディミトロフは2013年の姿に戻ってしまいましたね。

ロペスはソウザに敗戦。ソウザはサンクトペテルブルクでも決勝に進んでおり、やや調子が上がっているのでしょうか。

シード勢は[1]ワウリンカ、[2]錦織、[3]シモン、[6]チリッチが残っています。

・ダブルス大盛況、思わぬシードダウンも

ダブルス、結構観客席に人がいるという情報を耳にして嬉しいです。

ここの広報の影響は微々たるものでしょうが、日本のアマチュアテニスはダブルスが盛んなので、その辺も影響してるのかもしれません。

今大会はガスケ/ベルダスコ(ベルダスコは8年ぶりの来日!)、ジョンソン/クエリーなどシングルスの選手も出ているので気軽に見に行くことができます。

そしてプレビューで散々書いたら本当にやってしまいました。カバル/ファラーがブライアン兄弟を破ってしまいました。

ブライアンズが不甲斐ないのかもしれませんが、カバル/ファラーはデ杯でもよかったですし、もしかしたら有明に合っているのかもしれないですね。

ブライアンズは3年連続初戦敗退。2013年はクエバス/アルマグロという急造ペアに敗戦。2014年は優勝したエルベール/プリーシズニーに敗戦だったのですが、今年もカバル/ファラーが最終的に優勝して「じゃあ仕方がなかった」という風になればいいのですが…

幸いにもブライアン兄弟自体は日本を楽しんでるみたいなのが救いです。

そして昨日は注目していた[2]エルベール/マユもクレシ/シモンに敗れました。

ダブルス優勝争いは混沌としてきました。個人的にはブライアン兄弟に納得してもらうためにも、あと個人的に応援しているのでカバル/ファラーに頑張ってほしい。ここで優勝できればロンドン行きも可能性が残ります。

・事務局に大感謝のニエミネン引退セレモニー

これを触れなければと思っていました。月曜日に今シーズンで引退する最後の楽天OPとなったニエミネンの日本でのお別れセレモニーがあり、WOWOWでも中継がありました。

楽天OP事務局には時々疑問符が付くこともありましたが、この件については大感謝しかありません。

なかなか特定の選手の、しかも別にトップ10になったわけでもないニエミネンの引退セレモニーを開くことは一見奇妙ですが、ニエミネンの楽天OPへの貢献度を考えれば開いても何らおかしくないのも事実です。

ただそうは思っていても本当に開いてくれるとは…テニスファンとしてこんなに嬉しいことはありません。

やや残念だったのは錦織戦も終わってしまい多くのお客さんが帰ってしまい、空席が目立つ時間帯でのセレモニーだったことです。

しかし熱心なファンはフィンランド国旗を持参するなど、コアなテニスファンが多く残る中でのセレモニーはむしろよかったかもしれません。

・問われる応援マナー

実はこのシリーズを始めたのは応援マナーついて一度このブログで取り上げたかったからです。

本当は別記事にすべきだったのですが、ちょっと時間もないので端的にまとめます。

①全部拍手していいわけではない

DFの時は絶対拍手をしてはいけません。

またラリーの中でミスした場合などは皆さんの基準があるので難しいのですが、少なくともチャンスボールをふかす、ネットにかけるなど明らかにUEらしいUEには大きな拍手は一切必要ないです。そこで拍手をしてしまうと選手をけなしていることにもなってしまいます。

なぜ拍手をするのか?それはいいプレーに対する観客の応答です。

応援している選手がいて当然です。しかしだからといってその相手のプレーに拍手しないというのはよくないです。

選手に気持ちよくプレーをしてもらうためには観客の力も必要です。

また逆に楽天のスーパーショット集を見るともっと盛り上がってもいいのになあと思う時があります。

いいプレーには観客は大きく応答してOKなので、難しい状況からポイントが決まったら「わあああああああっ」と歓声が上がってもいいと思います。まあ日本人の気質的に難しいんだろうなあというのはわかりますけど。

②移動はコートチェンジ中に

意外と観戦に行ったことがないと知らない文化だと思うのですが、席を立つのはコートチェンジ、セット休憩のみです。

そして第1ゲームの短いコートチェンジは確か移動はだめなので、意外と動けるチャンスは少ないです。

選手は目の前の相手とボールに集中したいので、移動という目がちらつくような行為はやめましょう。

同じ理由でフラッシュをたくのも絶対にダメです。場合によっては審判から注意される場合もあります。

③ため息の意味

伊達さんの発言でも分かる通り、選手は観客の声も聴いています。「あーっ」と息が強くなるこの声は日本人特有の歓声の種類で諸外国にはないものです。(海外だとおーうっとかあーうっとかそんな感じですよね、そして何よりリアクションが大きい)なぜかメンタルにぐっと来ちゃうんですよね…(私もテニスの試合をやってた時に同僚の応援でなったことがある…)

出来る限り出さないことをお願いしたいですが、これはやや押しつけのような気もするので、みなさんの判断にお任せします。

④お客さんが埋まっていることの大切さ

一昨日あたりに日本で2つ目のATPツアーができるかも?という話がスポーツ紙の見出しで出ました。

ATPは嘘は言わない人たちなので、一応計画はある程度あるんじゃないかと見ています。

ただ今のままでは問題点もたくさんあると思います。特に錦織戦以外のお客さんです。

果たしてこの大会に錦織がいなかったら?きっとお客さんの埋まり方は違っていたでしょう。

厳しいことを言えば今の楽天OPは楽天OPではなく「錦織圭凱旋OP」となっています。

ATPの人たちも今の楽天OPの現状は冷静に見ていることでしょう。

おそらく「テニスが盛り上がっている」と見ている人は少ないのではないでしょうか。「錦織圭」に盛り上がっているのだと思います。

錦織戦の前試合くらいから人が埋まり始め、終わるとそそくさと帰り夜セッションのダブルスの頃には人がいない。

もちろん予定がある方だっているでしょうし本当にその他のテニスが興味ない人もいると思いますが、少なくとも私は別に他の試合を見てもチケットの値段が上がるわけでもない(1日券しかない)楽天OPで、他の試合も見ていかないのはもったいないと思います。

仮にお目当てが錦織戦だったとしても、他の試合をただで見ていると思えばこんなに安い買い物はないでしょう。また他の試合を見ることで錦織戦を見た時の「テニスを見る目」も変わってきます。

多くのお客さんに見てもらえる方が選手は喜ぶでしょう。そうやってテニス文化が栄えていくことで楽天OPの大会の質の向上、そしてさらなる発展につながっていくのです。

さあ急いで今日の全試合のプレビューです。

[3]シモン×ミュラー

ミュラーはロペスを撃破し年初以来の好調な時期に入ったかもしれません。左のビッグサーバーという現在のテニス界で不足しているタイプの選手。ここでしか見れないプレーがたくさんあると思います。右利きのバック側、左に切れ込んでいく高速サーブは相手にとって脅威です。

対するシモンは楽天OP2年連続4強を狙います。

勝負のポイントはミュラーサービスゲーム、そしてシモンのリターンゲームです。

最近までトップ10にいなかったため過小評価されがちですが、シモンのリターンゲーム勝率はフェレール、マレーらに続く5位におり、明確なリターナーの選手です。

[1]ワウリンカ×クライチェク

ワウリンカ圧倒的有利ですが、ふたを開けないとわからない面白さがあります。

ワウリンカは2回戦の伊藤戦の第2セットで突如崩れ、2-6でセットを落とします。

ファイナルセットではややプレーを取り戻したのと伊藤が崩れてしまったので勝てましたが、1回戦のいい内容のワウリンカとどっちが来るかによってはクライチェクにもチャンスが出てきます。

今日もワウリンカのバックハンドには注目でしょう。

[6]チリッチ×[2]錦織圭

フェレールに続き、キャリア二人目の10度目の対戦を迎える相手となったチリッチ。

前回のワシントンではチリッチが驚異的な攻撃で第1セットを取るも、そこからは地力の差で錦織が上回り逆転勝ち。今回は約2か月ぶりの対戦、東京では初めての対戦です。

ポイントは両者のサーブです。

チリッチは1回戦でヤングに2時間40分の試合を行い疲れました。終盤は1stの確率が落ち、苦しい試合になりました。

一方2回戦ではジョンソン相手にパワー選手同士の対決にありがちなサーブ中心の淡白な試合になりチリッチが勝ちました。

チリッチとしては2回戦のイメージで行きたいところです。深センではガルシア=ロペスに敗れるなど絶好調というわけではないでしょう。

一方錦織は1回戦のコリッチ戦でサーブ絶不調。1stサーブが30%程度しか入らない時間帯が続き若手の猛攻を許してしまいました。

ファイナルセットで修正すると、2回戦のクエリー戦は錦織らしからぬ淡白でサーブ中心の試合に持ち込んで勝利。いい内容でQFに入りました。

中1日→中1日で入った錦織に対して、日曜深センでSF→月曜天気悪い中移動してきて水曜から3連戦のチリッチです。正直今回は条件がよく、確実に勝ってほしい試合ではあります。

ペール×キリオス

錦織orチリッチのSFでの相手を決める戦いですが、もしかすると今日一番の注目カードかもしれません。

ペールはご存じ錦織を全米で負かした選手。そしてキリオスは若手の有望株ですが、どちらも気性が荒いことで知られています。

褒められたものではありませんが両者ラケットに当たることもありますし感情をあらわにするシーンも多いです。

そんな両選手のメンタル面に注目しながら見ると面白いでしょうが、それだけではなくペールは意外性、キリオスは豪快なパワープレーかつ技術のあるラリーと、テニスのタイプとしても違うので熱戦が期待できます。いやほんとに。

個人的には錦織戦が終わったら帰らないで、ぜひ見ていくことをお勧めします。

というわけで試合開始に間に合った!!(間に合えばいいって問題じゃない)

週末は少し時間取れそうです。そろそろ上海のドローも出ますしね。忙しい時期になってきました。